2014年12月の記事一覧

写真班、高文連県写真展団体の部で優勝!

造形部(写真班・今回出品は全員デザイン科の生徒)は129日~1213日まで宇都宮文化会館で開催された高文連県写真展で団体の部で優勝致しました。

さらに個人の部でも特選に1点、入選6点、佳作3点が入賞しました。特選の作品は今年1月末の関東大会(甲府市)に出品されます。

なお、最近5年間の成績(団体の部)は平成26年度優勝、25年度準優勝、24年度準優勝、23年度優勝、22年度準優勝となっています。

今年度出品したオリジナリティー溢れる作品15点について紹介します。

(文責 造形部顧問 産業デザイン科教諭 新井)


1.キリリ、Exotic Japan
(遠藤 3年生)

数年前に県写真展で優秀賞を受賞した他校の作品をもとに撮影したもの。コンセプトは「竹刀を持たない剣道写真をデザイン科ではこう撮る」。どこかのCMに使えそうな雰囲気に出来上がりました。キリリとした女子生徒の制服の着こなしが写真に緊張感を与えています。






2.凍える日、熱い想い(遠藤 3年生)

入賞はしていませんが私の好きな作品です。デザイン科の女子生徒や写真部卒業生の一押しの作品です。いかにもデザイン科の生徒の撮影らしいオシャレな写真になりました。写真の構図でよく使われる三分割法を意識した作品ですが、クラッシックな電話ボックスの朱色の枠を斜めに撮り、遠近法の効果で奥行感を持たせています。






3.青春はいつでも全力疾走!(遠藤 3年生)

校内の通路でスタートダッシュする一瞬を捉えています。今年度の大会のテーマ(青春写真始めました)に沿って自分たちで考えた構図です。自分の目標に向かって「全力疾走!」といったところです。運動会とは違う、撮れそうで撮れない青春を感じさせる写真です。






4.
Tokyo Romantic station(わたしたち・夢の途中)  (遠藤 3年生)

始発駅、終着駅、途中駅など駅は年齢に関係なく郷愁を感じさせる存在です。卒業を控えた18歳の生徒にとって現在は、出発駅でもあり夢を追いかける途中の駅でもあります。手すりをトリミングで外し凝視すると不安になりますが、視線を下げると影の手すりがシルエットで映り再び画面が安定します。






5.祭り一色、日本の夏(江本 3年生)

原色のコントラストが強く灼熱の夏の様子が伝わってきます。さらに黒い影が照り付ける太陽の強さを想像させます。そして祭りと書かれた何本もの巨大な団扇や祭りと書かれた法被姿の男性によって今まさに祭りの会場にいる臨場感が伝わる写真です。






6.思い出のBlue Hawaii(江本 3年生)

夏祭りのかき氷の定番「ブルーハワイ」。由来は亡きエルビス・プレスリー主演のハワイを舞台にした映画の題名とか。夏にブルーといえばブルーハワイが連想されるのですが、テーマの付け方がオシャレに決まりました。舌を出しての写真は普通、悪態ですが、私たちの記憶の中にある子供時代の無邪気な喜びが伝わって来ます。






7.夏色に染まるワタシ(江本 3年生)

外気温はおそらく40度を超えている炎天下の露天商を撮影したもの。ギラギラした真夏の太陽光線の長波長成分だけの透過光がオレンジ色の異種空間を作り出していました。すべてがオレンジ色に発色する空間は露店の意味性が昇華され、不思議な雰囲気を作り出しています。同じ構図でコマ違いの写真がある有名な全国コンテストで入賞しています。






8.
揺れる心(初夏の風が私の中を過ぎていく)(江本 3年生)

ただの女子高生のポートレイトではありません。巨大な無機質な機関車と人間を対比させることによって、人の情感を際立たせた作品。うつむきがちな視線が揺れる心を表現しています。使われている色は黒、白、肌色の3色、シンプルな色構成が画面に独特の雰囲気を与えています。高校生のポートレイトとしては素晴らしい出来栄えの作品。






9.
傷心少女、戦闘開始(石井 3年生)

2月の大雪の1週間後に横浜で撮影したもの。最初の題名は「赤と黒のコントラスト」。スタンダールの小説「赤と黒」をイメージしたような作品。「赤い鎧」と不安そうな表情の少女を対比的(色相の対比、大きさの対比)に捉えた印象的な画面構成になっています。モデルの3年生の表情も秀逸で画面に独特の雰囲気を与えています。3年生になるとこんな作品も作れるのですね。入賞していませんが私の一番評価の高い作品です。






10.爽やかな朝、口元からハミング(石井 3年生)

さわやかな高原の駅、柔らかい朝の光の中、清々しさが伝わってきます。瑠璃色の客車に反射する人物やホームがさらに清涼感を高め、列車が作り出す遠近法により心地よい解放感が生まれます。二人の高校生が手をつなぎ、自然に笑顔がこぼれます。まさに青春賛歌、若いことは素晴らしいことです。簡単に撮れそうで難しい一枚。






11.三者三様、桜の楽しみ方教えます (植原 3年生)

春雨の中、見事な満開の桜の前で、三つのグループの花見を捉えたスナップ写真。「桜を眺める人」、「写真を撮る人」、「撮った写真を見る人」がバランスよく並び、デジタル時代の日本の花見の情景を見事に表現しています。有名な漢詩の「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」を映像化したような雰囲気が漂います。






12.雨の日の午後、立ち尽くす私たち (近藤 3年生)

梅雨明け間近の小雨降る中で撮影した季節感あふれる爽やかな青春写真。ノウゼンカズラを前景にちょっと憂鬱そうにカメラを見つめる一人ひとりの表情が個性的で今を生きる実感を伝えています。背景の古民家、人物、前景と立体的写真を見るような臨場感があります。うまく人物にピントを合わせて撮影した力作。この作品は入賞していませんがデザイン科の生徒らしいセンスある秀作です。






13.The last shot(3年間楽しかったよ!) (小野寺 3年生)

入賞していませんが私のお気に入りの一枚。日没直後、夕暮れ迫る街の光が浮かび上がり、気分はちょっとセンチメンタル。望遠レンズを使った背景の街並みの圧縮効果が印象を深めます。空に向かって突き上げあげたカメラが充実した三年間と将来への意気込みを象徴しているようです。三年間の部活動最後の撮影の一コマ。まさにLast Shot






14. Labyrinth of the youth (小野寺 3年生)

旧信越線の廃軌道(トンネル)で撮影した一枚。足元の細かな白い砂利(石灰岩)がレフ板の役割をして、わずかな通風口の明かりだけできれいな肌色を再現しています。暗い迷宮の入り口にいるような雰囲気ですがリアルな人物表現で緊迫感のある画面になっています。






15.遠くまで行くんだ(近藤 3年生)

この作品も入賞していませんが今回出品した中で最も、人物の存在感のある作品です。広大な空の広がりの中、クッキリと浮かび上がる人物、まさに春の若葉のような「生命力」を感じさせる写真です。彼方の水平線に向かって思わず敬礼する姿も生き生きし、背景の雲の立体感のある表情と相まってダイナミックな作品になっています。