調査研究通信

プログラミング教育調査研究Web掲載完了

 研究調査部の情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究「プログラミング教育の充実を目指して」の今年度の成果物をWebサイトに掲載しました。調査研究をまとめている以下のサイトからアクセスできますので、ぜひ御覧ください。

 https://www.tochigi-edu.ed.jp/educenter/setting/調査研究/調査研究-研究調査部-

掲載内容は、「研究概要と成果物について」の他、三つの成果物①「育成すべき資質・能力の三つの柱とプログラミング教育モデルカリキュラムとの関係」、②「プログラミング教育モデルカリキュラム(育成を目指す資質・能力一覧表)」、③「プログラミング教育の授業事例(小学校編)」と、それぞれの活用の仕方を掲載しています。これらが、先生方のプログラミング教育の指導の参考となり、より充実したプログラミング教育が各学校で実施されることを期待しています。

 令和6年度に取り組んだプログラミング教育の調査研究は来年度も継続します。今後の調査研究通信でも、取り組みの様子を随時報告していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 







 

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑩

日光市立湯西川小中学校 2月27日(木)

 上都賀教育事務所の指導主事を外部講師として招いた2回目の校内研修(授業研究会)が行われました。事前に撮影した理科の授業を10分ほどに編集した授業動画を見ながら語り合い、生徒の学びの様子を基にして指導支援の在り方を検討していく研修です。

 動画が流れると、自然に先生方の語り合いが始まり、授業者にとって自身の指導支援を客観的に捉えられるよい機会となっていました。生徒の学びの姿を基にして、さらによい指導・支援の在り方についてたくさんの意見が出され、動画視聴も含めた対話の時間があっという間に過ぎていきました。

 最後に、講師である指導主事から、「子どもの姿を動画で見て語り合うことで、有益な指導・支援の在り方について具体的に考えるきっかけになれば…」という話がありました。

※研修終了後も、動画で気になったシーンを再度確認しながら、先生方の話は続きました。先生方が、自分の担当している授業のときの生徒の様子なども付け加えながら、生徒理解を基にした、指導・支援について考える研修になりました。

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑨

大田原市立湯津上中学校 11月13日(水)

 地域内において一小一中であることを生かし、全国学力・学習状況調査の授業アイデア例に沿った授業を小学校と中学校の先生が一緒に参観し、授業研究会を行いました。授業研究会では、先生方が授業についての振り返りをタブレット端末に入力して共有していました。アイデア例の展開をなぞるだけでなく、そこに示された教師と生徒のやりとりを参考に、実態に即した工夫が必要であることを確認しました。

 

12月11日(水)

「子どもが自律的に学びを進める指導について」というテーマで、総合教育センターの指導主事を外部講師として活用した校内研修が行われました。研修担当者が、先生方に授業改善に取り組んで欲しいという管理職の願いをもとに企画した研修で、先生と生徒のモチベーションを高めることが学力向上につながるように内容が工夫されていました。

 

 

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑧

佐野市立吉水小学校 12月5日(木)

 校内研修として、佐野市の学校教育指導員を交え、国語(4年生)、算数(2 年生、6年生)の授業公開及び授業研究会(第3回)が行われました。吉水小学校では一人一授業の公開が必須であり、全ての先生が授業者として研究授業に携わることになっています。

 

 先生方は、自分の所属する学年ブロックにおいて事前の授業づくりから指導案検討に関わりました。放課後の授業研究会では、授業を参観したブロックごとに集まり、付箋を活用し指導案を検討した際の経緯も含め、設定した「授業参観の視点」に沿って授業を振り返りました。

 

  次に全職員が集まり、各ブロックの授業研究会で話題になったことなどについて共有し、最後に学校教育指導員から、授業の全体講評と授業改善についての講話がありました。

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑦

日光市立湯西川小中学校 12月3日(火)

 上都賀教育事務所の指導主事を外部講師として招いた校内研修が行われました。これは、日頃の授業改善を目的として30分で行う短時間の研修です。事前に撮影し10分に編集した授業動画を見ながら、子どもの学びの様子について自由に語り合います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 動画が始まるとすぐに先生方が話し始め、動画視聴も含めた15分の対話の時間があっと間に過ぎていきました。

 最後に、講師である指導主事が、先生方の活発な話合いの素晴らしさを伝えていました。先生方が日常的に授業のことを話題にしたくなる契機となる研修となりました。

 

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑥

芳賀町立芳賀南小学校 11月20日(水)

 芳賀町では、芳賀町学力向上推進事業として、6年前から町内全ての小学校で、大学教授を講師として招き、校内研修に取り組んでいます。この日は、芳賀南小学校で算数科(4年生と5年生)の授業公開及び授業研究会が行われました。授業参観では、参観する先生方が、特に注目して見取る子どものグループを決め、活動の様子をじっくりと観察し記録していました。授業後には、授業者と講師の先生で授業を振り返る時間が確保されており、放課後には全体での授業研究会が行われました。授業を参観した先生方が、授業参観の視点を基に充実した話合いを展開しており、最後に講師の先生からの指導助言もありました。

  

 授業研究会では、付箋を活用しながら見取った子どもの姿を中心に話し合い、授業の振り返りが行われていました。気兼ねなく意見を言い合える和やかな雰囲気の中で、授業について真剣に協議する姿が印象的でした。

 最後に講師の先生による指導助言がありました。授業の動画を共有しながら、そこで見取れる「深い学び」につながる子どもの姿について、先生方が目線を合わせて考えを深める時間となりました。

 

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑤

那須烏山市立南那須中学校 10月23日(水)

  県の学力向上コーディネーター派遣事業を活用した校内研修が行われました。

  国語、理科の2教科の研究授業と授業研究会を行った後、全体会で教科ごとの授業研究会の報告があり、最後に学力向上コーディネーターから指導助言がありました。

  

 研究授業では、参観する教員が子どもの学びの事実に着目したり学力向上改善プランを意識したりできるように、参観シートの活用が工夫されていました。研究会では、子どもの学びの姿をもとにして協議をするので、専門外の教科担当の参観者も話合いに参加しやすくなっていました。

 

 

  全体会の最後には、研修の振り返りとして、明日から自分が取り組んでみたいことを付箋に記入して黒板に貼ることで、先生方の学びを可視化して共有していました。

 

プログラミング教育先進自治体(相模原市)視察

 研究調査部の情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究「プログラミング教育の充実を目指して」の参考とするため、プログラミング教育に先進的に取り組んでいる相模原市を視察しました。相模原市立共和小学校と相模原市教育センターを、11月28日(木)に訪問しました。

〔午前〕
 共和小学校では、4年生の算数の授業を見学させていただきました。四捨五入して百の位までの概数にしたとき200になる整数のうち、一番小さい数と一番大きい数をプログラムを作って求めていく授業でした。子どもたちは自分たちのタブレットを使って、友達と何度も繰り返しながら取り組んでいました。

〔午後〕
 相模原市教育センターを訪問し、情報交換を行いました。相模原市では、すべての学校でプログラミング教育を計画して実施していますが、そのベースとなっているのが「相模原プログラミングプラン2020」(令和2年3月相模原市教育委員会教育センター)です。相模原市の課題は、「すべての学校でプログラミング教育を行えているからこそ、形式的な『プラン教育』にならないようにすること」とのことでした。そのために、より一層の教科のねらいの達成を考えていくことを大切にしているようでした。

〔感想〕
 本県の場合は、相模原市と比べるとこのようなモデルプランはまだありませんので、まずはしっかりと「プログラミング教育」に取り組むことができるようなモデルプランなどの提示や周知が必要だと感じました。大変参考となる視察となりました。相模原市の先生方、大変お世話になりました。

令和6(2024)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 『授業実践』外国語科(英語)・数学科・芸術科(音楽)・国語科

 研究協力委員の先生方による「教科における探究的な学習」の授業実践を取材させていただきました。今回は、外国語科(英語)、数学科、芸術科(音楽)、国語科の授業の様子について報告します。

 

「外国語科 英語(「英語コミュニケーションⅠ」)」

 自然活動家に関する英文を読んで、「自然保護活動を提案、発表する」ということをテーマにした探究的な学習を行いました。本時は、グループごとに作成した自然保護活動の提案書を校正する活動でした。他グループに提案書を読んでもらい、Q&Aセッションを通して、自グループの提案書に不足している情報や修正点をみつけ、グループで話し合って改善をしました。読み手の視点を得ることで、生徒たちは提案する自然保護活動を的確に伝えるための語彙を選定したり、必要性を訴える表現や文章構成を考え直したりするなど、試行錯誤を繰り返す探究的に学ぶ姿が見られました。

「数学科(「数学C」)」

 単元「ベクトルと平面図形」において、探究的な学習に取り組みました。前時までに、三角形の内部や外部にある点の位置を説明しあう活動を、これまでの学習内容と関連付けて行いました。本時では、三角形の重心や内心、外心の位置をベクトルで表す方法を見いだす活動を協働的に行いました。授業中はもちろんのこと、授業後の休み時間になっても熱心に議論が継続したり、粘り強く考え続けていたりする生徒が多数見られるなど、充実した授業実践となりました。

「芸術科 音楽(「音楽Ⅰ」)」

 題材「学校CMソングをつくろう」において、創作分野での探究的な学習を行いました。本時は、自分で作成した学校CMソングを既存のCMソングと比較したり、映像に合わせて学校CMソングを流し、生徒同士で相互評価を行ったりして、自分の作品を客観的に分析し、改善点やその方法を考えるという学習活動でした。生徒たちは、事前に示されたルーブリックやガイダンスプリントを見直したり、活発に意見を交換したりして、学び深め、主体的、協働的に学校CMソングの完成を目指していました。

 

「国語科(「文学精読」)」

 夏目漱石著の「こころ」を読んで、「文学作品の価値を問い直す」をテーマとした探究的な学習を行いました。本時は、「こころ」が名作だと考える生徒と、名作ではないと考える生徒によるパネルディスカッションを行い、考えを深め合う活動を行いました。パネリスト以外の生徒たちは、異なる意見を尊重しつつ、オンラインディスカッションツールを活用してリアルタイムで意見を共有するなど、建設的な議論が展開され、意欲的に授業に取り組んでいました。

 

 今年度の「教科指導充実に関する調査研究」における授業実践は以上となります。研究協力委員の先生方、当該高等学校の校長先生及び職員の皆様、ご協力ありがとうございました。

 なお、このことに関しては、令和7年1月24日(金)・25日(土)に行われる「栃木県教育研究発表大会」の「教科における探究部会(高)」においても取り上げます。多くの皆様の御参加をお待ちしております。

 詳細は当センターのWebサイトを参照していただき、専用ページよりお申し込みください。

令和6(2024)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 『授業実践』理科(生物)・情報科・家庭科

 研究協力委員の先生方による「教科における探究的な学習」の授業実践を取材させていただきました。

 今回は、理科(生物)、情報科、家庭科の授業の様子について報告します。

 

「理科(「生物」)」

 「細胞と分子」について学ぶ単元において探究学習を行いました。1時間目となる本時は、探究学習における自分の目標をルーブリックで確認した後、グループで酵素の反応速度を調べるための実験計画を考えました。試料や基質の濃度を検討する場面で、生徒たちは予備実験をしながら活発な議論をして、既習事項と関連付けて実験計画を立案していました。

 

 

「情報科(「情報Ⅰ」)」

 「情報デザイン」について学ぶ単元において探究学習を行いました。6時間目となる本時は、作成した足利観光ピクトグラムを、生徒間で相互に検証する学習活動を行いました。生徒たちは、これまでに学んだ情報デザインやピクトグラムの知識を生かしながら、各自が作成したピクトグラムの相互評価を活発に行い、作品を改良していくための視点を得ていました。この活動が、これから学ぶ様々な情報デザインに主体的に関わっていくきっかけとなることが感じられる授業実践でした。

 

 

「家庭科(「家庭総合」)」

 「衣生活のマネジメント」について学ぶ単元において探究学習を行いました。単元のまとめとなる本時は、先生をモデルにし、季節に合わせた衣服をコーディネートするという内容でした。生徒たちは、デザインだけではなく、前時までに学習した、「繊維の特徴」や「安全性」などを関連付けて最適な衣服の組み合わせ等について探究的に学んでいました。また、授業で使用する資料の共有や提出にはロイロノートを使用するなど、ICT機器を有効に活用していました。

どの実践も、生徒同士が活発に議論をして思考を深め、協働しながら学びを進めていました。授業中、生徒から「分かった」や「おもしろい」といった声が聞こえてくるなど、充実した授業実践となっていました。