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2年化学「弱酸の遊離」

こんにちは理科教員です。

授業の問いは、「卵の殻に塩酸をかけると何が発生する?その根拠は?」です。

「泡が出るから、二酸化炭素が発生するんじゃない?」という予想からスタートしたこの授業。でも今回は、“弱酸の遊離”という現象にも注目して、より深く考える実験を行いました。

実験では、以下の2つの反応を比較しました:

酢酸ナトリウム + 塩酸
塩化アンモニウム + 水酸化ナトリウム
塩化アンモニウムの反応では、アンモニア特有のツンとしたにおいが発生し、生徒たちは「うわっ、くさい!」「これがアンモニアか!」と大盛り上がり。一方、酢酸ナトリウムの反応では、酢のようなすっぱいにおいが漂い、「おえ!臭い!」と、こちらも教室が笑いに包まれました。

においの変化を“体感”することで、化学反応が目に見えるだけでなく、五感でも感じられることを実感。生徒たちは、強酸や強塩基が弱酸・弱塩基の塩と反応すると、弱酸や弱塩基が“押し出される(=遊離する)”という仕組みをにおいの変化を通して理解していきました。

卵の殻に塩酸をかけたときに起こる反応も、炭酸という弱酸が塩酸によって遊離し、二酸化炭素が発生するという流れで説明できることがわかりました。

実験を通して「なるほど!」に変わる瞬間。これからも、体験を通して深く学べる授業を大切にしていきます。