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令和4年度校内生活体験発表会
発表者がマイクのスイッチを入れる。マスク越しにも緊張感がひしひしと伝わってくる。会場は一瞬の静寂に包まれる。教師、生徒、審査員の全ての視線が発表者に集中する。一礼をしてスピーチは始まった…
私はここ数年、学校評議員及びPTA役員の立場から審査員として招かれ、欠かさず出席している。毎年楽しみにしている行事の一つであるが、一方で胸を締め付けられるような思いをする時間でもある。
…スピーチが終わるとまた一礼。割れんばかりの拍手が会場にこだまする。安堵と共にやりきったという表情で席に戻る。一人の生徒が大きく成長した瞬間だ。
スピーチの内容はそれぞれ違うが共通するところもある。それは、辛い過去を背負っていることだ。その過去は様々だが、いずれも本人の努力だけではどうにもならない問題ばかりだ。
しかし子供たちは強い。挫折から立ち直り、目標を見つけチャレンジし、そして明るい未来を描いている。とても頼もしい。とはいえ、私たち大人は子供たちの根性や精神力に感心しているだけではいけない。今もどこかの小学校、中学校で悩み苦しむ子供たちがいる。些細なSOSのサインを見逃さず、家庭、学校、地域、社会全体で見守り支えていかなければいけないと改めて痛感した。
最後に。そもそも、私が審査をするなどおこがましい。内心全員100点で良いだろうと思いながらも審査項目に従い一応は採点した。くしくも杣校長先生は講評の中でおっしゃった。「今日は発表者も聴いている生徒も全員100点満点です」と。私はその言葉に深く頷いた。そして、新部会長の講評にもこっそり100点満点を付けさせていただいた。
概要
・日時 令和4年9月12日(月) 17:45〜18:40(東雲ホール)
・発表者 4名 各学年から一人ずつ
・発表時間 一人7分以内
・審査基準に基づき100点満点で採点
・審査員 教員・学校評議員・PTA役員
・学校代表は県大会に出場