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学校行事や授業風景、四季の移ろいなどを紹介します
国際理解だより 14
EUの統合が加速する一方で、国家の主権とアイデンティティーを危惧する国も出てきました。例えば、「欧州憲法条約」は、2005年にフランスとオランダの国民投票で否決されました。その後、その条約から超国家的な性格を排除した「改革条約」と位置付ける新たな基本条約ができました。それは2007年に調印された「リスボン条約」です(2009年12月1日発効)。この主な変更点はEUの旗、歌(ベートーベンの『第九』にある「歓喜の歌」)が削除されたことです。また、連邦を想像させるような文言も削除されました。
このことから分るように、EUは、あくまでも「国家」が主権を持っているような外見に努めようとしています。また、アイデンティティーを守るという点では、現在、EUは通訳翻訳に膨大な予算をかけてまで全加盟国の言語を公用語とし、多言語を守り通していることが挙げられます。
つづく
治癒証明書の提出について
国際理解だより 13
ヨーロッパの統合がどれだけ進展しても、国家がなくなることはないと考えます。結局、ある特定の問題を解決するためには、どのレベルの政治体で扱うのが最適なのかというところに行きつくと考えるからです。つまり、一国家の中央政府がやるべきことなのか、あるいは地方自治体レベルでやるべきことなのか、あるいはEUでやるべきことなのかといった選択の問題になっていくのではないでしょうか。このような重層的な統治の仕組みがEUなのです。
しかしながら、ただEUという仕組みをつくっただけでは何事も機能しないし、存続もできません。EUの機能を最大限に発揮するためには、加盟国がEUに対して独自のアイデンティティーを持っている必要があります。
つづく
「雪月花の数学」講演会を行いました。
「日本の美と世界をつなぐ白銀比 ~雪月花の数学~」
白布ヶ丘だより1月号
学校評価アンケート
国際理解だより 12
続けていきましょう。第四に重要な理由は、EUが他の地域の国際統合や協力関係構築のお手本として考えられていることです。例えば、私たちの身近ではAPEC(アジア太平洋経済協力会議)とかASEAN(東南アジア諸国連合)などがあります。それらはEUをお手本にしているのです。
前にも書きましたが、EUは、国民国家を超えた「超国家的な機関」と言われています。その政策領域も通商、農業、漁業、運輸といった分野だけでなく金融政策、社会政策など多岐にわたっています。しかし、EUがすべてのことをやるわけではありません。欧州連合条約によって採択された「補完性の原理」に基づき、EUでやるべき仕事と国家がやるべき仕事をいわば分業という形で考えることにしたのです。
このことを世界がEUに見習おうとしているのです。そういう意味で、私たちは今後の世界の流れを注視しなくてはなりません。
つづく
壮行会(吹奏楽部)実施
第三学期始業式を行いました
第2学期終業式
2学期表彰式、美化コンクール結果報告
白布ヶ丘だより12月号
国際理解だより 11
さらになぜEUが重要であるかという第三の理由は、最近EUが「価値の共同体」であるという概念を強く打ち出すようになってきているからです。「欧州連合条約」でEUは、人間の尊厳、自由、民主主義、平等、法による支配、人権の尊重などの価値の上に成り立っている国際機構であることを宣言しています。
EUは基本憲章をつくり上げ、その中に「何人たりとも公の権力によってその命を奪われることはない」という一文を入れています。つまり、死刑制度は認められないということです。EU加盟国では死刑制度はなくなりました。日本や中国、アメリカの一部の州など、まだ死刑制度を維持している国や地域に、EUは当然その廃止を求めています。今後さらに人権擁護の立場から、問題のある国に対し制裁を強化することがあるでしょう。
つづく
壮行会(将棋部)実施
国際理解講演会を行いました。
国際理解だより 10
そしてEUは、国民国家を超えた「超国家的な機関」と言われています。その政策領域も通商、農業、漁業、運輸といった分野だけでなく金融政策、社会政策など多岐にわたっています。
しかし、何でもかんでもEUがやるわけではありません。EUは1993年に発効した欧州連合条約によって、「補完性の原理」という原理を採択しました。EUでやったほうが効率が上がるものに限ることにしました。例えば科学技術開発など、より多くの国が協力してやったほうが効率が上がるものは、EUでやることになりました。また、環境汚染は国境に関係なく進みます。だから、国単位でなくヨーロッパ単位で、その対策にあたらなければいけないとEUは考えたわけです。最近では、ギリシアの財政危機に端を発したユーロ圏内の経済危機といった難問があげられますね。
つづく
国際理解だより 9
今回は、EUが重要であるもう一つの理由を考えてみたいと思います。
なぜEUが重要であるのかというもう一つの理由は、EUが新しい政治の実験室であるからです。これまでの国家は、少なくとも自国内に関する限り、その政府が絶対的な主権を持っていたわけです。
それに対しEUの仕組みの中で画期的なところは、「国内法」より「EU法」のほうが優位するということです。だから、「国内法」と「EU法」が異なった場合には国内法自体を変えざるを得ないことになります。あるいは、新しい法律をつくらなければならないことになります。しかも「EU法」が単に優位するだけでなく、EU圏内の市民に直接適用されるのです。これは、まったく新しい法体系といえるでしょう。
つづく
第48回校内駅伝大会結果報告
途中雨が降り出したものの、ゴール時には天候も回復し、大きな問題もなく無事終了しました。
第48回校内駅伝大会実施について
白布ヶ丘だより11月号
第48回校内駅伝競走大会について
サッカー選手権県決勝全校応援!
キックオフ:13:00
保護者の皆さま、OBの皆さまも応援よろしくお願いします。
国際理解だより 8
前回、EUは「拡大」路線を続けていると述べましたが、そもそもどこまでがヨーロッパなのかという問題があります。現在、EUの加盟国は27カ国にまで拡大されています。EUの基本条約には、その加入条件について「すべてのヨーロッパ諸国は欧州連合への加盟を申請することができる」と書いてあります。ただし、「申請することができる」と書いてあるだけで「みんな入れてやる」とはどこにも書かれていません。唯一「ヨーロッパの国」であることが条件になっています。
しかし、どこまでがヨーロッパなのでしょうか。常識的には北は北極海、南は地中海、西は大西洋、そして東はロシアのウラル山脈までと考えがちです。歴史的には何度も境界線が変わっているのです。現在、クロアチアとトルコは正式な加盟交渉の最中ですし、マケドニアも加盟候補国となっています。ロシアだって将来どうなるかわかりません。
つづく
第52回校内マラソン大会
国際理解だより 7
EUには、ルールと対話による問題解決への仕組み、最終的には司法的手段によって問題を解決する制度があります。この半世紀もの間に、さらに新しい国際関係の枠組みがつくり上げられたのです。
具体的な試みは、1950年、フランスの当時の外務大臣ロベール・シューマンが「シューマン・プラン」を提言しました。これはドイツとフランスで採掘、生産された石炭、鉄鉱資源を、共通の機関のもとに管理しようという提案でした。この共同管理によって、ドイツとフランスの戦争を物理的に不可能にする「不戦共同体」ができたのです。こうしてECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)は成立し、その後のEEC(欧州経済共同体)、そしてEC(ヨーロッパ共同体)につながっていきます。
さらには1993年にEUへと発展していったのです。以後EUは「拡大」路線を続け、周辺諸国がEUへと統合されていったのは、みなさんの知るところだと思います。
つづく
壮行会(陸上部)実施
薬物乱用防止講話を行いました。
白布ヶ丘だより10月号
国際理解だより 6
「ウェストファリア講和条約」が締結される以前は、国家間の関係はまるでビリヤードの玉が互いにぶつかり合うように対立していたのです。そこには何の規則性もなく、無政府状態にあると理解されていました。ホッブスのいう「万人の万人に対する闘争」の状態です。これではいけないと、その後さまざまな形で少しずつルール作りが行なわれ、それが「国際法」という形で実を結ぶことになったわけです。
ウェストファリア以後、国際法というルールに基づき、国際的問題の解決を図るべく努力がなされてきました。しかし、そうした平和的解決へ向けた努力にもかかわらず、最終的な武力によって問題を解決する、すなわち戦争という手段を担保したままの状況が現実にはずっと続いてきました。
今日でも世界は基本的には無秩序で、国家は何でもできるんだ、何をやってもかまわないんだと主張する国家首脳もいるように思われます。難しい問題です。
つづく
昇降口、体育館が利用可能になりました。
国際理解だより 5
それでは、なぜEUがそんなに重要なのでしょうか。
それは、第一に戦うことのない共同体をつくり上げたからです。「不戦共同体」です。18世紀を代表する哲学者であるカントの思想に「恒久平和」という議論がありましたが、まさにEUは、ヨーロッパにおいて恒久平和のしくみをつくり出すことに成功した実例なのです。
国際関係もまた、ヨーロッパで発展してきた概念です。ヨーロッパで30年にわたって行われた宗教戦争を終結するために「ウェストファリア講和条約」が締結されました。1648年のことです。その講和会議に出席したヨーロッパ諸国の国王や諸侯たちによって、国家は主権を持ち、対等かつ平等な存在であるとされました。その前提のもとに構築された国際システムが、その後世界に広がって、今日の世界を形づくることになったのです。
つづく
大学教員による模擬授業
早稲田大学 人間科学部 松居 辰則先生
「コンピュータに人の『心』がわかるのか?-人工知能研究の新たなる挑戦」
宇都宮大学 工学部 佐藤 正秀先生
「化学のながれを変える」
宇都宮大学 教育学部 上原 秀一先生
「日本と外国の学校を比べよう」
宇都宮大学 農学部 岩永 将司先生
「たんぱく質を作る遺伝子工学技術」
新潟大学 人文学部 中村 隆志先生
「ケータイの日常利用とコミュニケーション」
群馬大学 社会情報学部 前田 泰教先生
「法解釈学の役割」
「宇宙進化学入門」
( 東北大学大学院工学研究科 長谷川英之先生
「超音波による生体イメージング」)
第33回合唱コンクール
西側通路が耐震工事終了!
2階通路
白布ヶ丘だより9月号
国際理解だより 4
1学期に「日・EUフレンドシップウィーク」について簡単に紹介しましたが、今学期はもう少し欧州連合(EU)について考えていきましょう。
ところで、みなさんはアメリカの方ばかり見ていませんか。あるいは中国やアジアのことばかりに関心を寄せていませんか。その一方で、今ヨーロッパで起こっていることについて、どの程度関心を持っていますか。最近では財政危機のギリシア支援やユーロ安がメディアで報じられていますが、他地域に比べれば決してメディアの取り扱いは大きくありません。しかし、アメリカや中国あるいはアジア諸国と同じようにヨーロッパもまた重要な地域なのです。
そこで、しばらく欧州連合(EU)について学び、あらためてその重要性を認識したいと思います。
つづく
合唱コンクールの開催について
野澤賞授与式および受賞者講演会が行われました。
2学期始業式、生徒会新役員任命式が行われました。
さらに、生徒会新役員任命式では、任命書を新生徒会役員が受け取り
一日体験学習
白布ヶ丘だより7・8月号
白布祭での募金報告
国際理解だより 3
「世界平和のためのミレニアム宣言」(2000年)
この宣言を実現するために設定されたのが「ミレニアム開発目標」です。この開発目標のテーマは貧困削減であり、国連は貧困削減を究極の目標と位置付けたのです。
「ミレニアム開発目標」は以下のとおりです。
Goal 1 極度の貧困と飢餓の撲滅
Goal 2 普遍的初等教育の達成
Goal 3 ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
Goal 4 乳幼児死亡率の削減
Goal 5 妊産婦の健康の改善
Goal 6 HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止
Goal 7 環境の持続可能性の確保
Goal 8 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進
(国連開発計画東京事務所HPより)
定期演奏会での義援金募金報告
教育実習生との進学座談会が行われました
7名の実習生は、大学、学部、担当教科がそれぞれ異なるので、
白布ヶ丘だより6月号
国際理解だより 2
ユネスコによる「文化多様に関する世界宣言」には、「ことばや映像による思想の自由な流れを保障する一方で、すべての文化がみずからを表現し知らしめることができるように配慮しなければならない。表現の自由、メディアの多元主義、多言語主義、デジタル情報を含む芸術や科学・技術の知識への平等なアクセス、そしてすべての文化が表現と普及の手段を手に入れる可能性。これが文化的多様性を保証する」とあります。
すべての文化がみずからを表現し知らしめることができるように、私たちは、上のことを重く受け止めなくてならないです。ここに、多文化共生を目指した国際理解教育が必要になってくると考えます。