平成28年度 SPH活動報告

SPH活動報告

本県建設系教員を対象としたSPHで取組んでいる情報化施工に関する説明会

  平成28年12月28日、本県の建設系教員を対象として、現在本校で研究を進めているSPHの一分野の情報化施工に関する説明会を、本校会議室及び環境土木科施工実習場で開催しました。
 この説明会は、生徒を対象に情報化施工の研修会・見学会を実施した際に、本県の建設系の教員から、その内容を教えていただきたいという要望が多数寄せられたことから、開催が決まりました。
 当日は、厳しい寒さの中、県内4校から14名の教員の皆さんが参加しました。始めに、会議室で情報化施工の取り組み状況の報告及び説明を行い、その後、実習棟で機器の操作方法の説明、さらに場所を外に移し、施工実習場で重機に機器を取り付けて実演を行いました。
 参加した若い先生方は、回転レーザーなど機器の据え付け方法や藤巻教諭による操作方法に大変興味を持った様子でした。また、参加された県内工業高校の校長先生も、情報化施工の技術の進化に驚いていました。先生方は師走の忙しい中、寒さも忘れ、熱心に研修に臨んでいました。

   
  

公開授業を実施

 12月13日(火)、建築デザイン科2年生を対象に、本校の建築デザイン科の五十嵐忠彦教諭の公開授業を実施しました。授業内容は、アクティブ・ラーニングを活用し、グループ毎に特定の生徒が隠された立体モデルを観察し、それをグループの他のメンバー5人に大きさや形を伝え、図面化していくというものでした。立体モデルを観察する生徒には、大きさや形を正確に把握し、それを的確に伝える力が必要となります。また、グループの他のメンバーには、言葉で聞いたことを頭の中でイメージし、図面として表現する力が必要となります。これらの力は、現場の作業においては、とても重要な資質・能力となります。グループによって素早く図面化できるグループと、そうでないグループがありましたが、生徒たちはそれぞれ工夫しながらとても熱心に作業に取り組んでいました。生徒たちの生き生きと協力しあって作業している姿が、とても印象的でした。

 

土木作業における情報化施工を体験

  平成28年12月12日(月)、環境土木科2年生40名を対象に、千葉市美浜区の「コマツ・スマート・コンストラクション美浜IoTセンター」において、情報化施工研修を行いました。情報化施工とは、土木施工現場において、重機と測量技術と高度なIoT技術により融合させ、総合的に管理・施工を行うものです。従来の熟練した重機オペレータの技能に頼る部分が大きかった土木作業は、情報化施工を取り入れることによって、経験の浅い若年オペレータでも、安全かつ正確に作業が出来るようになります。さらに、ドローンを活用した写真測量と合わせることにより、広範囲の多くの情報が得られるようになり、迅速な施工が可能となります。
  本研修では、コンピュータにより制御されている実際の重機の操作と、情報化施工技術により、安全で正確な重機操作が簡単に行えることを体験させて頂きました。また、情報化施工技術が発展することで、施工現場での女性の活躍が期待されると同時に、実際にそのような女性が増えつつあるようでした。

≪生徒の感想≫
以前、学校で講話をして頂いたスマート・コンストラクションについて、実際に見学し、体験をさせいただけるということで、私は今回の研修がとても楽しみでした。最初に、スマート・コンストラクション・ソリューション・サービスについて詳しく説明をして頂きました。従来の施工現場での測量は、トータル・ステーションなどを使用して地形を計測するため限界があったり、施工の段階では、オペレータの技術力によって仕上がりに差が出てしまったりと、問題点が少なくありませんでした。コマツ・スマート・コンストラクションでは、その点を改善するために、ドローンを使用した測量や、自動で地盤を掘削できる重機を使用するなどの技術がすでに取り入れられていて、本当にすごいなと思いました。
そのような重機は、経験が浅いオペレータでも簡単に操作することができるため、これから女性が土木の現場で活躍することに繋がっていけるのかな、と感じました。

  

留学生による英語での専門の授業を実施

  11月14日(月)、電子機械科2年生・電子情報科2年生を対象に、足利工業大学の留学生を講師に迎え、英語で専門の授業を行いました。同大学大学院情報・生産工学専攻のエランダ・クラワンシャさん(スリランカ出身)、同大学電気電子工学コース4年生のチュア・チー・シュンさん(マレーシア出身)を講師にお招きしました。留学生の研究テーマである「超電導」について、プロジェクターで画像を写しだし、ほぼ全て英語で授業を実施していただきました。高度で専門的な難しい内容だったにもかかわらず、生徒達は、聞き取れた単語と画像から講話を理解しようと真剣に話に耳を傾けていました。終了後の生徒アンケートでは、「新たな知識を習得することができた」、「これからの技術者は英語が必要である」、「英語を学ぶ意欲が高まった」という感想が多くありました。

  

海外進出企業の講演会

 11月2日(水)、3年生を対象に、海外進出企業講演会を開催しました。講師に、アルプス電気株式会社人事部幾田大輝様と、技術本部佐藤宏樹様をお招きしました。幾田様からは、会社紹介をはじめ、電子部品・エレクトロニクス業界全般に関する動向や、ダイバーシティーの推進などについてご講話をいただきました。生徒は、「新入社員の約10%が外国籍社員である」、「多様な人材が、さまざまな職場で活躍している」などの話を伺い、国際化が進んでいる企業の実態を実感することができました。佐藤様からは、現在の仕事の内容をはじめ、今高校生が何をすべきか、会社人になるにあたっての心構えなどについてご講話をいただきました。特に工業高校出身である佐藤様の講話に対して、生徒は親近感を持ち、より身近で現実的な話として受け止めていたようでした。
 来年4月から、就職や進学などで実社会へ飛び立つ生徒達は、今回の講演会を通して、多くのことを感じ、学び取ることができ、とても有意義で充実した講演会となりました。