調査研究通信

令和6年度調査研究(小・中)「私の学びを支える校内研修 ~教師として成長するために~」Web掲載について

 令和6(2024)年度 小・中学校における教員の資質・能力の向上に関する調査研究(小・中)の成果物となる資料「私の学びを支える校内研修 ~教師として成長するために~」を、当センターWebサイトに掲載しました。

 資料には、取材に協力いただいた学校の校内研修の様子や先生方の声、取材から見えてきたことなどを基にまとめた「校内研修が充実する5つのポイント」等を掲載しています。教員が資質・能力を向上させるためには、どのような学びが必要なのかを考える契機としていただきたいと思います。校内研修の企画・運営者だけでなく参加者も含めて、先生方一人一人が校内研修に前向きに取り組むための参考資料として、ぜひ御活用ください。

 この調査研究は令和7(2025)年度も継続して行います。今後の調査研究通信でも、取組の様子を随時報告していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

令和6(2024)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 『理論編Ⅱ』『実践編』の公開について

 今年度の調査研究の成果物となる資料、『教科における探究的な学習の充実~新しい時代に求められる資質・能力の育成を目指して~』の理論編Ⅱと実践編を、当センターWebサイトに公開しました。

 「理論編Ⅱ」では、生徒の探究的な学習を充実させるツールとして「探究ルーブリック」に着目し、作成する際の考え方や活用方法、FAQなどを紹介しています。実践編では、「探究ルーブリック」を活用した7教科7科目(国語科、数学科、理科(生物)、芸術科(音楽)、外国語科(英語)、家庭科、情報科)の授業実践について、単元の指導計画や具体的な授業の展開、指導のポイントなどを掲載しています。

 さらに、授業実践で活用した「ガイダンスプリント」、「探究ルーブリック」、「ワークシート」などの資料も掲載しています。新学期から始まる授業づくりのヒントや、授業改善の視点を与えてくれる資料がそろっていますので、ぜひご活用ください。

プログラミング教育調査研究Web掲載完了

 研究調査部の情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究「プログラミング教育の充実を目指して」の今年度の成果物をWebサイトに掲載しました。調査研究をまとめている以下のサイトからアクセスできますので、ぜひ御覧ください。

 https://www.tochigi-edu.ed.jp/educenter/setting/調査研究/調査研究-研究調査部-

掲載内容は、「研究概要と成果物について」の他、三つの成果物①「育成すべき資質・能力の三つの柱とプログラミング教育モデルカリキュラムとの関係」、②「プログラミング教育モデルカリキュラム(育成を目指す資質・能力一覧表)」、③「プログラミング教育の授業事例(小学校編)」と、それぞれの活用の仕方を掲載しています。これらが、先生方のプログラミング教育の指導の参考となり、より充実したプログラミング教育が各学校で実施されることを期待しています。

 令和6年度に取り組んだプログラミング教育の調査研究は来年度も継続します。今後の調査研究通信でも、取り組みの様子を随時報告していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 







 

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑩

日光市立湯西川小中学校 2月27日(木)

 上都賀教育事務所の指導主事を外部講師として招いた2回目の校内研修(授業研究会)が行われました。事前に撮影した理科の授業を10分ほどに編集した授業動画を見ながら語り合い、生徒の学びの様子を基にして指導支援の在り方を検討していく研修です。

 動画が流れると、自然に先生方の語り合いが始まり、授業者にとって自身の指導支援を客観的に捉えられるよい機会となっていました。生徒の学びの姿を基にして、さらによい指導・支援の在り方についてたくさんの意見が出され、動画視聴も含めた対話の時間があっという間に過ぎていきました。

 最後に、講師である指導主事から、「子どもの姿を動画で見て語り合うことで、有益な指導・支援の在り方について具体的に考えるきっかけになれば…」という話がありました。

※研修終了後も、動画で気になったシーンを再度確認しながら、先生方の話は続きました。先生方が、自分の担当している授業のときの生徒の様子なども付け加えながら、生徒理解を基にした、指導・支援について考える研修になりました。

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑨

大田原市立湯津上中学校 11月13日(水)

 地域内において一小一中であることを生かし、全国学力・学習状況調査の授業アイデア例に沿った授業を小学校と中学校の先生が一緒に参観し、授業研究会を行いました。授業研究会では、先生方が授業についての振り返りをタブレット端末に入力して共有していました。アイデア例の展開をなぞるだけでなく、そこに示された教師と生徒のやりとりを参考に、実態に即した工夫が必要であることを確認しました。

 

12月11日(水)

「子どもが自律的に学びを進める指導について」というテーマで、総合教育センターの指導主事を外部講師として活用した校内研修が行われました。研修担当者が、先生方に授業改善に取り組んで欲しいという管理職の願いをもとに企画した研修で、先生と生徒のモチベーションを高めることが学力向上につながるように内容が工夫されていました。

 

 

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑧

佐野市立吉水小学校 12月5日(木)

 校内研修として、佐野市の学校教育指導員を交え、国語(4年生)、算数(2 年生、6年生)の授業公開及び授業研究会(第3回)が行われました。吉水小学校では一人一授業の公開が必須であり、全ての先生が授業者として研究授業に携わることになっています。

 

 先生方は、自分の所属する学年ブロックにおいて事前の授業づくりから指導案検討に関わりました。放課後の授業研究会では、授業を参観したブロックごとに集まり、付箋を活用し指導案を検討した際の経緯も含め、設定した「授業参観の視点」に沿って授業を振り返りました。

 

  次に全職員が集まり、各ブロックの授業研究会で話題になったことなどについて共有し、最後に学校教育指導員から、授業の全体講評と授業改善についての講話がありました。

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑦

日光市立湯西川小中学校 12月3日(火)

 上都賀教育事務所の指導主事を外部講師として招いた校内研修が行われました。これは、日頃の授業改善を目的として30分で行う短時間の研修です。事前に撮影し10分に編集した授業動画を見ながら、子どもの学びの様子について自由に語り合います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 動画が始まるとすぐに先生方が話し始め、動画視聴も含めた15分の対話の時間があっと間に過ぎていきました。

 最後に、講師である指導主事が、先生方の活発な話合いの素晴らしさを伝えていました。先生方が日常的に授業のことを話題にしたくなる契機となる研修となりました。

 

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑥

芳賀町立芳賀南小学校 11月20日(水)

 芳賀町では、芳賀町学力向上推進事業として、6年前から町内全ての小学校で、大学教授を講師として招き、校内研修に取り組んでいます。この日は、芳賀南小学校で算数科(4年生と5年生)の授業公開及び授業研究会が行われました。授業参観では、参観する先生方が、特に注目して見取る子どものグループを決め、活動の様子をじっくりと観察し記録していました。授業後には、授業者と講師の先生で授業を振り返る時間が確保されており、放課後には全体での授業研究会が行われました。授業を参観した先生方が、授業参観の視点を基に充実した話合いを展開しており、最後に講師の先生からの指導助言もありました。

  

 授業研究会では、付箋を活用しながら見取った子どもの姿を中心に話し合い、授業の振り返りが行われていました。気兼ねなく意見を言い合える和やかな雰囲気の中で、授業について真剣に協議する姿が印象的でした。

 最後に講師の先生による指導助言がありました。授業の動画を共有しながら、そこで見取れる「深い学び」につながる子どもの姿について、先生方が目線を合わせて考えを深める時間となりました。

 

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑤

那須烏山市立南那須中学校 10月23日(水)

  県の学力向上コーディネーター派遣事業を活用した校内研修が行われました。

  国語、理科の2教科の研究授業と授業研究会を行った後、全体会で教科ごとの授業研究会の報告があり、最後に学力向上コーディネーターから指導助言がありました。

  

 研究授業では、参観する教員が子どもの学びの事実に着目したり学力向上改善プランを意識したりできるように、参観シートの活用が工夫されていました。研究会では、子どもの学びの姿をもとにして協議をするので、専門外の教科担当の参観者も話合いに参加しやすくなっていました。

 

 

  全体会の最後には、研修の振り返りとして、明日から自分が取り組んでみたいことを付箋に記入して黒板に貼ることで、先生方の学びを可視化して共有していました。

 

プログラミング教育先進自治体(相模原市)視察

 研究調査部の情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究「プログラミング教育の充実を目指して」の参考とするため、プログラミング教育に先進的に取り組んでいる相模原市を視察しました。相模原市立共和小学校と相模原市教育センターを、11月28日(木)に訪問しました。

〔午前〕
 共和小学校では、4年生の算数の授業を見学させていただきました。四捨五入して百の位までの概数にしたとき200になる整数のうち、一番小さい数と一番大きい数をプログラムを作って求めていく授業でした。子どもたちは自分たちのタブレットを使って、友達と何度も繰り返しながら取り組んでいました。

〔午後〕
 相模原市教育センターを訪問し、情報交換を行いました。相模原市では、すべての学校でプログラミング教育を計画して実施していますが、そのベースとなっているのが「相模原プログラミングプラン2020」(令和2年3月相模原市教育委員会教育センター)です。相模原市の課題は、「すべての学校でプログラミング教育を行えているからこそ、形式的な『プラン教育』にならないようにすること」とのことでした。そのために、より一層の教科のねらいの達成を考えていくことを大切にしているようでした。

〔感想〕
 本県の場合は、相模原市と比べるとこのようなモデルプランはまだありませんので、まずはしっかりと「プログラミング教育」に取り組むことができるようなモデルプランなどの提示や周知が必要だと感じました。大変参考となる視察となりました。相模原市の先生方、大変お世話になりました。

令和6(2024)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 『授業実践』外国語科(英語)・数学科・芸術科(音楽)・国語科

 研究協力委員の先生方による「教科における探究的な学習」の授業実践を取材させていただきました。今回は、外国語科(英語)、数学科、芸術科(音楽)、国語科の授業の様子について報告します。

 

「外国語科 英語(「英語コミュニケーションⅠ」)」

 自然活動家に関する英文を読んで、「自然保護活動を提案、発表する」ということをテーマにした探究的な学習を行いました。本時は、グループごとに作成した自然保護活動の提案書を校正する活動でした。他グループに提案書を読んでもらい、Q&Aセッションを通して、自グループの提案書に不足している情報や修正点をみつけ、グループで話し合って改善をしました。読み手の視点を得ることで、生徒たちは提案する自然保護活動を的確に伝えるための語彙を選定したり、必要性を訴える表現や文章構成を考え直したりするなど、試行錯誤を繰り返す探究的に学ぶ姿が見られました。

「数学科(「数学C」)」

 単元「ベクトルと平面図形」において、探究的な学習に取り組みました。前時までに、三角形の内部や外部にある点の位置を説明しあう活動を、これまでの学習内容と関連付けて行いました。本時では、三角形の重心や内心、外心の位置をベクトルで表す方法を見いだす活動を協働的に行いました。授業中はもちろんのこと、授業後の休み時間になっても熱心に議論が継続したり、粘り強く考え続けていたりする生徒が多数見られるなど、充実した授業実践となりました。

「芸術科 音楽(「音楽Ⅰ」)」

 題材「学校CMソングをつくろう」において、創作分野での探究的な学習を行いました。本時は、自分で作成した学校CMソングを既存のCMソングと比較したり、映像に合わせて学校CMソングを流し、生徒同士で相互評価を行ったりして、自分の作品を客観的に分析し、改善点やその方法を考えるという学習活動でした。生徒たちは、事前に示されたルーブリックやガイダンスプリントを見直したり、活発に意見を交換したりして、学び深め、主体的、協働的に学校CMソングの完成を目指していました。

 

「国語科(「文学精読」)」

 夏目漱石著の「こころ」を読んで、「文学作品の価値を問い直す」をテーマとした探究的な学習を行いました。本時は、「こころ」が名作だと考える生徒と、名作ではないと考える生徒によるパネルディスカッションを行い、考えを深め合う活動を行いました。パネリスト以外の生徒たちは、異なる意見を尊重しつつ、オンラインディスカッションツールを活用してリアルタイムで意見を共有するなど、建設的な議論が展開され、意欲的に授業に取り組んでいました。

 

 今年度の「教科指導充実に関する調査研究」における授業実践は以上となります。研究協力委員の先生方、当該高等学校の校長先生及び職員の皆様、ご協力ありがとうございました。

 なお、このことに関しては、令和7年1月24日(金)・25日(土)に行われる「栃木県教育研究発表大会」の「教科における探究部会(高)」においても取り上げます。多くの皆様の御参加をお待ちしております。

 詳細は当センターのWebサイトを参照していただき、専用ページよりお申し込みください。

令和6(2024)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 『授業実践』理科(生物)・情報科・家庭科

 研究協力委員の先生方による「教科における探究的な学習」の授業実践を取材させていただきました。

 今回は、理科(生物)、情報科、家庭科の授業の様子について報告します。

 

「理科(「生物」)」

 「細胞と分子」について学ぶ単元において探究学習を行いました。1時間目となる本時は、探究学習における自分の目標をルーブリックで確認した後、グループで酵素の反応速度を調べるための実験計画を考えました。試料や基質の濃度を検討する場面で、生徒たちは予備実験をしながら活発な議論をして、既習事項と関連付けて実験計画を立案していました。

 

 

「情報科(「情報Ⅰ」)」

 「情報デザイン」について学ぶ単元において探究学習を行いました。6時間目となる本時は、作成した足利観光ピクトグラムを、生徒間で相互に検証する学習活動を行いました。生徒たちは、これまでに学んだ情報デザインやピクトグラムの知識を生かしながら、各自が作成したピクトグラムの相互評価を活発に行い、作品を改良していくための視点を得ていました。この活動が、これから学ぶ様々な情報デザインに主体的に関わっていくきっかけとなることが感じられる授業実践でした。

 

 

「家庭科(「家庭総合」)」

 「衣生活のマネジメント」について学ぶ単元において探究学習を行いました。単元のまとめとなる本時は、先生をモデルにし、季節に合わせた衣服をコーディネートするという内容でした。生徒たちは、デザインだけではなく、前時までに学習した、「繊維の特徴」や「安全性」などを関連付けて最適な衣服の組み合わせ等について探究的に学んでいました。また、授業で使用する資料の共有や提出にはロイロノートを使用するなど、ICT機器を有効に活用していました。

どの実践も、生徒同士が活発に議論をして思考を深め、協働しながら学びを進めていました。授業中、生徒から「分かった」や「おもしろい」といった声が聞こえてくるなど、充実した授業実践となっていました。

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録④

小山市立萱橋小学校 9月18日(水)

 校内研修として、県の学力向上コーディネーターを交え、算数科(5年生)の授業公開及び授業研究会が行われました。授業研究会と指導助言の後には、研修を通した学びを書き込む時間が確保されており、参加した先生方が自らの学びを振り返ることができていたと思います。

 

 拡大指導案と付箋を用意し、授業のよさや課題などについて、意見を交流していました。

 学力向上コーディネーターによる指導助言では、「授業改善に向けた三つの視点」についての説明があり、それぞれが自らの授業を振り返る機会となりました。

 

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録③

宇都宮市立御幸が原小学校 9月18日(水)

 校内研修として、外部講師(宇大准教授)を交え、体育科(6年生)の授業公開及び授業研究会が行われました。校内研修の事前準備が丁寧に計画された中で、全ての参加者が授業で見られた子どもの姿を中心に意見や質問等の発言をしており、熱心に協議をしている様子が印象的でした。

  

 授業研究会はラウンド・スタディ形式で行われました。Round1では、班ごとに「授業で見られたよさと課題」について自由に発言しながら、模造紙にまとめていました。Round2では、各班のホスト(説明者)を残して席替えを行い、班のメンバーを入れ替えて協議をしました。Round3では、元の班に戻り、改めて授業の成果と課題について、全体で深めていました。

 

 

 最後に、外部講師からの指導助言がありました。授業記録動画を活用して授業場面を皆で共有しながら、子どもの学びの姿や事実を基に、考えられることなどについて省察を重ねていました。

 

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録②

佐野市立吉水小学校 9月11日(水)

 校内研修として、市の学校教育指導員を交え、国語(1年生、4年生)、算数(5年生)の授業公開及び授業研究会が行われました。授業研究会での協議や、学校教育指導員からの講話などを通して、それぞれの先生方が、授業改善のポイントについて具体的に考えることにつながる研修となりました。

 

 

 先生方は、自分の所属する学年ブロックの授業を参観しました。放課後の授業研究会では、授業を参観したブロックごとに集まり、付箋を活用しながら、学校課題に即した「授業参観の視点」に沿って授業を振り返りました。

 

 最後に、全職員が集まり、各ブロックの授業研究会で話題になったことなどについて共有をした後、学校教育指導員から、授業の全体講評と、調査問題結果を踏まえた授業改善について講話がありました。

 

校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録①

研究協力校を当センター指導主事が訪問し、校内研修を見学・取材する取組が始まりました。6月から8月までに取材した四つの学校では、和やかな雰囲気の中で、先生方が和気あいあいと意見を交換しながら、熱心に研修に取り組んでいる様子が印象的でした。

今後も、取材した学校の校内研修の様子などを、本通信を通じてお伝えしていく予定です。お楽しみに。

 

○芳賀町立芳賀南小学校 6月14日(金)

 外部講師と授業者による授業後の振り返り

外部講師と授業者による授業後の振り返り

参観者による授業研究会での意見交流

 参観者による授業研究会での意見交流

 

○宇都宮市立御幸が原小学校 7月8日(月)

市教委の事業を活用した外部講師による講話及び協議

市教委の事業を活用した外部講師による講話及び協議

 

○日光市立湯西川小中学校 7月23日(火)

教職員によるショートエクササイズでスタート

教職員によるショートエクササイズでスタート

「授業動画を用いたリフレクション」について共通理解

「授業動画を用いたリフレクション」について共通理解

 

○那須烏山市立南那須中学校 8月1日(木)

 学力向上コーディネーターによる「S-P表の分析方法」について聴講

学力向上コーディネーターによる「S-P表の分析方法」について聴講

グループワークによるS-P表を用いた調査結果の分析

グループワークによるS-P表を用いた調査結果の分析

令和6(2024)年度 小・中学校における教員の資質・能力の向上に関する調査研究(小・中)学習会

 今年度、小・中学校を対象に取り組んでいる調査研究のテーマは、「教員の資質・能力を向上させる校内研修の充実」です。個人及び組織としての指導力の向上を図る上で、校内研修は重要な機会であり、特に所属する組織が自律的に行う研修が果たす役割は大きいと思われます。そこで、校内研修の在り方について調査研究を行い、その成果等をまとめた資料を作成する予定です。

 7月19日(金)には、玉川大学大学院教育学研究科教授の久保田善彦先生を招き、「教員の資質・能力の向上に向けた授業研究の在り方」をテーマに指導主事対象の学習会を実施しました。参加者は、当センター職員と市町教育委員会及び教育事務所から参加を希望した指導主事でした。

 前半は、近年の教育施策とキーワードを確認しながら、「協働的な学習とは何か」、「学びを委ねるとはどういうことか」など、事例を交えて詳しくお話を伺うことができました。後半は、授業研究会に焦点を当て、「なぜ、授業研究会が必要なのか」「なぜ、子どもを見とるのか」等について、参加者も一緒に議論をしながら、考えを深めることができました。特に心に残ったのは、「授業研究で試されているのは、授業者の授業力ではなく、参観者の授業を見取る目である」という内容でした。

 校内研修の主となるのは「授業研究」であると思われます。その在り方等について、本調査研究の途中経過等を含めて、学校現場の先生方に資する情報を発信していきたいと思います。

 

県内初!「GIGAワークブックとちぎ」を活用した出前授業

 研究調査部情報教育支援チームが一般財団法人LINEみらい財団と共同制作した情報モラル教材「GIGAワークブックとちぎ」(R5年度調査研究成果物)を活用した出前授業が、6月26日(水)に宇都宮市立瑞穂野南小学校で実施されました。講師は、「GIGAワークブック」開発の協力者でもある、静岡大学准教授の塩田真吾先生で、第5学年の児童とその保護者が参加しました。
 授業のねらいは、子どもたちの情報モラルを高めることでした。「GIGAワークブックとちぎ」を教材として使い、「調べ学習ではどの方法で調べたらよいのか」「Webサイトの情報は本当に信頼できるのか」「データをすべて信じてよいのか」について、子どもたちが自ら考え、グループで協議し、発表を通して学びを深めていました。どうしてそう考えたのかについても自分たちの言葉で書き出していて、充実した時間になっていました。また、保護者に向けても、家庭での指導の重要性について、話されていました。
 

 
 「GIGAワークブックとちぎ」を活用することで、どの先生も、情報モラル教育を簡単に分かりやすく行うことができます。1つの教材に対して10分から15分という短い時間で取り組むこともできるので、授業の中の少しの時間や、朝の学習の時間などでもぜひ御活用ください。
 各校の年間計画、カリキュラムをどのように計画するかが今後の課題だと思いますが、それについても「GIGAワークブック2024活用サイト」が参考となりますので、ぜひ御覧ください。
 情報教育支援チームも、情報モラル講話やICT活用研修などで、引き続き本教材の活用を促していきたいと思います。「GIGAワークブックとちぎ」は「とちぎ教育ICTポータルサイト」にて、誰でもダウンロードすることができます。

令和6(2024)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 第2回調査研究委員会

6月18日(火)に第2回調査研究委員会を行いました。

始めに、本調査研究の担当者から、探究的な学習を充実させるためのルーブリックの活用及び作成方法について概要の説明を行いました。その後、各教科に分かれ研究協力委員の先生方とセンターの指導主事で、探究的に学ぶ生徒の姿をイメージしながら、授業計画について検討しました。どの教科も生徒の資質・能力を育成するために、工夫を凝らした探究的な授業実践になりそうです。2学期は、各学校で計画に基づいた授業実践を行う予定です。その様子はこの調査研究通信でもお知らせしていきます。

令和6(2024)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 情報チーム打合せの様子

 研究調査部情報教育支援チームでは、2週間に一度のペースで調査研究の打合せを行っています。先日は、第7回の打合せが行われました。
 第7回までの打合せの目的は、各市町立の学校で行われているプログラミング教育に関する資料等を収集して情報を共有することです。幾つかの公表されている資料を見たり、直接お話を聞いたりしたことを基に、情報チームで話題になったことを以下にいくつか挙げてみます。

●プログラミング教育の全面実施となった2020年(令和2年)より前に、多くの自治体が事例や研修資料を出していたのではないか?
●2021年(令和3年)のGIGAスクール構想前倒しにより、1人1台端末の活用が喫緊の課題となり、プログラミング教育の実践より、ICT活用の方に重きが置かれるようになったのではないか?
●多くの自治体が実践事例を紹介しており、プログラミングを活用しながら教科のねらいを達成しようとする授業の事例が見られる。
●さらに幾つかの学校においては、プログラミング教育を通して育成する資質・能力に着目して、モデルカリキュラム、体系表、授業実践事例などを作成し、公開している。

 今後は、プログラミング教育のカリキュラムモデル作成に向けて、他自治体の取組例を参考に、さらに検討を進めていきます。
 引き続き、途中経過を掲載していきますので、ぜひ御覧ください。

令和6(2024)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 学習会

 今年度、研究調査部情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究のテーマは、「プログラミング教育の充実を目指して」です。小・中・高を通して児童生徒が習得すべき資質・能力及びカリキュラムの在り方等について調査研究を行い、本県のプログラミング教育の充実を図ることを目的としています。
 5月29日(水)、当センターにおいて、国立教育政策研究所の渡邊茂一教育課程調査官をお招きし、学習会を行いました。御講話の中で、たくさんの事例はもちろんですが、国内のプログラミング教育の現状、PISA2022等のデータを基にした国際比較による日本の課題、発達段階に応じたプログラミング教育のイメージや育成する資質・能力と指導上の課題など、今後の調査研究に向けたヒントを得るとともに、プログラミング教育に対する熱い想いを拝聴しました。
 また、学習会には所内の指導主事のみならず、市町教育委員会、各教育事務所、義務教育課、高校教育課、特別支援教育課の指導主事にも多数御参加いただきました。調査研究を進めるにあたり、関係各所とも連携・協力しながら進めていきたいと思います。
 今後は、本調査研究の途中経過を随時掲載していく予定です。お楽しみに。

 情報教育支援チームでは「とちぎ教育ICTポータルサイト」を運営しております。そちらでも調査研究の進捗を随時お知らせしていく予定ですので、ぜひ御覧ください。

 

令和6(2024)年度 教科指導充実に関する調査研究 第1回調査研究委員会・学習会

 今年度の高等学校における教科指導充実に関する調査研究のテーマは、昨年度に引き続き「教科における探究的な学習の充実~新しい時代に求められる資質・能力の育成を目指して~」です。今後は、国語科、数学科、理科(生物)、芸術科(音楽)、外国語科(英語)、家庭科、情報科の7教科で実践研究を行います。

5月16日(木)、当センターにおいて、第1回調査研究委員会・学習会を行い、早稲田大学教職大学院の田中博之教授をお招きし、ご講話をいただきました。田中先生の講話を通して、探究授業を創るノウハウが明らかになり、授業づくりの具体的なヒントを得ることができました。

今後は、研究協力委員の先生方とセンターの指導主事とで議論を深め、田中先生の講話から得たことを活かして、具体的な指導計画を立てていく予定です。生徒たちが探究的な学びを通して成長し、新しい時代に求められる資質や能力を育成できる授業実践を目指します。

この調査研究通信では、その途中経過を、随時掲載していく予定です。

令和5年度(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究(小・中) 実践事例パンフレット完成・web公開

小・中学校における教科指導充実に関する調査研究のパンフレット『資質能力の育成を図る授業づくり』が完成しました。

 

 小・中学校の音楽科、図画工作科、美術科、体育科、保健体育科、家庭科、技術・家庭科の各教科において、「単元(題材)の見通し」「ICTの活用」に焦点を当てた授業実践をまとめました。

 授業実践に御協力いただいた研究協力委員の先生方、ありがとうございました。

 この冊子はwebサイトからダウンロードして閲覧することができます。さらに、webサイトでは、単元(題材)全体の授業の様子が分かる補助資料も公開しています。ぜひ、ご活用ください。

 今年度の資料のダウンロードは下記から可能です。

http://www.tochigi-edu.ed.jp/center/cyosa/cyosakenkyu/kyokasido_r05_shochu/index.html

 今回完成した冊子は、次年度の総合教育センターで行われる基本研修等で配布し、活用を予定しています。

 

 国語科、社会科、算数科、数学科、理科、外国語科については、令和4(2023)年度の小・中学校における教科指導充実に関する調査研究をご覧ください。

    


昨年度の資料のダウンロードは、下記から可能です。

http://www.tochigi-edu.ed.jp/center/cyosa/cyosakenkyu/kyokasido_r04_shochu/index.html

令和5(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究(高) 『実践編』公開

 今年度の教科指導充実に関する調査研究(高)の資料、『教科における探究的な学習の充実~新しい時代に求められる資質・能力の育成を目指して~ 実践編』を、当センターWebサイトに公開しました。

 今年1月に公開した『理論編』に続く『実践編』には、地理歴史科、理科(物理・化学)、保健体育科、農業科、工業科、商業科の6教科7科目における探究的な学習の授業実践が掲載されています。単元の指導計画や、探究的な学習を取り入れた授業の展開、指導のポイント、ルーブリックを用いた評価になどの実践例が示されています。

 ここでは、各科目における探究的な学習の「問い(学習課題)」をご紹介します。

地理歴史科(歴史総合)「世界各国の政治や社会は、第一次世界大戦の前後でどのように変化したのだろうか?」
理科(物理)「単振り子の周期を決める要因は何か?また、その要因と周期の規則性はどのようなものか?」
理科(化学)「凝固点降下の規則性は何に依存しているのか?」
保健体育(体育)「なぜ、あなたは走るのか?」
農業科(農業と環境)「自然と調和した農業とは?」
工業科(情報数理Ⅰ)「歩行者用信号機の動作をプログラミングで表現するには?」
商業科(財務会計Ⅰ)「財務諸表から読み取ることができる企業の実態とは?」

 「問い」を見ただけでもワクワクする内容です。詳細は当センターのWebサイトをご覧ください。

 さらに、授業実践で活用した「ワークシート」や「ガイダンスプリント」、「ルーブリック」などの資料や、探究的な学習を取り入れた授業をデザインするための「授業づくりワークシート」も掲載しています。新学期から始まる授業づくりのヒントや、授業改善の視点を与えてくれる資料がそろっています。ぜひご活用ください。

資料のダウンロードは下記から可能です。

https://www.tochigi-edu.ed.jp/center/cyosa/cyosakenkyu/kyokasido_r05_koko/index.html

 

 

令和5年度(2023)年度 栃木県教育研究発表大会 ICTを活用した授業づくり部会・教育講話Ⅰ 報告

令和5(2023)年度 栃木県教育研究発表大会が令和6(2024)年1月26日(金)・27日(土)に、オンラインで開催されました。

 

 ICTを活用した授業づくり部会では、「資質・能力の育成を図る授業改善の推進」をテーマとして、初めに、今年度の調査研究の概要について、当センター研究調査部 武井玲子副主幹が説明を行いました。その後、今年度の研究協力員の中から、佐野市立あそ野学園義務教育学校の門澤裕美先生の小学校家庭科の実践、日光市立今市中学校の大山良皓先生の保健体育科の実践について御発表いただきました。最後に、玉川大学大学院教育学研究科の久保田善彦教授より、お二人の実践のよさやICTを効果的に活用した授業づくりについて指導・助言をいただきました。

 

  

 

 

 

 つづく第2部の「教育講話Ⅰ」では、久保田善彦教授から「GIGAスクール時代の授業改善」と題して御講話をいただきました。生成AIの教育分野での活用の可能性、授業改善のツールとしてのGIGA端末の活用について、授業デザインのためのマインドなど、示唆に富んだお話を伺うことができました。
 「たくさん刺激を受けました」「端末をツールとして活用する上でも、授業者の意欲が問われると分かった」など、多くの「熱い」感想が寄せられています。学んだことを基に、本県の教科指導が充実するよう調査研究のまとめに励んでいきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

令和5(2023)年度 栃木県教育研究発表大会 教科における探究部会(高)・教育講話Ⅱ 報告

令和5(2023)年度 栃木県教育研究発表大会が令和6(2024)年1月26日(金)・27日(土)に、オンラインで開催されました。

教科における探究部会(高)は、「教科における探究的な学習の充実を目指した取組」をテーマとして行われました。初めに、当センター研究調査部 齊藤真史副主幹が、先日公開した『教科における探究的な学習の充実~新しい時代に求められる資質・能力の育成を目指して~ 理論編』の資料を基に、今年度の調査研究について説明しました。その後、早稲田大学大学院教育学研究科 田中博之教授をコーディネーターにお迎えして、座談会を行いました。前半は「地理歴史科、理科(物理・化学)、保健体育科」、後半は「農業科、工業科、商業科」における探究的な学習の実践報告、そこから得た成果と課題について意見交換を行いました。チャットを通して、参加者の皆さまからも多数の質問やコメントが届き、教科における探究的な学びについて考える有意義な部会となりました。

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく「教育講話Ⅱ」では、田中博之教授から「探究授業の創り方」と題して御講話いただきました。探究的な学習の理論、写真や動画とともに多くの授業実践例、ルーブリックを活用した評価等について丁寧に御説明いただき、授業実践に活用できる多くのヒントを得ることができました。今回の発表大会で、本部会が最も視聴申込数が多かったことからも、その注目度の高さは明らかでした。学んだことを基に、これからも調査研究が充実するよう議論を深めていきたいと思います。

令和5(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究(高) 『理論編』公開

 今年度の教科指導充実に関する調査研究(高)の資料、『教科における探究的な学習の充実~新しい時代に求められる資質・能力の育成を目指して~ 理論編』を、栃木県総合教育センターWebサイトに公開しました。

 「『総合的な探究の時間』と『教科における探究』の違いとは?」「教科における探究的な学習のデザインとは?」「探究的な学習を充実させるポイント」など、各教科・科目等で探究的な学習を進める際に参考となる情報が、具体例とともに掲載されています。ぜひ、ご覧ください。

 なお、『理論編』につづき、各教科の協力委員の先生方の授業実践をまとめた『実践編』を現在作成しています。今年度末に公開予定ですので、もうしばらくお待ちください。

      

資料のダウンロードは下記から可能です。

https://www.tochigi-edu.ed.jp/center/cyosa/cyosakenkyu/kyokasido_r05_koko/index.html

 

 

令和5(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究(高)『授業実践』 農業科・商業科

研究協力委員の先生方の勤務校にて行われた「教科における探究的な学習」の授業実践を紹介します。今回は農業科、商業科の実践報告です。

 

「農業科」

「農業と環境」について学ぶ単元の学習過程において、「自然環境と調和した農業とは何か」という課題を設定し、探究的な学習を進めました。生徒たちは、1学期に授業で実践したトウモロコシとジャガイモの栽培における栽培管理と、使用した農業資材について振り返りました、その後、課題解決のための情報収集を重ね、環境に配慮した農業に取り組むための具体的な方法について考え、その内容を発表しました。生徒たちは、このような提案の過程を通じて、持続可能な農業の在り方について理解を深めることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「商業科」

財務会計Ⅰの「財務諸表分析」について学ぶ単元の学習過程において、データを収集し、企業の「安全性・収益性・成長性分析」や、「同業他社比較」「経済動向を含めた独自の経営戦略」などについて、グループで「企業の実態分析」を行い、その結果に関する実践的なプレゼンテーションを作成して発表しました。授業の最後には、ルーブリックを確認しながら、各グループの発表内容について振り返り、改善すべき点等について明らかにして、次の学びに活かそうとする姿が見られました。

 

 

 

 

 

 

 

 


上記のどちらの授業においても、生徒が課題を「自分事」として捉え、教科書で学んだことや調べたデータを基に、仲間と共に議論したり協力したりしながら、新たなものを創造しようと課題に前向きに取り組んでいる姿が見られました。

 

今年度の「教科指導充実に関する調査研究」における授業実践は以上となります。

研究協力委員の先生方、当該高等学校の校長先生及び職員の皆様、ご協力ありがとうございました。

 

現在、「教科における探究的な学習に関する調査研究」は資料等をまとめる段階に入っています。

近々皆様にその成果を紹介する予定です。ぜひ御活用ください。

 

なお、このことに関しては、令和6年1月26日(金)・27日(土)に行われる「栃木県教育研究発表大会」の「教科における探究部会(高)」においても取り上げます。多くの皆様の御参加をお待ちしております。

詳細は当センターのホームページを参照していただき、専用ページよりお申し込みください。

令和5(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究(高)『授業実践』地歴・理科(化学)・保健体育

研究協力委員の先生方の勤務校にて行われた「教科における探究的な学習」の授業実践を紹介します。今回は、地歴歴史科、理科、保健体育科の実践報告です。

 

「地理歴史科(歴史総合)」

 歴史総合の「第一次世界大戦と大衆文化」について学ぶ単元の学習過程において、「第一次世界大戦の前後で、世界各国の政治や社会がどのように変化したか」について学びを深める活動を行いました。生徒たちは、当時の各国の新聞記者の視点から、変化に対して肯定的・否定的な立場に分かれて記事を作成し、異なる立場の生徒たちに記事の内容を伝えました。教科書に掲載されていない資料等も活用し、独自の考察なども記事に盛り込むなど、主体的に学んでいる様子が見られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「理科(化学)」

 化学の「溶液と平衡」について学ぶ単元の学習過程において、「凝固点降下は何に依存するのか」という課題に取り組みました。最初に、仮説を設定し、それを検証する計画を立てて実験を行いました。入手したデータはタブレットを使ってグラフ化し、班員とともに対話しながら結果を分析しました。想定したものと違う結果となった班は、生徒自らが更に計画を修正したり実験を行ったりするなど、意欲的に取り組んでいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「保健体育科(体育)」

 体育の「長距離走」について学ぶ単元の学習過程において、「なぜ、あなたは走るのか」をテーマとして探究しました。走ることで得られる「副次的効果」について仮説を立て、グループで検証・分析を行い、長距離走を継続して楽しむための目的を提案しました。仮説を検証するために、走り方や条件を工夫しながら持久走に取り組み、科学的根拠となるデータを集め、そこから得られた結論をまとめました。今回の発表では質疑応答が活発に行われ、発表者も聞いている生徒も「なぜ、走るのか」という問いについて思考を深めていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どの授業でも、「問い」に対して、思考力・判断力・表現力を発揮し、グループの仲間と協力しながら情報を収集・分析し、結論を導こうとする生徒の姿が見られました。また、調べたことや考えたことから、さらに「なぜ?」と問いを深め、質問をしたり議論したりする生徒も多く、探究的な学習が実現された授業となっていました。

 学びに取り組む生徒の真剣な表情や、対話を重ね、協働する中で生まれる笑顔があふれる教室で、授業を担当している先生方が輝いて見えました。

令和5(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究(高)『授業実践』 理科(物理)・工業

 研究協力委員の先生方の勤務校にて、「教科における探究的な学習」の授業実践を取材させていただきました。今回は、理科(物理)、工業の実践報告です。

 

「理科(物理)」

物理の 単振動について学ぶ単元の学習過程において、振り子の周期に関する実験を行いました。まず生徒たちは、振り子の周期がどのような要因によって変わるのかを考え、それを確かめるための実験方法を考えました。そして、実験後、得られた結果から何が言えるのかを、エクセルで作成したグラフを分析して考察しました。考察の場面では、生徒たちは活発に議論し、学びを深めることができました。

授業実践(物理)

 

 「工業」

工業情報処理の「アルゴリズムとプログラミング」について学ぶ単元の学習過程において、「歩行者用信号機をプログラミングする」という課題に取り組みました。まずは個人でタブレットを使って「プログラミング → シミュレーション」を行い、その後グループで意見を交換しながら、「考察→プログラミングの修正→シミュレーション」の流れを繰り返し、課題解決を目指していました。

授業実践(工業)

 

 どちらの実践も、ICTを活用しながら課題の解決のために活発に議論をして思考を深め、協働しながら学びを進めていく姿が印象的でした。生徒の皆さんと研究協力員の先生方の真剣な表情と時折見られる笑顔から、充実した授業実践となっていました。

令和5(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究(小・中) 授業実践

 これまで検討してきた学習指導案に基づき、研究協力員の先生方の授業実践が始まっています。

 今回は中学校の技術・家庭科(技術分野)の取組をご紹介します。

 本時は「材料と加工の技術」を題材として取り上げ、制作した木工作品を互いに鑑賞して評価することを通して「ものづくり」に対する考えを深める授業です。

 自分の作品のよさや施した工夫をスライドにまとめタブレットに表示したものが、電子広告として作品の横に置かれていました。電子広告により、それぞれの作品に込められた機能や工夫がより伝わりやすくなっていました。

 

 作品の鑑賞後、生徒はアプリのアンケート機能を利用して、互いの作品を評価しました。その後は、製品の価値を高める工夫について、機能性や安全性、外観や表面処理、形状などの視点から意見を交流し、それぞれの考えを深めることができました。

 他の教科でも、ICTを効果的に活用した授業が実践されています。次回の通信でも紹介しますので、お楽しみに!

 

 

令和5(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究(高)『ルーブリック講座』

8月30日(水)に総合教育センターにて、標記の調査研究を進める上での学習会として、研究委員と研究協力委員の先生方を対象に、ルーブリック講座をオンラインで開催しました。

今回も、早稲田大学教職大学院の田中博之教授を講師にお迎えし、ルーブリックについてご講話をいただきました。「適切な評価とは何か」という理論や、ルーブリック評価活用の実践例、作成のポイントなどの具体的なお話を伺いました。「探究的」に学ぶには、生徒も教員も「見通し」を持つことが大切であり、そのためにも、目指すゴールを具体的に示す「ルーブリック」は有効であることを再認識することができました。 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

講座の後半は、研究協力委員の先生方が作成した「探究授業ワークシート」や「ルーブリック」を見ながら、具体的な改善策や、ルーブリックづくりのアイディアなどを田中教授からご助言いただき、学びの多い研修となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今後は、各教科で「探究的な学び」を取り入れた授業を実践していきます。「ルーブリック」を活用して、生徒が自己調整しながら学びを深める様子が見られるのではないでしょうか。

令和5年度(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究(小・中)

 今年度の「小・中学校における教科指導充実に関する調査研究」のテーマは「資質・能力の育成を図る授業改善の推進~ICTの活用を通して~」です。昨年度からの継続研究となり、音楽科、図画工作科、美術科、体育科、保健体育科、家庭科、技術・家庭科の各教科で調査研究を行い、授業実践例をまとめた資料を作成します。

6月20日(火)には、学習会及び第1回調査研究委員会を実施しました。学習会では、玉川大学大学院教育学研究科教授の久保田善彦先生をお迎えし、「各教科の資質・能力の育成に資するICTの活用について」のご講話をいただきました。授業改善に必要なマインド、授業デザイン力、ICT活用のイメージ等について詳しくお話を伺うことができました。 「ICTの活用は、ねらいが明確であれば単純な機能でも効果的である」「あくまでもICTの活用は手段であって目的ではない」という言葉など、ICT活用に関する留意点を再認識できました。講話をふまえ、午後の調査研究委員会では研究協力委員の先生方とセンター指導主事が、今後の授業実践の方向性や単元計画等作成上の留意点などについて話合いをしました。

学習会の様子

 

 7月21日(金)には、第2回調査研究委員会を実施しました。1日かけて、研究協力委員の先生方とセンター指導主事が協働し、ICTを活用した授業について構想したり、指導案の検討を行ったりしました。各教科において柔軟な授業アイディアが生まれるなど充実した協議が続きました。夏休み明けにはいよいよ各学校で、指導案に基づいた授業実践が始まる予定です。引き続き研究協力委員の先生方と、子どもたちの対話を深め、協働的な学びを促進する授業づくりについて調査研究を進めていきます。

第2回調査研究委員会の様子指導案検討の様子

令和5(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究 第2回調査研究委員会

 6月27日(火)に第2回調査研究委員会を行いました。

 始めに、調査研究担当から「教科における探究的な学習」の方法、学習指導要領や単元計画、評価等についての説明をしました。その後、各教科の研究協力委員の先生方とセンターの指導主事がチームとなって、どの単元でどのような「探究的」な学習ができるかについて協議し、授業デザインをワークシートに書き込んでいきました。

 授業実践は2学期を予定していますが、それまでに探究的に学ぶ生徒の姿をイメージしながら、各教科の研究協力委員の先生方と指導主事が二人三脚で授業づくりを進めていきます。

 

令和5(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究 学習会・第1回調査研究委員会

 5月22日(月)に総合教育センターで学習会・第1回調査研究委員会を行いました。

 学習会では、早稲田大学教職大学院の田中博之教授を講師にお迎えし、「高等学校 探究授業の創り方」をテーマにご講話いただきました。「探究的な学習」の理論や、「探究的な学び」の具体的な方法、また生徒が「探究的」に学ぶ授業実践例など、授業改善のヒントをたくさんいただき、有意義な会となりました。

 その後、田中先生の講話で学んだことを基に、研究協力委員の先生方7名とセンターの指導主事で、実際にどのような単元、場面で「探究的な学び」を取り入れていけるのかを検討しました。これから1年間、授業づくりを「探究」していきます。

 

令和5(2023)年度 教科指導充実に関する調査研究(高)テーマ決定

 今年度の教科指導充実に関する調査研究のテーマは「教科における探究的な学習の充実~新しい時代に求められる資質・能力の育成を目指して~」です。2年間に渡り、各教科での「探究的な学習」の在り方を研究していきます。「探究とは?」から始まり、「探究的な学習のデザイン」「充実のポイント」などをまとめた「理論編」の資料に加え、実際に授業を実践し、その様子をまとめた「実践編」の資料を作成し、総合教育センターのWebページに掲載する予定です。

 令和5(2023)年度は、地理歴史科・公民科/理科(物理)/理科(化学)/保健体育科/工業科/農業科/商業科の6教科7科目の授業実践を行います。

 調査研究の進捗状況等はこちらの「調査研究通信」で随時紹介していきます!