日誌

物理部からのお知らせ

にっこり 快挙!! 日本学生科学賞 大臣賞受賞!!

 

 SSHクラブ物理班(物理部)の生徒たちが数年前から研究してきた「フーコーの光速測定の検証」が、第60回日本学生科学賞中央最終審査において、
科学技術政策担当大臣賞を受賞しました!!!


 



 日本学生科学賞は、応募総数が中高合わせ数万点にのぼる最も権威のある科学コンクールです。このコンクールで、県審査にて知事賞を受賞し、その後中央予備審査では全国に進んだ約150作品中の15作品に選ばれ最終審査に進むことになりました(このことも快挙です!)

 1222日~24日に東京の日本科学未来館で行われた最終審査では、論文審査以外にポスター発表や質疑応答による審査が2日間行われました。そして、審査の結果が24日に表彰式で発表され、科学技術担当大臣賞を受賞することになりました。

 栃木県で大臣賞を受賞したのは、学生科学賞60年の歴史の中で過去5回とのことで、6回目を栃高が受賞するという快挙を成し遂げてくれました( 物理分野では初めてとのことです!! )


 「フーコーの光速測定の検証」は3年前に卒業した先輩4名が始めた研究です。それを受け継いだ5名が試行錯誤しながら、みごとに光速測定を成功させました。生徒たちは、身近にある材料で測定装置を自作し、多くの課題を克服しながら何度も測定を繰り返しました。とても時間のかかった研究でしたので、その努力が報われて本当に良かったと思います。


審査が行われた、東京の日本科学未来館です。


栃高ブースです。
手前にあるのは、自作した装置です。
左から、高速回転鏡、レーザー微動台、微動台付き反射鏡です。



 

審査の様子です。多くの審査員の先生が栃高ブースを訪れ、プレゼンテーションや質疑応答の内容を細かく審査しました。貴重なアドバイスもいただき、とても良い経験になりました。

 
素晴らしい賞状とトロフィーをいただきました。また、この表彰式には秋篠宮ご夫妻が出席され、式の後にはご夫妻に研究の説明の機会を与えていただきました!!!! 生徒はとても緊張したようでした。

 今後は、測定精度をさらに向上させること、水の屈折率の測定を行うことを目的として研究が継続される予定です。来年も、日本学生科学賞において同じステージに立てるように頑張ってほしいと思います。
 

  この研究を進めるにあたり多くの方々にお世話になりました。特に、宇都宮大学の先生方、学生のみなさんに感謝いたします。本当にありがとうございました。

物理部 研究報告 2月

研究の進捗を報告します。

<フーコーの方法による光速度測定の検証>

測定装置がほぼ完成しましたが、本測定に入るにはまだまだ課題がありそうです。
レーザーから出た光を鏡で反射させながら70mほど進ませるのですが、はたして光軸をうまく調整できるかが現状の大きな課題です。


宇都宮大学で光軸調整中。多くのアドバイスをいただきました。

さらに、宇都宮大学でハーフミラーを製作。
製作に使用したスパッタ装置の構造や成膜原理を説明していただきました。
今回はNbを300Å成膜しました。



 




<酸化物超伝導体の研究>

1月から温度条件の変更を検討していましたが、すべてのサンプルで特性を示さず。
次に本焼きの時間を3hから7hに延ばしたサンプルを試しに製作したところ、弱いながらもマイスナー効果を確認できました!!!!!!!!研究を始めてから半年以上経ちましたが、ようやく特性を示すサンプルの製作に成功しました。本焼き時間の条件を詳しく調べたいと思います。そろそろ転移温度の測定の準備も開始します。

 


黒い物質が超伝導体。マイスナー効果によりネオジム磁石が浮いている様子。

ひらめき 物理部 研究活動報告 12月~1月

現在、物理部で行っている研究活動の進捗を報告します。

<フーコーの方法による光速度の測定>

回転鏡を固定するための金具を、軽量のテフロンに変更しました。
また、形状も写真のように大きくすることで偏心による振動を抑えることに成功しました。

 

現在、ハーフミラーの作成を実施中。
今後の課題は光軸調整方法の確立です。


<酸化物超伝導体の研究>

12月28日時点では、液体窒素温度でマイスナー効果を示すサンプルはできていません。
温度条件を見直して再度特性を確認したいと思います。
また、液体窒素温度以下での特性調査や新品薬品での検討も行う予定。
数年前は安定的にできていた超伝導体が、なぜ今はできなくなっているのか。
原因を解明したいと思います。

 
マイスナー効果を確認中。


12月28日宇都宮大学のオプティクス教育研究センター内にある蛍光X線分析装置を見学させていただきました。測定方法や測定原理などを説明していただきとても勉強になりました。この装置で製作したサンプルを分析することで、特性を示さない原因を調べたいと考えています。

晴れ 物理部 研究活動報告 11月

現在物理部が行っている研究活動の進捗を報告します。

本日は、宇都宮大学にて研究活動の進捗報告と研究に関してアドバイスをいただいてきました。

<フーコーの方法による光速測定の検証>


現在の研究活動の進捗状況を生徒が宇都宮大学の先生に説明中


レーザーや反射鏡を調整する微動台はほぼ完成。


今日は、高速回転鏡が正しく動作するか宇都宮大学の先生のご指導のもと確認してきました。

 
旋盤で製作した回転鏡固定金具をモーターに取り付け、一秒間に500回転させます。
回転数の測定はフォトリフレクターという電子部品とオシロスコープを使用。

 
みごと回転数の測定に成功!!!! しかし・・・・200回転/sになると異音が発生。原因は回転鏡固定金具の偏心によるものと判明。
回転鏡固定金具の設計変更することになりました。どうすれば解決できるか・・・・・・これから考えます・・・・・・。
年内に一回目の光速測定を実施することを目標に頑張りたいと思います。


<酸化物超伝導体の研究>


今回は試薬へ吸着したと思われる水分を飛ばしたサンプルのマイスナー効果を確認。
マイスナー効果の確認は、栃木高校OBで現在M1の学生さんにフォローいただきました。
しかし・・・今回のサンプルもマイスナー効果を示さず・・・・。

次は、焼成時の温度条件の見直しと、新しい試薬を購入しての検討を行う予定。
また、相変わらず、焼成後緑色物質が発生してしまうことがあるので、蛍光X線で組成分析を行い、その原因を解明したいと思います。

物理部 研究活動報告


10/13(土)に宇都宮大学工学部で、物理部が現在取り組んでいる以下の研究に関してご指導をいただいてきました。

「フーコーの方法による光速測定の検証」

 今回は回転鏡を固定するための金具の試作品を旋盤をお借りして製作してきました。しかし、製作途中で問題点に気づき設計をやり直しことになってしまいました。また、今後の研究の進め方などアドバイスをいただくことができました。





「酸化物超伝導体の研究」

 本校で製作した超伝導体がマイスナー効果を示すか確認してきましたが、残念ながら液体窒素温度ではマイスナー効果を示しませんでした。原因は試薬の一つ炭酸バリウムへの水の吸着かもしれないというアドバイスをいただきましたので、炭酸バリウムを軽く焼いて水分を除去してみようと思います。


マイスナー効果の確認中。すべてのサンプルがマイスナー効果を示さず・・・・・。


作成したサンプルの表面状態を観察中。


超伝導体の上でネオジム磁石が浮いている様子。これがマイスナー効果です。
この特性を示すサンプルの製作を目指して頑張ります。