栃高博物館

2013年4月の記事一覧

栃高博物館 53 タイラギ

              栃高博物館 53 タイラギ(平貝)

    分類 二枚貝綱 イガイ目 ハボウキガイ科
    学名 Atrina pectinata
    英名 Pen shell
    大きさ 殻長30cm以上
    分布 西太平洋からベンガル湾 日本では房総半島以南
    
      おいしい貝柱は「閉殻筋」が生物学的な名称です。全国的に個体数が減っているので今では
     高級食材になっています。「平貝」タイラガイが転じてタイラギとなったので、たまに目にする
     「タイラギ貝」という名称は「昔の武士のさむらい」と同じ状況だそうです。(タイラガイの貝)
     「タイラギ」の名前の由来については、あの有名な博物学者の南方熊楠が記述しています。
   

栃高博物館 52 シャコガイ

                 栃高博物館 52 シャコガイ

       分類 軟体動物門 二枚貝綱 ザルガイ科 シャコガイ亜科
       学名 Tridacnidae
       英名 giant clam
       大きさ 最も大型のオオシャコガイは殻長2m
       分布 サンゴ礁の海域
  
       この波を打つような貝の形はシャコガイだけの特徴です。また、貝を半分開いて、外套膜
      という体の一部を広げて、膜の内部にすむ植物プランクトンに光合成をさせている点も珍しい
      です。シャコガイに足を挟まれて、そのまま潮が満ちてきて、溺死するという話がありますが
      のんびりと光合成をしているシャコガイは、足が入ってきても強く挟みつけることは無いそう
      です。だからこの話は嘘ですね。
       殻長が2mある大型のオオシャコガイならば、ヴィーナスも誕生できるかな。人魚姫のベット
      にもなるかな。
    

栃高博物館 51 スイジガイ

               栃高博物館 51 スイジガイ(水字貝)

      分類 軟体動物 盤足目 スイショウガイ科
      学名 Lambis chiragra
      英名 Chiragura Spider Conch
      大きさ 殻長24cm 幅16cmに達する
      分布 太平洋とインド洋の熱帯域、日本では紀伊半島以南
  
     巻き貝の仲間で、6本の尖った角状の突起ができます。この形が漢字の「水」の字に似ている
    のでこの名前になりました。この写真の右側の長い3つの突起が上になるように見てください。
    「水」の字が見えますか? 食用にもなり、殻は固くて丈夫なため、装飾品や貝細工の材料と
    して利用されているそうです。この標本は22cmですから、大きい方ですね。貝の内部は、薄い
    ピンク色で、ツルツルぴかぴか。とても美しいです。 
  

栃高博物館 50 フジツボとカメノテ

                  栃高博物館 50 フジツボとカメノテ

     分類 節足動物門 甲殻亜門 蔓脚下綱(フジツボ亜綱)       
     学名 フジツボBalanomorpha、カメノテPollicipes 
     英名 両方ともbarnacle
     大きさ 数cm
     分布 沿岸から深海まで(深海の熱水噴出口付近にもいます)
 
   「富士壺」、「亀の手」と書けばわかりますよね。見たままの名前です。船底や岩に頑丈に付着する
 生物で、barnacleには、物事にかじりついて離れない人という意味もあります。進化論のチャールズ・
 ダーウインがフジツボの研究をしたことは世界的には有名ですが、日本ではテレビのクイズ番組に出題
 されていました。エビやカニの仲間とは思えないような形状ですが、食べると同じ味がします。