栃高博物館

歴史ある栃木高校に眠るお宝の標本たちを紹介します

栃高博物館 140 液浸標本類

               栃高博物館 140 液浸標本類

   紹介しきれない液浸標本類が、まだたくさんあります。明治、大正、昭和と長い年月の間に
 購入されたものです。今では手に入らない標本もあります。



栃高博物館 139 貝類の標本箱

          栃高博物館 139 貝類の標本箱

      
      巻貝や二枚貝が、一つ一つ袋に入っています。名前のタグもついています。
    標本への愛が感じられる作品です。



栃高博物館 138 展翅標本2

           栃高博物館 138 展翅標本2

         上段は トンボ類、甲虫類です。中央ひときわ大きいトンボはオニヤンマです。
  県庁堀でよく見かけます。右側中央には、今ではあまり見かけなくなったタマムシ
  がいます。
    下段はバッタ類、八チ類、蛾の仲間もいます。中央、黒地の羽にV模様は、
  ホタル蛾の仲間です。



栃高博物館 137 展翅標本

              栃高博物館 137 展翅標本

  標本類はまだたくさんありますが、今回は、昆虫、特に蝶類の羽を広げた
 展翅標本集を紹介します。
 上段のコレクションはカラスアゲハ、アゲハチョウ、白チョウ、黄チョウの仲間です。
 下段はタテハチョウ、ジャノメチョウ、シジミチョウなどの仲間です。
 



栃高博物館 136 カイメンガニ(海綿蟹)

        栃高博物館 136 カイメンガニ(海綿蟹)

分類 節足動物門 甲殻亜門 軟甲綱 十脚目 クモガニ科
学名 Acanthophrys longispinus
大きさ 大きいもので甲幅23mm(標本は15mm)
分布 東京湾以南

 甲および胸脚に海綿類を付着する性質が強いカニです。
残念ながら標本は脚が取れ、甲羅のとげも折れてしまいました。
でも、ラベルが素晴らしいです。
「かいめんがに」大正 5年 8月  
三崎(神奈川県、三浦半島の端、マグロで有名)

栃高博物館 135 ヒシガニ(菱蟹)

           栃高博物館 135 ヒシガニ(菱蟹)

分類 節足動物門 甲殻亜門 軟甲綱 十脚目 ヒシガニ科
学名 Platylambrus validus
英名  elbow crab(肘カニ)
大きさ 甲幅 2~5cm(標本は5cm)
分布   房総半島以南

 食性は動物食で魚やカニを食べます。体全体が菱型をしています。
折れ曲がった長いはさみ脚が特徴的です。英名のelbowは
「肘 ひじ」のことで、このカニにぴったりの名前ですね。

栃高博物館 134 シオマネキ(潮招)

             栃高博物館 134 シオマネキ(潮招)

分類 節足動物門 甲殻亜門 軟甲綱 十脚目 スナガニ上科
学名  シオマネキ属 Uca
英名  Fiddler crab
大きさ 横長の甲羅幅20mm~40mm)
分布   熱帯、亜熱帯地域の河口

 オスのはさみ脚が大きいのが一番の特徴です。この大きな
はさみ脚を振る姿が潮を招いているように見えるのでこの名前が
あります。実はこの行動は「求愛行動」でwavingといいます。
英名のFiddlerは、ヴァイオリン弾きのことです。
演奏中の弦がそう見えるのでしょう。
  ラベルは(Gelasimus)これは亜属名です。
相模海産 シホマネキ 大正五年六月採集  
ラベルの記述も貴重な資料です。



栃高博物館 133 ベンケイガニ(弁慶蟹)

   栃高博物館 133 ベンケイガニ(弁慶蟹)

分類 節足動物門 甲殻亜門 軟甲綱 十脚目 ベンケイガニ科
学名  Sesarmops intermedium
大きさ 甲羅幅35mmくらい
分布   男鹿半島と房総半島以南

 甲羅の厳つい姿からこの名前があります。汽水域に生息し夜行性。
食性は雑食性で何でも食べます。大切な掃除屋さんです。卵から
孵化するとゾエア幼生、メガロパ幼生を経て、成体になります。

栃高博物館 132 イソガニ(磯蟹)

          栃高博物館 132 イソガニ(磯蟹)

分類 節足動物門 甲殻亜門 軟甲綱 十脚目 イワガニ上科
学名  Hemigrapsas sanguineus
英名  Japanese shore crab
大きさ 甲羅30mmくらい
分布   西太平洋沿岸

 砂地にはいませんが、転石・磯・防波堤・テトラポッドなど
隠れるところがあれば生息できます。よく見かけるカニです。
雑食性で海藻・ゴカイ・小魚・貝類などを食べます。天敵は
鳥・タコ・クロダイなどで、クロダイの釣り餌になっています。

栃高博物館 131 バイ貝

          栃高博物館 131 バイ貝

分類 軟体動物門 腹足綱(マキガイ綱) バイ科
学名  Babylonia japonica
英名  Japanese babylon
大きさ 5センチそれ以上のものもある(標本は7cm)
分布   日本全域

   浅海の砂泥底にすんでいます。腐肉食。バイは「貝」の音読み
なので「貝貝」です。なぜBabyloniaなのかはわかりませんでした。
食用として一般的で、和食の突き出しに出てきます。
「ベーゴマ」「ベイゴマ」の由来は、この貝の螺旋部に
砂や鉛を入れて独楽にしたことからです。だから鋳物製の
ベーゴマのサイドに螺旋模様が入っているのです。
(知っているのは50歳以上かな)
今はベイブレードですね。


栃高博物館 130 ダンベイキサゴ(團平喜佐古)

  栃高博物館 130 ダンベイキサゴ(團平喜佐古)

分類 軟体動物門 腹足綱(マキガイ綱) ニシキウズガイ科
学名  Umboniumgiganteum
大きさ 成貝は4センチ(標本も4cm弱)
分布   男鹿半島鹿島灘から九州まで

 貝の表面はつるつるしています。ブルドーザーのように砂底を
這いまわってデトリタス(有機物、細かくなった生物の残渣)
を集めて食べます。頼もしい砂場の掃除屋さんです。
 別名「ナガラミ」といって食用になります。
「團平喜佐古」の由来は不明です。

栃高博物館 129 イモガイ

          栃高博物館 129 イモガイ

分類 軟体動物門 腹足綱(マキガイ綱) 新腹足目 イモガイ科
学名  Conus(属名)
英名  Cone shell
大きさ 最大で23センチ
分布   すべて海産 浅海から深海まで

   Coneは円錐形という意味です。日本でもサトイモに似ているので
この名前になりました。魚などを襲う 捕食性の巻貝です。 歯舌が
変化し、神経毒のついた銛状になっています。これで他の動物を
刺して麻痺させ、丸飲みにします。人が刺されて死亡することも
あります。アンボイナ貝は猛毒で有名です。

栃高博物館 128 サザエ

                    栃高博物館 128 サザエ

分類 軟体動物門 腹足綱(マキガイ綱) 古腹足目 サザエ科
学名  Turbo comutus
英名  Horned Turban
大きさ 殻高、殻径ともに10cm以上
分布   潮間帯から水深30m程度までの岩礁

 波の荒い海では流されないように棘をつくり、波の穏やかな海
では棘がないとよく聞きますが、本当は結構混ざっているらしい
です。サザエの壺焼きはおいしいですが、殻の奥から出てくる
深緑の部分は食べると苦く嫌いな人も多いです。
ここは中腸腺という器官で肝臓に当たります。いわゆる「わた」ですね。

栃高博物館 127 ツキヒガイ

栃高博物館 127 ツキヒガイ

分類 軟体動物門 二枚貝綱 イタヤガイ科
学名  Amusium japonicum
英名  sun and moon shell
  (saucer shell)
大きさ 約10センチ
分布   山陰、房総半島以南、砂地に棲息
        
「月日貝」と書きます。表が夜のように赤紫で暗く、
裏が真昼のように白いところからこの名前がついたと
いわれています。しかし別の解説を読むと
右殻は淡黄白色,左殻は赤褐色で,これを月と日に
見立てた、という説明もあります。 
 食用ですがまとまってとれないので、お店では見かけません。

栃高博物館 126 ヒオウギガイ

                   栃高博物館 126 ヒオウギガイ

分類 軟体動物門 二枚貝綱 イタヤガイ目 イタヤガイ科
学名  Mimachlamys nobilis
英名  noble scallop
大きさ 10センチほど(標本は4.5cm)
分布   房総半島以南 干潮線帯から水深20mくらいまでの岩礁

scallopはホタテ貝のことで、同じ仲間です。
ヒオウギガイは「緋扇貝」「桧扇貝」「日扇貝」と書くことも
あります。色彩は赤褐・紫・黄・橙色など個体により変化が
ありますが、標本はまさしく「緋扇貝」ですね。
貝柱を食用とします。また貝殻が美しいので加工して
おみやげになっています。


栃高博物館 125 イトカケ(糸掛貝)

              栃高博物館 125 イトカケ(糸掛貝)

分類 軟体動物門 腹足綱(マキガイ綱)イトカケガイ科
大きさ 大きいもので8センチ(標本は3cm)

海岸の細砂中にすんでいます。色は通常白色です。
本校の標本もきれいな形で真っ白です。
殻の表面に糸を掛けたような肋(縦に走る糸状突起)を持ちます。
砂浜に打ち上げられる小さな巻き貝にもイトカケガイは
たくさん含まれています。
  オオイトカケガイは殻高8cmもあり、とても美しいです。
ぜひネットでご覧下さい。

栃高博物館 124 ツノガイ

               栃高博物館 124 ツノガイ

分類 軟体動物門 堀足綱(クッソクコウ)ツノガイ目
英名  Tusk shell
大きさ 数ミリから20センチ超(標本は3cm)
分布   海産 世界中 潮干帯から深海まで

Tuskとはゾウの牙のことです。そっくりですね。
二枚貝(二枚貝綱)でも巻貝(腹足綱)でもありません。
第3の貝です。貝殻は緩くカーブしていますが
ヒラツノガイはまっすぐです。また、ニシキツノガイは赤
ゾウゲツノガイは緑のグラジュエーションで、先の細い方に
向かって、色が薄くなっていき、とてもきれいです。

 

栃高博物館 123 アカニシ

          栃高博物館 123 アカニシ

分類 軟体動物門 腹足綱(マキガイ綱)アッキガイ科
学名  Rapana venosa
大きさ 最大15センチ(標本は10cm)
分布   房総半島以南

 「赤螺」と書きます。螺は巻き貝のことで田んぼの螺は
タニシです。殻口が赤く染まるのでこの名前があります。
標本は色が褪せて赤がピンクになってしまいました。
 味もよくサザエの代用品になるそうです。
  肉食性でアサリやカキを食べてしまいます。

栃高博物館 122 ハッキガイ

          栃高博物館 122 ハッキガイ 

分類 軟体動物門 腹足綱(マキガイ綱) アッキガイ科
学名  Siratus pliciferoides
英名  Japanese spike murex
大きさ 12センチぐらい(標本は6cm)
分布   房総半島以南

 ハッキガイは「白鬼貝」と書いたり、「八鬼貝」と書くとき
もあります。表面に突き出た突起を鬼の角に見立てたので
しょうけれど、気の毒な名前ですね。ただ貝にとっては関係
ないですけど。
 アッキガイ科は漢字で書くと「悪鬼貝」で、この名前も
インパクトありますね。この仲間にはもっと鋭いとげが貝
のまわりにたくさん出ているものもあります。そして最も
美しく商品価値のある貝が「ホネガイ」です。


栃高博物館 121 クマサカガイ

                     栃高博物館 121 クマサカガイ

      分類 軟体動物門 腹足綱(マキガイ綱) 盤足目 クマサカガイ科
   学名  Xenophora pallidula Reeve
   英名  Pallid Carrier  (carrier shell)
   大きさ 8センチ(標本は4cm)
   分布   茨城県より南の海域(水深100~300m) 

 巻き貝の表面に二枚貝や巻き貝の殻、小石を付着させながら生長します。
カルシウムでしっかり接着しているので取れません。カモフラージュのため
と思われます。名前の由来は、付着した貝類を、熊坂長範の背中の七つ道具
に見立てて、クマサカ貝とつけました。牛若丸の返り討ちに合った大盗賊です。
「能」の演目に「熊坂」があります。生物の名前も調べてみると、とても興味
深いです。(写真の説明 上から見ると巻き貝に見えません。下から見ると
軟体部の入る穴が見えます)

栃高博物館 120 イソアワモチ

        栃高博物館 120 イソアワモチ

     分類  軟体動物門  腹足綱(マキガイ綱)ドロアワモチ科
     学名  Onchidium verruculatum
     大きさ 5cmくらい
     分布 潮干帯の岩場

     千葉館山の潮の引いた岩礁地帯ではあっという間に10匹ぐらい見つかり
  ます。ただし、保護色で背景の岩や藻類と見分けがつきません。しっかりと
  最初の一つを観察すると、近くに意外なほどたくさんいることがわかります。
  名前は、「粟餅」からきています。表面のつぶつぶがそう見えたのでしょう。
  硬そうに見えますが、触ると意外に柔らかく「軟体」で、これも殻の無く
  なった巻貝の仲間です。写真には5個体写っています。下側にある標本は
  色が少し残っていて、つぶつぶも見えるので、背中側です。上の白い4つは
  腹側です。
   

栃高博物館 119 ウミソウメン

                                            栃高博物館 119 ウミソウメン

                  分類はウミウシと同じ

    この紐状のものは、ウミウシの仲間のアメフラシの卵嚢です。ソウメン
   のように細長く、ゼリー状の中にたくさんの受精卵が入っています。ここで
   ヴェリジャー幼生まで発生し泳ぎ出します。アメフラシの神経細胞は大きく
   神経回路を使った「慣れ」の実験は、生物の教科書に載っています。
   すでに書きましたが、ヤリイカの神経細胞も有名です。ともに軟体動物です。
   
  
    

栃高博物館 118 ウミウシ

                                  栃高博物館 118 ウミウシ

        分類 軟体動物門 腹足綱(マキガイ綱) 異鰓上目
        学名  仲間が多いため、書けません
        英名  sea slug,nudibranch
        大きさ 数センチ(数ミリから、アメフラシは30cm)
        分布   暖かい海 淡水にはいません

       日本名は「海牛」英名は「海ナメクジ」です。原色の華やかな色遣いと模様。
    数センチと小さいながら、バラエティ豊かなウミウシの仲間は、専門のホーム
    ページもたくさんあります。標本は残念ながら色が抜けてしまいました。生き
    ていたときはどんな色だったのでしょうか。幼生はヴェリジャー幼生と呼ばれ
    殻を持っています。成長したウミウシは殻が体の中に残るタイプと消失して
    しまうタイプがあります。写真の標本には上部に白い殻が見えます。また
    右側には触覚が2本見えます。
  

栃高博物館 117 アミガサタケ

       栃高博物館 117 アミガサタケ

    分類  菌界 子嚢菌門 チャワンタケ綱・目 アミガサタケ科・属
    学名  Morchella esculenta
    英名  morel
    大きさ 5~12cm それ以上もあり (標本25cm)
    分布  北半球の温帯以北

      しかし大きなキノコですね。傘の模様が網のようになっているのでこの名前が付きました。
   ヨーロッパでは「モレル」と呼ばれる高級キノコですが、日本ではほとんど食べません。
   近種のシャグマアミガサタケは猛毒です。英名は「False morel」です。
    フィンランドでは、毒性の明示と調理法に関する説明書の添付を義務づけて、販売を許可
   しているそうです。食用として一般的だそうです。(驚き!)市場の写真には
         「Don’t touch」と書いた札がキノコの上にあります。解毒するまでは、
           素手で触るなということです。すごい自己責任食品ですね。
    

栃高博物館 116  ガジュツ(莪朮)

      栃高博物館       116  ガジュツ(莪朮)

   分類  被子植物門 単子葉植物綱 ショウガ科 ウコン属
   学名  Curcuma zedoaria
   英名  zedoary, white turmeric
   分布  ヒマラヤ原産 日本では沖縄、屋久島
  手書きの名札には「莪朮」(名札では朮に草冠がついている) 「ガジツ」と書いてあります。
 となりは「婦人病 神経痛」でしょうか。紫ウコンともいい、秋ウコンや春ウコンとは別種です。
 健康サプリメントによく登場します。芳香健胃作用があるそうです。学名のクルクマは成分の
 クルクミンにつながっています。「ターメリック」の方がよく知られた言葉でしょうか。
 カレーを黄色にする香辛料です。
                
                

栃高博物館 115 エジプト綿 (埃及綿)

             栃高博物館   115      エジプト綿 (埃及綿) 

   分類  被子植物門 双子葉植物綱 アオイ目 アオイ科 ワタ属 
   学名  Gossypium 
   英名  cotton plant
 
 名札には、かなり薄くなっていますが「綿類標本 埃及壱求品 産地 埃及」と書いてあります。
「埃及」はエジプトの当て字です。いまでもエジプトは一級品の綿花を生産しています。ギザの
ピラミッドの「ギザ」は綿のことです。ギザには品種番号がついており、「ギザ45」が最高品質の
綿花です。繊維が長いほど品質は高いそうです。また種子からは綿実油がとれます。
                              

           
 

栃高博物館 114 麦角(麦角菌)

     栃高博物館   114     麦角(麦角菌)

   分類 菌界 子嚢菌門 ボタンタケ目 バッカクキン属
   学名  Clabviceps purpurea
   英名  ergot
   大きさ  10~20mm  
                           
 
  種のように見えます。また古いために真っ黒になったと思えます。
 ほんとうは麦角菌というカビの仲間が寄生したためです。穂に寄生
 すると菌核は黒い爪状になります。菌核とは菌糸が外界の厳しい条件
 に耐えるため、硬い組織になったもので、決して大きめの黒い実では
 ありません。中に毒性分が含まれ、食べると中毒を起こします。麦角
 の誤食による中毒は中世ヨーロッパでよく起きたそうです。現在、
 製粉工場では製粉段階で麦角菌を除去しているので安心です。また、
 稲には発生しません。安心です。

  
   

栃高博物館 113 モクロウ(木蝋)

   栃高博物館  113  モクロウ(木蝋)・ハゼノキ(櫨の木)の実

   分類   被子植物門 双子葉植物綱 ムクロジ目 ウルシ属 
   学名 Toxicodendron succedaneum
   大きさ 高さ10m
   分布 アジアの温暖な地域

  名札に「木蝋標本」「櫨実」が確認できます。産地は消えてしまいました。
 島津製作所標本部の作製です。ハゼノキは雌雄異株で、種を絞った木蝋は和蝋燭
(わろうそく)の原料です。今では石油系のパラフィンから大量に安く生産されて
 います。軟膏やポマード、クレヨンにも使われています。秋に真っ赤に紅葉する
 ので「櫨紅葉」(はぜもみじ)といい、秋の季語になっています。
  ヨーロッパでは、蜜蝋やパラフィンで蝋燭を作っています。蜜蝋
(Beeswax)はミツバチの巣を精製して作ります。だから木蝋の英名は
 ありません。そして木蝋の虫へんは蜜蝋からきているのですね。
  
     

      

栃高博物館 112 ヒマ(蓖麻)

       栃高博物館  112  ヒマ(蓖麻)

    分類 被子植物門 双子葉植物綱 トウダイグサ科 トウゴマ属
    学名  Ricinus communis
    英名  Castor bean、(Castor oil)
    
  名札には「蓖麻 大戟科」読み方は、「ヒマ タイゲキカ」 
 トウダイグサ科の和名が大戟科。この種を絞ってできるのが「ヒマシ油」です。
 トウゴマ(唐胡麻)ともいいます。トウゴマは「生物」の授業では、種子の
 呼吸商の例として登場します。用途としては、医薬品の下剤です。昔の海外
 ドラマで、子供が、ヒマシ油をスプーンで飲まされるシーンがありました。
 ものすごくいやな顔をしていたので、よほどまずいか、臭いものなのだろう
 と思っていました。ちなみに私は、飲んだことがありません。ただ子供の時
 なので記憶がないだけかもしれません。学名のリシンは、種に含まれる毒性
 タンパク質の名称です。キャスター・オイルは、アニメ「ポパイ」のオリー
 ブ・オイルの兄です。
       

栃高博物館 111 カイコの繭

          栃高博物館  111  カイコの繭       

    分類  節足動物門 昆虫綱 鱗翅目 カイコガ属
    学名  Bombyx mori
    英名  Silk moth,Silkworm
    大きさ 幼虫 6~7cm 繭3cmくらい 
        成虫 羽を広げて約4cm 雌の方が大きいい
    分布    世界中

 
  
  絹糸を作り出す家畜化した昆虫です。どれくらい家畜化しているかというと、
 野外の桑の木に幼虫を這わせると、鳥に食われるか、一晩で落下し、死んでし
 まうそうです。また成虫は、体が大きく、羽ばたきますが飛べないそうです。
 1個の繭は1本の糸でできており、長さはなんと1300~1500mあります。
 「生物」の授業では、脱皮と変態のホルモン調節、フェロモンで重要な生物となっ
 ています。
  ところで、このガラス標本瓶、形がユニークで心惹かれます。名前を「イカ瓶、
 タコ瓶」といいます。三角形が、もちろんイカ瓶です。以後お見知りおき下さい。
  
  

栃高博物館 110 タルホコムギ(樽穂小麦)

              栃高博物館 110 タルホコムギ(樽穂小麦)

          分類  被子植物 単子葉植物 イネ目 イネ科 エギロプス属
          学名 Aegilops squarrosa
          英名 Tausch’s goat grass
          大きさ 花序(穂)の長さ5~7cm。一つの花序に小穂が9~11個付く。
          分布 中東地域              

        中東原産です。芒(のぎ:小穂の先端にあるとげ状の突起)を除いた
     一粒(小穂)の大きさは5~10mmです。その一粒が樽のような形をしているので
     この名があります。生物選択者なら必ず知っている有名な植物です。
       タルホコムギ(2n=14・DD)と二粒系小麦(2n=28・AABB)をかけあわせて
      倍数化したものが、パン小麦(2n=42・AABBDD)です。3つのゲノム(AとBとD)
            を合わせもつ六倍体で、人類を支える優秀な作物です。
               英名「Tausch」はチェコの植物学者イグナツ・フリードリッヒ・タウシュにちなんで
           命名されました。
   

栃高博物館 109 チョウザメ

                                           栃高博物館  109 チョウザメ

                       分類 脊椎動物亜門 軟質亜綱 チョウザメ目 チョウザメ科
                     学名  Acipenser medirostis
                     英名  Sturgeon
                     大きさ オオチョウザメ(ベルーガ)4m(標本は35cm)
                     分布  北半球の海と川                                                    

             軟骨魚類のサメの仲間ではなく硬骨魚類。軟質亜綱は11の「目」がありますが
        現生種はチョウザメのみであとは絶滅種。古代魚といわれるゆえんです。
         背中の写真(下)を見てください。鱗の形が「蝶」のようです。名前はここからきています。
         かつては北海道の石狩川や天塩川にもいました。
            オオチョウザメ(ベルーガ)は4mにもなるそうです。そして「ベルーガ」はキャビアの
        最高級品です。
   
                      

栃高博物館  108 エラブウナギ

            栃高博物館  108 エラブウナギ

    分類   脊椎動物亜門 爬虫綱 ヘビ亜目 コブラ科 エラブウミヘビ属 
        学名   Laticauda semifasciata
        英名   Erabu black-banded sea krait
        大きさ 70~150cm(標本は約80cm)
       分布    南西諸島海域 近年では九州、四国でも(地球温暖化の影響か)
                                                       

 
 

    魚類のウナギではなく、爬虫類のウミヘビの仲間です。鱗、頭を見ると蛇ですね。そして
 特徴的な尾。泳ぐために扁平になり、まるで魚の鰭のようです。 英名のblack-banded
 は、この標本では消えてしまいました。英名のkraitとは陸生のコブラ科の蛇でエラブウミ
 ヘビのように黒い縞模様をもっています。毒(コブラ科)は強いですが、おとなしく口も小さい
 ため、噛まれることはないそうです。しかし絶対噛まないとは言い切れません。卵は海岸の
 岩場の陰に産みます。亀のように砂浜に上陸して、穴を掘って産むわけではないようです。
 「イラブー」とよばれ、食用になっています。
  

栃高博物館 番外 「シャチホコガの幼虫」

         栃高博物館 番外 「シャチホコガの幼虫」(大きさ約4cm)

   生物室に、変わった形の生き物が持ち込まれました。イモムシのようですが
 長い足が生えており、威嚇するように足を広げます。写真はビーカーに入れて
 正面から撮影しています。眼のように見える2つの白い点は複眼に光が当たって
 できたものです。前足の4本は長く、昆虫の成虫の足のようです。尾部に2本の
 突起が見えます。右の写真を見ると、かぎ爪のある後ろ足が左側に3本見えます。
 これはイモムシの足ですね。撮影したとき、ビーカーに入っていましたが、迫って
 くる感じに少し恐怖を覚えました。
  蛾の幼虫で、お城の屋根のシャチホコに似ているのでこのような名前になりました。  
      
      

栃高博物館 107 カラスガイの解剖標本

                  栃高博物館 107 カラスガイの解剖標本

         分類 軟体動物門 二枚貝綱 イシガイ科 カラスガイ属
     学名 Cristaria plicata
     大きさ 約25cm(30cmを超えることも)
     分布 北海道から本州、九州の淡水

         右上の丸いものは閉殻筋(貝柱)です。そのとなりに
    横に線の入った鰓が2枚見えます。鰓の下右側が
    肝臓です。肝臓の横に白い出入水管があり、さらに
    左の大きい黒い部分が斧足になります。
                

栃高博物館 106 サメの解剖標本

           栃高博物館 106 サメ(ホシザメ)の解剖標本
 

      分類 脊索動物門 軟骨魚綱 メジロザメ目 ホシザメ属
    学名 Musterus manazo
    英名 starspotted smooth-hound
    大きさ 約1.5mになる(標本は30cm)
    分布 北海道以南の日本沿岸
    

   臓器に色素を注入した解剖標本です。口の下には1対の鰓があります。
  その下のひときわ大きい臓器は肝臓です。肝臓の下左側にある長い器官
  は、らせん腸です。右はサメの胃です。ホシザメは食用で、おもに蒲鉾など
  の練製品に使われています。栃木では「モロ」などのサメの切り身が売ら
  れています。醤油で甘く煮るとおいしいですよね。
     

栃高博物館 105 ヤリイカの解剖標本

            栃高博物館 105 ヤリイカの解剖標本

     分類 軟体動物門 頭足綱 ヤリイカ属
     学名 Loligo bleekeri
     英名 Spear Squid
     大きさ 30~40cm
     分布 日本列島沿岸 黄海 東シナ海

  色素注入してあるので、黒い部分は鰓です。鰓の横、表面に血管が走
 っているのが肝臓で、その下の茶色い部分が卵巣です。精巣ならば白く
 なります。
  ヤリイカは、食卓でもおなじみですが、実は生物教科書でもおなじみで
 無髄の巨大軸索をもち、神経生理のモデル生物となっています。
      飼育がとても難しく、常設展示している水族館はまれです。
   

栃高博物館 104 タマムシ

                                  栃高博物館 104 タマムシ(玉虫)とコガネムシ(黄金虫)
   タマムシ(玉虫)
     分類  節足動物門 昆虫綱 甲虫目 タマムシ科
     学名 Chrysochroa 英名 Jewel beetle 
   コガネムシ(黄金虫)
          分類 節足動物門 昆虫綱 甲虫目 コガネムシ科
     学名  Mimela splendens 大きさ17~23mm
  
   栃高の校内で見つけました。もう3~4年たちますが、ともに美しさは変わりません。特に
  タマムシの虹色は、心惹かれます。残念ながら羽が1枚取れてしまいましたが、そのおかげで
  飛翔用の透明な羽が見えます。 
  

栃高博物館 103 イタチ

                     栃高博物館 103 イタチ

         分類 哺乳綱 ネコ目 イタチ科 イタチ属
         学名 Mustela
         英名 weasel
         大きさ この標本の胴長30cm
         分布 日本全国(ニホンイタチ)   

      体が細長いイタチ科のほ乳類は、小さい方からオコジョ、イイズナ、イタチ、テン、川に入って
     カワウソ、海に入ってウミウソ、ではなくラッコです。毛皮を獲るミンクやペットのフェレットもイタチ
     の仲間です。
    

栃高博物館 102 リス

                     栃高博物館 102 リス

     分類 哺乳綱 ネズミ目 リス科 リス属
     学名 Sciurus lis
     英名 squirrel
     大きさ 体長16~22cm、尾長13~17cm
     分布 亜高山帯までの森林

    ニホンリスの剥製と思われます。近年ペットショップで販売され、それが逃げ出して繁殖して
   います。よく知られているのがシマリスです。食性はほぼ植物食で昆虫も食べます。リス科には
   ほかにモモンガやプレーリードッグがいます。
  

栃高博物館 101 ライチョウ 

                                     栃高博物館 101 ライチョウ(雷鳥) 
     
    分類 鳥綱 キジ目 ライチョウ科
    学名 Lagopus muta
    英名 Rock Ptarmigan
    大きさ 全長約37cm 翼開長約59cm 
    分布 北極圏など 日本の雷鳥が南限
 
    天然記念物の雷鳥です。このような剥製標本は、今後絶対手に入りません。この雷鳥は
  夏毛です。冬毛は真っ白になります。ラベルは以前紹介した「動物標本社」で住所は、
  東京市神田区五軒町。採集年月は残念ながら消えてしまいました。
 
                    

栃高博物館 100 ネコの頭骨

                 栃高博物館 100 ネコの頭骨

    分類 哺乳綱 ネコ目 ネコ属 ヤマネコ種 イエネコ亜種
    学名 Felis silvestris
    英名 Cat、Domestic cat
    
     ネコの頭骨は迫力があります。写真の大きさを言わなければ、ライオンでも通用します。
   見事な4本の犬歯(ネコでもイヌです)。臼歯は鋭く尖っています。これで肉に噛みつき、肉を
   引き裂きます。肉食獣の歯です。
   

栃高博物館 99 ニワトリの頭骨  

               栃高博物館 99 ニワトリの頭骨

    分類 鳥綱 キジ目 ヤケイ属
    学名 Gallus gallus 
    英名 Chicken
    
    くちばし、大きな眼窩、そして容積の小さい脳。ニホンザルとは全然違います。くちばしに歯は
  ありません。上部のくちばしには大きな空洞がありますが、鼻の穴にしては大きすぎます。
  眼窩にある円盤状の骨は、調べてもわかりませんでした。何なのか興味がわきます。 
  
   

栃高博物館 98 ニホンザルの頭骨 

                             栃高博物館 98 ニホンザルの頭骨
  
   分類 哺乳綱サル目マカク属
   学名 Macaca fuscata 
   英名 Japanese monkey
 
  すでに剥製で紹介していますが、今回は頭骨にスポットを当ててみましょう。歯を見ると犬歯が
 大きく鋭いです。臼歯はヒトと同じでよく発達しています。眼窩輪(眼球の周りの骨)もしっかり
 できていて、両眼視による立体感もとらえることができます。脳の容積も大きく、高い知能を
 持っています。ヒトと違うところは多々ありますが、似てますよね。

栃高博物館 97 ニッコウサンショウウオ 

             栃高博物館 97 ニッコウサンショウウオ

     分類 脊椎動物亜門 両生綱 有尾目 サンショウウオ科
     学名 Hynobius tokyoensis(トウキョウサンショウウオ)
     英名 Salamander
     大きさ オオサンショウウオは別として通常20cm以下
     分布 栃木市近辺はトウキョウサンショウウオ

    ラベルには「にっくわうさんせううを 卵嚢 44.3.27 下都賀 柏倉」と書いてあります。
   残念ながらニッコウサンショウウオという種名はありません。トウキョウサンショウウオと思わ
   れます。ゼリー状の卵嚢は壊れてしまいました。丸い卵や細長い幼生が見られます。茶色い
   縦長のものは、水草の茎と根です。柏倉は今でも里山に湧水があり、湿地帯にはサンショウ
   ウオが生息しています。 
   
   

栃高博物館 96 ヒザラガイ

               栃高博物館 96 ヒザラガイ

   分類 軟体動物門 多板綱
   学名 Polyplacophora
   大きさ オオバンヒザラガイは最大で40cm。通常は4~5cmくらい
   分布 すべて海産。潮間帯の岩場に普通。深海にもいる。

  軟体動物は、巻貝(腹足綱)、二枚貝(斧足類)、タコ、イカ(頭足類)がよく知られたグループですが
 ヒザラガイは全く別のグループで、多板綱といいます。筋肉質の足で岩場にへばりついている姿から
 一見アワビの仲間に見えますが、全く違います。 正中線上には、前後に並んだ8枚の殻板があり
 密接しているものが多いのですが、この標本のように殻板が小さく離れているものもあります。
       

栃高博物館 95 ゴカイ

            栃高博物館 95 ゴカイ

       分類 環形動物門 多毛綱 ゴカイ科
       学名 Polychaeta
       英名 Ragworm
       大きさ ジャムシ(蛇虫)というゴカイは40cmになる。
       分布 世界中の海。潮間帯から深海まで
   
  釣りの餌としてよく知られていますが、魚類、甲殻類、鳥類などの重要な餌です。この
 標本は10cmぐらいの個体が数匹入っています。種の数が非常に多く、わかっているだ
 けで約8000種、このほかにも、未記載種が相当数あるだろうといわれています。生息
 分布も大変広く、熱帯から寒帯、浅海から深海の砂地、岩、海中浮遊、他の生物の体表
 および内部など驚くべき適応能力です。ちょっと気持ち悪いですが興味深い生物です。
 約5億年前のバージェス頁岩に化石としてたくさん発見されています。進化の歴史も長い
 ですね。   
      

栃高博物館 94 エボシガイ  

            栃高博物館 94 エボシガイ 

     分類 節足動物門 甲殻亜門 蔓脚下綱(フジツボ亜綱) エボシガイ科
     学名 Lepas anatifera
     英名 Pelagic Goosneck Barnacle
     大きさ 頭上部の白いところが2~5cm 
          柄部は伸縮自在で10cmを超えることもある
     分布 全世界の海洋の岩場、流木や漂流物、船底に多数付着
 
  ラベルには「つめがい 大正5年8月 三崎」と書いてあります。この生物の正式名称は
 「エボシガイ」です。でも貝ではありません。上記のとおりフジツボと同じ仲間です。白い
 部分は殻板という構造で、固く、5枚あります。おそらく、これが二枚貝の貝殻に見えたの
 でしょう。英名についてはPelagic(外洋に住む)、Goosneck(ガチョウの首)、Barnacle
 (フジツボ)です。英語圏のほうが、きちんとフジツボと認識していたのですね。
     

栃高博物館 93 イシコ

                                          栃高博物館 93 イシコ
    
       分類 棘皮動物門 ナマコ綱 キンコ科
       学名 Cucumaria chromhjelmi 
       英名 sea cucumber

  以前も紹介しましたが、「コ」はナマコのことです。これは潮間帯の岩の隙間に普通にいます。5cm位の小さなナマコで食用にはなりません。標本は4~5cmの個体がたくさん入っています。
  体は五角柱状で、棘皮動物の特徴である「五放射相称」をもっています。   
     

栃高博物館 92 サゴヤシの実 

                    栃高博物館 92  サゴヤシの実 

     分類 被子植物門 単子葉植物綱 ヤシ目 ヤシ科 サゴヤシ属
     学名 Metroxylon
     英名 sago palm
     分布 東南アジアからオセアニアの低湿地

 「サゴ」が採れる椰子という意味です。サゴとはデンプンのことでサゴヤシ1本切り倒すと100kgのデンプンがとれるそうです。デンプンはサゴヤシの樹幹の大きな芯に含まれています。食料として重要な植物です。欠点としてはデンプン質のみなので、タンパク質やビタミン、ミネラルは他の食品から取らなければいけません。実は苗を得るために重要です。松ぼっくりのように見えますが、まわりの鱗片はしっかりくっついていて取れません。中は空洞で、そこに種があります。残念ながら、この標本には、種はありませんでした。空洞のみです。
   

栃高博物館 91 大きなマツカサ

                栃高博物館 91 大きなマツカサ
          (大王松について)
       分類 球果植物門 マツ綱 マツ科 マツ属
       学名 Pinus palustris
       英名 longleaf pine
       大きさ 高さ20~40m
       分布 北アメリカ東南部、園芸種なので日本にもあります

   大王松という松の木の大きなマツカサです。正式には「球果」といいます。高さは22cm。
  りっぱですね 通常15~25cmということなので、この標本は大きい方です。松の仲間
  では、最も長い針状葉で英名はここからきています。
     

栃高博物館 90 トコブシ  

                                                 栃高博物館 90 トコブシ  

        分類 軟体動物門 腹足綱 ミミガイ科
    学名 Suluculus diversicolor
    英名 small abalone
    大きさ 大きくても殻長7cm
    分布 潮間帯の岩場
  
 海底の岩の「床に伏して」いるのでトコブシといいます。アワビとよく似ています。アワビの子供と区別できません。でも違いは穴の数で、アワビの穴は4~5個、トコブシは6から8個あります。
 肉は美味で、アワビ同様に食されています。標本では、貝の表面に和紙を貼り、墨で「とこぶし」と書いてありました。英名も「小さいアワビ」です。
   

栃高博物館 89 アカガイ

                      栃高博物館 89 アカガイ(赤貝)

     分類 軟体動物門 二枚貝綱 フネガイ目 アカガイ属
     学名 Anadara broughtonii
     英名 Bloody clam
     大きさ この標本は10cm
     分布 浅海の砂泥底
    
 私たちの赤血球にはヘモグロビンが含まれています。このヘモグロビンと同じように鉄を含む「エリトロクルオリン」という物質を持つため、赤貝は血液が赤いのです。そのため肉も赤く、和名や英名の名前はここからきています。アカガイは寿司ネタや刺身にしたりする高級食材ですが、
 赤貝の缶詰は、たくさん獲れるサルボウガイという赤貝に似た貝を使用しています。缶詰に書いてあるので確認してみましょう。
   

栃高博物館 88 オオヘビガイ

                     栃高博物館 88 オオヘビガイ(大蛇貝)

     分類 軟体動物門 腹足綱 ニナ目 ムカデガイ科
     学名 Serpulorbis imbricatus 
     英名 Imbricated worm shell(重なったイモムシ状の貝)
     大きさ 4~5cm
     分布 潮間帯の岩場
  
  磯の岩の表面に普通にいます。口から粘液を出し蜘蛛の巣のように張って、海中の細かい有機物をくっつけて、たぐり寄せて食べます。最初は巻き貝のように殻は巻いていますが、まもなく、不規則になって写真のような殻になってしまいます。遺伝子のバラエティは不思議ですね。
  規則正しいと不規則があるのですね。規則正しいと「美」を感じますが、この貝殻は‥‥
   

栃高博物館 87 テヅルモヅル

             栃高博物館 87 テヅルモヅル(手蔓藻蔓)

      分類 棘皮動物門 クモヒトデ綱 テヅルモヅル亜目 テヅルモヅル科
      学名 Gorgonocephalidae(ギリシャ神話のゴルゴンが由来です) 
      英名 Basket star
      大きさ この標本では中心部の本体の直径が約8cm
      分布 1000mくらいまでの海底
 
  茨城県の阿字ヶ浦海岸の砂浜にたくさん打ち上げられていました。底引き網によく入るらしく、近くの船のそばに、売り物にならないエイやカニなどの入ったバケツがあり、その中に新鮮なテヅルモヅルも入っていました。網で引き上げるときに、腕がちぎれてしまったようです。クモヒトデと同じ仲間ですが5本ある腕が数十回も枝分かれして、触手となり、海中ではこれを広々と広げて、海中に浮かぶ有機物(デトリタス)を集めて食べています。その姿が容器のかごに見えるのでBasket star と英語では呼ばれています。
   

栃高博物館 86 ブンブクチャガマ

            栃高博物館 86 ブンブクチャガマ

         分類 棘皮動物 ウニ綱 ブンブク目 
         学名 Spatangoia
         英名 Elongated Heart Urchin
         大きさ 標本は5cm
         分布 砂地の海底
 
     棘を取って球状のものはウニとかガゼと呼ばれ、丸くつぶれた形はカシパン、タコノマクラ
    と呼ばれています。そして、いびつなハート型はブンブクチャガマ(ブンブク)と名付けられま
    したが、ブンブクチャガマの名前の由来は調べてもわかりませんでした。あの分福茶釜と
    関係があると思うんですが‥。体は平べったく、カシパンと同じように海底の砂地に潜って
    有機物を食べています。深海底にもいます。標本に見える左右対称の孔の列は、棘皮
    動物に特徴的な管足の出る孔です。
          

栃高博物館 85 ユムシ 

         栃高博物館 85 ユムシ

       分類 ユムシ動物門 ユムシ目 ユムシ科
       学名 Urechisu unicinctus
       英名 Spoon worm
       大きさ 数cmから数10cm(標本は5cm) 
       分布 砂地の海底 
     
   干潟などの浅い砂地に住み、アジアでは食用にしているところもあり、釣りの餌
 にしているところもあります。標本瓶の中には4個体入っています。細長い円筒形で
 前端に吻がありますが、星口動物のように吻を体に引き込むことはしません。ユムシ
 は、これに似た動物がいないので門に分類されています。星口動物と同じ扱いですね。  
   

栃高博物館 84 ホシムシ

                                  栃高博物館 84 ホシムシ

                   分類 星口動物門 
                   学名 Sipuncula
                   英名 peanut worm
                  大きさ 3~10cm
                   分布 海産の底生生物
     
    ラベルには「39.4 房州館山」と書いてあります。環形動物のゴカイに似ていますが、別の
門です。陥入吻があり、長い吻の先端に口があります。口の周りには放射状の触手が生え、
これが漫画で表現するような星に見えるため、星口動物と呼ばれます。吻を引き込み、体をふく
らませると、ピーナッツに似ているので、英名はそこからきています。化石は古く、有名なカナダの
バージェス頁岩にも似た仲間の化石が見つかっています。約5億年前のカンブリア紀まで、遡る
ことができます。 
    

栃高博物館 83 キンコ

           栃高博物館 83 キンコ
    
     分類 棘皮動物門 ナマコ綱
     学名 Cucumaria frondosa japonica
     英名 sea cucumber,sea slug
     大きさ この標本は10cm

   82に続いてラベルに注目です。「きんこ 38.4 陸前金華山沖 購入」
  東北地方以北の浅海に分布する海鼠(なまこ)の一種をキンコといいます。このキンコを
 煮て干し、乾燥させた加工食品も光参(きんこ)といいます。キンコの分布する南限に当たる
 金華山付近では、金華山でかつて砂金がとれました。キンコの生殖巣が黄色いので、これは
 砂金の精がこの海鼠になったと信じられ、「金」の精である「こ=海鼠」の意でこの名前が付
 いたそうです。干し海鼠は中華料理の高級食材です。
   

栃高博物館 82 アカタカウニ

                   栃高博物館 82 アカタカウニ(コシダカウニ)
  
    分類 棘皮動物門 ウニ綱 ホンウニ目 サンショウウニ科
    学名 Mespilia globulus 
    英名 sea urchin
    大きさ 5cm(標本は2.5cm)
    分布 相模湾以南の磯
   
   ラベルに注目です。「あかたかうに 大正5.8. 三崎」 三崎は三浦半島南端の町です。
  「あかたかうに」というウニはいません。形からすると球形に近いので「コシダカウニ」だと思わ
  れます。栃高100年史によると大正5年には創立20周年記念式が挙行され、花火を掲げた
  そうです。それから、大正12年は関東大震災の年です。
  

栃高博物館 81 イセエビ

                           栃高博物館 81 イセエビ

    分類 甲殻亜門 エビ綱 エビ目(十脚目) イセエビ科
    学名 Panulirus japonicus 
    英名 Japanese spiny lobster
    大きさ 通常20~30cm まれに30cm 標本は20cm
    分布 房総半島以南、熱帯の海

  語源は伊勢エビ、磯エビ、威勢エビからきているという説があります。色は暗赤色で、
 標本は色が抜けてしまいました。 繁殖期や台風の前には列を作って大移動します。
 雌は受精卵を腹部に大量に付着させて守ります。孵化の瞬間は雪が降るようです。
 イセエビの赤ちゃんはフィロソーマ幼生といいます。別名、葉状幼生といわれるとおり、
 薄い透明な体に長い遊泳脚が付いていて、親を想像できません。熱帯のサンゴ礁には
 ゴシキ(五色)エビやニシキ(錦)エビという名の美しいイセエビの仲間がいます。

栃高博物館 80 シャコ

               栃高博物館 80 シャコ(蝦蛄)

   分類 甲殻亜門 口脚目 シャコ科
   学名 Oratosquilla oratoria
   英名 mantis shrimp(カマキリエビ)
   大きさ 12~15cm
   分布 北海道以南
 
  エビに似ていますが、類縁関係はかなり遠いです。特に違うのはエビに特有の
ハサミ脚が無いことで、シャコにはトゲのある1対の鎌のような捕脚があります。
英名のカマキリエビはここからきています。寿司ネタですが、尾の身だけがきれいに
調理されているので、食べたことはあっても、全体の形は見たことがないでしょう。
肉食、敏捷で捕脚は最大の武器です。またきわめて特殊な複眼を持っています。 
   

栃高博物館 79 ヤドカリイソギンチャク

             栃高博物館 79 ヤドカリイソギンチャク
     ヤドカリについてです。イソギンチャクは78をご覧ください。
   分類 節足動物門 甲殻亜門 十脚目 ヤドカリ科
   学名 Paguriodea
   英名 Hermit crab
   
  このヤドカリの住まいの巻き貝は12cmあります。貝には2匹のイソギンチャクが付いています。
 ヤドカリはハサミでイソギンチャクを刺激します。するとイソギンチャクは岩から体を離します。ヤド
 カリはこれを自分の殻の上に付着させます。イソギンチャクは移動できるようになり、ヤドカリの
 食事の余りをもらえます。ヤドカリは宿敵タコの脚をイソギンチャクの毒で退散させることができ
 ます。お互いが利益を得るので、生物学では「相利共生」といいます。
  

栃高博物館 78 イソギンチャク

                  栃高博物館 78 イソギンチャク

      分類 刺胞動物門 花虫綱 六放サンゴ亜綱 イソギンチャク目
      学名 Actiniaria
      英名 Sea Anemone
      大きさ 通常は10cm以下、大きいものは口径60cm(この標本は5cm)
      分布 熱帯から寒帯まで世界中の海
 
    触手には毒があり、小動物が触手にふれると麻痺してしまいます。イソギンチャクは、餌を口に
  運んで丸呑みにします。ヒトに対してはほとんど毒はないけれど、ウンバチイソギンチャクは毒が
  強い。漢字で書くとよくわかります。「海蜂磯巾着」 そういえば、サンゴ礁の人気者カクレクマノミは
  毒を感じませんね。英語名は海のアネモネ。カラフルなイソギンチャクが目に浮かびます。
   

栃高博物館 77 ウミサボテン

            栃高博物館 77 ウミサボテン

       分類  刺胞動物門 花虫綱 ウミサボテン科
   学名 Cavernularia obesa   
   大きさ 夜になると30cm以上にまで伸びる(この標本は15cm)
   分布 石狩湾以南

     名前はサボテンですが、植物のサボテンとは全く違います。体から出ている
   とげ状のものは、とげではなく、ポリプです。ポリプがあるので、これはクラゲや
   サンゴの仲間といえます。刺激を与えると黄緑色に発光するそうです。下村先生
   のノーベル賞で有名になったオワンクラゲの発光と、仕組みは同じなのでしょうか。
       

栃高博物館 76 タコクラゲ

                   栃高博物館 76 タコクラゲ

   分類 刺胞動物門 鉢クラゲ綱 タコクラゲ属
   学名 Mastigias papua
   英名 Papuan Jeelly,Spotted Jelly, Lagoon Jelly
   大きさ 傘径10cm(この標本は3.5cm)
   分布 日本では関東以南の温暖な海域

   本校にはクラゲの標本が2本ありますが、この標本もすばらしい保存状態です。体内に褐虫藻
  が共生しているため、褐色になっています。標本では、褐虫藻が死んでしまったため白色です。
  傘の下から8本の口腕(コウワン)が出ていて、これが蛸に似ているために、この名前がつきまし
  た。パラオ諸島のジェリーフィッシュレイクは、タコクラゲの湖として有名です。
   

栃高博物館 75 カツオノカムリ

              栃高博物館 75 カツオノカムリ(鰹の冠 カツオノカンムリ)
  
    分類 刺胞動物門 ヒドロ虫綱 ギンカクラゲ科 カツオノカンムリ属
    学名 Velella velella
    英名 by-the-wind sailer, purple sail
    大きさ  
    分布 暖海性 外洋性
    
   クラゲの仲間です。左写真のラベルに「カツヲノカムリ」「腔」の字がかろうじて読めます。
  標本は2体入っているので、少々見づらい。右の写真中央に三角形の頂点があり、一番下側
 (三角形の底辺)に短い触手がたくさん生えています。これが1個体です。日本名は鰹がかぶったら
  似合うかもしれない帽子(冠)で、英名はヨットの帆(sail)です。この三角形の帆には気体が入って
  いて、本当の帆のように水面に突き出して風を受けます。また三角の帆の周囲は、生きているとき
  は濃い青色で、美しいです。(purple sail) 
   クラゲの標本はその柔らかさのため、形が壊れてしまいがちですが、この標本は、すばらしい
  保存状態です。残念ながら色は消えました。
    

栃高博物館 74 マンネンタケ

                 栃高博物館 74 マンネンタケ(万年茸)

    分類 担子菌門 マンネンタケ科 マンネンタケ属
    学名 Ganoderma lucidum
    英名 Lingzhi mushroom 中国名 霊芝
    分布 アジア
    
      リグニンやセルロースが多いのでとても固く、まるで「木」そのものです。ニスをかけたような
    光沢があり、美しい。普通のキノコならば時間とともにやわらかくなり、しまいには溶けてしまう
    のに、このキノコは一体どうしたのでしょうか。素直に驚きます。これならば千年でも万年でも
    存在し続けることができますね。
     霊芝(レイシ)は漢方薬として有名です。有用なキノコなので栽培もおこなわれています。
   

栃高博物館 73 ダチョウの卵

        栃高博物館 73 ダチョウの卵

   分類 鳥綱 ダチョウ目 ダチョウ科 ダチョウ属
   学名 Struthio camelus
   英名 Ostrich(学名Struthioが名前の由来です)
   大きさ オスの成鳥は230cm、135kgにもなる
   分布 アフリカ一帯の乾燥地
 
  ダチョウはエチオピア区(生物地理区)の固有種で、かつてはアフリカ全域およびアラビア
 半島にまで生息していました。大形の飛べない鳥として、知らない人はいないでしょう。オス
 が巣を作り、複数のメスが卵を産みます。卵の世話、そして雛の世話はオスの仕事です。
 卵は生きている生物としては世界最大で、鶏卵の20個分あるそうです。標本は、縦約15cm
 です。しかしその上をいく生物が、かつて生息していました。マダガスカルで発見された
 エピオルニスという鳥の卵の化石です。大きさは何と30cmもあります。
  写真下、転がり防止の白いものはヨツアナカシパンです。
  

栃高博物館 72 ダイオウサソリ

                  栃高博物館 72 ダイオウサソリ(大王蠍)

     分類 節足動物門 クモ綱 サソリ目
     学名 Pandinus imperator
     英名 Emperor scorpion
     大きさ 体長20cm 最大30cm
     分布 アフリカの中西部
  
   これだけ大きいと刺されたら確実に死ぬと思われますが、実は毒性は低く、刺されて重体に
  なったケースは、今までにないそうです。小さいサソリのほうが毒性は致死的です。(栃高博物館
  43.サソリ 文書付き)をご覧ください。大変古いタイプの生物で、クモ綱にはクモ以外に、この
  サソリと海のカブトガニがいます。昆虫ではありません。卵胎生で卵はメスのお腹の中で孵化し
  親と同じ形で生まれてきます。珍しいですね。
  

栃高博物館 71 モクズガニ

                栃高博物館 71 モクズガニ(藻屑蟹)

     分類 甲殻亜門 エビ目 カニ下目 イワガニ科 モクズガニ属 モクズガニ種
    学名 Eriocheir japonica
   英名 Japanese mitten crab
   大きさ 甲幅 7~8cm
   分布 日本各地 アジア一帯

   この標本の甲幅は約7cmあるので成長した大人のカニと思われます。また、
ハサミ脚にはたくさんの毛が生えています。まるで藻が生えているように(藻屑)。
mittenn crab(手袋ガニ)の名前もここからきています。このカニは体液の浸透圧
調節が素晴らしく発達しており、海水から淡水まで生活することができます。生物
の教科書にも載っています。高級食材の上海ガニは同じ仲間です。
  

栃高博物館 70 ナメクジウオ

         栃高博物館 70 ナメクジウオ

      分類 脊索動物門 頭索動物亜門 ナメクジウオ綱
     学名 Branchiostoma berucheri
     英名 Lancelet 
     大きさ 3~5cm
     分布 世界中の暖かい浅海、愛知県蒲郡市三河大島と広島県三原市有竜島は
         ナメクジウオの生息地として天然記念物に指定

   名前がどうも、という人がいると思います。たしかに色合いと大きさがぴったりですが。
  しかしこの生物、大変な秘密があるのです。魚類、両生類、は虫類、鳥類、ほ乳類は
  「脊椎動物」ですが、その直接の祖先がナメクジウオなのです。化石はカンブリア紀の
  バージェス動物群(カナダ)の一つとして発見された「ピカイア」です。(5億1500万年前)
  顎が無く、海水を吸い込んで鰓で濾過して食べます。
   

栃高博物館 69 ネコザメの卵嚢

          栃高博物館 69 ネコザメの卵嚢

    分類 軟骨魚綱 ネコザメ目 ネコザメ
    学名 Heterodontus japonicus
    英名 Japanese bullhead shark
    大きさ 最大120cm
    分布 太平洋北西部 日本では北海道以南
   
 ネコザメは水族館の人気者です。茶色っぽい体色に黒い横帯が入ります。横といってもこれは 頭を上
にした縦横で(生物の縦横は常に頭が上です)、魚は横になった状態なので、縦帯に見えます。目の上
に皮膚の隆起があり、日本ではこれを猫の耳に、英名では牛の角に見立てて、名前がついています。
 ネコザメの卵嚢は螺旋状のひだが特徴です。これで岩の隙間などに固定されます。約1年かけて成長
し、生まれるとすでに、18cmぐらいあります。
  

栃高博物館 68 ヨツアナカシパン 

                     栃高博物館 68 ヨツアナカシパン 

    分類 ウニ綱 タコノマクラ目 ヨツアナカシパン科
    学名 Peronella japonica
    英名 Seabiscuit,Sand doller
    大きさ この標本は約4cm
    分布 世界中

   「菓子パン」です。英名はシービスケット(海のビスケット、菓子パンと同じ発想)、サンドダラー
  (荒野の1ドル銀貨ならぬ砂の中の1ドル硬貨)。浅海の砂底にいる薄っぺらなウニで非常に短い
  棘があります。これは死んで砂浜に打ち上げられたもので、よく見かけます。向こうが見えるような
  大きな穴が開いていればスカシカシパンで、これは中央に小さな穴(生殖孔-卵や精子の出口)
  が4つあるのでヨツアナカシパンといいます。表面にはヒトデ模様があります。ウニもヒトデも同じ
  仲間で、共通項は「五放射相称」です。
   

栃高博物館 67 ゴンズイ  

          栃高博物館 67 ゴンズイ

         分類  硬骨魚綱ナマズ目
    学名  Plotosus japonicus
         英名なし
         大きさ10cm~20cm
         分布日本沿岸 
       
       (japonicus)なので英名なしです。ヒゲはナマズ目の特徴です。本数も多く立派ですね。
   「ゴンズイ玉」といって集団で行動する習性があり、私も館山の海で見たことがあります。
   この集団形成にはフェロモンが関わっているそうです。ひれに毒があるので、触るときに
   注意か、それより触らないことです。
    

栃高博物館 66 イカとタコ

          栃高博物館 66 イカとタコ

     分類 軟体動物門 頭足綱 イカは十腕形上目 タコは八腕形上目
     英名 イカ squid、Cuttlefish(甲イカ)
         タコ Octopus(8本足という意味)、devilfish(悪魔の魚)

 イカ(左)とタコ(右)を並べて撮影してみました。同じ頭足綱に属します。本当は頭足ではなく体と足
です。足の付け根に漏斗(ロート)という出水管があり、ジェット水流を足先方向に噴出し体前方に泳ぎ
ます。この写真では下向きですね。漏斗の両側にはすばらしく進化した眼があります。細長いイカの体
には透明でペラペラの骨(エンペラ)があり、丸い体のタコにはありません。私たちの食生活を豊かにし
てくれますが、日本以外ではあまり食べないようです。デビルフィシュですからね。タコは飼育しやすい
ですが、イカは難しい。水族館でイカ見たことありますか。タコの体にイカのようなひれがついていたら
それはタコではなく、イカなのでしょうか。変な質問ですが答えは「タコ」です。深海には通称「ダンボ」
というタコがいて、丸い体についたひれで優雅に泳ぎます。イカタコ話でした。
   

栃高博物館 65 サメの歯とアンモナイト

            栃高博物館 65 サメの歯とアンモナイト
    
       サメの歯 (軟骨魚綱 Shark teeth) 軟骨魚なので、骨はほとんど化石になりませんが、歯は
  硬く化石になります。またサメの歯は数が多く、生え替わるので、たくさん発見されています。サメは
  4億年前の古生代に現れ、現在も繁栄しています。この標本の歯を側面に沿ってはかると3.5cm
  ありますが、世界最大のサメの歯の化石は18cmあります。歯の大きさから推定すると、大きさ20m
  以上、体重25t以上だそうです。名を「メガロドン」といいます。
   アンモナイト (軟体動物門 頭足綱 Ammonite) 古生代シルル紀から中生代白亜紀末まで
  およそ3億5000万年繁栄した生物です。(三葉虫より長いがサメより短い!)今も生きているのが
  オウムガイです。三葉虫と同様に示準化石となっています。この標本は2cmですが、最大は直径
  2mです。不思議なことに恐竜とともに絶滅しています。
  

栃高博物館 64 三葉虫

                     栃高博物館 64 三葉虫

            分類 節足動物門 三葉虫綱
     学名 Trilobita
     英名 Trilobite
    
   古生代の示準化石です。古生代の初期(カンブリア紀)に現れ、大繁栄し古生代の終期(ペルム紀)
  に絶滅しました。5億年から2.5億年前まで、2億5000万年の長きにわたり生存した生物です。これ
  は恐竜よりも長いのです。ヒトは猿人まで遡ってもたかだか400万年です。 
   美しい棘のある化石は美術品のように高価なものもあります。この標本は、奥が8cmで手前が4.5
  cmです。特に手前の標本は「三葉」、「Tri-(3という意味)」がよくわかります。大きなものでは40cm
  以上もあるそうです。       
   

栃高博物館 63 モモイロサンゴ・アカサンゴ

           栃高博物館 63 モモイロサンゴ・アカサンゴ

    分類 刺胞動物門 花虫綱 
    学名 Corallium elatius(モモイロサンゴの学名、ラベルにも書いてある)
    英名 Coral

  上がモモイロサンゴで(土佐産)の文字が見えます。下はアカサンゴで箱の名札は消えていました。
 しかしこんな文字が読み取れました。「動物標本社製造」 東京市神田區五軒町一番地。東京市は
 1889年(明治22年)から1943年(昭和18年)までの間に存在していました。その後はもちろん
 東京都です。
   この2つのサンゴは、宝石サンゴと呼ばれています。高知沖の深海で採取されるものは、特に
 美しく、世界的に有名で、高値で取引されています。赤(紅)サンゴは「血赤」と呼ばれ、品質がよく
 海外へ大量に輸出されました。この標本も、もしかすると本物のお宝かもしれません。
   
   
    

栃高博物館 62 ホウズキガイ

                  栃高博物館 62 ホウズキガイ(チョウチンガイ)

    分類 腕足動物門 
    学名 Brachiopoda
    英名 lamp shell
    大きさ 標本の殻の横径は約2cm
    
   右の写真を見ると二枚貝のように見えますが、左の写真は殻を外して中が見えるようになって
 います。触手の一部が残っていて、二枚貝にある軟体部はありません。貝柱もありません。実は
 この生き物、古生代の示準化石になっていて、名前をスピリファーといいます。軟体動物ではなく
 腕足動物という全く違うグループに属します。九州の有明海には同じ仲間のシャミセンガイが豊富
 にいて食用になっています。ただし貝の中身は硬くて食べられず、この標本では脱落してありませ
 んが、殻から出ている筋肉質の肉茎を食べます。
  ラベルには「ホウヅキガイ」そして「栃」が消えた「木中學校」が確認できます。
    

栃高博物館 61 木防已(モクボウイ)

           栃高博物館 61 木防已(モクボウイ)

      分類 ツヅラフジ科アオツヅラフジ
      学名 Cocculus trilobus
      
  この植物の根です。ラベルを見ると上に木防已が書いてあります。
 2行目のカタカナはツ‥ラフジだと思います。2枚目のラベルには、リーマチ、
 ?痛と書いてあります。木防已の効能に「リウマチ・神経痛の疼痛を軽減する」
 とあります。薬用植物3種の紹介でした。
     

栃高博物館 60 白蔘紅蔘

           栃高博物館 60 白蔘紅蔘

      分類 ウコギ科 オタネニンジン
      英名 ginseng
      分布 中国 韓国 日本
   
    朝鮮人参です。見づらいですが、左の小さい白いのが白蔘(はくじん)、
   右の太くて茶色いのが紅蔘(こうじん)です。原材料は同じですが、生の
   まま干すと白く、蒸してから干すと紅になるそうです。
    

栃高博物館 59 キナ皮

             栃高博物館 59 キナ(機那)の樹皮

       分類 アカネ科キナ属の薬用樹木
       英名 quina
       分布 南アメリカ
  
   ラベルには「キナ皮 解熱」とだけ書いてあります。キナには、キニーネが含まれており、
  マラリアの特効薬として有名です。主な産地はペルーで、国章に図案化されています。
  その後、熱帯地方にたくさん植樹され、大量に生産されるようになりました。私は実物を
  始めて見ました。
      

栃高博物館  58 イルカの仲間の下顎骨

                  栃高博物館  58 イルカの仲間の下顎骨
    
     分類 哺乳綱 ハクジラ亜目 イルカ科
     英名 Dolphin

      この標本も部分標本のため、詳しくはわかりません。歯は1本も残っていませんが、おそらく
     尖った歯が一直線に並んでいたものと思われます。そして、この細長い形からすると、おそらく
     イルカの下あごの骨でしょう。高校ではあまり見たことのない標本で、高校所蔵標本としては、
     珍しいです。
    

栃高博物館 57 大型草食動物の下顎骨

                 栃高博物館 57 大型草食動物の下顎骨

    発達した臼歯が見られるので、大型草食動物(おそらくウシ)の下顎骨と思われます。残念ながら
   頭骨がないのでそれ以上はわかりません。でも標本としては両側2つそろっていて、美しい形です。
   

栃高博物館 55 シカの頭骨

                     栃高博物館 55 シカの頭骨

     分類 哺乳綱 鯨偶蹄目 反芻亜目 シカ科
     学名 Cervus
     英名 sika deer(ニホンジカ)
    
           ニホンジカの頭骨です。立派な角が生えています。鹿の枝角は、アントラ(Antler)と呼ばれます。    
    サッカーチームの名前にもなっていますよね。加工しやすいのでナイフの柄やボタン、そして刀を
    置く、装飾台にもなっています。鹿の角(鹿茸、ロクジョウ)は有名な漢方薬です。ただし中国の
    梅花鹿(バイカロク)の幼角(袋角)のみなので、ニホンジカからは、採取できません。
    

栃高博物館 56 イヌ科の頭骨

               栃高博物館   56  イヌ科の頭骨

   分類 哺乳綱 食肉目 イヌ科 イヌ属
   学名 Canis
   英名 Dog,Domestic dog
   
    犬歯というくらいなので、鋭く尖った歯を持っています。さらに奥には裂肉歯と呼ばれる山型に
   尖った大きな臼歯が発達しています。犬の仲間と思われますが、それ以上はわかりません。栃高
   には、この大小2つの標本があります。
   

栃高博物館 54 ハトの骨格標本

         栃高博物館 54 ハトの骨格標本

     分類 鳥綱 ハト目 ハト科
     学名 Columbidae 
     英名 pigeon
     分布 世界中

 今回はハトについてではなく、鳥類の骨格の特徴に目を向けてみましょう。写真を見てください。ハトの
あばら骨の前に大きな板のような骨があります。「胸骨」といいます。私たちにも、あばら骨の中央(胸の
真ん中)にあります。鳥の場合、飛ぶための胸筋が大きく発達したため、この筋肉を支える胸骨も大きく
なりました。また、中央が船の竜骨のように飛び出しているので「竜骨突起」という名称もあります。ヨット
では、さらに長い突起で、キールと呼ばれ、船の転覆を防ぎます。鳥の竜骨突起とヨットのキール。働きは
全く違うけれど、形はそっくりです。ちなみに大胸筋が「むねにく」、小胸筋が「ささみ」です。
    

栃高博物館 53 タイラギ

              栃高博物館 53 タイラギ(平貝)

    分類 二枚貝綱 イガイ目 ハボウキガイ科
    学名 Atrina pectinata
    英名 Pen shell
    大きさ 殻長30cm以上
    分布 西太平洋からベンガル湾 日本では房総半島以南
    
      おいしい貝柱は「閉殻筋」が生物学的な名称です。全国的に個体数が減っているので今では
     高級食材になっています。「平貝」タイラガイが転じてタイラギとなったので、たまに目にする
     「タイラギ貝」という名称は「昔の武士のさむらい」と同じ状況だそうです。(タイラガイの貝)
     「タイラギ」の名前の由来については、あの有名な博物学者の南方熊楠が記述しています。
   

栃高博物館 52 シャコガイ

                 栃高博物館 52 シャコガイ

       分類 軟体動物門 二枚貝綱 ザルガイ科 シャコガイ亜科
       学名 Tridacnidae
       英名 giant clam
       大きさ 最も大型のオオシャコガイは殻長2m
       分布 サンゴ礁の海域
  
       この波を打つような貝の形はシャコガイだけの特徴です。また、貝を半分開いて、外套膜
      という体の一部を広げて、膜の内部にすむ植物プランクトンに光合成をさせている点も珍しい
      です。シャコガイに足を挟まれて、そのまま潮が満ちてきて、溺死するという話がありますが
      のんびりと光合成をしているシャコガイは、足が入ってきても強く挟みつけることは無いそう
      です。だからこの話は嘘ですね。
       殻長が2mある大型のオオシャコガイならば、ヴィーナスも誕生できるかな。人魚姫のベット
      にもなるかな。
    

栃高博物館 51 スイジガイ

               栃高博物館 51 スイジガイ(水字貝)

      分類 軟体動物 盤足目 スイショウガイ科
      学名 Lambis chiragra
      英名 Chiragura Spider Conch
      大きさ 殻長24cm 幅16cmに達する
      分布 太平洋とインド洋の熱帯域、日本では紀伊半島以南
  
     巻き貝の仲間で、6本の尖った角状の突起ができます。この形が漢字の「水」の字に似ている
    のでこの名前になりました。この写真の右側の長い3つの突起が上になるように見てください。
    「水」の字が見えますか? 食用にもなり、殻は固くて丈夫なため、装飾品や貝細工の材料と
    して利用されているそうです。この標本は22cmですから、大きい方ですね。貝の内部は、薄い
    ピンク色で、ツルツルぴかぴか。とても美しいです。 
  

栃高博物館 50 フジツボとカメノテ

                  栃高博物館 50 フジツボとカメノテ

     分類 節足動物門 甲殻亜門 蔓脚下綱(フジツボ亜綱)       
     学名 フジツボBalanomorpha、カメノテPollicipes 
     英名 両方ともbarnacle
     大きさ 数cm
     分布 沿岸から深海まで(深海の熱水噴出口付近にもいます)
 
   「富士壺」、「亀の手」と書けばわかりますよね。見たままの名前です。船底や岩に頑丈に付着する
 生物で、barnacleには、物事にかじりついて離れない人という意味もあります。進化論のチャールズ・
 ダーウインがフジツボの研究をしたことは世界的には有名ですが、日本ではテレビのクイズ番組に出題
 されていました。エビやカニの仲間とは思えないような形状ですが、食べると同じ味がします。
  

栃高博物館 49 マボヤ 

                        栃高博物館 49 マボヤ(真海鞘) 

    分類 脊索動物門 尾索動物亜門 ホヤ綱
    学名 Ascidiacea 
    英名 ascidian,sea squirt
    大きさ 単体のホヤは ~30cm、群体ホヤは広く大きく増殖し、船底の汚損生物
    分布 世界中の海 淡水にはいない

  英語の(squirt)は液体が噴出するという意味で、捕まえると、文字通り海水を噴出します。
 この標本の大きさは10cm。上部には2つの突起があります。+は入水口、-は出水口です。
 写真では左側に+の入水口が見えます。「ホヤ」はランプのシェード(透明なガラス製で優雅な
 カーブを持つ)のことです。海水を大量に飲み込んで、浮遊している有機物を鰓でとらえて食べ
 ます。英語で(filter feeder)といいます。
  

栃高博物館 48 クモヒトデ

                                      栃高博物館 48 クモヒトデ

         分類 棘皮動物門 クモヒトデ綱
    学名 Ophiuroidea
    英名 brittle star
    大きさ 足は最長60cm
    分布 沿岸から深海まで、熱帯から極地方まで。
        海水が中心で淡水には生息しない。まれに汽水。

 ニホンクモヒトデと、もう1種類、足に毛の量が多いもの「トゲクモヒトデ」が入っています。
英名の(brittle)は「壊れやすい、もろい」の意味です。実際捕まえてみると、足が簡単に
折れてしまいます。でも再生能力が強く、もとの足に戻ります。この写真の縦は約10cm
です。写真右側の円盤の中央が口です。おもな餌は腐肉か、さらに分解が進んだ懸濁物
(通称マリンスノー)で、深海の泥海底では生息密度が400匹/1㎡という高密度の場所
があります。
  

栃高博物館 47 ウミシダ

         栃高博物館 47 ウミシダ

     分類 棘皮動物門 ウミユリ綱 ウミシダ科
     学名 Comaturida
     英名 feather-stars
     大きさ ニッポンウミシダは10~20cm
     分布 日本沿岸部 サンゴ礁では数も色も大きさも豊富

 ウミユリ(海百合)、ウミシダ(海羊歯)ともに植物ではありません。ウミユリは葛生の石灰岩中に化石として
たくさん出ます。壊れやすい体なので、化石は小さい円筒型になっています。深海には生きているウミユリも
います。ニッポンウミシダは日本の沿岸部に普通ですが、別名「コマチ」といいます。学名のComatusからき
ていて、ラテン語で「毛状の」という意味を持っています。とても動物には見えませんが、実に優雅に泳ぎます。
毛のような、シダの葉のような体を、360度に大きく広げて、海水に含まれる細かい有機物を集めて食べます。
  

栃高博物館 46 ウミケムシ

                       栃高博物館 46 ウミケムシ(海毛虫)

         分類 環形動物門多毛綱ウミケムシ科
         学名 Chloeia flava
         大きさ 5~10cm
         分布 日本では中部以南
 
    その名のとおり海の毛虫、おまけに毒があります。標本液がなくなったため、Vの字に曲がって乾燥標本
    になってしまいましたが、伸ばせば6cmあります。体には節があり、体側からたくさんの長い毛が生えて
    います。釣り針にかかることもあるそうです。絶対にさわらないように。
   

   

栃高博物館 45 タツノオトシゴ

                 栃高博物館 45 タツノオトシゴ

     分類 トゲウオ目 ヨウジウオ亜目 タツノオトシゴ属
     学名 Hippocampus
     英名 Seahorse
     大きさ 1.4cm~35cm(標本は3cm)
     分布 熱帯から温帯の浅い海

   ヨウジウオの時にタツノオトシゴも紹介しました。同じ仲間です。体は鱗が変化した環状の硬い
  甲板に覆われて、凹凸があります。写真ではその様子がよくわかると思います。この仲間は体を
  直立させて、頭を前に向ける姿勢をとるので竜や馬に見えます。そのため「竜の落とし子」「海馬」
  「竜宮の駒」「Seahorse」などの名前がつきました。大型種は漢方薬として珍重され、乱獲の末に
  ワシントン条約の(輸出入に許可証が必要)のレベルになっています。
   

栃高博物館 44 ハコフグ 

                栃高博物館 44 ハコフグ

     分類 フグ目 ハコフグ科
     学名 Ostracion immaculatus
     大きさ 20~40cm(この標本は6cmで幼魚)
     分布 日本中部以南 

     大きな目に2本の角、おちょぼ口。愛らしい姿。体全体が箱形なのでこの名前になりました。
    皮膚には六角形の骨板が発達しています。サッカーボール模様ですね。さかなくんの帽子は
    ハコフグの仲間だそうです。
    

栃高博物館 43 サソリ

                     栃高博物館 43 サソリ(蝎、蠍)

     分類 節足動物門 クモ綱サソリ目
     学名 Scorpiones
     大きさ 数センチからダイオウサソリの30cm 

  瓶の大きさは6cm×3.2cm。この小さな標本瓶の周りには、細かい文字がびっしり書き込まれていました。
 紙の縦は4.5cmで、中央の「蝎」の字の大きさは3mmです。では読んでみましょう。( )の部分はよく読め
 ませんでした。写真中央の行から左へ「ニテ居リマス蝎デアリマス此虫ニササレマスト (?3大)ラスシテ死亡
 スル為メ恐レラ レテ蛇蝎視スルトノ語ガ生ジタと云ハレテ居 リマス(改行) 此虫ハ宇都宮出身ニテ遼陽ニ
 活動セラレテ」。 この文章の別なところに「第十四師団駐満」「渡満シタオリ」「寄贈」という記述もあります。
 日付は見つかりませんでした。調べてみると、かつて宇都宮に第十四師団があり、満州に行っていることが
 わかりました。右の写真は、ちょっと壊れていますがサソリです。手前に毒針が見えます。このサイズの小さな
 サソリが強い毒性を持っています。この恐ろしいサソリを生徒にも是非知ってほしいという教育的な気持ちから
 学校に寄贈されたと思われます。
      

栃高博物館 42 象牙

                    栃高博物館 42 象牙

      分類 哺乳綱ゾウ目ゾウ科
      学名 Elephantidae
      英名 elephant 象牙はivory
      大きさ  分布 アフリカ アジア

    ゾウの最大に発達した門歯です。先も元も割れていて、ちょっと傷んでいますが紛れもない象牙です。
   重さは3.5kgあり、ずっしり重いです。エボニー(黒檀の木 ebony)とアイボリー(ivory)はピアノの
   鍵盤として使われ、隣同士です。そういえば、ポールマッカートニーとスティービーワンダーが歌って
   いました。(ebony and ivory) 今では象の保護のため、象牙を取ってもいけないし、取引もでき
   ません。