調査研究通信
校内研修おじゃまします!(R7調査研究〈小・中〉) 取材記録①
研究協力委員の先生方の勤務校を当センター指導主事が訪問し、校内研修を見学・取材する取組が始まりました。
今回は、2校の校内研修のようすをお伝えします。
茂木町立茂木中学校 9月10日(水)、10月6日(月)
外国語科と国語科の指導案検討会、及び授業研究会の様子を取材しました。茂木中学校では、教科等の枠を越えたチームを編成し、1年間同じメンバーで授業研究を行っています。他教科の先生方との意見交換は、授業者にとっても、新たな視点を得て自身の担当教科の授業について深く考えるきっかけとなっているようです。指導案検討会や授業研究会の際には、協議の視点が示されており、参加者同士で意見交換がしやすくなっていました。
また、学力向上コーディネーターや町教委の指導主事が、指導案検討の段階から関わっていることもこの校内研修の特徴の一つです。茂木中学校では、当日の授業だけでなく、単元を見通した授業を皆でつくりあげる過程を大切に、指導力の向上を目指しています。
研修の最後には、振り返りシートの記入と各自の振り返りを共有する時間が確保され、その日の学びをより深めていました。
〈指導案検討会のようす〉 〈授業研究会のようす〉
足利市立協和中学校 9月24日(水)
校内研修として、第1学年、第2学年、第3学年の三つのグループに分かれて、道徳科の授業公開及び授業研究会が行われました。事前に指導案検討会や模擬授業を行ってきた中で、当日を迎えました。
授業研究会では、先生方が授業中の生徒の姿を記録したふせん紙を用いて、模造紙にまとめながら授業者の発問に対してどのように生徒が反応していたか、生徒の姿から本時のねらいに迫れていたかなどについて協議していました。最後に、当センターや足利市教育委員会の指導主事による指導助言がありました。道徳科の目標に示されている生徒の姿について、先生方が目線を合わせて考えるきっかけとなる時間となりました。
これまでに、同僚性を高める研修が計画的に実施されてきており、グループ協議や全体共有の場面において、安心して発言できる温かな雰囲気があることが印象的でした。
〈生徒の姿を記録する先生方〉 〈記録をもとに協議が進んだ授業研究会〉
〈3人の授業者へのインタビュー〉
茂木中、協和中の先生方、大変お世話になりました!
今後も、取材した学校の校内研修のようすなどを、本通信を通じてお伝えしていく予定です。
令和7(2025)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 第3回調査研究委員会 (宇都宮市立晃陽中学校)
研究調査部情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究「プログラミング教育の充実を目指して」の進捗状況について報告します。第3回調査研究委員会は、研究協力委員の所属校においてプログラミング教育の実践授業を行い、中学校段階では校種間での「育成を目指す資質・能力」の繋がりを意識した授業について検討することとしています。
9月30日(火)は、宇都宮市立晃陽中学校に伺いました。3年「技術・家庭科(技術分野)」の授業において、「給食ワゴンの事故防止」という学校生活上の課題をテーマに、プログラムの作成に取り組んでいました。
子どもたちは、前時に扱ったタッチセンサのプログラムを基に、赤外線センサを活用して障害物を認識し、停止や迂回するプログラムを制作しました。完成したプログラムをロボットにアップロードし、障害物が設置されたコースを実際に走行させ、安全かつ適切な動作となるよう改善・修正を重ねました。粘り強く試行錯誤を繰り返しながら、熱心に取り組む子どもたちの姿が印象的でした。
第4回調査研究委員会では、各学校の授業実践報告を行い、校種ごとのプログラミング教育の在り方について情報を共有する予定です。中学校においては、校種間での「育成を目指す資質・能力」のつながりを意識した指導計画の検討も行います。
昨年度の調査研究で作成した「プログラミング教育モデルカリキュラム」などを活用しながら、今回の授業実践を踏まえ、小・中・高の各段階を見通した、縦につながるプログラミング教育カリキュラムの検討を進めていきます。
令和7年度 小・中学校における教員の資質・能力の向上に関する調査研究 第2回調査研究委員会
7月23日(水)に、第2回調査研究委員会を行いました。
今回は、研究協力委員の先生方が作成した校内研修計画表をもとに、各校の学校教育目標や目指す児童生徒や教職員の姿等を確認した上で、目標を実現するためにどのような校内研修に取り組もうとしているかについて協議しました。協議の中では、授業研究会、ミニ研修会、職員の同僚性を深める活動などに関する話題が挙がりました。特に、授業改善につながる組織づくりや個人の振り返りの在り方等について、研修担当者としての思いや願いを交えて、活発な協議が行われました。どの内容においても、研修の目的を明確にしたり、先生方の要望を取り入れたりしていることが共通していました。
夏休み明けは、研究協力委員の皆様の学校を訪問し、校内研修の実際を取材する予定です。その様子は、この調査研究通信でもお知らせしていきます。どうぞお楽しみに!
〈研究協力委員と当センター指導主事との協議の様子〉
令和7(2025)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 第2回調査研究委員会(栃木市立合戦場小学校)
7月2日(水)は、栃木市立合戦場小学校に伺いました。6年生の家庭科の授業では、“衣服の手入れ”について端末を活用しながら考えや気付きをまとめ、グループでの話し合いを経て、学級全体で共有を図っている様子を見学できました。
子どもたちは、個人のQRカードで学習支援アプリにログインし、先生の指示のもと、配付された資料を基に自分のペースで学ぶ姿が見られました。それぞれが、自分が気になる部分を拡大して確認した上で話し合い活動を進めるなど、効果的にICTが活用されていると感じました。
第3回調査研究委員会では、プログラミングの授業を行っていただき、その様子を取材させていただく予定です。昨年度の調査研究で作成した「プログラミング教育モデルカリキュラム」などを活用しながら、授業実践に向けた打合せを、今後進めていきます。
令和7(2025)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 第2回調査研究委員会(宇都宮市立晃陽中学校)
6月27日(金)、宇都宮市立晃陽中学校に伺いました。3年生の技術・家庭科(技術分野)の授業では、情報処理の手順について考えることを目的として、粘り強く試行錯誤を重ねながら、身の回りの課題に応じたプログラムの作成を繰り返す様子が印象的でした。
子どもたちは、端末の操作に慣れている様子で、プロロボ教材アプリを使ってスムーズにプログラムを作成したり、端末からプロロボにプログラムを転送したりと、意欲的に活動していました。また、授業支援クラウド「schoolTakt」を活用し、自分が作成したプログラムのスクリーンショットを、用意されたワークシートに貼り付けて記録するなど、端末を活用した学びが、日々の授業に根づいていることが感じられました。
こうしたICTの活用を通して、自分の学びを可視化したり、振り返ったりする機会も広がり、子どもたちの学びが定着している様子がうかがえました。
第3回調査研究委員会では、プログラミングを扱う授業を行っていただき、その様子を取材させていただく予定です。昨年度の調査研究で作成した「プログラミング教育モデルカリキュラム」などを活用しながら、校種間での資質・能力の繋がりを意識した指導計画の検討や授業実践に向けた打合せを、今後進めていきます。
令和7(2025)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 第2回調査研究委員会(那須塩原市立東小学校)
研究調査部情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究「プログラミング教育の充実を目指して」の進捗状況について報告します。第2回調査研究委員会は、研究協力委員の先生が所属する学校に伺い、学校のICT環境や活用状況及び情報教育やプログラミング教育の全体計画に関する聞き取りや意見交換を行い、授業におけるICTの活用状況について、実際に見学することとしています。
6月19日(木)は1校目として、那須塩原市立東小学校に伺いました。5年生の理科の授業では、“植物が発芽する条件”について学習したことをまとめ、理解を深めるためにScratchでシミュレーションアプリを作って確認するというプログラミングの活動を行う様子を見学できました。
子どもたちは、端末の操作に慣れており、ClassroomからScratchのファイルを自分でダウンロードして読み込ませることができたり、友達と一緒にプログラムの作成を考え、粘り強く試行錯誤を重ね、完成したプログラムの説明を行ったりすることができていました。さらに、振り返りで指定のFormを活用するなど、1人1台端末の活用が進められている様子がうかがえました。
第3回調査研究委員会では、プログラミングの授業の実践を行っていただき、その様子を取材させていただく予定です。昨年度の調査研究で作成した「プログラミング教育モデルカリキュラム」などを活用していただきながら、授業実践に向けた打合せを今後進めていきます。
令和7(2025)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 第2回調査研究委員会
6月17日(火)に第2回調査研究委員会を行いました。
はじめに本調査研究の担当者が、第1回学習会での議論を踏まえた授業作りの方針の確認や単元づくりワークシート活用等について説明を行いました。その後各教科に分かれ、研究協力委員の先生方とセンターの指導主事で、教育目標やスクールミッションを踏まえた単元の目標や生徒がその単元で追求し続けるような単元を貫く問いの設定、及びこれまでの学習内容を活用するようなパフォーマンス課題の在り方などについて検討しました。どの教科でも生徒の実態を踏まえて単元計画を工夫することで、深い学びを促し、生徒の資質・能力を育成できるよう議論を重ねていました。2学期は、各学校でこの計画に基づいた授業実践を行う予定です。その様子はこの調査研究通信でもお知らせしていきます。
令和7年度 小・中学校における教員の資質・能力の向上に関する調査研究(小・中)学習会・第1回調査研究委員会
今年度は、県内の小・中学校より4名の先生方に研究協力委員となっていただき、昨年度の調査研究で明らかになった「校内研修が充実する5つのポイント」等を参考にしながら、教員の資質・能力の向上に資する校内研修の在り方について、実践研究していきます。
6月9日(月)に当センターにおいて、玉川大学大学院教育学研究科教授の久保田善彦先生をお招きし、「教員の資質・能力の向上に向けた授業研究の在り方」をテーマに学習会を実施しました。参加者は、研究協力委員の先生方と当センター職員の他、市町教育委員会及び県教育委員会事務局から参加を希望した指導主事でした。
前半は、「よい授業になる5つの要素」、「自己調整としての授業のリフレクション(振り返り)の必要性」等について詳しくお話を伺いました。後半は、「効果的・現代的な授業研究会の在り方」と題して、実際に端末を使いながら、生成AIの利用方法等、効果的なICT活用について知見を広めることができました。特に、「子どもの学びと教師の思いのズレに授業改善のヒントが隠されている」、「研究授業や校内研修の内容を、自身の授業改善にどのように生かすかを考え、行動に移すことが重要である」等の内容は今後の実践研究を進める上でのヒントとなりました。
午後は、研究協力委員の先生方とセンターの指導主事とで、和やかな雰囲気のもと、本研究の目的や進め方等に関する説明や打ち合わせをしたり、各校の取組や様子などを共有したりしました。活発な議論の様子から、今後の実践研究の充実に期待が持てました。
今年度も、調査研究委員会や学校訪問の様子など、本調査研究の途中経過をこの調査研究通信に随時掲載していく予定です。
〈全体会の様子〉
令和7(2025)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 第1回調査研究委員会および学習会
今年度、研究調査部情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究のテーマは、昨年度からの継続で「プログラミング教育の充実を目指して」です。小・中・高を通して児童生徒が習得すべき資質・能力およびカリキュラムの在り方等について調査研究を行い、本県のプログラミング教育の充実を図ることを目的としています。今年度は小学校、中学校の先生方に調査研究協力委員をお願いして授業実践やカリキュラムの検討を行います。
5月27日(月)、当センターにおいて、国立教育政策研究所教育課程調査官の渡邊茂一氏をお招きし、第1回調査研究委員会および学習会を行いました。講話の中では、中央教育審議会の資料をもとに、情報技術と情報教育を取り巻く現代社会の状況、情報活用能力を育成する取組の現状と課題などを伺い、プログラミング教育の大切さについて考えることができました。また、子どもたちが熱心に取り組み、楽しんでプログラミングを行っているたくさんの事例や、高等学校まで系統立てられたプログラミング教育のイメージなど、今後の調査研究を進める上でのヒントを得るとともに、渡邊調査官のプログラミング教育に対する熱い思いを拝聴しました。
学習会には研究協力委員や所内の指導主事のみならず、市町教育委員会、教育事務所、義務教育課、高校教育課、特別支援教育課の指導主事にも御参加いただきました。調査研究を進めるにあたり、関係各所とも連携・協力しながら進めていきたいと思います。
学習会後は、研究協力委員の先生方に、本調査研究の進め方等に関する詳しい説明を行いました。その後、授業実践を行う実施クラスの検討や次回の委員会に向けての打合せ等を行いました。
今年度も、調査研究委員会や情報教育支援チームでの打合せの様子など、本調査研究の途中経過等を随時掲載していく予定です。お楽しみに。
情報教育支援チームでは「とちぎ教育ICTポータルサイト」を運営しております。そちらでも調査研究の進捗を随時お知らせします。ぜひ御覧ください。
令和7(2025)年度 教科指導充実に関する調査研究 第1回調査研究委員会・学習会
今年度の高等学校における教科指導充実に関する調査研究のテーマは、「深い学びを促す単元(題材)を見通した授業デザインの工夫~自ら学ぶ生徒の育成を目指して~」です。今後2年間に渡り、各教科で「深い学び」に焦点をあてた授業の在り方を研究していきます。令和7年度は地歴公民科、理科(物理、化学)、保健体育科、農業科、工業科、商業科の授業実践を行います。
5月16日(金)、当センターにおいて、第1回調査研究委員会・学習会を行いました。京都大学大学院教育学研究科の石井英真准教授より、事前収録によるご講話をいただきました。講話を通して、深い学びを促すための問いの在り方や評価方法など、具体的な授業作りのヒントを得ることができました。
今後は、研究協力委員の先生方とセンターの指導主事とで議論を深め、具体的な指導計画を立てていく予定です。変化の激しいこの時代に求められる資質・能力を生徒たちに育成し生涯に渡って主体的に学び続けられるよう、深い学びを促す単元を見通した授業デザインについて研究していきます。
この調査研究通信では、経過を随時掲載していく予定です。
令和6年度調査研究(小・中)「私の学びを支える校内研修 ~教師として成長するために~」Web掲載について
令和6(2024)年度 小・中学校における教員の資質・能力の向上に関する調査研究(小・中)の成果物となる資料「私の学びを支える校内研修 ~教師として成長するために~」を、当センターWebサイトに掲載しました。
資料には、取材に協力いただいた学校の校内研修の様子や先生方の声、取材から見えてきたことなどを基にまとめた「校内研修が充実する5つのポイント」等を掲載しています。教員が資質・能力を向上させるためには、どのような学びが必要なのかを考える契機としていただきたいと思います。校内研修の企画・運営者だけでなく参加者も含めて、先生方一人一人が校内研修に前向きに取り組むための参考資料として、ぜひ御活用ください。
この調査研究は令和7(2025)年度も継続して行います。今後の調査研究通信でも、取組の様子を随時報告していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
令和6(2024)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 『理論編Ⅱ』『実践編』の公開について
今年度の調査研究の成果物となる資料、『教科における探究的な学習の充実~新しい時代に求められる資質・能力の育成を目指して~』の理論編Ⅱと実践編を、当センターWebサイトに公開しました。
「理論編Ⅱ」では、生徒の探究的な学習を充実させるツールとして「探究ルーブリック」に着目し、作成する際の考え方や活用方法、FAQなどを紹介しています。実践編では、「探究ルーブリック」を活用した7教科7科目(国語科、数学科、理科(生物)、芸術科(音楽)、外国語科(英語)、家庭科、情報科)の授業実践について、単元の指導計画や具体的な授業の展開、指導のポイントなどを掲載しています。
さらに、授業実践で活用した「ガイダンスプリント」、「探究ルーブリック」、「ワークシート」などの資料も掲載しています。新学期から始まる授業づくりのヒントや、授業改善の視点を与えてくれる資料がそろっていますので、ぜひご活用ください。
プログラミング教育調査研究Web掲載完了
研究調査部の情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究「プログラミング教育の充実を目指して」の今年度の成果物をWebサイトに掲載しました。調査研究をまとめている以下のサイトからアクセスできますので、ぜひ御覧ください。
https://www.tochigi-edu.ed.jp/educenter/setting/調査研究/調査研究-研究調査部-
掲載内容は、「研究概要と成果物について」の他、三つの成果物①「育成すべき資質・能力の三つの柱とプログラミング教育モデルカリキュラムとの関係」、②「プログラミング教育モデルカリキュラム(育成を目指す資質・能力一覧表)」、③「プログラミング教育の授業事例(小学校編)」と、それぞれの活用の仕方を掲載しています。これらが、先生方のプログラミング教育の指導の参考となり、より充実したプログラミング教育が各学校で実施されることを期待しています。
令和6年度に取り組んだプログラミング教育の調査研究は来年度も継続します。今後の調査研究通信でも、取り組みの様子を随時報告していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑩
○日光市立湯西川小中学校 2月27日(木)
上都賀教育事務所の指導主事を外部講師として招いた2回目の校内研修(授業研究会)が行われました。事前に撮影した理科の授業を10分ほどに編集した授業動画を見ながら語り合い、生徒の学びの様子を基にして指導支援の在り方を検討していく研修です。
動画が流れると、自然に先生方の語り合いが始まり、授業者にとって自身の指導支援を客観的に捉えられるよい機会となっていました。生徒の学びの姿を基にして、さらによい指導・支援の在り方についてたくさんの意見が出され、動画視聴も含めた対話の時間があっという間に過ぎていきました。
最後に、講師である指導主事から、「子どもの姿を動画で見て語り合うことで、有益な指導・支援の在り方について具体的に考えるきっかけになれば…」という話がありました。
※研修終了後も、動画で気になったシーンを再度確認しながら、先生方の話は続きました。先生方が、自分の担当している授業のときの生徒の様子なども付け加えながら、生徒理解を基にした、指導・支援について考える研修になりました。
校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑨
○大田原市立湯津上中学校 11月13日(水)
地域内において一小一中であることを生かし、全国学力・学習状況調査の授業アイデア例に沿った授業を小学校と中学校の先生が一緒に参観し、授業研究会を行いました。授業研究会では、先生方が授業についての振り返りをタブレット端末に入力して共有していました。アイデア例の展開をなぞるだけでなく、そこに示された教師と生徒のやりとりを参考に、実態に即した工夫が必要であることを確認しました。
○12月11日(水)
「子どもが自律的に学びを進める指導について」というテーマで、総合教育センターの指導主事を外部講師として活用した校内研修が行われました。研修担当者が、先生方に授業改善に取り組んで欲しいという管理職の願いをもとに企画した研修で、先生と生徒のモチベーションを高めることが学力向上につながるように内容が工夫されていました。
校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑧
○佐野市立吉水小学校 12月5日(木)
校内研修として、佐野市の学校教育指導員を交え、国語(4年生)、算数(2 年生、6年生)の授業公開及び授業研究会(第3回)が行われました。吉水小学校では一人一授業の公開が必須であり、全ての先生が授業者として研究授業に携わることになっています。
先生方は、自分の所属する学年ブロックにおいて事前の授業づくりから指導案検討に関わりました。放課後の授業研究会では、授業を参観したブロックごとに集まり、付箋を活用し指導案を検討した際の経緯も含め、設定した「授業参観の視点」に沿って授業を振り返りました。
次に全職員が集まり、各ブロックの授業研究会で話題になったことなどについて共有し、最後に学校教育指導員から、授業の全体講評と授業改善についての講話がありました。
校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑦
○日光市立湯西川小中学校 12月3日(火)
上都賀教育事務所の指導主事を外部講師として招いた校内研修が行われました。これは、日頃の授業改善を目的として30分で行う短時間の研修です。事前に撮影し10分に編集した授業動画を見ながら、子どもの学びの様子について自由に語り合います。
動画が始まるとすぐに先生方が話し始め、動画視聴も含めた15分の対話の時間があっと間に過ぎていきました。
最後に、講師である指導主事が、先生方の活発な話合いの素晴らしさを伝えていました。先生方が日常的に授業のことを話題にしたくなる契機となる研修となりました。
校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑥
○芳賀町立芳賀南小学校 11月20日(水)
芳賀町では、芳賀町学力向上推進事業として、6年前から町内全ての小学校で、大学教授を講師として招き、校内研修に取り組んでいます。この日は、芳賀南小学校で算数科(4年生と5年生)の授業公開及び授業研究会が行われました。授業参観では、参観する先生方が、特に注目して見取る子どものグループを決め、活動の様子をじっくりと観察し記録していました。授業後には、授業者と講師の先生で授業を振り返る時間が確保されており、放課後には全体での授業研究会が行われました。授業を参観した先生方が、授業参観の視点を基に充実した話合いを展開しており、最後に講師の先生からの指導助言もありました。
授業研究会では、付箋を活用しながら見取った子どもの姿を中心に話し合い、授業の振り返りが行われていました。気兼ねなく意見を言い合える和やかな雰囲気の中で、授業について真剣に協議する姿が印象的でした。
最後に講師の先生による指導助言がありました。授業の動画を共有しながら、そこで見取れる「深い学び」につながる子どもの姿について、先生方が目線を合わせて考えを深める時間となりました。
校内研修おじゃまします!(R6調査研究〈小・中〉) 取材記録⑤
○那須烏山市立南那須中学校 10月23日(水)
県の学力向上コーディネーター派遣事業を活用した校内研修が行われました。
国語、理科の2教科の研究授業と授業研究会を行った後、全体会で教科ごとの授業研究会の報告があり、最後に学力向上コーディネーターから指導助言がありました。
研究授業では、参観する教員が子どもの学びの事実に着目したり学力向上改善プランを意識したりできるように、参観シートの活用が工夫されていました。研究会では、子どもの学びの姿をもとにして協議をするので、専門外の教科担当の参観者も話合いに参加しやすくなっていました。
全体会の最後には、研修の振り返りとして、明日から自分が取り組んでみたいことを付箋に記入して黒板に貼ることで、先生方の学びを可視化して共有していました。
プログラミング教育先進自治体(相模原市)視察
研究調査部の情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究「プログラミング教育の充実を目指して」の参考とするため、プログラミング教育に先進的に取り組んでいる相模原市を視察しました。相模原市立共和小学校と相模原市教育センターを、11月28日(木)に訪問しました。
〔午前〕
共和小学校では、4年生の算数の授業を見学させていただきました。四捨五入して百の位までの概数にしたとき200になる整数のうち、一番小さい数と一番大きい数をプログラムを作って求めていく授業でした。子どもたちは自分たちのタブレットを使って、友達と何度も繰り返しながら取り組んでいました。
〔午後〕
相模原市教育センターを訪問し、情報交換を行いました。相模原市では、すべての学校でプログラミング教育を計画して実施していますが、そのベースとなっているのが「相模原プログラミングプラン2020」(令和2年3月相模原市教育委員会教育センター)です。相模原市の課題は、「すべての学校でプログラミング教育を行えているからこそ、形式的な『プラン教育』にならないようにすること」とのことでした。そのために、より一層の教科のねらいの達成を考えていくことを大切にしているようでした。
〔感想〕
本県の場合は、相模原市と比べるとこのようなモデルプランはまだありませんので、まずはしっかりと「プログラミング教育」に取り組むことができるようなモデルプランなどの提示や周知が必要だと感じました。大変参考となる視察となりました。相模原市の先生方、大変お世話になりました。