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2年化学「酸化剤・還元剤」

授業の問いは、「ペットボトルのお茶にビタミンCが入ってるのはなぜ?」です。

「健康にいいから?」「味をよくするため?」など、いろいろな意見が出ましたが、今回は“酸化剤・還元剤”のはたらきに注目して、実験を通してその理由を考えてみました。

実験では、うがい薬(ヨウ素液)とビタミンC入りのジュースを混ぜて、色の変化を観察しました。最初は茶色っぽい液体が、ジュースを加えると…なんと透明に!

生徒たちは「えっ、消えた!?」「魔法みたい!」と大興奮。この反応は、ビタミンC(アスコルビン酸)がヨウ素を還元して、無色のヨウ化物に変えることで起こります。つまり、ビタミンCは“還元剤”としてはたらいているんですね。

 

 

 

この体験を通して、生徒たちは「酸化剤は電子を奪うもの」「還元剤は電子を与えるもの」という定義を、実感をもって理解していきました。

ペットボトルのお茶にビタミンCが入っているのは、酸化を防いで風味や色を保つため。身近な疑問から出発して、化学のしくみを学ぶことで、「なるほど!」がたくさん生まれた授業でした。

2年化学「酸化還元」

こんにちは理科教員です。

授業の問いは、「酸化・還元の定義は?」です。まずは中学校の復習です。ブレストで思いつく限り書きます。

 

行ったのは、次の2つの実験です:

・銅線を加熱して、酸化銅をつくる
・加熱した銅線を水素の中に入れて、還元される様子を観察
酸化の実験では、赤い銅線が黒く変化し、「おぉ、色が変わった!」と生徒たちは興味津々。還元の実験では、黒くなった銅が再び赤く戻り、「戻った!」「これが還元か!」と驚きの声が上がりました。

 

 

この変化をもとに、「酸素原子のやりとり」や「電子のキャッチボール」という視点で酸化還元を説明。酸化とは酸素を受け取る(または電子を失う)こと、還元とは酸素を失う(または電子を受け取る)ことだと整理しました。

さらに、電子のやりとりに関係する「電気陰性度」にも軽く触れ、「酸素は電子を引っ張る力が強いから、酸化されやすいんだね」といった理解も深まりました。

生徒たちは、目で見て、変化を感じながら、定義を自分の言葉で整理していくことで、酸化還元の本質に少しずつ近づいていきました。

これからも、「見て・考えて・納得する」授業を通して、化学の面白さを伝えていきます。

 

2年化学「弱酸の遊離」

こんにちは理科教員です。

授業の問いは、「卵の殻に塩酸をかけると何が発生する?その根拠は?」です。

「泡が出るから、二酸化炭素が発生するんじゃない?」という予想からスタートしたこの授業。でも今回は、“弱酸の遊離”という現象にも注目して、より深く考える実験を行いました。

実験では、以下の2つの反応を比較しました:

酢酸ナトリウム + 塩酸
塩化アンモニウム + 水酸化ナトリウム
塩化アンモニウムの反応では、アンモニア特有のツンとしたにおいが発生し、生徒たちは「うわっ、くさい!」「これがアンモニアか!」と大盛り上がり。一方、酢酸ナトリウムの反応では、酢のようなすっぱいにおいが漂い、「おえ!臭い!」と、こちらも教室が笑いに包まれました。

においの変化を“体感”することで、化学反応が目に見えるだけでなく、五感でも感じられることを実感。生徒たちは、強酸や強塩基が弱酸・弱塩基の塩と反応すると、弱酸や弱塩基が“押し出される(=遊離する)”という仕組みをにおいの変化を通して理解していきました。

卵の殻に塩酸をかけたときに起こる反応も、炭酸という弱酸が塩酸によって遊離し、二酸化炭素が発生するという流れで説明できることがわかりました。

実験を通して「なるほど!」に変わる瞬間。これからも、体験を通して深く学べる授業を大切にしていきます。

 

2年化学「塩の液性」

こんにちは。理科教員です。

授業の問いは、「塩は水に溶かすと中性になるのか?」です。

 

「塩って、酸と塩基が中和してできるものだから、水に溶かしたら中性になるんじゃない?」
そんな素朴な疑問を持つはずです。ほとんどの生徒はそのような予想をしました。

まずは塩化アンモニウム・酢酸ナトリウム・塩化ナトリウム、塩を水に溶かして、液性(pH)を調べてみました。

結果は予想とは違い、塩によって液性が酸性・塩基性・中性とさまざまでした。

では、なぜこのような結果になったのか。

生徒は仮説を立てたうえで、炭酸水素ナトリウム、硫酸水素ナトリウムでも同様に実験をしました。

 

 

生徒たちは、自分たちの仮説と実験結果を比べながら、化学の奥深さを実感していました。こうした体験を通して、「考える→試す→わかる」という学びの楽しさが広がっています。

これからも、生徒の「なぜ?」を大切にした授業づくりを続けていきます。

2年化学「中和滴定」

こんにちは。理科教員です。中和滴定について生徒は学習しました。

第1回:中和ってどういうこと?~吾妻川の水質から考える~
最初の授業では、「中和」の原理について学び。吾妻川の水質改善の事例をもとに、酸性の水がどうして問題になるのか、を考えました。さらに、酸の濃度を実験的に求めるにはどうすればよいのかを考えました。

第2回:実験で確かめよう!~中和滴定にチャレンジ~
いよいよ実験です!

酸(酢酸)に塩基(水酸化ナトリウム水溶液)を少しずつ加えていき、色の変化で中和点を見つけます。フェノールフタレインの色が変わる瞬間に、教室がちょっと盛り上がりました。

 

次回は第3回:結果をまとめて考察しよう!~グラフで見える中和点~
です。

中和は奥が深いですね!