栃高博物館

2012年12月の記事一覧

栃高博物館 15 ヒカリボヤ

               栃高博物館  15 ヒカリボヤ(光海鞘)

     分類 脊索動物門タリア綱ヒカリボヤ目
     学名 Pyrosoma atlanticum
     英名 pyrosoma
     大きさ 10~20cm(60cmになることも)
     分布  緯度50度以内の温暖な海

     標本は約10cm。繊細で筒状の、この不思議な生き物は、最初は何かわかりませんでした。
   標本瓶の中にタグ(写真左上の白いUの字に曲がったもの)が入っており、そこに「ピロソマ」と
   書いてありました。海ではたくさんいるそうですが、標本で初めて見ました。とても美しい保存状
   態です。私の中では、栃高の標本の中でも指折りの逸品だと思っています。ヒカリボヤは郡体
   ボヤの仲間で、体長3~8mmの個虫が無性生殖で増殖し、筒状の形を形成します。生きてい
   るときは、その名のとおり発光します。
    学名の atlanticum は Atlantic Ocean の意味で、初めて発見されたのが大西洋だった
   からだそうです。雄大な名前ですね。 

      

栃高博物館 14 ヤツメウナギ

          栃高博物館 14 ヤツメウナギ(カワヤツメ)
    
       分類 脊椎動物 無顎上綱 円口綱
       学名 Lethenteron japonicum
       英名 lamprey
       大きさ 40cm
       分布 世界中の寒冷水域
 
   ウナギという名がつくけれどウナギではありません。実は魚でもありません。魚より原始的で
  あご(顎)がなく、口が円い(円口類)不思議な動物です。口は筋肉質で吸盤になっており、中
  に鱗の変形した牙が生えています。大形の淡水魚の体に吸いつき、牙で傷をつけ、体液を吸
  います。(写真上側) ヤツメは「八つ目」の意味で、目の横にえら穴が7個あります。目が8個
  に見えるのでこの名がつきました。写真下がその写真です。左の大きい白いものが目で、横に
  ある小さな穴(①のように見えます。穴は閉じています)がえら穴です。右端の7つ目のえら穴
  は見ずらいです。