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【校長ブログ】文武両道の真髄―学びを支えるもう一つの力

本気で文武両道を実践している小西生の皆さんに、ぜひ紹介したい一冊の書があります。スウェーデンの研究者、アンデシュ・ハンセン氏による『運動脳』という書籍です。人口一千万人の国で六十万部を超える販売実績を誇るこの書は、運動と脳の関係について、科学的な根拠に基づきながら、私たちの学びに深い示唆を与えてくれます。

本書の第一の要点は、運動が集中力を高めるということ。運動によって分泌されるドーパミンは、周囲の雑音を静め、目の前の課題に意識を向ける力を高めてくれるそうです。特に、週に三回、三十分程度のウォーキングが効果的であり、朝の運動はその効果が長く持続するとされています。

第二の要点は、ストレスの緩和です。運動によってストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられ、脳の海馬が過度なストレスにさらされることを防ぐ効果があるといいます。習慣化することで、ストレスに対する耐性も高まるとのことです。

ただし、運動の効果は即座に現れるものではなく、脳が再構築されるまでには数か月を要すると言われています。受験を控えた三年生の皆さんは、無理に新たな運動習慣を始めるよりも、軽いウォーキング程度にとどめ、これまでの学習ペースを大切にしてください。

そして何よりも忘れてはならないのは、運動だけでは学力は向上しないということ。運動は学習の質を高める助けにはなりますが、学びの成果は、日々の積み重ねによってこそ得られるものです。努力の先にこそ、学びの楽しさが待っています。

皆さんの健やかな成長と、学びの充実を心より願っています。