ブログ

2022年3月の記事一覧

令和3年度ふくしアクションプログラム

 令和3年度はDET群馬代表の飯島邦敏さんを講師に招いて、2年生を対象に障害平等研修(心のバリアフリー研修)およびフィールドワーク特別授業を実施しました。

 

1.福祉講演会(9月21日)

 新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、zoomによるオンライン形式で福祉講演会を実施しました。2年生の各

教室をウェブでつなぎ、講師の方々と双方向でやり取りをするという初めての試みでした。DET群馬代表の飯島さんをはじめ複数の講師の方からお話をいただいたり、各クラスの話し合いに講師1人がファシリテーターとして参加し意見交換をおこなったりと、「障害とは何か」について深く考え理解を深めました。

 受講後のアンケートには、「『障害とは』と最初に聞かれて意外と答えられなかったので、障害について再び学ぶことができて良かった」「障害についていろいろな角度から見ると多くの課題が出てくることが分かった。また、身近に多くの壁があることがわかった」「障害というものは障害者の身体的精神的な問題だと思っていたが、その人ではなく周りの社会の在り方だと理解できた」など、様々な意見が寄せられました。

 福祉講演会の様子

2.フィールドワーク特別授業

(1)「ふくしアクションプログラム」フィールドワーク事前学習(12月8日)

 上三川町社会福祉協議会の小野田さんから、「ふくしアクションプログラム」の概要や社会福祉協議会で行われている福祉事業等について講義を受けました。また、フィールドワーク参加にあたっての必要な心構えや持つべき視点についてのアドバイスをいただきました。

(2)フィールドワーク特別授業(12月10日)

 9月の福祉講演会で学んだ内容を踏まえ、実際に目で見て、感じ、学ぶ体験学習を実施しました。新型コロナウィルス感染症の感染状況が落ち着き、外部講師を招いての校外活動が可能となったことから、上三川町内での活動が実現しました。

 今回のフィールドワークでは、DET群馬代表の飯島さんに加え、同団体から4名の講師の方々を本校にお招きしました。始めに、バリアフリー調査方法や車いす利用の注意点、視覚障害当事者のエスコート練習等について、講師陣からレクチャーを受けました。その後、実際にアイマスクで目隠しをした人とエスコートする人がペアで、あるいはグループごとに1台の車いすに交代で乗って、障害の疑似体験に挑戦しました。普段使い慣れているはずの昇降口や階段、水道、トイレといった場所の利用に、生徒たちは悪戦苦闘しているようでした。

 午後は、校内で調査したグループに分かれ、グループごとに上三川町市街地エリア内のバリアフリー調査を実施しました。グループにはそれぞれ車いすあるいは視覚障害者白杖を利用している講師が1名サポートにつき、障害の疑似体験をする生徒たちに助言しながら、街中にあるわずかな段差や排水溝の穴等の障壁(バリア)を一つ一つ説明してくれました。自分たちで許可を取った公共施設を訪れたりコンビニで買い物をしたりと、普段では出来ない貴重な体験をすることができました。

 ※午後のバリアフリー調査では、NHK宇都宮放送局およびとちぎテレビからそれぞれ取材を受けました。(令和3年12月10日放送)

 校外活動の様子 校外活動

 

3.フィールドワーク特別授業に参加して(生徒の感想)

  学校では、バリアが意外と多く、車いす一人だけでは通れないような場所が所々ありました。

 目隠しをして校内を歩いたときも、誰かにつかまったり手すりを使ったりしなければ移動がとても難しいと思いました。街中では車いすは乗れませんでしたが、お店の中で目隠しをして商品を購入しました。ファミリーマートの店員さんがとても素晴らしい対応をしてくれて本当に助かりました。普段目に見えていて当たり前のようなものが障害になっていて、改善しなければいけないような所もあるような気がしました。

 (2年1組生徒)

 


 普段使っている校舎でもアイマスクをして歩くと怖かったので、全く知らない土地も見えない状態で行く目の不自由な方たちはすごいと思った。また、車いすで階段を上がろうとなった時、そんなことは実際にはないだろうと思ったが、学校は避難所にもなっているし、文化祭や授業参観、面談等で保護者も来るという話を聞いて、その考えが変わった。

 街中の車いす体験では、一見平らな道も実は傾いていて、どんどん片方に寄ってしまうことが分かった。また、図書館のスロープを上ろうした時に、道とスロープの間の段差に車いすが引っかかった。見かけ上はバリアフリーでも、やはり実際に使っている方の意見を取り入れないといけないと思った。

 (2年2組生徒)

 


 今回の体験を通して、あまり詳しく見ていなかった、自分の身近にある学校や道路などでバリアが沢山あるということを感じました。いつも何気なく歩いている数センチの段差や落ち葉の上は、車いすではとても通りにくく、日常生活で困っていることが沢山あるのではないのかと身を以て感じました。そのバリアを少しでも無くすためには、落ち葉を掃いたり、道ばたに落ちている様々なごみを拾ったりするなど、小さなことでもいいからバリアを無くすために自ら行動しようと思ったし、そう思うことが出来て自分の生活を改めて見直す良い機会になったと思いました。今回の学習を生かして、自分の中の視野を広げて生活していこうと思いました。

 (2年3組生徒)

 


  私は今まで車椅子利用者や視覚障害を持っている人とふれあう機会がなかった。自分で体験し、お話しを聞くことで人から説明されるだけとは違い、より身近に感じることができた。

 私は、車椅子の方と一緒に街を歩いたが、歩くだけで危険がたくさんあった。普段はまったく気にしないことも、車椅子だとつまずいてしまったり、不安定になったりするので驚いた。また、私は視覚障害を持つ方の介助をする機会があった。自分で体験した時も思ったが、目の前の物や状況を言葉で正確に説明することはとても難しく、大変だった。和式のトイレは特に危険があり、日常生活を送るだけでとても大変だと感じた。だが、いつ私に起こるか分からないことでもあるので、身近なことと考え、そういった人がいたら助けたいと思った。今回の経験を今後に生かしたい。

 (2年4組生徒)

視覚障害体験 校内車いす体験