校長自ら更新!!

校長ブログ

【校長ブログ】星の導き、沖縄への旅

冬の澄み渡る夜空に、無数の星々が静かに瞬いています。今朝、まだ夜の帳が降りたままの小西に、沖縄への修学旅行に出発する生徒たちを乗せたバスが並びました。吐く息も白く、空気は凛と張りつめていましたが、生徒たちの瞳は希望に満ち、胸には期待がふくらんでいるようでした。

星空のもと、私はそっと願いをかけました。どうかこの旅が、生徒一人ひとりの心に残る、かけがえのない青春の一頁となりますように。そして、笑顔で無事に帰ってきてくれますように。

修学旅行は、学びの場であると同時に、仲間との絆を深め、自分自身を見つめ直す貴重な時間でもあります。沖縄の自然、歴史、文化に触れ、多くのことを感じ、考え、吸収してきてほしいと願っています。

行ってらっしゃい。星々が見守るこの旅が、生涯忘れ得ぬ思い出となりますように。

【校長ブログ】たとえ今日世界が終わるとしても

「たとえ今日、世界が終わるとしても、私は今日リンゴの木を植えるだろう。」

これは、宗教改革者マルティン・ルターの言葉です。世界の終わりが目前に迫っていたとしても、希望を捨てず、未来を信じて行動する。その姿勢は、私たちが日々の学びに向き合ううえでの大切な指針となるものです。

学びとは、すぐに成果が見えるものばかりではありません。読書もまた、その一つです。一冊の本を手に取り、ページをめくるたびに、私たちは新たな世界に触れ、他者の思考や感情に寄り添い、自らの内面を深めていきます。それは、まるで一本のリンゴの木を植えるような行為です。今すぐに実を結ぶわけではなくとも、やがて心の中に豊かな果実を実らせてくれるでしょう。

今月の図書館だよりには、季節にふさわしい本の紹介や、読書週間の取り組み、生徒や教員のおすすめの一冊など、心を動かす情報がたくさん詰まっています。

本の世界に身を委ねることは、静かでありながら力強い旅です。知識を得る喜び、想像力を羽ばたかせる自由、そして何より、自分自身と向き合う時間。読書は、私たちの心を耕し、未来を育む大切な営みです。

どうか、どんな時代であっても、私たちが「リンゴの木を植える」ように、学びと希望の種をまき続けられますように。

校長 佐山利晴

今日も素敵な一日でありますように。

【校長ブログ】「なぜ?」が導く学びの旅

「昨日から学び、今日のために生き、明日への希望を持とう。大切なのは、問い続けることをやめないことだ。」“Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow. The important thing is not to stop questioning.”

このアインシュタインの言葉には、時代を超えて私たちに語りかける深い真理があります。過去の経験から学び、今という一瞬を大切に生き、未来に希望を託す。その営みの根底には、常に「問い」があります。なぜそうなのか、どうすればよいのか、何が本質なのか。問いを持つことは、思考の扉を開き、学びをより深く、豊かなものへと導いてくれます。

本校の生徒の皆さんには、日々の学びの中で、ぜひこの「問いを持つ姿勢」を大切にしてほしいと願っています。教科書に書かれている知識を覚えるだけでなく、それが現実の社会とどうつながっているのか、自分自身の価値観とどう関わるのかを考えることが、真の学びへの第一歩です。

特に、来週から修学旅行で沖縄を訪れる2年生の皆さんには、心に深い問いを携えて旅に出てほしいと思います。沖縄は、美しい自然と豊かな文化を持つ地であると同時に、戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継ぐ場所でもあります。単なる観光や思い出作りにとどまらず、「平和とは何か」「命の重みとは」「私たちにできることは何か」といった問いを胸に、現地の空気に触れ、人々の声に耳を傾けてください。

旅は、心を耕す学びの場です。見たもの、聞いたこと、感じたことを、ぜひ仲間と語り合い、自分の言葉で表現してみてください。その経験は、皆さんの人生においてかけがえのない糧となるでしょう。

問い続けること。それは、未来を拓く力です。皆さん一人ひとりが、その力を育み、希望ある明日へと歩んでいくことを、心から願っています。

校長 佐山利晴

【校長ブログ】学びの妙味は「復習」にあり

皆さんに、学びがより深く、より面白くなる秘訣をお伝えしましょう。それは、何よりも「復習すること」です。

十九世紀のドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスは、人間の記憶の移ろいやすさを科学的に明らかにしました。彼の提唱した「忘却曲線」によれば、人は学んだことの七四%を一日後には忘れ、さらに一週間後には七七%、一か月後には実に七九%を忘れてしまうといいます。この数字が示すのは、記憶とはまるで朝露のように儚く、放っておけばたちまち消えてしまうという厳然たる事実です。

しかし、ここにこそ希望があります。忘却の流れに抗う術、それが「復習」なのです。学んだことを、できるだけ間を置かずに振り返ることで、記憶はしっかりと根を張り、やがて揺るぎない知識となっていきます。特に苦手と感じる分野ほど、早めに、そして繰り返し向き合うことが肝要です。後回しにすればするほど、記憶の糸は細くなり、再び手繰り寄せるには多くの時間と労力を要することになるでしょう。

学びとは、ただ知識を得ることではなく、自らの中にそれを根づかせ、育てていく営みです。日々の小さな復習の積み重ねが、やがて大きな自信と喜びへとつながっていくのです。

さあ、今日の学びを、明日の自分に手渡すために。今一度、ノートを開いてみましょう。

【校長ブログ】君の「最高」は君だけのもの

皆さんに、ひとつの言葉を紹介します。 アメリカの映画女優、ジュディ・ガーランド(Judy Garland)が遺した、こんな言葉です。

"Be a first rate version of yourself, not a second rate version of someone else."
「誰かの模倣ではなく、自分自身の最高であれ。」

この言葉には、他人と比べることにとらわれず、自分らしさを大切にしながら、自分の持てる力を最大限に発揮してほしいという、強く温かなメッセージが込められています。

現代は、SNSやさまざまな情報に囲まれ、つい他人の姿と自分を比べてしまいがちです。誰かのようになりたい、誰かのように見られたい。そう思うことは自然なことかもしれません。けれども、他人の真似をして得られるものには、限界があります。

大切なのは、「あなたにしかない輝き」を信じることです。 たとえ不器用でも、遠回りに見えても、自分自身の足で歩み、自分の言葉で語り、自分の心で選び取った道こそが、あなたを一流へと導いてくれます。誰かの影を追うのではなく、自分の光を育ててください。 そして、あなた自身の「最高のかたち」を目指して、日々を積み重ねていってください。その歩みの先に、きっとあなたにしか描けない未来が待っています。

頑張れ、小西生!

小山西高校 校長 佐山利晴

【校長ブログ】直感が導く君だけの一冊

図書館前の廊下に、先生方が選んだ「おすすめの一冊」が並びました。 それぞれの本には、先生方の思いや、皆さんに届けたいメッセージが込められています。表紙を眺めるだけでも、どこか心が動く瞬間があるかもしれません。

「面白そうだな」と感じたら、ぜひその直感を信じてください。 本との出会いは、まるで偶然のようでいて、実は必然。 その一冊が、あなたの考え方や感じ方を、そっと変えてくれることもあります。 借りたいと思ったら、どうぞ図書館のカウンターへ。きっと、あなたの手を待っている本があるはずです。

とはいえ、今は期末試験の真っ只中。 読書の楽しみは、もう少し先にとっておきましょう。 まずは目の前の試験に集中し、これまでの努力をしっかりと形にしてください。

試験が終わったら、ゆっくりと本の世界を旅してみてください。 その時、あなたの心に響く一冊が、きっとそこに待っています。

【校長ブログ】今日から期末テストだ Show Your Best !

Today we begin the second term final exams. I know many of you have worked hard, studied late, and prepared with great effort. Now is the time to show everything you've learned. Don't be afraid. Believe in yourself and do your very best.

These exams are not just a test of knowledge, but also a chance to prove your growth, your discipline, and your determination. Every page you turn, every answer you write, is a step forward.

Please remember that Christmas and New Year are just around the corner. After the hard work, joyful days will come. Let's finish this term with pride and welcome the holidays with a sense of achievement.

You can do it. Keep your head high, stay focused, and give it your all. Good luck to everyone. I'm cheering for you!

【校長ブログ】創立40周年記念式典に寄せて

錦秋の候、木々の彩りがいよいよ深まり、澄み渡る空に晩秋の趣が漂うこの佳き日に、栃木県立小山西高等学校創立四十周年記念式典を、かくも盛大に挙行できますことは、誠に光栄にして、感慨無量の思いでございます。

ご臨席賜りました、栃木県教育委員会委員・板橋信之様、ならびに飯塚仁様をはじめとする歴代校長先生方、小山市内各高等学校の校長先生方、また福田賢一様をはじめとする歴代PTA役員の皆様、そして永きにわたり本校の教育活動を力強く支えてこられた教職員の皆様方に対し、心より深甚なる感謝の意を表する次第でございます。

昭和六十一年の創立以来、本校は「知性を磨き、徳行を積み、体力を練る」の校訓のもと、地域に根ざした教育を推進し、幾多の若者たちを社会へと送り出してまいりました。四十年という歳月は、決して平坦な道のりではありませんでしたが、地域の皆様の温かなご支援、歴代教職員の献身的な努力、そして何より、生徒一人ひとりの真摯な学びと成長の積み重ねによって、確かな歩みを刻んでまいりました。

この節目にあたり、私は唐代の高僧・雲門禅師の言葉「日々是好日」を改めて噛みしめております。どんな日もかけがえのない一日であり、そこに学びと気づきがある。教育とは、まさにこの言葉の通り、日々の営みの中にこそ、その本質が宿るものです。生徒たちが悩み、喜び、挑戦し、成長していく姿は、私たち教育者にとって何よりの励みであり、誇りでもあります。

また、江戸の俳人・松尾芭蕉が説いた「不易流行」の精神も、今の教育において極めて重要な指針となります。「不易」とは、時代が移ろうとも揺るがぬ教育の根幹、「流行」とは、時代の変化に応じて柔軟に対応する姿勢。本校はこの四十年、教育の本質を守りつつ、ICTの導入、探究学習の推進、地域との連携など、時代の要請に応える教育を実践してまいりました。

そして今、私たちはAI時代という新たな局面に立っています。情報の処理や分析はAIが担う時代に、人間に求められる力とは何か。それは、「問いを立てる力」「他者と協働する力」「自ら学び続ける力」であると私は考えます。AIが答えを導く時代だからこそ、何を問うべきか、どのように価値を創造するかを考える力が、より一層重要となるのです。

本校はこれからも、「不易流行」の精神を大切にしながら、生徒たちが未来を生き抜く力を育む教育を推進してまいります。地域とともに歩み、世界に目を向けながら、心豊かな人間の育成を目指してまいります。

さて、小山西高校の生徒諸君に、ぜひ心に留めておいてほしい言葉があります。それは、アメリカ先住民の言葉にある「この世界は先祖から譲り受けたものであると同時に、未来から借りているものである」という教えです。皆さんも感じているように、本校は、これまで四十年にわたり、諸先輩方が築いてくださった伝統の上に成り立っています。しかし同時に、小山西高校は、これから五十年後、百年後に入学してくる未来の後輩たちから、一時的に借り受けているものでもあるのです。

君たちの一つひとつの行動が、未来の後輩たちに大きな影響を与えます。どうか、学びに、部活動に、学校行事に、青春のすべてを注ぎ込み、真の文武両道を実践してください。そして、しっかりと未来の後輩たちに、誇りあるバトンを渡すこと。それが君たちの責務であることを、どうか忘れないでください。

結びに、ご臨席いただいた皆様、そしてこれまで本校を支えてくださったすべての方々に、改めて深く感謝申し上げます。今後とも、小山西高等学校への変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、式辞とさせていただきます。

令和7年11月18日

栃木県立小山西高等学校 校長 佐山利晴

(下野新聞社使用許諾済)

 

【校長ブログ】明日は創立40周年記念式典です

昭和61年、本校は歴史と文化の薫り高き小山市の地に創設され、豊かな自然に抱かれながら、「知性を磨き、徳行を積み、体力を練る」という教育理念のもと、教育の歩みを始めました。以来40年にわたり、生徒一人ひとりが自己の可能性を信じ、夢の実現に向けて邁進する学び舎として、県内外より高い評価と厚い信頼を賜っております。

この40年という歳月は、教育界においても激動と変革の連続でありましたが、本校は常に時代の要請に応え、地域社会との連携を深めつつ、次代を担う人材の育成に尽力してまいりました。教職員の献身的な指導と、生徒たちの真摯なる努力が結実し、数多の優れた成果を生み出してきたことは、本校の誇りであり、また地域社会にとってのかけがえのない財産であります。

平成30年度より始動いたしました「キャリアクション・プロジェクト」におきましては、生徒自らが主体的に自己の生き方を模索し、進路意識と学習意欲の涵養を目的としております。質の高い授業を通じて、将来を見据えた確かな学びを実現し、社会に貢献し得る高い志と誠実な姿勢を育んでおります。また、学校行事や部活動を通じて、協調性や他者への敬意を培い、生涯にわたり健やかで文化的な生活を営むための礎を築いております。

現代社会は、先行きの見通しが困難な不確実性の時代に突入しております。かかる時代においてこそ、生徒たちには「自ら考え、行動する力」を涵養し、実践を通じて高い志と確かな人格を育む教育が求められております。本校はその崇高なる使命を深く自覚し、今後も教育活動に一層の情熱と誠意をもって邁進してまいる所存でございます。

創立40周年という節目を迎えるにあたり、これまでの歩みを礎としつつ、未来に向けてさらなる飛躍を遂げるべく、新たな教育手法の導入や先端技術の活用を通じて、時代の変化に柔軟に対応しながら、教育の質の一層の向上を図ってまいります。生徒たちが不撓不屈の精神をもって夢を追い、自己実現を果たすための環境を整えることこそ、我々教育者の責務であると確信しております。

今後とも、本校の教育活動に対し、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。

小山西高校 校長 佐山利晴

 

【校長ブログ】人生という試合で最も大切なのは休憩時間の得点である

かのナポレオン・ボナパルトの言葉です。 今、学年閉鎖という思いがけない「休憩時間」を過ごしている第一学年の皆さんに、ぜひ心に留めておいてほしい言葉でもあります。

歴史に名を刻んだ人物たちは、なぜ偉業を成し遂げることができたのか、その軌跡をたどることは、私たちに多くの示唆を与えてくれます。ナポレオンもまた、幾度となく挫折と困難に直面しながらも、決して歩みを止めることなく、次なる機会に備え続けた人物でした。

皆さんも、日々それぞれの夢や目標に向かって努力を重ねていることでしょう。しかし、人生には思い通りにいかない時期や、立ち止まらざるを得ない瞬間が必ず訪れます。そんなとき、失意に沈んだままでいるのか、それとも気持ちを切り替え、次なる一歩に向けて準備を始めるのか。その選択が、やがて大きな差となって現れるのです。

ナポレオンが「皇帝」として歴史に名を残したのは、まさにその「休憩時間」においても、決して努力を怠らず、次の舞台に備えていたからにほかなりません。 人生という長い試合において、真に問われるのは、順風満帆なときの姿勢ではなく、むしろ逆境の中でどう過ごすかということなのです。

約一か月後には冬休みがやってきます。この時間を「得点のチャンス」と捉え、自らを磨く機会としてください。読書にふけるもよし、これまでの学びを振り返るもよし、新たな目標を静かに見つめ直すのもよいでしょう。

『人生という試合で最も大切なのは休憩時間の得点である』 この言葉を胸に、今という時間を丁寧に、そして前向きに過ごしてくれることを、心から願っています。

小山西高校 校長 佐山利晴