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2020年5月の記事一覧
君の名は(新川哲人先生)
新川先生が新川青年(大学生)だった頃のお話。お金も気力も無く、食事は簡単にできる安い物を食べていました。今日もパスタにしよう…鍋にお湯を張り、パスタを投入。待つこと9分。お湯ごとザルにザバーっとあけ、思う・・・「ザルって便利だなぁ」と。
ん??いや、待て待て待て待て待て!!本当に便利なのはザルか!?違う…『ザル』ってスゲーと思っていたけど、本当にスゲーのは『水』じゃね??水だったのにお湯になり、カチカチだったパスタをアルデンテに仕上げ、ザルに触れたとたんにザバーっと網の目を通ってパスタだけを残し去って行く水、、、スゲー!!!
私と違って、ザルは水の凄さを分かっていたように思う。ザルの編み目とゆで汁が交差するその瞬間(黄昏時)、ザルとお湯はこう聞き合ったに違いない・・・「君の名は?」
これからの社会を生き抜く生徒たちに身につけてほしい力。それは『物事を客観視する力』と『物事の本質を見極める力』です。コロナ禍の今、政治、経済、社会、学校、自分などを客観視し、今何をすべきなのかを良く考えてください。これからの学校生活、上三川高校を構成する一員として、自分を見つめ直してみて下さい。
パスタの本場、イタリアにはこんな※諺(ことわざ)があるそうです。
『太陽とオリーブ、あと少しの赤ワインがあれば、人生はいつもアルデンテ』
どういう意味だと思いますか。答えは人それぞれ。その考え方も正解です!
※本当はそんな諺はありません。
進路室より(今井小波子先生)
先日、出張先に1時間も早く着いてしまいました。近くに立派な神社があったので鳥居をくぐると…
狛犬もマスクをしていました。
一日も早く日常生活が戻ってきますように…
そして受験がうまくいきますように。
お賽銭20円では虫が良すぎる、ちょっと欲望が勝ったお願いをして帰ってきました。
進路室の黒板には、昨年の3年生と勉強した数列の問題が残ったまま。つまりまだ現3年生とは一緒に勉強ができていません。でもここからです。まもなく再開される授業から、一歩一歩頑張っていきましょう!
シシャモ(新川哲人先生)
G.Wにステイホームでアルクホールをドリンクしていた時のことです。ツマミに「シシャモ」を食べました。
「シシャモは旨いなぁ…」と一人つぶやいて、はっ!!としました…。
スーパーで売っている「シシャモ」は正確には『カラフトシシャモ』。『シシャモ』とは別種です。
今日も何気なく大海原を悠々と泳いでいた『カラフトシシャモ』の日常。その平穏な日常は、漁師という悪魔が放つ漁師網という糸の集合体によって一瞬にして奪われたのです。我が子を大量にお腹に抱えながら、網にかかり、干されて、焼かれて食べられて…。挙句の果てに老若男女が言う言葉は「シシャモおいしい」…誰も「カラフトシシャモおいしい」とは言わない。。。
『カラフトシシャモ』として生まれたのに、『カラフトシシャモ』として死んでいくことすらできない……。。。
皆は、自分自身として生きていますか。”自分を生きる”ということは、どういうことか。学校がどうのこうの…コロナがどうのこうの…そんなことは関係ない。
”周りに流されることなく、自分の目標に向かって、自分に必要なことをきちんとこなすこと”です。
皿の上の七味マヨネーズの横、『カラフトシシャモ』のパックリ開いた口から、こんな歌詞が聞こえてきました。
【♪良いことばかりじゃないからさ 今すぐ泣きたい時もある
そんな時にいつも 誰よりも早く 立ち上がるヒーローに会いたくて
痛いけど走った 苦しいけど走った 報われるかなんて 分からないけど♪】
ヒーローは向こうからはやってこない。痛くても苦しくても、走れ!!
毎日コツコツ♪(田中明子先生)
上三川高校のみなさん元気にしていますか?
初めまして4月から上三川高校へ来ました音楽科の田中明子です。
皆さんと会えない静かな学校はとても寂しいです。
学校が始まって一緒に音楽の授業が出来る日を楽しみに待っています。
自宅での時間も長くなり、今まで当たり前に過ごしていた学校生活や部活動・・・
「学校でみんなと過ごす時間の楽しさ、大切さ」に改めて気づけたのではないでしょうか?
きっと学校が再会した時には今までとは違った豊かな気持ちで学校生活を送ることができると思いますよ♪
連休中は私もずーっと自宅で過ごしていました。
3月まで勤務していた宇都宮青葉高等学園の生徒達が種から育てた
パンジーとビオラの花の苗をたくさん庭に植えました。
今までは忙しいのを理由に植えっぱなしで
終わっていたのですが・・・
今年は違います!!!
朝夕たっぷり水やり。←当たり前!??
毎日花や葉の手入れ。←花の下に潜んでいるナメクジ・ダンゴムシと格闘!!
↓
その結果、綺麗に咲き続けています。
“毎日コツコツ”手をかけるとずっと綺麗に咲いて、
綺麗に咲いている花を見ると微笑ましい気持ちになります。
“毎日コツコツ”・・・簡単なようで難しい。
勉強や運動、毎日頑張ろうと思って始めても、習慣として馴染むまでには時間がかかります。でも、“毎日コツコツ”地道に積み重ねた成果は、
いつのまにか自分に綺麗な花を咲かせ、大きな変化をもたらしてくれるでしょう。
みなさんも何か“毎日コツコツ”続けてみましょう♪
私も引き続き“毎日コツコツ”頑張ります!
突然ですが、室町時代のなぞなぞです。(島田桂先生)
『母には二たびあいたれども 父には一度もあわず』 ← さて、これはなーんだ?
答えは「くちびる」。なぜなら、室町時代の人々は「母」を「ファファ」もしくは「パパ」と言っていたから。
え、どういうこと?と思うでしょう。現代では「はは」の発音も、「ちち」の発音も、くちびるは1度も合わないですよね。これは国語学上貴重な資料といわれ、この時代の「は」行音の子音が「h」でなかったことの証拠の一つとされています。「は」行音の子音は奈良時代以前はpだった。それが奈良時代にはφになっていた(日本人の発音する「ファ」の子音はφであって、fではない)。さらには江戸時代初期にhに転化した。つまり、「母」を「パパ」→「ファファ」と発音していたということなのです。母なのにパパ、なんて笑っちゃいますよね。
これは私が1年間休職して大学院にいた時に、「音韻論」の授業で学んだことです。目を開かれるような学びが多くあった中の一つで、学問の神髄を教わった気がした瞬間でした。つまり、学問や研究を極めようとする時は一度自分の狭い固定概念から離れ、資料や研究対象に真摯に向き合う、ということですね。そこから新たな発見も生まれるのです。そうは言っても「ただ授業を受ける」だけの高校生には無理、と思うかもしれませんが、このコロナ禍で「学校とは、学びとは何か」と、誰もが一度は考えたのではないでしょうか。定期テストの範囲を丸暗記する勉強方法(長期記憶になるならこれもよし、ですが)だけではなく、「あぁ、そうなんだ」と新鮮な驚きを感じるような学び体験を皆さんにしてほしいと願っています。「カチリ」とピースがはまるような瞬間を味わうと「勉強って楽しい」と思えます。「素直な心」と「探究心」を持って学びましょう。学校の勉強に限らず、何かを学んだ時の新鮮な驚きは人生の喜びになると思うのです。
英語科・島田 桂
岩波文庫『中世なぞなぞ集』所集
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