栃高博物館

2014年12月の記事一覧

栃高博物館 110 タルホコムギ(樽穂小麦)

              栃高博物館 110 タルホコムギ(樽穂小麦)

          分類  被子植物 単子葉植物 イネ目 イネ科 エギロプス属
          学名 Aegilops squarrosa
          英名 Tausch’s goat grass
          大きさ 花序(穂)の長さ5~7cm。一つの花序に小穂が9~11個付く。
          分布 中東地域              

        中東原産です。芒(のぎ:小穂の先端にあるとげ状の突起)を除いた
     一粒(小穂)の大きさは5~10mmです。その一粒が樽のような形をしているので
     この名があります。生物選択者なら必ず知っている有名な植物です。
       タルホコムギ(2n=14・DD)と二粒系小麦(2n=28・AABB)をかけあわせて
      倍数化したものが、パン小麦(2n=42・AABBDD)です。3つのゲノム(AとBとD)
            を合わせもつ六倍体で、人類を支える優秀な作物です。
               英名「Tausch」はチェコの植物学者イグナツ・フリードリッヒ・タウシュにちなんで
           命名されました。
   

栃高博物館 109 チョウザメ

                                           栃高博物館  109 チョウザメ

                       分類 脊椎動物亜門 軟質亜綱 チョウザメ目 チョウザメ科
                     学名  Acipenser medirostis
                     英名  Sturgeon
                     大きさ オオチョウザメ(ベルーガ)4m(標本は35cm)
                     分布  北半球の海と川                                                    

             軟骨魚類のサメの仲間ではなく硬骨魚類。軟質亜綱は11の「目」がありますが
        現生種はチョウザメのみであとは絶滅種。古代魚といわれるゆえんです。
         背中の写真(下)を見てください。鱗の形が「蝶」のようです。名前はここからきています。
         かつては北海道の石狩川や天塩川にもいました。
            オオチョウザメ(ベルーガ)は4mにもなるそうです。そして「ベルーガ」はキャビアの
        最高級品です。
   
                      

栃高博物館  108 エラブウナギ

            栃高博物館  108 エラブウナギ

    分類   脊椎動物亜門 爬虫綱 ヘビ亜目 コブラ科 エラブウミヘビ属 
        学名   Laticauda semifasciata
        英名   Erabu black-banded sea krait
        大きさ 70~150cm(標本は約80cm)
       分布    南西諸島海域 近年では九州、四国でも(地球温暖化の影響か)
                                                       

 
 

    魚類のウナギではなく、爬虫類のウミヘビの仲間です。鱗、頭を見ると蛇ですね。そして
 特徴的な尾。泳ぐために扁平になり、まるで魚の鰭のようです。 英名のblack-banded
 は、この標本では消えてしまいました。英名のkraitとは陸生のコブラ科の蛇でエラブウミ
 ヘビのように黒い縞模様をもっています。毒(コブラ科)は強いですが、おとなしく口も小さい
 ため、噛まれることはないそうです。しかし絶対噛まないとは言い切れません。卵は海岸の
 岩場の陰に産みます。亀のように砂浜に上陸して、穴を掘って産むわけではないようです。
 「イラブー」とよばれ、食用になっています。