校長室から

2022年4月の記事一覧

【令和4年度 学校経営計画②】「教育目標」・「校訓」について

令和4年度の学校経営計画に掲げている本校の「教育目標・校訓」について、お話ししたいと思います。

本校の教育目標を以下のように読み解くと、その主旨がわかりやすくなると思います。

 

 「職業的な自立を目指した教育により」

職業科の専門的な「知識」「技能」及び「態度」に関する学習(指導)を通して。

 「働き続けるために必要な力を培うとともに」

「就職」+「定着(離職せず継続)・成長」できる力(知識・技能を、自ら学び続けられる・人から教えてもらえる態度)を身に付けられるようにする。

 「豊かな人間性を育み」

「人」として望ましいものの見方・考え方・行動の仕方=「人柄・人間性」を育てる。

 「社会に貢献できる人材を育成する」

「働くことの意義」を「社会への貢献」と意識・実感できるようにすること。

 

 「働ける力」とは、「(仕事に必要な・専門的な)知識・技能(技術)」と「(仕事に向き合う)態度」と一般的に表現されますが、「(知識・技能により)仕事ができること」と「仕事に真面目に取り組める…などの望ましい態度」をバランス良く兼ね備えることが大切です。

「知識・技能(技術)」を身に付ける…自ら学んだり、人から教えてもらったりする…ための原動力は「意欲」です。そこには「自分はまだまだ学ばなくては…」といった現状に甘んじない姿勢や、周囲の人々からの教えや指摘を素直に受け止められる「謙虚」さが不可欠です。また、周りの人々に「教えてあげよう」と思ってもらえるような「協調的・共感的な人柄」も大切です。さらに、「働ける力」には、今できること・身に付けていることを発揮できるだけでなく、職場環境に適応し、その力を成長させながら継続的に発揮できる、すなわち「働き続けられる」という視点が重要であると考えます。

こう考えてみると「職業生活」という全体的な視野で見た場合、「働き続けられる人」になるためには、「仕事ができる(できることを増やす)こと」と、それを支える土台として、仕事に向かう「意欲的な態度」や関係する人々との「よりよい人間関係づくり(謙虚さや協調性)」と、それらの積み重ねによって得られる「信頼感・信頼関係」など、「人」としての「共感的な人柄・豊かな人間性」がより大きく影響してくると考えることができます。

また、企業や事業所、団体等には「存在目的・意義」があり、それを果たすことで社会に貢献しています。働く人々は、自分が担当する目の前の業務を確実に遂行することで、その企業等の「存在目的・意義を果たす」ことに関わり、貢献しています。職場における自らの役割と責任を果たすことを通して「自分も社会に貢献している」という自覚と自負をもてるようなることは、「職業的自立」にはとても重要な意識であり、同時に、「自己有用感」や「働き続けるための意欲」を高めることにもつながっていきます。

生徒の職業的自立を目指す本校では、こうした考え方を踏まえて、「教育目標」において「働き続けるために必要な力」と表現し、併せて「豊かな人間性の育成」を掲げています。

 そして、生徒達が、自らの成長のための指針として意識できるように、校訓として「礼節 誠実 協力」を掲げています。それぞれの言葉の内容についての考え方は以下のとおりです。

 
礼節」「節度ある礼儀」として、形だけの礼儀や挨拶ではなく、相手を敬い、「思いやりの心」を伴った礼儀であること。
「誠実」…常に自分を見つめ直し、人の話を聞ける「謙虚さ」をもち、真面目に粘り強く取り組む心をもてること。
「協力」…相手と自分というお互いを「認め合い」、力を合わせる心(共感・協調)をもてること。

 本校では、「働き続けられる『人』」を育てること…を大切にしていきたいと考えています。

「令和4年度 学校経営計画」

R4 学校経営計画(宇都宮青葉高等学園).pdf

 令和
4年度の学校経営計画をUPいたしました。

全体的には、昨年度から継続して取り組んでいきたいと考え、大きな変更はありません。

個々の項目についてですが、「教育目標」は継続です。今年度は併せて「校訓」を表記いたしました。「目指す学校像(学校経営方針)」及び「目指す生徒像」「目指す教職員像」は、昨年度と変更ありません。「令和4年度の重点目標」については、基本的な観点や取り組みたい内容は変わりませんが、昨年度の取組結果(学校評価)を踏まえて内容の更なる充実と定着を図ることとし、部分的に修正をして提示いたしました。

令和4年度を迎えて

本校は平成28年4月に開校した、知的に障害のある高等部生徒に対して、職業的な自立を目指した教育を行う高等特別支援学校(職業科)です。所在地は栃木県のほぼ中央に位置する宇都宮市にあり、その通学圏は栃木県全域となっています。今年度は開校7年目で、令和4年3月4日には第4期生76名を卒業生として送り出しました。

本校では、「職業的な自立を目指した教育により、働き続けるために必要な力を培うとともに豊かな人間性を育み、社会に貢献できる人材を育成する」という教育目標の下、障害のある生徒たちの自立に必要な力を確実に高めていくことと、生徒たちが住む地域の皆様とともに豊かに暮らしていける「共生社会」の実現に少しでも近付けるように取り組んでいきたいと考えています。

本日47日に入学式を実施し、第7期生78名の新入生を迎えました。令和4年度は、全生徒数220名でスタートいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

校長  粂川 剛士