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校長室だより
始業式 式辞
令和2年度1学期始業式式辞(校長着任式挨拶を含む)
皆さん、おはようございます。
四月より宇都宮北高校校長となりました笠原です。どうぞよろしくお願いします。
三月まで、三年間、鹿沼高校の校長を務めていました。その前3年間は宇都宮東高校と宇都宮東高校附属中学校の教頭を務めておりました。
このたび、宇都宮北高校という県内で最も人気のあるすばらしい学校の校長を拝命し、とても嬉しく思うと同時に、責任の重さを感じております。
一年生とは昨日の入学式で会いましたが、2・3年生の顔を見ることができず、放送での始業式となってしまい、残念でなりませんが、皆さんの命と健康を守ることが第一ですので、今回は放送にて行い、皆さんの顔を見て話が出来る日を待ちたいと思います。
さて、昨日、国の緊急事態宣言が発令されたのを受けて、栃木県の緊急対策会議が開かれ、明日から2週間の臨時休業が発表されました。
学校が再開されることを待ち望んでいた者にとっては、残念に感じる面もありますが、現状を見たとき、ほっとした気持ちの方が勝っているかもしれません。
生徒の皆さんだけでなく、御家族を含め、社会全体を守るための措置ですので、休校のの趣旨をよく理解し、宇都宮北高生の自覚を持って責任ある行動をとってほしいと思います。宇都宮北高校のイメージとして自由な雰囲気が挙げられますが、自由には責任が伴うことを忘れてはいけません。
そこで、皆さんに一冊の本を紹介します。
岩波新書で池田潔という方の「自由と規律」という本です。
この本は著者がイギリスのパブリックスクールで学んでいた時のことを記したものです。今から60年も前に書かれたものですが、新学期になると今でも書店に平積みとなる歴史的名著です。
この本は私が高校入学の時に入学式で校長先生が紹介されたもので、自分の中で自由とはということを考える基盤となった本です。是非読んでみてください。
昨日の記者会見での栃木県教育長の話では、休校の期間を更に延長するかどうかは、二週間後、休校の効果があったかどうかの状況により判断するとのことでしたので、学校が一刻も早く、安全な場所として再開できるよう、自分・家族・社会を守る行動を皆さんは実践してください。
まずは、緊急事態宣言地域である、東京・埼玉・千葉・神奈川へは、よほどの理由がなければ行かないということを徹底してください。
そして、誤った情報やデマに踊らされることなく、冷静な行動をとってください。
昨日の入学式の式辞で1年生に話したことですが、コロナウイルス感染症拡大の混乱の中で改めて感じたのが、科学教育の充実と情報教育の充実です。あまりにも多くの非科学的なデマや情報に踊らされ、混乱を自ら深刻化している姿は嘆かわしくも悲しくもあります。そこで皆さんには、本校で科学的な考え方と正しい情報の活用をしっかりと身につけてもらい、社会の中で率先した行動をとってもらいたいと思います。
もう一点、昨日述べたことで、2・3年生にも実践してほしいことがあります。
それは、「哲学を持つ」ということです。
哲学を持つことは、「命を大切にする」「人を大切にする」ことにつながります。
皆さん一人ひとりの命はかけがえのないものであり、今ここに存在することには大きな意味があります。その意味はまだ見えないかもしれませんが、それを探していく行為こそ、「哲学を持つ」ということにつながります。
1年生には繰り返しとなってしまいますが、それだけ重要だと思って聞いてください。
なぜ哲学を持ってほしいかというと、哲学を持たぬ科学者ほど恐ろしいものはないと考えるからです。この場合の科学とは、物理学や数学といった自然科学だけではなく、文学や歴史学といった人文科学、法律や経済といった社会科学も含みます。
つまり、皆さん誰もが、何かしらの科学を専門とすることとなるわけですが、哲学を持たずに取り組むことは恐ろしいことだと考えるからです。
しかし、哲学を持つということは容易なことではありません。哲学を持つためには、自分自身の体験だけでは十分ではありません。多くの人と接して様々な生き方・考え方に触れること。本を読み、先哲の優れた思想を学ぶこと、直接体験できないことも、本の世界に自分を置いて間接的に体験し、考えることが必要です。
したがって、皆さんには多くの人と接し、多くの本を読んでもらい哲学の世界、学問の世界に羽ばたいてもらいたいと思います。
私が石橋高校に勤務していた時の生徒で、現在明治大学の准教授をしている人物は、高校在学中に石橋高校の図書館にある哲学書をすべて読んだと言っていました。皆さんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
宇都宮北高校の校章の由来の一つである「知・徳・体・情・意」という言葉も哲学と大きな関係があります。この点については自分で調べてみてください。
まだまだ話したいことはたくさんあるのですが、時間短縮のため、今日はここまでとし、これから様々な場面でいろいろな話をしていきたいと思います。
以上、令和2年度第一学期始業式にあたっての校長式辞と致します。
2週間後、皆さんの元気な姿を見せてください。
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教育相談の窓口一覧(PDF形式、令和7年5月栃木県教育委員会)です。