校内散歩

2011年1月の記事一覧

校内散歩33「進路学習室」

校内散歩33「進路学習室」 管理棟一階の進路室に近いところに学習室がある。ここは生徒達の自習用の部屋である。普通教室よりはかなり広く、隣の席が気にならないような目隠しのついた机が、十分な間隔を置いて配置されており、平日は18時20分まで、学校休業日は8時から16時まで開放されている。冬季休業中も勿論毎日開放されており、図書館や教室で学習していた生徒と合計すると、この大晦日には約100名、元旦には約70名と、多くの者が勉強のために登校した。もちろん、ほとんどがセンター試験を目前にした三年生であるが、一、二年生も混じっているのも頼もしく感じられる。
 そっと学習室の戸を開けると、独特の空気を感じる。それは主体的に勉強する者達だけが醸し出すことのできる空気だ。それぞれに自分の夢を確実に持ち、それに向かうための課題を認識し、これを克服せんとする意欲に満ちた者達の顔は、既に自立心に満ちた女性の顔だ。美しい、と思う。
 頑張れよ、頑張れよ、と声にならない声をかけ、冬季課外をし、大晦日も元旦も出勤してくれた先生方の思いも受け止めて、生徒諸君よ、2011年も努力の花を咲かせよう。

校内散歩34「第一体育館」

校内散歩34「第一体育館」 寒稽古の季節である。剣道部顧問は六段の段位を持つ達人であるが、その達人でさえ、真冬の早朝に体育館に素足で降り立つと、冷たいというより「痛い」という。まして剣道部の生徒達はさぞや冷たかろうと思うのだが、鍛えられた部員達は全く顔には出さない。胴の紐を背中に回してきりりと締めて竹刀を構える。顧問の気合い一閃、稽古が始まると床面を弾むように蹴り、前後に擦り、顔が紅潮してくる。打ち込みをする頃には寒さ、冷たさも忘れているようだ。
 剣道には「一眼 二足 三胆 四力」という言葉があるそうだ。遠い山を見据えるような眼、動じない胆力とともに強い足があってはじめて力が発揮できる。この言葉は、剣道ばかりではなく人の道の教えでもあろう。
 第一体育館を主な練習の場としている部活動には、剣道のほか、バドミントン、バスケットボールがある。それぞれ寒稽古と呼びたいような寒さの中での練習だが、動じずに「文武両道」の道を今日も走っている。さすがに真女高の生徒はやわではない。
 今の子にして風の子よ寒稽古 (稲畑汀子『ホトトギス』)