拓陽日記

大山プロジェクト ヨシノボリを放流しました。

那須拓陽高等学校大山農場では、環境教育の一環として地域の絶滅危惧生物の保護とその環境づくりに取り組んでいます。ミヤコタナゴ(Tanakia tanago)は明治後期に魚類学の権威である東京帝国大学の田中茂穂博士(1878-1974)によって1909年に小石川植物園で発見され、「ミヤコ」の名を冠した美しい淡水魚です。関東地方に広く分布する普通の魚でした。しかし水質の低下などによってその分布・個体数は激減し、本県の生息域は数か所となり、現在では環境省レッドリスト絶滅危惧1A類(CR)に指定されている天然記念物となりました。
 ミヤコタナゴの生息できる環境にはマツカサガイやヨコハマシジラガイというイシガイ科の淡水産二枚貝の生息が必須で、これらの貝の幼生はヨシノボリ(ハゼ科ヨシノボリ科の総称)のえらやひれに寄生して、しばらく過ごした後、幼貝となるという性質をもっています。つまりミヤコタナゴの生息にはヨシノボリ―マツカサガイの寄生関係が必要なのです。

 ヨシノボリとマツカサガイの生息には比較的緩やかな水流が必要といわれますので、大山ビオトープ水路をこれらの生物が生息しやすいように改良しました。

 そしてこのたび栃木県水産試験場にご協力をいただき、7月20日(水)にマツカサガイの幼生を寄生させたヨシノボリ約30匹を大山ビオトープの水路に放流しました。



 


半年後に二枚貝の生育調査を行う予定です。