本校の防災教育

防災教育

防災教育No.7 火災避難訓練&体験学習


11月は、火災を想定した2度目の避難訓練を行いました。今回も、避難訓練の前に学部ごとに「火災の恐ろしさを知り、安全への意識を高める。」「火事の非常放送について基礎的な知識を知る。」「安全な場所への移動のルールを学ぶ。」の三点について事前学習を行い、当日に臨みました。今回は特に、火災の際には煙がたくさん出ることと、煙の中での動き方を学びました。

 

当日は、今市消防署の方にも来ていただき、総合訓練として、通報訓練、避難誘導訓練、消火訓練を実施しました。また、体験学習への御指導もしていただきました。

 

今回の火元は、高等部棟2階の調理室のため、火元から遠い小・中学部のグラウンドに避難することとなりました。児童生徒たちは全員、非常放送をよく聞いて、『落ち着いて、歩いて、静かに、進んで前へ、逃げ切る(オ・ア・シ・ス・に の合言葉)』ことができました。消防署の方にも落ち着いて素早く避難できたことをほめていただきました。

 

そして、避難訓練後は、小学部・中学部は煙体験、高等部は消火器体験と煙体験を行いました。

煙体験とは、実際の火災を想定して煙が充満しているテントの中を歩いてみる体験です。消防署の方の説明をよく聞いて、体験しました。クラスごとに、教員を先頭に服をつかみながら列になります。教員はテントの壁に触れながら、出口を目指します。最初は、テントに入ることを躊躇していても、中に入ると事前学習で聞いたように姿勢を低くして歩くことができました。入るのを怖がってしまった児童生徒も、教師と一緒に手をつなぐことで入ることができました。煙体験のあと、「中が白くて出口が見えなかった。」「煙がいっぱいで怖い。危険。」「前が見えなくて怖かった。」という感想が聞かれました。教師からも「一瞬どっちに言って良いのか分からなくなった。」という声が聞こえてきました。テントの出口では、皆、ホッとした顔が見られました。

煙体験では、「自分にはどうして良いか分からない状況」を体感し、これを「危険な状況だ。」と認識できる機会となりました。また、そういう場合に「先生に素直に付いて行かなければいけない。」と気付いて皆と一緒に行動することが大切であることを実感できる良い経験となりました。

 

また、高等部の生徒と教員は、消火器の使い方を体験しました。実際に使うのは初めてという生徒が多く、良い経験となりました。消防署の方からは、実際に消火器を使用する教員に積極的に体験することを勧めているというお話を伺いました。

 

避難訓練を繰り返すことで、改めて防災について向き合い、どうすべきかを考える機会となっています。今後も児童生徒の安全を第一に考えられるよう学校全体でONE TEAMとして取り組んでいきたいと思います。



  
  

防災教育No.6「非常時の給食」2019年9月24日(火)


地震の避難訓練の日に「非常時の給食」を想定したメニューが出されました。今回は、水道が使用できず、通常の給食を提供することが困難であるという設定で実施しました。普段食べ慣れないものを食べる経験や非常時の給食の在り方、児童生徒の実態に応じた食事の提供の仕方を考えるという目的をもって行われました。

 メニュー:救給カレー(150g)(市販レトルト)

  
      クロワッサン
       (小学部:40g、中・高等部:50g)

      牛乳


      チーズかまぼこ
       (小学部:20g1個、中・高等部20g2個)

      バナナ


      ビスコ(※学校の備蓄品)

救急カレーとは、袋を開けてそのまま食べることができ、アレルギー特定原材料等27品目のすべてを使用していません。東日本大震災をきっかけに、全国の栄養教諭・学校栄養職員が開発したものです。本校では、数年前に購入し備蓄していました。

実施に当たっては、量が少ないのではないか、食べるときの器はどうするか、ゴミの処理方法はどうするかなどの検討を重ねてきました。食事量の確保に、校内の備蓄品であるビスコをメニューの一つにしたり、アルファ米を希望学級に配付したりするなど工夫して試みました。また、同時に校内の備蓄品の賞味期限を確認する良い機会ともなりました。器が必要な児童生徒には使い捨ての物を提供し、ゴミの処理はいつも通り行うことにしました。

 

当日、いつもとは少し違う雰囲気で始まった給食でした。高等部は、通常給食用のワゴンで運びますが、今回は袋に入れて運んでもらいました。小・中学部は食堂で食べました。メニューごとにまとめてテーブルに置いてあり、いつものお盆がない状態です。しかし、教員の心配をよそに、児童生徒たちはすんなりと状況を受け止め、おいしそうにカレーやクロワッサンなどを食べていました。チーズかまぼこは、開けるのに手間取った児童生徒がいましたが、開け方を先生に教わり良い経験となりました。

後日、生徒たちの感想からは、「おいしかった。」「食べやすかった。」という意見が多く見られました。「開け方が難しかった。」「少なかった。」「水分がほしかった。」という率直な意見もありました。更には、「何かあったときに役に立つから感謝しながら食べた。」「電気やガス、水道が止まったら非常時の食べ物になって大変だと感じた。」「毎日、食べたら飽きる。」「災害地は大変だなぁ。」と、非常時の食事であることを意識した意見も出てきました。

職員からは、「このような状況の時の対応を知る良い機会であった。」「毎年続けられると良い。」という意見がありました。児童生徒たちが災害後の生活を体験する実践的な機会として、よりよい方法を、今後も考えていきます。

 

 

防災教育No.5「地震避難訓練」2019年9月24日(火)

9月は、地震を想定した避難訓練を行いました。今回は、事前に避難訓練を行うことを児童生徒に知らせています。

本校では、過去2年間、気象台の「地震防災教育プログラム」をベースに、児童生徒の障害特性に合わせた防災教育や訓練を実践したり、「自分の身は自分で守る」ことができるように様々な指導の工夫をしたりしてきました。

今年度は、実態に応じてこれまでの指導案を改訂し、学部や学年、学級等、指導が行き届きやすい学習集団で事前学習を行いました。

内容としては、地震が起きたとき、➀危険なことは何かを考える(物が落ちる、倒れる、移動する)、②緊急地震速報を聞いたら身を守る、③特に頭を守る、という三点を中心に学習をします。危険の状態が具体的に分かるように、段ボールのロッカーを使って物が落ちる、倒れる、移動する様子を示すことで、どのように物が動くかを目で見て理解できるようにしました。更に、頭を守る動作「だんごむしのポーズ」を分かりやすく伝えるために、職員が実際に頭を守る避難行動をする動画を見ることで、頭を守ることの大切さの理解が深まった様子です。

また、本校には地震の時にはあ・つ・い・だんごという独自の合い言葉があります。たまをまもり」「くえのしたに」「ちにのさんで」「むし」というものです。地震の時に身を守る行動の大切さを分かりやすくするために本校の職員が考案したものです。これは、教室に掲示し、日頃から触れるようにしています。

 

当日は、本校に設置されている「緊急地震速報受信システム」の装置から流れる緊急地震速報の音を聞いて、素早く頭を守る避難行動を取る様子が多く見られました。小学部一年生の児童たちも事前学習で学んだとおり、机の下にもぐったり、「だんごむしのポーズ」を行ったりすることができました。

その後は、避難場所に移動し、全体で「あついだんご」の合言葉を確認し、各学級に戻ってしっかり事後指導を行いました。

 

5月のショート訓練では、初めての緊急地震速報に騒いだり泣き叫んでしまったりする様子が見られた児童生徒も、今回は避難訓練があらかじめ分かっていたこと、また、地震の時の行動を事前学習で学んでおいたことで、前回よりも落ち着いて避難行動を行うことができました。

これからも、それぞれが「自分の身は自分で守る」ことを身に付けていけるよう学校全体で取り組んでいきます。

 

防災教育NO.4「防災安全研修」2019年7月30日

防災安全研修として「児童生徒引き渡し訓練」を職員のみで行いました。災害発生時、児童生徒を確実に、かつ安全に家庭に引き渡すための行動や手順を知ること、また、訓練を通して、引き渡し方法の実際を知り、課題や問題点を共有し、解決を図ることを目的として進めました。

  教員は、駐車場・受付・誘導・備蓄品の係として待機し、保護者役の教員を待ちます。保護者役の教員は、車を所定の駐車場に停めて、受付で身分証明書を提示し、児童生徒を引き取るという流れを実践しました。   

その後、全員で集まり、各係で気付いた点を上げ、改善するための方法を話し合い、発表することで共通理解を図りました。様々な視点から課題を見付けることができ、係同士で話し合ったことで良いアイデアもたくさん出てきました。今後は、出てきた意見を参考に、より確実で安全な対応ができるよう改善をしていきたいと思います。

防災教育についてNO.3「竜巻避難訓練」2019年6月18日(火)

6月は、竜巻を想定した訓練を行いました。この訓練は年に一度しか行わないことから、一日に二回訓練を行います。

9:40、一回目の訓練の放送が入りました。「丸山公園に竜巻が発生しました…」教員はすぐに指示を出さず、児童生徒が自分から動く様子を見守ります。児童生徒は、これまでの経験から、窓とカーテンを閉めたり、「だんごむしのポーズ」をしたり、自分で安全な場所を探して避難したりする様子が見られました。しかし、一方で、机があるにもかかわらずもぐらなかったり、ヘルメットや防災頭巾をかぶったけれど席に座ったままだったり、放送におびえて耳をふさいで座ったままだったりする様子も見られました。このように、なかなか避難行動がとれない児童生徒には、教師が手本を見せたり、言葉掛けをしたりして避難行動を促しました。

                                              

 


  その後、全校生が体育館に集合し、気象庁の啓発DVD (『急な大雨・雷・竜巻から身を守ろう』)で、どのようにしたらいいかを学びました。竜巻が起きたときにはガラスが割れることがあるのでリュックを背負うこと、ヘルメットや防災頭巾をかぶること、「だんごむしのポーズ」を取ることの大切さ、避難のときの合い言葉を学習しました。児童生徒は、映像を真剣に見たり、話をよく聞いたりし、どうすれば良かったのかを考えることができました。

10:40、教室に戻ったころ、2回目の訓練の放送が入りました。2回目は、1回目より落ち着いて避難することができました。廊下に安全な場所を見付けて「だんごむしのポーズ」で待機したり、落ち着いて机の下にもぐることができたり、ヘルメットや防災頭巾に加えてリュックを背負って身を守ったり、「こっちに逃げよう」と友達を誘ったりするなど、自分から行動する様子が多く見られました。また、チェックリストを用いて、自分の行動を振り返り、適切な避難について、再度考えることができました。
  
  一日に二度の訓練を行うことで、児童生徒は、自分自身で十分考え、正しい避難行動を学びます。竜巻については、一年に一度しか行えませんが毎年繰り返し行うことが大切だと考えています。また、職員は、日頃からどこに避難すると安全かを考えながら教育活動を行い、いつどんな災害が起こっても対応できるようにしたいと思っています。

防災教育 号外「気象庁長官賞いただきました」2019年6月3日(月)

  本校では、過去2年間、気象台の「地震防災教育プログラム」をベースに、児童生徒の障害特性に合わせた防災教育・訓練を実践し、「自分の身は自分で守る」ことができるように様々な取り組みを行ってきました。このたび、その功績を認められ、『気象庁長官賞』をいただくことができました。去る6月3日(月)に気象庁で行われました気象記念日の式典に参加し、感謝状と記念品をいただいて参りました。

平成29年度に「防災教育を中心とした実践的安全教育総合支援事業」として、宇都宮地方気象台の学校防災アドバイザーの支援や助言をいただきながら、地震への対応として、校内防災体制の整備、年間指導計画の見直し、学習指導の改善、教職員研修の実施と様々な取り組みを行いました。特に、「地震が起きた際にどのような危険が生じるか」「どのように危険を回避したらよいか」を理解できるように、本校生の特性に合わせて、視覚支援となるような具体物や動画を作成し、実践につなげました。また、繰り返し訓練を実施し、その様子を教員が把握した上で、個別に指導を行うことで、主体的に行動できるようになりました。学校全体が一丸となって、指導を進め、主体的に避難行動が取れる児童生徒を確実に増やすことができました。

平成30年度は、前年度の取り組みを継続しつつ、更に学習プログラムを整理しました。また、火災や竜巻に関しても、同じように学習指導を行いました。

今後も、児童生徒が安全で安心な日々が過ごせるように、自ら避難行動がとれるようになる指導を継続していきます。
 
 

防災教育NO.2「ショート訓練」 2019年5月28日(火)

本校では、主体的に取り組む防災教育に力を入れており、「自分の身は自分で守る」ことができるように過去2年間、様々な訓練等を行ってきました。今年度は、本校での取り組みをホームページで紹介していきます。

  5月は、地震を想定したショート訓練を行いました。名前の通り、短い時間で行われる訓練です。実際に災害

が起きたときに正しく素早く避難行動が取れるようになることを目指しているので、児童生徒にも、職員にも日時を伝えずに行います。本校では2年前に「緊急地震速報受信システム」が設置されおり、その装置を用いて本格的な訓練を実施しています。

 今回は年度初の「地震を想定した避難訓練」でしたので、事前学習を行いました。ただし、大きな音や突然の予定変更が苦手な児童生徒がいる学級には、今回に限り訓練の日時を知らせました。

 さて、当日11:00。緊急地震速報の「ティロン、ティロン」と言う音が校内に響き渡りました。私の学級は、小学部2・3年生の4人。ちょうど教室で休み時間をそれぞれ楽しく過ごしていました。一人が音に気付いて、机の下にもぐると、残りの三人もその友達の様子を見て、机の下に頭を隠したり、机の下で「だんごむしのポーズ」をしたりと、自分から避難行動を行うことができました。教員が指示を出さなくても、このように行動することができ、これまでの学習の成果がしっかり見られました。

本校で初めて訓練を受けた児童生徒の中には、訓練があることを聞て不安になったり、緊急地震速報の音に泣いたりする様子が見られましたが、今後、訓練を重ね、それぞれが自分のできる範囲で「自分の身は自分で守る」ことをしっかり身に付けていけるよう学校全体で取り組んでいきます。

 

防災教育NO.1「お・あ・し・す・に」2019年4月23日(火)

 本校では、主体的に取り組む防災教育に力を入れており、「自分の身は自分で守る」ことができるように過去2年間、様々な訓練等を行ってきました。今年度は、本校での取り組みをホームページでも紹介していきたいと思います。


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月は、火災を想定した避難訓練を行いました。避難訓練の前には、学部ごとに「火事の非常放
送について基礎的な知識を知る」「火災の恐ろしさを知り、安全への意識を高める」「安全な場所への移動のルールを学ぶ」の三点について事前学習を行いました。当日は、その成果が見られ、全校生が放送の指示をよく聞いて、とてもスムーズに避難することができました。
 
実は、本校の児童生徒がスムーズに避難できるのには理由があります。事前学習で安全な場所に移動するときのルールを特別な合い言葉で学習しています。一般的には「お・か・し・も・ち」ですが、本校にはお・あ・し・す・にというスペシャルな合い言葉があります。ちついて」「るいて」「ずかに」「すんでまえへ」「げきろう」というものです。「おかしもち」の「おさない」「かけない」「しゃべらない」「もどらない」「ちかづかない」を肯定形にしようと、本校の職員が考案したものです。訓練の当日も避難場所に集合したときに、全校生で合い言葉を確認しました。そして、教室に戻った後も、学級ごとに振り返りを行いました。

 

新入生・転入生にとっては初めての避難訓練でしたが、それぞれ落ち着いて取り組むことができました。