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6/6(木)炎色反応実験

こんにちは!黒磯高校 科学部です。

いきなりですが夏の風物詩と言われたら何を思い浮かべるでしょうか。
真夏の夜空を彩る花火は、その明るく鮮やかな色から夏の暑さを忘れさせ、人々を魅了する夏の風物詩の代表格です。
カラフルな花火が広まったのは実は明治時代以降で1733年の隅田川の花火が打ち上げ花火の起源とされています。
ただし、江戸時代には今のようなカラフルな花火は存在しませんでした。
実は花火の色は、高校の化学基礎で学ぶ「炎色反応」を応用したものです。
それでは花火を化学の視点から探究してみましょう。

今回の実験では、以下の[A]の元素を含む化学物質に加え、[B]身近にあるものを使ってそれぞれの炎の色を観察しました。

[A] 元素
リチウム(Li): 赤色
ナトリウム(Na): 黄色
カリウム(K): 赤紫色
銅(Cu): 青緑色
バリウム(Ba): 黄緑色
カルシウム(Ca): 橙赤色
ストロンチウム(Sr): 紅色(深赤)

[B] 身近にあるもの
折り紙
重曹
サランラップ(PVC)

花火の火薬には、上記[A]の「炎色反応」を起こす金属が含まれています。
この金属が上空で火薬により燃え「炎色反応」を起こし、金属の種類によって、赤や青などの異なる色を出します。
今回の実験では、身近である花火に利用されていることから、産業だけでなく日常生活においても化学が関係しているということを再認識できました。

  

  

  


[B]身近にあるものの中で特に面白い結果となったのは、青色と緑色の折り紙で、緑色の炎色反応を確認することができました。
そこで青色や緑色の折り紙には銅の成分が含まれているのではないかと考え、成分を調べてみたところ、顔料としてフタシロアニンブルー(銅フタシロアニン)という物質が含まれていることが分かりました。
このようにそれぞれの元素で特有の炎色反応が起きるため、元素を特定する際に利用できます。


科学部では今後もこのような魅力的な実験を続けていく予定です。

※実験には教員が立ち会い、安全確保を行って実施しています。


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参考文献
キヤノンサイエンスラボ・キッズ 花火の色のひみつ
https://global.canon/ja/technology/kids/mystery/m_04_11.html

化学基礎 - 岩手県立総合教育センター
https://www1.iwate-ed.jp/09kyuu/tantou/kagaku/kagakukiso/kagakukiso%202/sapoto06.pdf

名古屋市科学館 炎色反応
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/cgi-bin/visit/exhibition_guide/exhibit.cgi?id=S519&key=%E3%81%88&keyword=%E7%82%8E%E8%89%B2%E5%8F%8D%E5%BF%9C