栃高博物館

2013年10月の記事一覧

栃高博物館 94 エボシガイ  

            栃高博物館 94 エボシガイ 

     分類 節足動物門 甲殻亜門 蔓脚下綱(フジツボ亜綱) エボシガイ科
     学名 Lepas anatifera
     英名 Pelagic Goosneck Barnacle
     大きさ 頭上部の白いところが2~5cm 
          柄部は伸縮自在で10cmを超えることもある
     分布 全世界の海洋の岩場、流木や漂流物、船底に多数付着
 
  ラベルには「つめがい 大正5年8月 三崎」と書いてあります。この生物の正式名称は
 「エボシガイ」です。でも貝ではありません。上記のとおりフジツボと同じ仲間です。白い
 部分は殻板という構造で、固く、5枚あります。おそらく、これが二枚貝の貝殻に見えたの
 でしょう。英名についてはPelagic(外洋に住む)、Goosneck(ガチョウの首)、Barnacle
 (フジツボ)です。英語圏のほうが、きちんとフジツボと認識していたのですね。
     

栃高博物館 93 イシコ

                                          栃高博物館 93 イシコ
    
       分類 棘皮動物門 ナマコ綱 キンコ科
       学名 Cucumaria chromhjelmi 
       英名 sea cucumber

  以前も紹介しましたが、「コ」はナマコのことです。これは潮間帯の岩の隙間に普通にいます。5cm位の小さなナマコで食用にはなりません。標本は4~5cmの個体がたくさん入っています。
  体は五角柱状で、棘皮動物の特徴である「五放射相称」をもっています。   
     

栃高博物館 92 サゴヤシの実 

                    栃高博物館 92  サゴヤシの実 

     分類 被子植物門 単子葉植物綱 ヤシ目 ヤシ科 サゴヤシ属
     学名 Metroxylon
     英名 sago palm
     分布 東南アジアからオセアニアの低湿地

 「サゴ」が採れる椰子という意味です。サゴとはデンプンのことでサゴヤシ1本切り倒すと100kgのデンプンがとれるそうです。デンプンはサゴヤシの樹幹の大きな芯に含まれています。食料として重要な植物です。欠点としてはデンプン質のみなので、タンパク質やビタミン、ミネラルは他の食品から取らなければいけません。実は苗を得るために重要です。松ぼっくりのように見えますが、まわりの鱗片はしっかりくっついていて取れません。中は空洞で、そこに種があります。残念ながら、この標本には、種はありませんでした。空洞のみです。
   

栃高博物館 91 大きなマツカサ

                栃高博物館 91 大きなマツカサ
          (大王松について)
       分類 球果植物門 マツ綱 マツ科 マツ属
       学名 Pinus palustris
       英名 longleaf pine
       大きさ 高さ20~40m
       分布 北アメリカ東南部、園芸種なので日本にもあります

   大王松という松の木の大きなマツカサです。正式には「球果」といいます。高さは22cm。
  りっぱですね 通常15~25cmということなので、この標本は大きい方です。松の仲間
  では、最も長い針状葉で英名はここからきています。
     

栃高博物館 90 トコブシ  

                                                 栃高博物館 90 トコブシ  

        分類 軟体動物門 腹足綱 ミミガイ科
    学名 Suluculus diversicolor
    英名 small abalone
    大きさ 大きくても殻長7cm
    分布 潮間帯の岩場
  
 海底の岩の「床に伏して」いるのでトコブシといいます。アワビとよく似ています。アワビの子供と区別できません。でも違いは穴の数で、アワビの穴は4~5個、トコブシは6から8個あります。
 肉は美味で、アワビ同様に食されています。標本では、貝の表面に和紙を貼り、墨で「とこぶし」と書いてありました。英名も「小さいアワビ」です。