調査研究通信
令和7(2025)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 第3回調査研究委員会 (栃木市立合戦場小学校)
研究調査部情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究「プログラミング教育の充実を目指して」の進捗状況について報告します。第3回調査研究委員会は、研究協力委員の所属校においてプログラミング教育の実践授業を行い、「小学校段階における発達段階に応じた資質・能力を身に付けることをねらいとした授業」について検討することとしています。
10月24日(金)は、栃木市立合戦場小学校に伺いました。6年「家庭科」の授業において、「ソーイングで生活を豊かに」という単元の終盤で、トートバッグ製作の手順をScratchを使って、プログラミングの考え方で整理しました。子どもたちは夏休みにタイピングの練習をするなど、タブレットを操作する場面が増えたようで、以前に伺ったときよりも自信を持ってタブレットを操作し、短い期間でスキルアップしている様子が感じられました。子どもたち自身で製作手順が定着していなかったことに気付き、話し合いながら解決に向かっていました。
第4回調査研究委員会では、各学校の授業実践報告を行い、校種ごとのプログラミング教育の在り方について情報を共有する予定です。小学校段階においては、所属する学校のプログラミング教育計画の検討も行います。
昨年度の調査研究で作成した「プログラミング教育モデルカリキュラム」などを活用しながら、今回の授業実践を踏まえ、小・中・高の各段階を見通した、縦につながるプログラミング教育カリキュラムの検討を進めていきます。
令和7(2025)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 『授業実践』農業科・工業科・商業科
「深い学びを促す単元(題材)を見通した授業デザインの工夫」というテーマに基づき、研究協力委員の先生方による授業を取材させていただきました。今回は、農業科、工業科、商業科の授業の様子について報告します。
「農業科(「農業経営」)」
「農業マーケティングの概要」について学ぶ単元において、9・10時間目となる本時では、班ごとに担当した地域農産物(イチゴ、ニラ、かんぴょう、牛乳)の調査結果を発表し合いました。農産物の栽培の歴史や生産状況、今後の市場拡大の可能性、魅力を広げるためのアイデアなどを、写真やグラフを用いてパワーポイントとワークシートにまとめ、それらを基に発表を行いました。自主的に準備を進める生徒や、農産物クイズを取り入れて発表に工夫を凝らす生徒も見られ、単元を通じて生徒の主体性が引き出されていました。
「工業科(「工業情報数理」)」
「アルゴリズムとプログラミング」について学ぶ単元において、8時間目となる本時では、身の回りの工業製品の流れ図を考え、スクラッチでブロックプログラムを作成し、マイクロビットで動作させる活動を行いました。生徒はグループに分かれ、前時に学習した温度センサや光センサなどを用いて自動点滅器の仕組みを表現し、作成したプログラムを発表しました。他グループの意見を取り入れることで、プログラミング的な視点をより深めることができました。さらに、グループで協働してプログラムをよりよく改善しようと取り組む様子が見られ、今後学習するC言語の単元においても、プログラムの設計・開発に主体的に取り組んでいけると考えられます。
「商業科(「ネットワーク活用」)」
「情報コンテンツの制作」について学ぶ単元において、7時間目となる本時では、前時に作成した店頭用のPOP広告の発表を行い、その後POP広告とネット広告の違いについてグループで話し合いました。商品の購入を訴えかけるターゲット層や広告を見た人に与える印象を意識して、店頭でのPOP広告とネット広告について、相違点や作成する上での工夫や配慮する点などについて考えました。「商品の情報を的確に伝え、消費者の購買意欲を高めるにはどうしたらよいか」という問いに対して積極的に意見交換がなされ、情報コンテンツを制作する上での工夫や配慮について学びを深めていました。
どの教科においても、生徒が問いを探究して学びを深める過程が大切にされており、その中で思考の深まりや主体性の伸長が見られました。さらに、生徒が笑顔でいきいきと活動し、学びを楽しみながら自らの考えを広げていく姿が印象的でした。
校内研修おじゃまします!(R7調査研究〈小・中〉) 取材記録①
研究協力委員の先生方の勤務校を当センター指導主事が訪問し、校内研修を見学・取材する取組が始まりました。
今回は、2校の校内研修のようすをお伝えします。
茂木町立茂木中学校 9月10日(水)、10月6日(月)
外国語科と国語科の指導案検討会、及び授業研究会の様子を取材しました。茂木中学校では、教科等の枠を越えたチームを編成し、1年間同じメンバーで授業研究を行っています。他教科の先生方との意見交換は、授業者にとっても、新たな視点を得て自身の担当教科の授業について深く考えるきっかけとなっているようです。指導案検討会や授業研究会の際には、協議の視点が示されており、参加者同士で意見交換がしやすくなっていました。
また、学力向上コーディネーターや町教委の指導主事が、指導案検討の段階から関わっていることもこの校内研修の特徴の一つです。茂木中学校では、当日の授業だけでなく、単元を見通した授業を皆でつくりあげる過程を大切に、指導力の向上を目指しています。
研修の最後には、振り返りシートの記入と各自の振り返りを共有する時間が確保され、その日の学びをより深めていました。
〈指導案検討会のようす〉 〈授業研究会のようす〉
足利市立協和中学校 9月24日(水)
校内研修として、第1学年、第2学年、第3学年の三つのグループに分かれて、道徳科の授業公開及び授業研究会が行われました。事前に指導案検討会や模擬授業を行ってきた中で、当日を迎えました。
授業研究会では、先生方が授業中の生徒の姿を記録したふせん紙を用いて、模造紙にまとめながら授業者の発問に対してどのように生徒が反応していたか、生徒の姿から本時のねらいに迫れていたかなどについて協議していました。最後に、当センターや足利市教育委員会の指導主事による指導助言がありました。道徳科の目標に示されている生徒の姿について、先生方が目線を合わせて考えるきっかけとなる時間となりました。
これまでに、同僚性を高める研修が計画的に実施されてきており、グループ協議や全体共有の場面において、安心して発言できる温かな雰囲気があることが印象的でした。
〈生徒の姿を記録する先生方〉 〈記録をもとに協議が進んだ授業研究会〉
〈3人の授業者へのインタビュー〉
茂木中、協和中の先生方、大変お世話になりました!
今後も、取材した学校の校内研修のようすなどを、本通信を通じてお伝えしていく予定です。
令和7(2025)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 第3回調査研究委員会 (宇都宮市立晃陽中学校)
研究調査部情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究「プログラミング教育の充実を目指して」の進捗状況について報告します。第3回調査研究委員会は、研究協力委員の所属校においてプログラミング教育の実践授業を行い、中学校段階では校種間での「育成を目指す資質・能力」の繋がりを意識した授業について検討することとしています。
9月30日(火)は、宇都宮市立晃陽中学校に伺いました。3年「技術・家庭科(技術分野)」の授業において、「給食ワゴンの事故防止」という学校生活上の課題をテーマに、プログラムの作成に取り組んでいました。
子どもたちは、前時に扱ったタッチセンサのプログラムを基に、赤外線センサを活用して障害物を認識し、停止や迂回するプログラムを制作しました。完成したプログラムをロボットにアップロードし、障害物が設置されたコースを実際に走行させ、安全かつ適切な動作となるよう改善・修正を重ねました。粘り強く試行錯誤を繰り返しながら、熱心に取り組む子どもたちの姿が印象的でした。
第4回調査研究委員会では、各学校の授業実践報告を行い、校種ごとのプログラミング教育の在り方について情報を共有する予定です。中学校においては、校種間での「育成を目指す資質・能力」のつながりを意識した指導計画の検討も行います。
昨年度の調査研究で作成した「プログラミング教育モデルカリキュラム」などを活用しながら、今回の授業実践を踏まえ、小・中・高の各段階を見通した、縦につながるプログラミング教育カリキュラムの検討を進めていきます。
プログラミング教育先進校(宮城教育大学附属小学校)視察
情報教育支援チームの指導主事2名が、調査研究の一環で9月12日(金)に、宮城教育大学附属小学校を視察しました。同校は文部科学省研究開発学校として、実践的・体験的な活動を通して情報活用能力を育む目的で「小学校情報科」を設定し、学びの充実を図るための教育課程の開発に取り組んでいます。
〔校舎内見学〕
1・2年生はiPadを、3~6年生はChromebookを活用していました。
「パソコン室」にあたる「クリエイティブ・ラボ」では、3Dプリンタ4台が常時稼働し、児童が制作した作品を出力していました。そのほか、レーザー加工機、toio、Tello、Sphero BOLT、アーテックロボ、micro:bitなど、多様な機器が整備されており、多様な学びを体験できる非常に充実した環境でした。また、各教室での児童によるICT活用の様子も見学しました。特に、上級生のタイピングやスライド作成の速さに驚くとともに、1年生から積み重ねてきた取組の成果がここに表れていると感じました。
〔授業見学〕
4時間目は1年生の「情報科」の授業で「ドクターイエローの絵をコンピュータで描こう」という内容で進められていました。単に絵を描いて終わるのではなく、紙で描いたときとの違いに気付いた点をアプリを用いてまとめており、コンピュータの特性について考察することができていました。コンピュータの特性を題材に議論できる点は、情報科ならではだと感じました。また、参観していたすべての先生もタブレット端末とタッチペンを使用しており、紙と鉛筆をもつ教員が見当たらなかったことも印象的でした。
5時間目は2年生の「情報科」の授業で、toioを活用した「森の道を安全に探検するにはどのようなプログラムがよいか」という学習でした。児童は動作をどのように組み合わせれば目的の動きが実現できるかを試行錯誤しながら表現していました。特に、反復の考え方を活用することで命令を簡略化できることに気付いており、プログラミング的思考の育成につながっていました。
〔感想〕
授業見学後には、小学校「情報科」の特色や課題、これまでの取組に関する貴重なお話を伺うことができました。プログラミング教育について、本県も一層の実践を進めるためには、「まずカリキュラム・マネジメントが重要である」との助言をいただきました。今後、私たちも昨年度の取組を基盤としつつ、研究協力委員所属校での授業実践を進めていきたいと考えています。
プログラミング教育に限らず多くの面で大変参考となる視察でした。宮城教育大学附属小学校の先生方に、心より感謝申し上げます。
令和7年度 小・中学校における教員の資質・能力の向上に関する調査研究 第2回調査研究委員会
7月23日(水)に、第2回調査研究委員会を行いました。
今回は、研究協力委員の先生方が作成した校内研修計画表をもとに、各校の学校教育目標や目指す児童生徒や教職員の姿等を確認した上で、目標を実現するためにどのような校内研修に取り組もうとしているかについて協議しました。協議の中では、授業研究会、ミニ研修会、職員の同僚性を深める活動などに関する話題が挙がりました。特に、授業改善につながる組織づくりや個人の振り返りの在り方等について、研修担当者としての思いや願いを交えて、活発な協議が行われました。どの内容においても、研修の目的を明確にしたり、先生方の要望を取り入れたりしていることが共通していました。
夏休み明けは、研究協力委員の皆様の学校を訪問し、校内研修の実際を取材する予定です。その様子は、この調査研究通信でもお知らせしていきます。どうぞお楽しみに!
〈研究協力委員と当センター指導主事との協議の様子〉
令和7(2025)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 第2回調査研究委員会(栃木市立合戦場小学校)
7月2日(水)は、栃木市立合戦場小学校に伺いました。6年生の家庭科の授業では、“衣服の手入れ”について端末を活用しながら考えや気付きをまとめ、グループでの話し合いを経て、学級全体で共有を図っている様子を見学できました。
子どもたちは、個人のQRカードで学習支援アプリにログインし、先生の指示のもと、配付された資料を基に自分のペースで学ぶ姿が見られました。それぞれが、自分が気になる部分を拡大して確認した上で話し合い活動を進めるなど、効果的にICTが活用されていると感じました。
第3回調査研究委員会では、プログラミングの授業を行っていただき、その様子を取材させていただく予定です。昨年度の調査研究で作成した「プログラミング教育モデルカリキュラム」などを活用しながら、授業実践に向けた打合せを、今後進めていきます。
令和7(2025)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 第2回調査研究委員会(宇都宮市立晃陽中学校)
6月27日(金)、宇都宮市立晃陽中学校に伺いました。3年生の技術・家庭科(技術分野)の授業では、情報処理の手順について考えることを目的として、粘り強く試行錯誤を重ねながら、身の回りの課題に応じたプログラムの作成を繰り返す様子が印象的でした。
子どもたちは、端末の操作に慣れている様子で、プロロボ教材アプリを使ってスムーズにプログラムを作成したり、端末からプロロボにプログラムを転送したりと、意欲的に活動していました。また、授業支援クラウド「schoolTakt」を活用し、自分が作成したプログラムのスクリーンショットを、用意されたワークシートに貼り付けて記録するなど、端末を活用した学びが、日々の授業に根づいていることが感じられました。
こうしたICTの活用を通して、自分の学びを可視化したり、振り返ったりする機会も広がり、子どもたちの学びが定着している様子がうかがえました。
第3回調査研究委員会では、プログラミングを扱う授業を行っていただき、その様子を取材させていただく予定です。昨年度の調査研究で作成した「プログラミング教育モデルカリキュラム」などを活用しながら、校種間での資質・能力の繋がりを意識した指導計画の検討や授業実践に向けた打合せを、今後進めていきます。
令和7(2025)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 第2回調査研究委員会(那須塩原市立東小学校)
研究調査部情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究「プログラミング教育の充実を目指して」の進捗状況について報告します。第2回調査研究委員会は、研究協力委員の先生が所属する学校に伺い、学校のICT環境や活用状況及び情報教育やプログラミング教育の全体計画に関する聞き取りや意見交換を行い、授業におけるICTの活用状況について、実際に見学することとしています。
6月19日(木)は1校目として、那須塩原市立東小学校に伺いました。5年生の理科の授業では、“植物が発芽する条件”について学習したことをまとめ、理解を深めるためにScratchでシミュレーションアプリを作って確認するというプログラミングの活動を行う様子を見学できました。
子どもたちは、端末の操作に慣れており、ClassroomからScratchのファイルを自分でダウンロードして読み込ませることができたり、友達と一緒にプログラムの作成を考え、粘り強く試行錯誤を重ね、完成したプログラムの説明を行ったりすることができていました。さらに、振り返りで指定のFormを活用するなど、1人1台端末の活用が進められている様子がうかがえました。
第3回調査研究委員会では、プログラミングの授業の実践を行っていただき、その様子を取材させていただく予定です。昨年度の調査研究で作成した「プログラミング教育モデルカリキュラム」などを活用していただきながら、授業実践に向けた打合せを今後進めていきます。
令和7(2025)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 第2回調査研究委員会
6月17日(火)に第2回調査研究委員会を行いました。
はじめに本調査研究の担当者が、第1回学習会での議論を踏まえた授業作りの方針の確認や単元づくりワークシート活用等について説明を行いました。その後各教科に分かれ、研究協力委員の先生方とセンターの指導主事で、教育目標やスクールミッションを踏まえた単元の目標や生徒がその単元で追求し続けるような単元を貫く問いの設定、及びこれまでの学習内容を活用するようなパフォーマンス課題の在り方などについて検討しました。どの教科でも生徒の実態を踏まえて単元計画を工夫することで、深い学びを促し、生徒の資質・能力を育成できるよう議論を重ねていました。2学期は、各学校でこの計画に基づいた授業実践を行う予定です。その様子はこの調査研究通信でもお知らせしていきます。