進路指導室より

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障害者雇用納付金制度に変化が

5月21日(水)

 

 先日の下野新聞に、厚生労働省が障害者雇用納付金制度の見直しを検討しているという記事が掲載されました。

 納付金制度とは、簡単に言えば「法定雇用率を満たしていない、従業員数100人以上の企業から納付金を集め、達成企業に報奨金として配分するとともに、各種助成金として活用する」というものです。納付金額は一般的に不足1名につき月額50,000円です。

 記事によれば、厚労省は「従業員100人以下の企業も対象に含めたい意向」で、年内に議論をまとめ、2027年の関連法改正を目指すとのことです。

 現在の法定雇用率は2.5%(従業員40人につき1人の障害者雇用義務)ですが、従業員が40~99人の企業には、雇用義務があるものの納付金の徴収は行われていません。この改正案は納付金の対象企業を拡大し、より一層障害者雇用を推進することを目的としていると思われます。今後の動向を見守りたいと思います。

障害基礎年金に関するニュースについて

5月1日(木)

 

 先日、新聞報道で「障害基礎年金の不支給率増加」が取り上げられていました。御覧になった方も多いのではないかと思います。ある保護者の方と話す中でもそのことが話題になりました。

 最初の報道を要約すると、

・24年度の不支給率が23年度比2倍以上に

・精神障害者への不支給率が大幅に増加

・障害年金センター長の交代が影響したか?

・SNS上での「不正受給」に関する投稿も一因

といったものでした。

 少し調べてみたところ、知的障害者に関しての不支給率はおよそ12%程度のようです。ただし、精神障害者と合わせた数字であるようなので、おそらく実際はもう少し低いのではないかと推測されます。

 今回の件はやはりSNSの影響が最も大きいと思われます。年金センターにはクレームが多く寄せられているとの記事もありました。福祉就労や生活介護のサービスを利用しながら暮らしていく障害者にとって、基礎年金は「生きるための権利」ですが、生活保護同様「労せずして手に入れられるもの」といった偏った認識があるのも事実で、多くの人が経済的に苦しい現代において、こういった社会保障がやり玉に挙がることも容易に想像はできます。

 ただ、その後の報道では、次のようなことも言われています。

「支給の可否などの判定を委託している医師の一部に対し、支給を絞る方向で判断を誘導している可能性があることが内部文書や職員の証言で29日、分かった。」(4/29配信 yahooニュース 共同通信)

 年金の審査は各地方自治体の窓口ではなく、東京の日本年金機構(障害年金センター)において一元的に行われています。その審査において、上記のような恣意的な操作があったのではないか、ということが取りざたされています。やはりセンターが世論に動かされたことによる現象のような気がしますが、機構側は回答を差し控えているとのことで、今後の動向が注目されます。