2012年2月の記事一覧

歴史散歩9 「校内花壇コンクール」

昭和30年航空写真 昭和30年の航空写真である。真岡女子高の北側の、現在は赤十字病院敷地となっている場所にあるのは専売公社(JT)である。校地拡張前なので、グランドが今とは違い東西に細長い形をしている。
 さて、この写真ではよく見えないかも知れないが、当時は校内花壇コンクールが盛んに開催されていた。このMOJOを描いている生徒達は、真岡農業高校(現・真岡北陵高校)まで花苗を頼みに行ったりして、校舎と校舎の間の土地を耕し、様々な花を植えて、その美しさや植栽の技術をクラス対抗で競ったそうである。
 本校の歴史を振り返っていつも思うのは、この桜が丘の土地がいかに愛されたかということである。この年まで寄宿舎があり学校に住んでいた生徒もいたのだから、本校は文字通り生活の場でもあった。その時代と今とでは愛着の度合いも違うかも知れないと思っていたが、今年も美化委員会の生徒達が卒業式・入学式のシーズンに向けてパンジーを植えてくれたのを見ると、「いやいや心は同じだ」と思えてくる。市松模様に美しくパンジーを植えた生徒達は、昔の生徒達と同じく花とこの土地に思いを寄せてくれているのであろう。なお、今年の花苗も、真岡北陵高校の生徒達が丹精してくれたものである。

歴史散歩 「真女高校歌」

校歌 創立記念関連行事で印象的な場面は数々あったが、東京ユニバーサル・フィルハーモニーによる記念演奏会で「校歌」が演奏され、参会者全員で歌った場面も忘れがたい。サプライズ演奏であったが、在校生や教職員は勿論のこと、同窓会やPTAの皆さんも立ち上がり、楽しそうに歌われたのが印象的だった。
 本校の校歌は昭和3年1月に制定され、以来80年以上も歌い継がれてきた。旧制中学や高等女学校の多くが太平洋戦争終結後の社会変革のために校歌の見直しをした中で、本校は若干の見直しはしたものの大きな変更の必要が無かった。従って、高等女学校時代の生徒だった先輩達も、女子高校となってからの生徒も声を揃えて歌うことが出来るのである。その精神は「いざもろともに学ばなむ」に集約されている。「さあ、いっしょに学ぼう」と、本校に集う生徒達はお互いに呼びかけあって学んできた。現在も「朝の学習」のために放送部員達が早朝の校内放送をしてくれているが、彼女達が選んだアナウンスの言葉は「さあ、勉強しましょう」というものである。それを聞くと校歌もだぶって響いてくる気がする。「いざもろともに学ばなむ」こそ、一世紀を貫く本校の基本精神なのである。