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進路室コラム28
この問題はおもしろい
先日、宮城教育大学の先生が
学校案内等の資料を持って訪ねて来られました。
その資料の中に今年の入試問題が含まれていて、
おもしろい問題が載っていたので紹介します。
(ここから問題)
「資料1は、過去約30年間の世界の企業の時価総額ランキングの変化を示しています
(時価総額とは、「株価×発行済株式数」で求められ、時価総額が大きいほど、会社の価値が高いと評価されます)。
あなたが教員になると、今からおよそ30年後の2050年代に社会人となる児童・生徒を指導することになります。
この児童・生徒に、どのような力を身につけさせることが大切だと考えますか。
またその力を養うために、学校でどのような取り組みを行いますか。
資料1を参考に、希望する校種をふまえ、あなたの考えを具体的に述べなさい。
合計600字以内でまとめること。」
資料1 1989年と2021年における世界の企業の時価総額ランキング
1989年 2021年
順位 | 企業名 | 国 | 順位 | 企業名 | 国 |
1 | 日本電信電話(NTT) | 日本 | 1 | アップル | アメリカ |
2 | 日本興業銀行 | 日本 | 2 | マイクロソフト | アメリカ |
3 | 住友銀行 | 日本 | 3 | サウジアラムコ | サウジアラビア |
4 | 富士銀行 | 日本 | 4 | アルファベット(Google) | アメリカ |
5 | 第一勧業銀行 | 日本 | 5 | アマゾン | アメリカ |
6 | IBM | アメリカ | 6 | テスラ | アメリカ |
7 | 三菱銀行 | 日本 | 7 | メタ(Facebook) | アメリカ |
8 | エクソン | アメリカ | 8 | バークシャー・ハサウェイ | アメリカ |
9 | 東京電力 | 日本 | 9 | エヌビディア | アメリカ |
10 | ロイヤル・ダッチ・シェル | イギリス | 10 | テンセント | 中国 |
11 | トヨタ自動車 | 日本 | 11 | 台湾積体電路製造(TSMC) | 台湾 |
12 | GE | アメリカ | 12 | JPモルガン・チェーズ | アメリカ |
13 | 三和銀行 | 日本 | 13 | アリババ | 中国 |
14 | 野村證券 | 日本 | 14 | ビザ | アメリカ |
15 | 新日本製鉄 | 日本 | 15 | ユナイテッドヘルス | アメリカ |
16 | AT&T | アメリカ | 16 | ジョンソン&ジョンソン | アメリカ |
17 | 日立製作所 | 日本 | 17 | ウォルマート | アメリカ |
18 | 松下電器 | 日本 | 18 | サムスン電子 | 韓国 |
19 | フィリップ・モリス | アメリカ | 19 | バンク・オブ・アメリカ | アメリカ |
20 | 東芝 | 日本 | 20 | LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン | フランス |
出典 日野田直彦著『東大よりも世界に近い学校』TAC出版、2023年、21ページより抜粋
(問題はここまで)
1989年のランキングをみると、
バブル経済華やかなりし頃で懐かしさを覚えます。
合併で消えた企業の名前も見えます。
今の生徒たちには、
完全に過去の歴史なんですよね。
あ~_| ̄|○
ノスタルジーにおもしろさを感じたわけではありません。
おもしろさを感じたのは質問の内容です。
これって、
まさにコンピテンシーが問われているのではないでしょうか。
今年のパンフレットを見ていると、
例えば
お茶の水女子大学(東京)や叡啓大学(広島)の大学案内の中に、
大学で育成するコンピテンシーが明記されています。