校長室から

校長室から

就任にあたって

4月から本校に赴任しました 遠藤 洋(えんどうひろし)です。

もう少し早くホームページでご挨拶をしたかったのですが、年度初めの業務などがあり、なかなかご挨拶ができなかったことをお詫びいたします。

さて、私は初任の学校が本校でした。今から32年も前のことになります。その頃は病院も国立療養所足利病院でしたし、今とは学校の様子も違いました。しかし、自然に囲まれた環境だけは昔のままです。初任から7年、本校で勤務をした後は、ずっと知的障害の学校で経験を重ねてきました。25年ぶりに本校に戻ってきたので、新たな気持ちで学校経営をしていきたいと考えています。児童生徒が「楽しい」と思える学校、「明日はどんな学習が待っているのか、わくわくした気持ち」で登校できる学校を目指していきたいと考えています。

今年度は体育館の改修工事が10月まであります。11月には創立50周年記念式典が挙行される予定ですが、児童生徒の日常の学習活動を大切にしながら、コロナ禍で縮小した教育活動を少しずつ取り戻していきたいと考えています。地域との連携などもできるところから戻していきたいと考えていますので、関係機関の皆様方のご協力、ご支援をお願いいたします。

児童生徒たちの自立のために

 本校は昭和48年4月1日に、栃木県立足利養護学校として開校した病弱教育を行う特別支援学校です。本年度(令和3年度)は小学部・中学部・高等部・院内学級にて44名の児童生徒が学んでいます。
 本校の教育目標、スローガンは次のとおりです。
<教育目標>
 児童生徒の発達や特性を考慮し、一人一人のニーズに応じた教育を通して、社会で自立し、健康で心豊かに生きる人間を育む。
<スローガン>
 学びあい 育ちあい つながりあい みんなが輝く学校
 本年度は特に (1)学習活動の充実 (2)安全・安心 (3)意欲向上 (4)地域との連携 の四つを重点目標として、教職員一人一人が具体的な取組を進め、病弱教育特別支援学校としての自覚と誇りをもって、学校の教育力の向上に努めております。そして、私たちは、特別支援学校として何ができるのかということを考えています。
 文部科学省中教審の答申『「令和の日本型学校教育」の構築を目指して』にもありますように、日本の教育全体として「個別最適化」・「協働的な学び」をいかにして実現するかが大きな課題と新たな動きとなっています。GIGAスクール構想におけるICT機器の活用も直面する課題への対応と新しい動きの中の一つのツールです。従来の日本型教育の良いところを引き継ぎながらも、一人一人の児童生徒が自ら学ぶ姿勢をどのように育てるか、そのためには、児童生徒一人一人の興味関心をどのように育てるかが今後の学校が目指すところとなってきます。そして、我々教員が、どのように寄り添い、どのように自立のための伴走ができるかが重要となってきています。
 その他にも、本校が力を注ぐ「安全で安心して学べる学校環境づくり」については、新型コロナウイルス対策での学校休業の中で再確認された「精神的な居場所としての学校」の機能も重要になってきています。「安全で安心できる学校」が本校の存在意義の基本だと思いますので、その機能の維持に対しての高い意識を保持していきたいと思います。
 さらに、「学校・家庭・地域が一体となった学校づくり」に関しては、児童生徒の「社会での自立」が目標の柱ですので、教職員と家庭、病院の関係者という日常的に児童生徒たちが関わる方々の他、地域の方々などとの関係も重要な要素になります。今はそのような活動はできる状況ではありませんが、引き続き地域とのつながりを大切にしていきたいと考えております。
 これからも児童生徒一人一人の夢や希望が叶えられるよう、一日一日を大切に地道に歩んでまいります。今後とも保護者の皆様、地域の皆様、関係機関等の方々の温かい御協力御支援をお願い申し上げます。

栃木県立足利特別支援学校 校長 松野哲也