SGH活動報告

2016年8月の記事一覧

台湾フィールドワーク5日目(最終日)

本日は丸一日かけて移動日です。
帰佐予定時刻は21:30になります。

台湾アンケート調査の様子を、
Youtubeにアップロードしました。
低画質のヴァージョンですが、
「佐高SGH」で検索してみて下さい。
台湾新幹線で、台中から台北に移動します。
   



 台北松山空港に着きました。


 5日間同行して頂いたガイドさんとお別れです。
  
東京羽田空港に着きました。

最後に

<現地校生との合同フィールドワークin台湾から>

(1)台湾は多言語社会、複言語社会
  人々の母語が多様な多言語社会でした。そして、
多くの人が2つ3つの言語を操るのが当たり前の複言語社会でした。
「お父さんは日本語と英語しか使えないから」
というフレーズには衝撃を受けました。

台北では英語が通じました。
台北日本人学校の生徒も英語が上手です。
でも授業で使うだけで、日常生活で英語を使う機会がないのは台湾も日本と同じなのだそうです。


では日本と台湾はどこが違うのでしょうか?

今回のSGH台湾FWに協力頂いた、台北の国立政治大学の白田さんの話では、
「台湾人は英語が通じる相手と分かると、とにかく英語を使ってみよう!と話しかける。
日本人とみると、覚えたての日本語で私に話しかけて来る。言葉がへただとか、まったく気にしない。

台湾人は、本当に心が広くてオープンマインドで、

その積極性にはいつも感動しています。」

外国語が上達するはずですね。

(2)今回のフィールドワークを具体的提言につなげる

”水”に関する意識は、
日本と台湾とで大きく違うことが分かりました。
そして、水は大切といいながら、
”水”について考えることが今まで少なかったと知りました。

「知らざるを知らざるとなす、これ知るなり」(論語)
台湾で活躍され

台湾で活躍する佐高OBの地球科学者・飯塚義之先生から教わったこの言葉を思い出します。

さらに飯塚先生からは、
「我々は台湾政府の予算を使って研究している。
だから研究を通して社会に貢献しなければならない。」
「皆さんも文科省の国費を使ってここに来ている。
だから台湾フィールドワークが単に自分の成長につながればいい、ではいけない。」
「台湾フィールドワークの成果を社会に還元してほしい。頑張って。」
と温かい励ましを頂きました。

SGH研究班は、日本帰って調査結果をさらに分析し、
必要なら日本で追加調査を行い、
佐野や台湾のための具体的提言にまとめたいと思います。
今後の動きとしては、
学会に行って高校生が提言発表することを考えています。


SGH研究班の保護者の皆様にはお世話になりました。
生徒はたくさんのstudyに取り組む中で、
たくさんのstoryを積み重ねました

Every  SGH student has a story to tell.

話を聞いてやって下さい。

この台湾フィールドワークは、
様々な方のご協力があって初めて実現しました。
感謝申し上げます。(了)






       

台湾フィールドワーク4日目(台中2日目)

<国立自然科学博物館>

台中市にある、台湾第一の自然科学博物館を見学しました。
台湾や世界の水環境について学びます。

博物館副館長を表敬訪問しました。

SGH研究班より代表生徒が英語で副館長さんに感謝の辞を述べました。

宇都宮大学国際学部に留学中の台湾人学生の友人で、
この博物館でガイド経験もある現地の台湾人大学生が解説をして下さいます。
生物学を専攻されている学生さんで、恐竜展示のガイドをされていた方です。


水~絶対に必要な液体

「人体の7割は水」を視覚的に表現しています。

人は水を毎日どれくらい使っているのか?
How much water does one person use each day?

2008年の台湾人は家庭で毎日230リットルを使っている(公共使用分も含めると274リットル)
トイレで64リットル、洗濯に50リットル、風呂・シャワーに48リットル、
手洗いに36リットル、洗い物に40リットル。

共通点は、全部洗浄用!
飲み水は、1日せいぜい2~3リットルですから、
人が水を使うということは、
汚れを運んでもらうということ

なのですね。

”水”について考えるということは、
生き方について考えるということなのだと思います。

<アンケート調査in台中>
午後には、”水”に関する意識調査を実施しました。
”水”問題はグローバルな問題であると同時にローカルな問題でもあります。
風土の異なる台北と台南の意識の違いを調べます。

台湾語と中国語はまったく異なるそうです(別言語レベル)。
台湾中部から南部にかけては台湾語話者が多いため、
台湾語もできる現地の学生と合同で調査しています。



集計作業を、スキマ時間を活用して進めています。
 
お世話になっている青柳先生に、博物館で買ったキーホルダーをSGH研究班からプレゼントしました。

 ホテルに帰ってディスカッションとレポート作成です。

台湾フィールドワーク3日目その2(台中1日目)

<921地震教育博物館>

午後は台中に移動して921地震教育園を見学しました。
1999年9月21日に台湾中部で起きた921大地震を機に
被災した中学校跡地に国際的な地震教育の場として作られました。
世界から30万人が訪れるそうです。

<全壊した中学校を取り壊さず、そのままの形で保存しています>
    

スタッフさんに質問してみたところ、
取り壊さずに残して保存することについては、やはり
被災した住民から反対意見もあったそうです。
ただ、921地震が発生したのが夜間で、
校舎倒壊の犠牲になった子どもがいなかったこともあり、
地震教育の生きた教材として
高い志をもって設立されました。
  
平らだった校庭が人の背の高さ以上に隆起してできた断層を、そのまま保存しています。
    
学校のグラウンドを持ち上げた断層を、そのまま保存しています。
  


校舎の1階が押しつぶされています。

<夕涼みで台中市内を散策>
SGH研究班の1人が、今日が16歳の誕生日でした!
特に何もしてやれませんが、とても充実した、思い出の1日ではなかったかと思います。
   
同行して下さっている日本人研究者に教えて頂いたのですが、
タピオカミルクティーは、ここ台中市が発祥の地です。
みなで乾杯してお祝いしました。

 

台湾フィールドワーク3日目その1

<中央研究院  午前中@台北>
 午前中は、
台湾政府直属のシンクタンク・中央研究院の地球科学研究所を訪ねました。
行政院(行政府)、立法院(立法府)というように、
~院とは、中国語で国家機関であることを示す用字だそうです。

そこの地球科学者で、
佐高OBでもある飯塚義之先生(佐高の教員・石井勝尉先生と同級生)から
「台湾の地震について」講義をしていただきました。これは日本語です。

SGH研究班(2年篠崎さん、1年荻原くん)が、日台フィールドワークの成果を英語でプレゼンしました。

中國文化大学理学部地球科学科で教鞭をとる郭欽恵博士(ボストン大学出身)から、台湾の地下水研究について講義(英語)を受けました。
とても優しい先生です。

台湾でも梅雨をそのまま梅雨(メイユー)というそうです。
日本には3000m級の山が21座なのに対して、台湾では286座もあるほど地形が急峻です。
地質も軟らかく、侵食作用を受けやすいため、ダムを作っても土砂ですぐ埋まってしまいます(英語)。降水の75%はあっという間に海へ流れ去ってしまいます(英語)。季節的地域的な遍在も大きいため、台湾はウォーターリソースの有効利用、再生利用を推進してきました(英語)。

<郭欽恵教授との質疑応答>
SGH研究班(1年飯塚さん)「台北市水道局は、水道水は飲用できると言っているし、実際水質は良好な数値が出ている。それなのになぜ台北市民は水道水を飲まないのか。
郭教授「Good question!確かに水質は良い。
それでも飲まないのは2つの側面からである。
一つは市民は水道水に、いまだ不信感を持っていること。
さらには、蛇口からの水道水は飲まないのがcustomになっているということ。
もはや食文化であり、意識を変えるのは容易ではないのだ。」

感謝の代表あいさつ

最後に、記念品を贈りました。

台湾新幹線の南港駅入口に着きました。
午後は台湾新幹線に乗って台中に移動します。

新幹線の車内です。お弁当を車内で取っています。

<921地震教育園 午後@台中>

台湾フィールドワーク 2日目その4

<街頭アンケート調査>
佐高SGH研究班7名と台北の現地校生5名がチームを組んで”水”にかかわる共同調査を行いました。
2日目最後のフィールドワークです。調査地点は台北駅周辺を選びました。

3班に分かれた合同調査チームにはそれぞれ台北の日本人留学生や若手研究者もメンバーに入りました。留学生や研究者の持つ高い判断力や人間性に接したり、直接エールやアドバイスを頂く経験は、高校生にとって大きな刺激となるでしょう。


<台湾の東呉大学の先生(日本人)に、チームに加わって頂いています>

<宇都宮大学からの日本人留学生に、チームに加わって頂いています>

 使用言語は中国語または英語です。   
 中国語に堪能な人はチームに必ずいます。しかし、その人にばかり依存しまうのは、どうでしょう?それでは経験になりませんし、心掛けるべきは、メンバー全員が力を発揮してチームの力を最大化することです。
中国語ができないメンバーも、英語でアンケートを実施しました。

<最後の感想から>
・日本人と台湾人という、英語を母国語としない人どうしが英語でコミュニケーションできたのが良かった。

・海外にきて英語が通じたことは、シンプルに理屈抜きでうれしかった。

明日は日本および台湾での調査結果を整理・分析し、その成果を台湾政府直属ののシンクタンク・中央研究院でプレゼンする予定です。
朝から密度の濃い1日でしたが、ホテルに帰ってからみなでディスカッションして
プレゼン資料作成が待っています。
もうひとふんばりです。

ディスカッションと明日の資料づくりをホテルの大広間で22:00まで行いました。
それでも完成しなかったので、それぞれ分担して自分たちの部屋に持ち帰って
作業を進めました。生徒によっては12時過ぎ、1時過ぎまで頑張っていたようです。
ご苦労様でした。