校内散歩

2011年2月の記事一覧

校内散歩39「冬のプール」

校内散歩39「冬のプール」 都市伝説だろうか? 生徒から「先生、学校のプールに金魚が泳いでます」と言われた。冬の半ば凍りかけたプールに、赤い身を翻してひらりひらりと金魚が泳いでいる……ちょっとミステリーではないか。
 こわごわ見に行くと、いたいた。プールの日当たりの良い側に魚が泳いでいる。金魚、いや、もう少し大きい。驚いて体育科の先生に尋ねると「冬でもプールの壁にノロがはるので、薬品を入れたくないから魚に食わせているんですよ。あれは金魚と鯉です。一冬で結構、でかくなりますよ」
 本校の水泳部も、優秀な選手を輩出し、このHPでも既報の通り県大会総合優勝を果たし、国体・インターハイ・国際大会出場などの成果を挙げ、県体育協会スポーツ顕彰その他表彰も多数受けている。つまり、このプールは夏は生徒が「でかく」なり、冬は金魚や鯉が「でかく」なるプールなのかも知れない。
 3月が近づき、少しずつ水が温んできた。プール掃除まであと三か月ほど、魚たちには頑張ってもらおう。なお、掃除の時には、金魚や鯉は丁寧に掬われてS先生宅の池に移されるとのことなので、ご心配なく。

校内散歩37 「机上」

校内散歩37「机上」 (自省をこめて書くのだが、)職員室の机上はきれいに整理整頓しておく、べきなのだ。一日の終わりには全ての仕事が片付き、すっきりと机上に何もない状態となっていることが望ましい。しかし実際には、これが難しい……。言い訳になるが、次々と書類が回ってくるし、教材研究の素材、採点したテスト、添削したノート、翌日配布するプリントなどが山積みになってしまう。それで、時々職員室で書類や書籍の「雪崩」が起きる学校もあるようだ。
 しかし、取り繕うわけではないが、真女高の職員室は比較的きちんとしている方だろう。
 本校で楽しいのはALTの先生の机だ。ハロウィン、クリスマスなど季節の行事に合わせて愉快な小物が置かれていたり、先生や生徒にあてたメッセージカードが置かれていたりする。先生はスヌーピーがお好きなので、人形や、イラストなど何匹ものスヌーピーが遊んでいる。真女高以外の学校での授業のため不在の日でも、机上から先生のにこにこ笑顔が感じられる。質問に来るついでに、スヌーピーが何匹いるか、数えてみるのも楽しいかも知れない。

校内散歩36 「灯油タンク」

校内散歩36「灯油タンク」 暖房に灯油を使用している学校では、冬場になると手押し車に18リットル入りの赤いポリタンクを乗せて運ぶ姿がよく見られる。しかし、真岡女子高校では生徒達が運ぶ時には、小型の白い10リットル入りポリタンクが使用されている。従って給油もこまめにする必要があるので、週に2回の給油日が設定されている。小型タンクの採用は「やっぱ、女の子だかんなあ。重いのはかわいそうだんべ(某先生)」というのが理由である。(パワフルな真女高の生徒なら、赤いポリタンクでも平気で運んでしまいそうな気もしないでもないが…。)
 今年は様々な海外情勢の関係もあり、灯油代が高くなっているようである。しかし今のところ、ストーブ使用制限などはなく、この厳しい寒さを乗り切れているのは有り難いことである。
 また、生徒諸姉には、公仕さんがこまめに給油してくれていることも知って於いて欲しい。特にセンター試験以降、図書館や学習室(自習室)などは、すぐにタンクが空になってしまうので、しばしば見回ってくれているのである。温かい学習室で存分に勉強し、感謝の思いの分も入試突破に向けて欲しい。 この可愛らしいタンクをしまう、笑顔溢れる春が来るまで、あと少し。

校内散歩35 「冬の欅」

校内散歩35「冬の欅」 凛々しい。神々しい。いや、まだ言葉が足りない。
 西行は伊勢神宮に参拝して「なにごとのおはしますかは知らねどもかたじけなさに涙こぼるる」と詠んだそうであるが、本校の冬の欅は、この歌の一節がつい口をつくほどに神々しく、自然の驚異への畏敬の念を強くせずにはいられない。
 見よ、蒼穹を背に、精一杯のびる枝えだの強さを。
 葉のない季節だけに、何の飾りも身につけず、きっぱりと強いその線は、欅の真髄を感じさせる。あんな生き方もあるのだと思う。
 また、部活動の行き帰りに、時に足をとめて「ふうっ」と息をついて欅を見上げている生徒がいる。見慣れてはいても見上げずにいられない、その気持ちを「畏怖」と呼ぶのだろう。
 畏怖の先にこそ、本当の自然環境保護もあるのだと思う。黙って立つ欅が様々なことを教えてくれる冬である。