栃高博物館

歴史ある栃木高校に眠るお宝の標本たちを紹介します

栃高博物館 31 イシサンゴ

                                               栃高博物館 31 イシサンゴ

         分類 刺胞動物門 花虫綱 六放サンゴ亜綱 イシサンゴ目
    学名 Scleractinia
    英名 coral
    大きさ 群体なのでかなり大きくなる(個虫は数mm)
    分布 サンゴ礁
    
     イシサンゴのコレクションです。生きているときは共生藻の植物プランクトンが体内に
    いるので色合いがあります。表面の個虫(サンゴ虫)が死んでしまうと、炭酸カルシウム
    の白い骨格だけになり、お土産屋の店先に並ぶことになります。表面の小さい穴や、少
    し大きい穴にサンゴ虫が住んでいます。(住んでいました) サンゴ虫は虫ではなく、ポリ
    プという、イソギンチャクの小型版のような生き物です。 
   

栃高博物館 30 アワビ

               栃高博物館 30 アワビ

    分類 軟体動物腹足綱ミミガイ科アワビ属
    学名 Haliotis
    英名 abalone
    大きさ 5~20cm
    分布 世界の海
 
     スーパーや魚屋さんでも売っているので珍しくはありませんが、大きさを見てください。
   18cmのアワビはあまりお目にかかれないと思います。アワビには穴が4~5個あります。
   この標本は4つです。この穴は成長すると新たに増えて、古い穴(アワビにとっては若い
   ときの穴)はふさがっていきます。下の写真を見るとよくわかります。貝の裏側は美しい
   真珠光沢があります。ボタンを作ったり、薄く切り出して螺鈿細工に使ったりします。

   
   

栃高博物館 29 ハクジラの歯

                   栃高博物館 29 ハクジラの歯

     分類 哺乳綱鯨偶蹄目ハクジラ亜目
     学名 Odontoceti
     英名 sperm whale(マッコウクジラ)
     大きさ 12~18m、25~50t 標本の歯は15cmで300g
     分布 外洋

        クジラヒゲの後は、歯鯨の歯を紹介します。ハクジラの代表はマッコウクジラですが、この歯も
  おそらくマッコウクジラだと思います。(多く販売されているので) ハクジラは他に、水族館で人気
  者のイルカ、ゴンドウクジラ、シャチなどがいます。ヒゲ鯨はその食性と大きさから、飼育は困難です。
 
   

   

栃高博物館 28 クマノアシツキ

             栃高博物館 28 クマノアシツキ

       分類 環形動物門多毛綱ハボウキゴカイ目クマノアシツキ科
       学名 Acrocirrus validus
       大きさ 10cmぐらい(この標本も10cmで太さ1cm)
       分布 潮間帯の転石の下

    頭から触手が出ていますがこれはエラです。ゴカイの仲間で、陸ではミミズが同類
    です。ゴカイは形が多様で、特に体からヒモ状、糸状の突起が数本(この標本)から
    数十本出す「ミズヒキゴカイ」、色鮮やかな扇のようなエラを出す「かんざしゴカイ」
  もいます。この不思議な名前は、
最初の発見地、紀伊半島の熊野が由来だそうです。
  でも、アシツキの由来はわかりませんでした。
    

栃高博物館 27 モグラの骨格

               栃高博物館 27 モグラの骨格

   分類 哺乳綱トガリネズミ目モグラ科
   学名 Talpidae
   英名 mole
   大きさ この標本は約13cm
   分布 アジア ヨーロッパ 北アメリカ

    名前は知っているし、モグラの土の塚(molehill)も見たことあるけれど、生きたモグラは見たこと
  ないですね。たまに見るのが、干からびた死体だったりするものだから、「モグラは太陽の光を浴びる
  と死ぬ」なんていう噂を信じてしまう。(干からびた標本もあります)
   モグラの骨格をみると、後脚は普通ですが、前脚がかなり特徴的です。土を力強く掘っていくため
  骨格も力強く、がっちりした肩関節、そして手のひらは平たく大きく、鋭い爪も立派です。 
   

栃高博物館 26 水牛の角

                 栃高博物館 26 水牛の角

      分類 ウシ目ウシ科アジアスイギュウ属
      学名 Bubalus arnee 
      英名 Water buffalo
      大きさ 大きい個体は体長3m体重1トン。角の長さ最長2m(標本約50cm)        
      分布 インド、東南アジア

    断面が三角形をしているのが大きな特徴。中は空洞です。中まで詰まった先端部が印鑑作りに
   使われます。その名のとおり、よく水浴びをし、暑さ対策や、虫除けに泥浴びもします。ウシよりも
   沼地での行動に適応しているので、水田には水牛です。タイでは水牛に田んぼの脇の草を食べ
   させて、除草の手間や農薬を省いているそうです。

    

栃高博物館 25 シカの脚の骨格

           栃高博物館 25 シカ(ニホンジカ)の脚の骨格

        分類 偶蹄目反芻亜目
        学名 Cerbas nippon
        英名 sika deer
        大きさ この標本は90cm 
        分布 アムールからベトナムに及ぶ東アジア沿岸部、日本

 学名にnipponとありますが、日本の固有種ではありません。この標本は前脚です。
骨は上から、広がりのある肩甲骨、次は上腕骨、あいだの関節は肩になります。次に右上方に
出っ張って下に向かう2本の骨が前腕骨。つまり出っ張りの部分にある関節は、ひじにあたり
ます。そして、骨の右にある30cmのものさしの上端の横が、手首にあたる関節になります。
一番下から10cmの位置の、45度下方に曲がる関節は、指の根元の関節になります。
   整理すると、写真中央ひじ関節に大きな出っ張りがあり、手首から指先まで約30cmあるのが
前脚の骨格の構造です。人と同じ哺乳類で同じ構造ですが、形と部分の長さがかなり違います。
そして、大きく違うのは、この前脚で走ることです。

      

栃高博物館 24 クジラヒゲ

                           栃高博物館 24 クジラヒゲ

               分類 クジラ類ヒゲクジラ亜目
       学名 Misticeti
       英名 baleen whale
       大きさ 標本は70cm
       分布 世界中の海
 
 世界最大のヒゲクジラはシロナガスクジラの30mです。クジラにはヒゲクジラとハ(歯)クジラ
がいます。ヒゲクジラの仲間は、この写真のようなクジラヒゲを、普通は歯のある所に、200~
400枚ぐらい並べて、オキアミなどの小さな生物を海水から濾し取って、餌だけ飲み込みます。
クジラヒゲは、上あごにしか生えていません。ハクジラ(歯鯨)の歯は、私たちと同じように、
両あごに生えています。ピノキオはヒゲクジラに飲まれたのでしょうか。私たちや歯鯨その他
多くの歯をもつ生き物は、よく噛んでから飲み込むので。
        
     

栃高博物館 23 ヨウジウオ

          栃高博物館 23 ヨウジウオ(楊枝魚)

     分類 トゲウオ目ヨウジウオ科ヨウジウオ属
     学名 Syngnathus schlegeli
     英名 Seaweed pipefish
     大きさ 最大30cm(標本は大きいほうが18cm)
     分布 日本各地のアマモ場
   
    2匹います。写真中央の標本は目がはっきり見え、目の上方に長い口があり
   ます。口はストロー状でおちょぼ口です。小さな動物性のプランクトンを吸い込
   むように食べます。タツノオトシゴに近い形状です。楊枝のように細いので、
   その名がつきました。わかりやすいですね。タツノオトシゴはヨウジウオ科
   タツノオトシゴ属で同じ仲間です。ヨウジウオを太らせて、頭を曲げ、尻尾を巻
   けば、ハイ、タツノオトシゴの出来上がり。

   

栃高博物館 22 サナダムシ(裂頭条虫)

        栃高博物館  22 サナダムシ(裂頭条虫)

    分類 扁形動物門条虫綱
    学名 Eucestoda
    英名 Tapeworm
    大きさ 10m以上になる。
         標本は20cm×10(折りたたみ)=200cm。 2mです。
    分布 脊椎動物の消化管

     「サナダ」は真田紐からきています。真田紐は帯留めなどに使う平たい紐です。
   この標本には「人体腸管寄生 裂頭条虫」と書いてあります。見ずらいですが、
   中央に細い部分が見え、横糸で折り返して、下に向かっています。その先がサナ
   ダムシの最も重要な頭部ですが途中で切れてしまったようです。サナダムシは
   この頭部の形で分類されています。頭部に吸盤や鉤があり、それで腸壁に付着し、
   寄生生活をします。