栃高博物館

2013年1月の記事一覧

栃高博物館 26 水牛の角

                 栃高博物館 26 水牛の角

      分類 ウシ目ウシ科アジアスイギュウ属
      学名 Bubalus arnee 
      英名 Water buffalo
      大きさ 大きい個体は体長3m体重1トン。角の長さ最長2m(標本約50cm)        
      分布 インド、東南アジア

    断面が三角形をしているのが大きな特徴。中は空洞です。中まで詰まった先端部が印鑑作りに
   使われます。その名のとおり、よく水浴びをし、暑さ対策や、虫除けに泥浴びもします。ウシよりも
   沼地での行動に適応しているので、水田には水牛です。タイでは水牛に田んぼの脇の草を食べ
   させて、除草の手間や農薬を省いているそうです。

    

栃高博物館 25 シカの脚の骨格

           栃高博物館 25 シカ(ニホンジカ)の脚の骨格

        分類 偶蹄目反芻亜目
        学名 Cerbas nippon
        英名 sika deer
        大きさ この標本は90cm 
        分布 アムールからベトナムに及ぶ東アジア沿岸部、日本

 学名にnipponとありますが、日本の固有種ではありません。この標本は前脚です。
骨は上から、広がりのある肩甲骨、次は上腕骨、あいだの関節は肩になります。次に右上方に
出っ張って下に向かう2本の骨が前腕骨。つまり出っ張りの部分にある関節は、ひじにあたり
ます。そして、骨の右にある30cmのものさしの上端の横が、手首にあたる関節になります。
一番下から10cmの位置の、45度下方に曲がる関節は、指の根元の関節になります。
   整理すると、写真中央ひじ関節に大きな出っ張りがあり、手首から指先まで約30cmあるのが
前脚の骨格の構造です。人と同じ哺乳類で同じ構造ですが、形と部分の長さがかなり違います。
そして、大きく違うのは、この前脚で走ることです。

      

栃高博物館 24 クジラヒゲ

                           栃高博物館 24 クジラヒゲ

               分類 クジラ類ヒゲクジラ亜目
       学名 Misticeti
       英名 baleen whale
       大きさ 標本は70cm
       分布 世界中の海
 
 世界最大のヒゲクジラはシロナガスクジラの30mです。クジラにはヒゲクジラとハ(歯)クジラ
がいます。ヒゲクジラの仲間は、この写真のようなクジラヒゲを、普通は歯のある所に、200~
400枚ぐらい並べて、オキアミなどの小さな生物を海水から濾し取って、餌だけ飲み込みます。
クジラヒゲは、上あごにしか生えていません。ハクジラ(歯鯨)の歯は、私たちと同じように、
両あごに生えています。ピノキオはヒゲクジラに飲まれたのでしょうか。私たちや歯鯨その他
多くの歯をもつ生き物は、よく噛んでから飲み込むので。
        
     

栃高博物館 23 ヨウジウオ

          栃高博物館 23 ヨウジウオ(楊枝魚)

     分類 トゲウオ目ヨウジウオ科ヨウジウオ属
     学名 Syngnathus schlegeli
     英名 Seaweed pipefish
     大きさ 最大30cm(標本は大きいほうが18cm)
     分布 日本各地のアマモ場
   
    2匹います。写真中央の標本は目がはっきり見え、目の上方に長い口があり
   ます。口はストロー状でおちょぼ口です。小さな動物性のプランクトンを吸い込
   むように食べます。タツノオトシゴに近い形状です。楊枝のように細いので、
   その名がつきました。わかりやすいですね。タツノオトシゴはヨウジウオ科
   タツノオトシゴ属で同じ仲間です。ヨウジウオを太らせて、頭を曲げ、尻尾を巻
   けば、ハイ、タツノオトシゴの出来上がり。

   

栃高博物館 22 サナダムシ(裂頭条虫)

        栃高博物館  22 サナダムシ(裂頭条虫)

    分類 扁形動物門条虫綱
    学名 Eucestoda
    英名 Tapeworm
    大きさ 10m以上になる。
         標本は20cm×10(折りたたみ)=200cm。 2mです。
    分布 脊椎動物の消化管

     「サナダ」は真田紐からきています。真田紐は帯留めなどに使う平たい紐です。
   この標本には「人体腸管寄生 裂頭条虫」と書いてあります。見ずらいですが、
   中央に細い部分が見え、横糸で折り返して、下に向かっています。その先がサナ
   ダムシの最も重要な頭部ですが途中で切れてしまったようです。サナダムシは
   この頭部の形で分類されています。頭部に吸盤や鉤があり、それで腸壁に付着し、
   寄生生活をします。  

   

栃高博物館 21 オオサンショウウオ

                           栃高博物館         21 オオサンショウウオ(大山椒魚、ハンザキ)

         分類 両生綱有尾目オオサンショウウオ科オオサンショウウオ属
    学名 Andrias japonicus
    英名 Japanese giant salamander
    大きさ 50~70cm(標本は30cm)
    分布 日本の固有種(愛知、岐阜以西)栃木県にはいない

     姿は手足の生えた魚。山椒のにおいがするのでこの名前がついたらしい。
    体を半分にしても生きているので「ハンザキ」-というのは本当なのかな。日本
    の固有種で天然記念物です。しかし、京都の加茂川に人為的にチュウゴクサン
    ショウウオが持ち込まれ、野生化し、日本のオオサンショウウオと交雑して問題
    になっています。