令和7年度 障害福祉サービス事業所ガイドブック
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【年度中の追加分】
進路指導室より
保護者対象進路研修会を行いました
12月18日(木)
この度、宇都宮市下平出町のB型事業所『リハスワーク宇都宮』から、センター長の森田直美様と、自身も障害がありながら事業所スタッフとして勤務する息子の陽盛(ようせい)さんをお招きし、進路研修会を行いました。講話で森田様親子からお話のあったことをまとめました。長文ですがとても意義のある内容ですので、ぜひ御一読ください。
《森田直美様より》
~~子育てのエピソード~~
我が家では、娘と息子が二人とも障害をもって生まれてきました。初めは「何で私のところに」とやりきれない気持ちもありました。当時は子どもの特性について「子育てが悪いからだ」という風潮や圧力もあって、受け入れられるようになるまで時間はかかったと思います。
息子は5歳ごろにようやく言葉が出るようになってきました。義務教育は特別支援学級に在籍し、高校は通信サポート校を選びました。高校卒業後は専門学校で、パソコンやビジネスマナーを学ばせました。本人の希望が明確にあったわけではありませんが、親としては社会に出るために身に付けて欲しいことがあり、専門学校進学を選びました。
ここまではある程度レールに乗って進むことができたのですが、専門学校を卒業するにあたって、立ち止まることを余儀なくされました。就職先が見つからず、ハローワークに何度も通いながら、「就労継続支援A型事業所」というものがあるということを初めて知りました。今でこそこのような仕事をしていますが、その時点まで障害福祉に関する知識がまったくなかったのです。
あわただしく相談支援専門員と契約し、A型を体験して通所を開始しました。本人は努力家なので、一所懸命に仕事をしていたと思います。ところがある日、仕事での間違いを支援員に指摘され、障害特性ならではの強い口調で「これは間違いなのですか!?どこが間違っているのですか!?」と質問をしたそうです。当人にしてみれば、別に怒っているわけでもなんでもなく、間違えた部分を知りたくてそのような言い方になっただけでした。でも、事業所はそう考えなかったようで、相談員から本人の言動について「素直に言うことを聞かず、反抗的な態度をとっている」と受け取られている旨の話がありました。本人をどのように理解しているかによって、同じ言動であっても受け止め方が異なってくるのだと感じましたし、それと同時に親として本人の生きづらさを改めて見つめ直す機会ともなりました。
~~障害福祉サービス事業所の立ち上げから今日まで~~
施設を立ち上げるにあたって、自分の子どもが自分らしく働ける場を作りたいという想いはありました。しかし周囲からは「自分が受け皿になって、自分が亡くなった後はどうするの」という意見も投げかけられました。確かにそういう見方もあると思います。信頼できる第三者を見つけていくことも必要だな、と今は感じています。
代表として職員を採用する際、スタッフとして働くことになる息子の特性を理解して共に働いてくれるかどうかを最優先事項としました。一方で、息子も得意のパソコンスキルを活かしながら働きつつ「ピアサポーター研修」を受講するなど努力をしています。研修を受けた後は顔つきも変わりましたね。責任感が増しているように感じます。息子の支援者としての良いところは、「KY」なところです(笑)。良い意味で相手の都合はお構いなしなので、誰にでも自然に話しかけることができるんですよね。そして、利用者さんのスローペースをいつまででも待てること。これって支援者のスキルとしてとても重要なものですよね。私なんか、すぐイライラしてしまいます(笑)。息子はオン・オフの切り替えもしっかりできています。仕事中は仕事のことだけ考えて取り組んでいることが伝わってきますし、自宅に帰れば自分の趣味に没頭しています。自分は休日も仕事のことを考えてしまうので見習わないといけませんね…。
~~親としての学び~~
息子とこれまで暮らし、共に仕事をしてきた中で学んだことは、「価値観の違いを受け入れる」ということです。まあよく言われることではありますが、これがなかなか難しいんです。例えば、親として様々な体験を通じて世界を広げて欲しいと思い、旅行なんかに誘うじゃないですか。ところが息子は「行きたくないところになぜわざわざ行かなければならないのですか!?」と反論してくる。ムッとしますよね(笑)でも、こういうちょっとしたことを受け入れて、相手を尊重していくことが親子といえども大切なんだな、と思います。あとは、「本人のペース」を尊重すること。私には娘もいると申し上げましたが、娘にも障害があって、就職と離職を繰り返していました。今はゆったりと自宅で過ごし、よく食べ、よく笑いながら「長いお休み」の期間を過ごしています。でも、最近放送大学で学び始めたりして、ちょっとずつリカバリーが進んでいるようです。焦らないで見守るようにしています。
~~結びに~~
障害をもつ子どもの親として、最大の葛藤は「子どもの選択を自分が代わりにしなければならない」ということでした。そういった意味でも、ぜひ皆様のお子様には、どんな手段でも良いので、「意思表示」ができるようになってもらいたいと思います。そして、それが「本心」であるとより一層素晴らしいですよね。御清聴ありがとうございました。
《森田陽盛様より》
スタッフとして気を付けているのは、利用者さんが分かるまで何度でも繰り返し伝えることです。また、利用者さんに対して一方的に「やれ」というのはありえないです。自分も実践して、やって見せることが大切です。学生の皆さんに伝えたいことは、社会で必要なのは「力と努力」だということです。自分は今までつらいことがたくさんありましたし、これからもそうだと思いますが、努力して乗り越えていきます。皆さんも自分のペースで良いので、努力を続けてください。また、先生や先輩へのリスペクトを忘れないでください。
企業向け学校公開を実施しました
11月25日(火)
去る11月19日(水)、芳賀地区の企業に向けた学校公開を実施しました。
今回は講師に、高齢者介護施設を運営する株式会社オガワから太田様をお招きし、学校概要説明、授業見学、講話の流れで行いました。
参加者からは、「生徒が生き生きと活動していた」「教員が生徒に分かりやすく説明していた」「講話の内容が実体験に基づいており、とても参考になった」との感想をいただきました。
また、太田様の講話の中では、障害者の特性についてのお話がありました。例えば次のようなものです。
・「危ない!が分からない」…支援中にも目移りし、高齢者から目を離してしまう
・「あいまいが分からない」…ちょっとしたルールの逸脱も許せず、利用者にきつく当たってしまう
・「人間関係の上下に独自のルールがある」…自分よりだいぶ年上の職員でも、後から入れば後輩扱い
・「利用者への注意の仕方」…やわらかい言葉遣いができず、利用者からのクレームに
太田様、見学に御参加いただきました皆様、お忙しい中御足労いただき、ありがとうございました。
福祉施設即売会(ましこ祭にて)
11月11日(火)
先週土曜日、盛大に「ましこ祭」が催され、多くの来場者で賑わいました。
進路指導部は、地域の障害福祉サービス事業所各所の御協力をいただき、食堂にて「福祉施設即売会」を開催しました。
当日は8つの事業所においでいただきました。パンやクッキー、小物類、ジャムや卵といった、事業所自慢の品々が所狭しと並び、10時の開場と同時にお客様で大盛況となりました。開始わずか4分で完売となった事業所も!
お忙しい中、即売会に御協力をいただき、誠にありがとうございました。
あるB型事業所との懇談から
10月23日(金)
卒業生がお世話になっている事業所の方々とは、いろいろな機会でお話させていただくことがありますが、今日はあるB型事業所の管理者の方から伺った話を御紹介します。
その事業所には、「こだわり」の強い生徒が卒業後お世話になっていました。学校でも「こだわり」は随所に見られましたが、それほど大きな問題にはならず、在学中から何度か実習を行い、良い評価を得た上での利用開始でした。
通所を開始してしばらくは仕事にも頑張って取り組んでいましたが、徐々に特性である「こだわり」が出始め、さまざまな場面で他の利用者や職員を困らせることになっていきました。
管理者の方はこうおっしゃいました。『本人には障害があり、特性があることは理解しています。そのための就労支援施設でもあります。ただ、最も困ったのは、「こういう言動で周りが困っている」と保護者に伝えても「それは特性で、しかもうちの子は重度なので(施設で何とかしてください)」という態度でした。保護者の方が協力してくれる姿勢を示してくれないと、支援も行き詰ってしまいます。』
この話を伺い、また別のA型事業所管理者による言葉も思い出しました。その方は「その子自身の問題で手のかかる子になるのではなく、周囲の考え方、関わり方が問題をより大きくしてしまう場合がある」とおっしゃっていました。その方は、幼少期の関わりがその後の人生に特に大きな影響を与えることも、併せておっしゃいました。
自我を発揮し、思いを行動にすることは素晴らしいことで、「こだわり」も自己意思の表出の一種であると言えます。障害福祉の分野でも本人の「意思の自己決定」を最優先する支援がされています。ただ、社会は「集団」で成り立っていることもまた事実であり、他者との関係性は生きていく上で逃れることはできません。どんなにリベラル化が進んだ社会においても、残念ながらすべての「個性」「多様性」が無条件に許容されることはなく、他人の迷惑とならない範囲の「個性」でなければ容認されないのが現実でしょう。
子どもたちがより良い人生を送るために今できることは何か。私も進路指導について改めて考える機会となりました。
実習報告会でいただいたアドバイス
10月10日(金)
昨日、2学期産業現場等における実習の報告会が行われました。当日の様子は、高等部からアップされています。
さて、今回も実習を受けていただいた事業所から来賓の方をお招きし、講評をいただく機会がありました。その中で、企業からいらっしゃった講師の方より、 「何事も感謝」「すみませんが言えること」「挨拶・返事・後始末」が大切だとアドバイスをいただきました。これらは普段から学校でも繰り返し伝えるようにしていますが、「後始末」という言葉だけはあまりなじみがないなと思い、少し考えてみました。
辞書的な意味で「後始末」とは、❶「後片付け、物事が済んだ後の整理」というものが最初に出てきますが、次に出てくるのは❷「尻ぬぐい」「落とし前」などの意味です。講師の方は、「言葉の意味を考えてみてください」と講評の結びにおっしゃっていましたが、❶の意味なら「後片付け」と言えばいいわけで、つまり❷の意味について考えてみよ、ということなのではないか、と感じました。
仕事をしていれば、作業面はもちろん人間関係や家庭の問題等、当事者には日々様々な「イレギュラー」が起こります。子どもたちは、学生時代に起きるイレギュラーやトラブルに対して、周囲の手助けを受けて、あるいは完全に人任せでそれらの困難を解消しています。しかし、社会人となって独り立ちするには、自分で片付けなければならないことがあり、まずは自分の力で解消を試みることが必要なのだ、というメッセージなのではないか、と思いました。
これをおっしゃったのは芳賀地区でも有数の障害者雇用推進企業の方だったので、なおさら重みのある言葉でした。
産業現場等における実習において
9月30日(火)
現在、高等部2、3年生が「産業現場等における実習」を行っています。地域の皆様にはいつも御協力いただき、誠にありがとうございます。
さて、実習において事業所の御担当者様から、「気持ちをこめて」という表現でアドバイスをいただくことがあります。それを生徒に伝えようとするとき、大人の我々にとっても仕事に「気持ち」や「心」をこめることは、実はそう簡単なことではないことに気づかされます。というのも、生徒にわかりやすい適当な言い換えの言葉、伝わりやすい表現がなかなか見つからないのです。
AIに尋ねると、「心をこめる」とは、『言葉や行動に相手への深い愛情、感謝、願い、祈りといった気持ちを込めて行うことです。単に作業をするだけでなく、相手を思いやり、真心や丹精を込めることで、物事の質を高め、相手にもその気持ちが伝わるようにするという意味合いがあります』と返ってきました。
「単に作業をするだけでなく」…ここがポイントでかつ生徒たちにはとても難しいことだと思います。私は「自分がよくできた、きれいになった、と思える仕上げをしよう」と伝えましたが、自分が良いと思っていても周囲はそう思わないことも多々あります。さて、皆さんだったらどう伝えますか?
朝刊1面「障害者解雇最多262人」という見出しから
9月22日(月)
9月21日の下野新聞朝刊1面に、標題の見出しが大きく掲載されました。内訳として9割近くが「就労継続支援A型事業所」からの解雇だったとのことです。
近年爆発的な勢いで上昇する最低賃金や障害福祉サービス報酬改定等によって、運営が厳しくなったA型事業所が閉鎖やサービス形態変更の道を選んでいることは御存知のとおりですが、その結果が明確な数字として出てきたというところです。本校卒業生の皆さんについても、一般就労への移行、他のA型との新規契約等、進路変更を余儀なくされた方が多くいました。ここに加え、社会保険の加入要件緩和が決定しており、事業所にとってはさらに厳しい状況となることが予想されます。(資料参照)
働きたいという意欲をもちつつも、様々な理由で一般企業への就労に結びつかなかった障害者にとって、雇用契約を結びしっかり働ける貴重な場がA型事業所です。もちろん労働者にとって多くの選択肢が用意されていることが望ましいのは言うまでもありませんが、社会状況の変化によってどうなっていくのか…今後の動向に注目しています。
高等部3年生が資格を取りました
9月3日(水)
このたび、高等部3年の生徒が「介護職員初任者研修」の資格を取得しました。おめでとうございます。この資格は民間資格ではなく、厚生労働省の基準に基づく資格です。取得すると、身体介助を単独で行うことができるようになり、雇用する側にとっても大きな戦力となります。
夏休み期間中、土日とお盆休みを除く1か月間、宇都宮市の「宇都宮青葉高等学園」に遠路益子から通いました。研修の感想を本人にインタビューしましたので、ぜひ御覧ください。
Q. 1日の研修時間はどのぐらいですか?
A.9時から16時20分までです。
Q.研修で大変だったことは何ですか?
A.初めて会う人と自分からコミュニケーションを取るのが難しかったです。また、寝ている人の体位変換や着替えが
大変でした。
Q.受講生は全部で何名でしたか?
A.11名です。私の他には宇都宮青葉高等学園と南那須特別支援学校の生徒がいました。
Q.後輩にアドバイスはありますか?
A.普段からコミュニケーションを積極的にとることが大切だと思います。また、仕事をするには体力や筋力も必要だ
と感じました。
Q.これからの目標は何ですか?
A.産業現場等における実習でお世話になっている事業所に就職し、資格を生かして働くことです。
福祉施設説明会を実施しました
8月6日(水)
今年度も多くの福祉施設の皆様に御協力いただき、7月30日に本校を会場として福祉施設説明会を開催しました。
今年度は午前の部、午後の部で延べ130名を超える保護者の方々が参加しました。進路に関する意識の高まりを感じることができました。
御説明いただいた施設の皆様、お忙しい中ありがとうございました。
福祉事業所紹介について
7月31日(木)
過日UPした今年度の「福祉サービス事業所ガイドブック」について、新たな事業所から情報をいただきましたので追加します。
社会福祉法人征峯会「ライフサポートヒラソル」(茨城県筑西市)
(C) 2013 Mashiko special needs School
(不許複製・禁無断転載)
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