進路指導室より

2022年11月の記事一覧

本校高等部に関するQ&A

11月25日(金)

 体験学習等で外部からいらっしゃる保護者の方から、時折質問される項目に
ついてまとめてみました。御覧下さい。

Q 「特別支援学校を卒業したら”高卒”扱いになりますか?」
A 特別支援学校高等部を卒業しても、「高等学校卒業」の資格を得ること
 にはなりません。肩書きとしては「特別支援学校高等部卒業」になります。
  補足ですが、「サポート校」についても単独では‘’高卒‘’とはならず、通
 信制高校と連携したカリキュラムを修了する必要があります。

Q 「大学や短期大学に進学はできますか?」
A 大学・短期大学の入学資格は、
  1.高等学校又は中等教育学校を卒業した者
  2.特別支援学校の高等部又は高等専門学校の3年次を修了した者
  に与えられますので、法的には受験資格はあるということになります。
  ただし、本校のカリキュラムは大学等への進学に対応したものではない
 ため、現実的な選択肢ではありません。
 
Q 「特別支援学校卒業で就職に不利になりませんか?」
A 「不利」になることはありません。就職への過程が一般高校とは異なる
 だけで、そこに有利不利はありません。ただ、法定雇用率や企業側の雇用
 意欲、障害理
解に左右される部分はどうしても大きくなります。
  企業への就職については、高等部での産業現場等における実習を経て、
 適性や能力を見極めながら進めていくことになります。就職に十分な力が
 あると企業が判断した場合、求人票が個人宛に発行されますので、そこに
 応募することになります。一般高校のように、指定校枠や学校向け求人が
 あるわけではありません。また、「障害者雇用」での採用となりますので、
 一般向け求人に応募するというケースもありません。この辺が過程の違い、
 ということになります。
  ただし、「障害者雇用」といっても企業側の扱いは「高卒」と同等で、
 求人票も「高卒求人」の書式を使用して発行します。
   
Q 「障害者雇用では給料は安いのですか?」
A 確かに過去のデータをひもとくと、一般高卒の初任給平均額に比べ、本
 校卒業生の初任給は低い状況です。いわゆる「正社員」としての雇用もほ
 とんどないため、賞与(ボーナス)や定期昇給が少ないか、全くない企業
 もあります。
  これはやはり本校卒業生の場合は単純反復労働に携わることが多いため、
 従事する内容に応じた賃金設定という意味合いでそのようになります。イ
 メージとしては、「パートタイマー」的な待遇というと分かりやすいかも
 しれません。
  

企業向け学校公開を開催しました

11月17日(木)

 今年度も、真岡公共職業安定所との共催で、「企業向け学校公開」を実施しました。
 感染症の再拡大が懸念される中でしたが、本校進路指導部は「対面」へのこだわりをもっています。なぜなら、リモートでは分からない「空気感」というものが、人間同士の相互理解には必要だと考えているからです。お呼びする企業の数を少なくし、会場設定にも空間的なゆとりをもたせる等配慮し、感染症対策を十分に実施しながら直接生徒の様子を見ていただく機会とすることができました。
 第一部では、高等部生徒の授業を参観していただきました。産業現場等における実習中とはまた違った生徒の様子に、参観した企業の方も新たな発見をされているようでした。
 第二部では、「栃木ハイトラスト株式会社」の柴田様、栁沼様からの御講話をいただきました。柴田様からは「生徒本人の適性を見る機会として、実習の場をどんどん活用してほしい」という御意見をいただきました。また、栁沼様からは「障害者を受け入れる側の意識も変えていく必要がある」と、実体験に基づくエピソードを交えてお話しいただきました。
 参加企業だけでなく、学校にとっても貴重な学びの場となりました。柴田様、栁沼様には心より御礼申し上げます。

 【真岡公共職業安定所長の挨拶】    【栃木ハイトラスト株式会社様の御講話】
   




令和4年度 保護者対象進路研修会

11月9日() 本校体育館にて保護者向け進路研修会を開催されました。

 

本校卒業生の保護者である川良桂子様、宮田加代様、卒業生の川良涼様を講師としてお招きし、講演していただきました。
    
    

     

川良様には、一般就労を卒業後の進路として選択するまでの過程や、家庭でのサポート、就職をしてからの様々なお話をお聞きすることができました。「笑顔で職場(学校)に送り出す」ことや、「いつでも本人を励ます体制を整えておく」など、保護者の生の声を聞くことができました。また、「社会に出て生きていくのは本人なので、多くの人に助けてもらえる人になってほしい」とおっしゃっていました。そのために「素直さ、笑顔、挨拶」が大切であるとお話をされていました。


    

宮田様には、主に生活介護に関するお話をお伺いしました。進路決定の際に重視したこと、進路決定までの苦労など、様々な内容をお話いただきました。「在学中にできるようになっておいた方が良いこと」に関しては、「朝に起きて、ご飯を食べ、昼間に活動し、夜になったら眠くなる、といった生活リズムを整えておくこと。」とおっしゃっていました。また、「学校にいる間には体育の時間など、運動の時間があるが、卒業後には意識しないと身体を動かす機会が減ってしまう」といったことも教えていただきました。

     



お忙しい中御来校いただいた講師の方々に深く感謝申し上げます。

 

参加された保護者の皆様からは、「具体的なお話を聞くことができ、とても参考になった。」「卒業後の進路について不安もありますが、前向きな気持ちになることができました。」といった言葉をいただきました。

進路決定の一助としていただくことができましたら幸いです。

 

また、アンケートの中には御質問もいただきました。

進路指導部長からこの場をもって返答させていただきます。

・生活介護と日中一時の併用は可能ですか?

 →可能です。生活介護サービスの時間帯外(例えば16:00~17:00など)に、組み合わせて利用している方が多くいらっしゃいます。また、生活介護が閉所している土曜日などに、日中一時を別の事業所で利用している方もいらっしゃいます。


・生活介護でグループホームにお世話になると、障害年金で一生安心して暮らせますか?

→障害基礎年金は、1級で月額約81,000円です。グループホームの費用は食費光熱水費込みで、6~7万円のところがほとんどです。計算上は生活していくことは可能ですが、赤字になってしまうような場合には、生活保護の受給を併せて行う方もいらっしゃいます。