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令和元年東日本台風/浸水被害の教訓を未来に語りつぐ
令和元(2019)年10月に発生した「令和元年東日本台風(令和元年台風第19号)」は、各地に甚大な被害もたらしました。あれから2年が経とうとしています。
栃木県内では、「線状降水帯」の発生にともなって、豪雨による大規模な災害が相次いで引き起こされました。学悠館高校のある栃木市でも、この台風による大雨で10月12日(土)の午後8時ごろ西部を流れる永野川が氾濫(はんらん)。あふれた茶色い濁流は、市内中心部にも押し寄せて来ました。
この洪水は、学悠館高校にも深刻なダメージを与えました。校舎の1階部分は、浸水被害に見舞われました。食堂・教員室・エレベータは、泥水がたまって使用できない状況となってしまいました。また、敷地内にも、いたるところに瓦礫(がれき)や汚泥が流れ込んでいました。当時、これほどの被害を予見することはできませんでした。
【中庭】 【ピロティ(風除室前)】 【南門】
10月13日(日)、午前6時に出勤してきた職員が状況の把握。その後、10名ほどの教職員が汚泥をデッキブラシで掃き出すなどの応急措置に取り組みました。
10月14日(月)の午後には、今後の復旧方針を確認するなど、改めて対応策を協議しました。
10月15日(火)からは、関係機関の協力を得ながら、教職員が総力を挙げて教員室・添削室・職員更衣室などの復旧活動に汗を流しました。各室では、椅子や個人ロッカーをいったん廊下などに搬出。その後、ほうきや掃除機、雑巾などを使って丁寧に清掃しました。
【食堂】 【教員室(対策会議)】 【教員室(時系列情報)】
復旧作業で、いちばん困難を極めたのは教員室でした。浸水によって、二層構造の床下に細かな粒子状の物質が運ばれていました。床下をふき掃除して雑巾に付着するのは、ちょうど砂時計の中に入っているようなとても小さな砂粒でした。
教員室だけでも、およそ1,200枚にのぼる50㎝四方のフロアーパネルを取り外して作業。雑巾で丹念に拭き取って乾燥させた後、消毒薬を丁寧に撒布しました。
【フロアーパネルを取り外して作業】
【ピロティ(風除室前)】 【エントランスホール】
ようやく応急的に復旧できたのは、被災から10日ほど経過した時でした。定時制は、10月23日(水)に、通信制は、10月20日(日)〔日曜生〕に授業や面接指導がそれぞれ再開しました。
JR両毛線は、小山―足利間で長期間不通。東武日光線も一部区間で運転見合わせとなっていました。通学に不便な思いをした生徒の皆さんがたくさんいました。また、被災した生徒・教職員の皆さんも、少なくありませんでした。
私たちは、「令和元年東日本台風(令和元年台風第19号)」から多くの教訓を学ぶことになりました。教訓を知り、教訓を未来に語りつぐことが、今後の災害での被害を少しでも小さくすることにつながることでしょう。防災に対する意識を大いに高め、記憶を風化させないことが必要です。
学悠館高校では、10月7日(木)から来週にかけて、定時制・通信制の生徒の皆さんにこの災害での被害と教訓を伝えていく予定です。生徒の皆さんの安心・安全な学校生活に、少しでも役立つことを願っています。
〔当時の〝学悠館ホームページ〟の記事より〕
●台風19号への備えは、万全ですか? 2019/10/11 16:26
●チーム学悠館・学校再開にむけて① 教育長による被害状況の視察 2019/10/15 14:40
●チーム学悠館・学校再開に向けて② 郵送通知、再発送(4年次) 2019/10/15 16:05
●チーム学悠館・学校再開にむけて③ 状況把握と対応策協議 2019/10/15 18:55
●チーム学悠館・学校再開にむけて④ 力を合わせて復旧活動1 2019/10/16 15:11
●チーム学悠館・学校再開にむけて⑤ 力を合わせて復旧活動2 2019/10/16 18:27
●チーム学悠館・学校再開にむけて⑥ 力を合わせて復旧活動3 2019/10/17 17:13
●チーム学悠館・学校再開にむけて⑦ 力を合わせて復旧活動4 2019/10/19 16:58
●定時制の教育活動が再開。昼の食堂も、27日(日)から再開へ! 2019/10/23 20:09
●チーム学悠館・学校再開にむけて⑧ 力を合わせて復旧活動5 2019/10/25 16:52
●11月5日(火)から通常給食が再開します。 2019/11/01 11:52
●食・育・Love「給食」② 〝完全給食〟の再開を喜ぶ声 2019/11/05 19:40