全商9種目1級合格について

    「全商九冠 私の誇りです。」
                
             栃木県立宇都宮商業高等学校 情報処理科2年 沼

 宇都宮商業高校は、全商協会主催の各種検定試験で3種目以上1級を取得する生徒が全国で一番多くいる「日本一」の学校であると、中学校の進路説明会で知りました。この学校に入学したなら、将来が約束されているような気になって進路を宇都宮商業高校に決めました。私は、情報処理科に在籍しています。1年生の4月に情報処理の授業で教科担当の先生が最初に言った言葉は、「情報処理科は卒業までに5つ以上の1級を目標にしてください」と言われ何気なく「5つ1級取るぞ!」と思ったのを覚えています。また、全種目1級を目標にしたきっかけとしては、本校に、平成14年度卒で栃木県内初の1級八種目を取ったいわゆる「八冠」の先生が指導されており、その先生はみんなの憧れだったことが大きかったと思います。商業科目の事は何を質問しても答えてくれる「八冠先生」はまさに「ヒーロー」でした。まさか自分がその憧れの先生と肩を並べられるとは思ってもいなかったのです。1年生で最初に受けた検定は、9月の英検3級でした。これを難なく乗り切って、9月の情報処理検定(プログラミング部門)2級に合格し、10月にはITパスポートに合格しで気分上々で11月に珠算電卓検定(電卓)で1級。ワープロ検定1級。1月の情報処理検定(プログラミング部門)で1級と2月の商業経済検定では、「ビジネス基礎」と「商品と流通」「マーケティング」に合格し、1年生で1級に4つ合格しました。目標であった5種目まであと1つとなったところで、「もしかするともっといけるかも知れない」と思うようになったのです。日商簿記2級を2月に合格し1学年が終了しました。
 2年生の6月に簿記検定、珠算電卓検定(そろばん)の1級に合格し、「あと3種目だったらどうにかなりそう」と思い、残りの3種目にも「ダメもとでいいや」と思いながらチャレンジしてみました。7月の基本情報技術者にも合格し、その後の計画では9月の英検と情報処理検定(ビジネス情報部門)・10月の会計実務で取ることが予定のコースでした。私が検定取得に有利だったことは、ワープロ部と珠算部に入部しており、毎日練習していることが検定試験に直結していたことです。家も学校から遠かったため遅刻をしないことを目的に毎日早く学校に来ていると、宇商には「早朝簿記塾」を開いてくれる先生がいて、朝6時半からの時間を有効活用させてもらい情報処理科でありながら「会計実務検定」を教えてもらい合格することができました。また放課後も7時過ぎまで部活をやった後に、学校の学習室で2時間程度自主学習することもできました。私が勉強をするうえで意識したことは「継続は力なり」、ということです。少しずつでもいいから毎日コツコツすべての教科の勉強をすることを心がけました。例えば、情報処理だけを何時間も何ページも進めるのではなく、情報処理5ページ、会計実務1ページ、英語1ページというように、すべてをまんべんなく継続的に勉強をすることなのです。
 ところで、私が一番合格することに苦労した検定をお話します。それは英語検定です。私はもともと英語が苦手だったこともあり、2年生の9月の英検1級に落ちてしまいました。(初めて落ちた検定でした)ここで計画を修正することになりました。その時の悔しさは今でも忘れられません。全商英検は12月にもあるので、「その時は絶対合格してやるぞ」と思い、とにかく時間があれば単語を覚えました。また休みの日には過去問などをやって実力が向上するように努力しました。その結果、ついに12月の英検で1級に合格することができました。
 改めて思い返してみると、私が努力したのはもちろんですが、先輩や先生方からの励ましや、アドバイスが大きかったと思います。過去問をいただいたり、わからないところを個別に指導して頂いたり、本当に助かりました。また、毎朝5時に起きて昼食の弁当を作ってくれた両親にも感謝したいと思います。先日、2年生の集大成として2月に商業経済検定の残り2科目である「経済活動と法」「国際ビジネス」にも合格し、前年度と併せて全科目合格(宇商ではこれをグランドスラム:GSと呼んでいます)も果たしました。
 最後に、この全商検定に挑戦し、商業について学んだ幅広い知識をもとに、将来は情報処理関係の仕事に就きたいと考えています。9種目制覇は間違いなく私の自信と誇りです。
                   
                     ※この記事は全商協会ホームページにも掲載されています