栃高博物館

歴史ある栃木高校に眠るお宝の標本たちを紹介します

栃高博物館 66 イカとタコ

          栃高博物館 66 イカとタコ

     分類 軟体動物門 頭足綱 イカは十腕形上目 タコは八腕形上目
     英名 イカ squid、Cuttlefish(甲イカ)
         タコ Octopus(8本足という意味)、devilfish(悪魔の魚)

 イカ(左)とタコ(右)を並べて撮影してみました。同じ頭足綱に属します。本当は頭足ではなく体と足
です。足の付け根に漏斗(ロート)という出水管があり、ジェット水流を足先方向に噴出し体前方に泳ぎ
ます。この写真では下向きですね。漏斗の両側にはすばらしく進化した眼があります。細長いイカの体
には透明でペラペラの骨(エンペラ)があり、丸い体のタコにはありません。私たちの食生活を豊かにし
てくれますが、日本以外ではあまり食べないようです。デビルフィシュですからね。タコは飼育しやすい
ですが、イカは難しい。水族館でイカ見たことありますか。タコの体にイカのようなひれがついていたら
それはタコではなく、イカなのでしょうか。変な質問ですが答えは「タコ」です。深海には通称「ダンボ」
というタコがいて、丸い体についたひれで優雅に泳ぎます。イカタコ話でした。
   

栃高博物館 65 サメの歯とアンモナイト

            栃高博物館 65 サメの歯とアンモナイト
    
       サメの歯 (軟骨魚綱 Shark teeth) 軟骨魚なので、骨はほとんど化石になりませんが、歯は
  硬く化石になります。またサメの歯は数が多く、生え替わるので、たくさん発見されています。サメは
  4億年前の古生代に現れ、現在も繁栄しています。この標本の歯を側面に沿ってはかると3.5cm
  ありますが、世界最大のサメの歯の化石は18cmあります。歯の大きさから推定すると、大きさ20m
  以上、体重25t以上だそうです。名を「メガロドン」といいます。
   アンモナイト (軟体動物門 頭足綱 Ammonite) 古生代シルル紀から中生代白亜紀末まで
  およそ3億5000万年繁栄した生物です。(三葉虫より長いがサメより短い!)今も生きているのが
  オウムガイです。三葉虫と同様に示準化石となっています。この標本は2cmですが、最大は直径
  2mです。不思議なことに恐竜とともに絶滅しています。
  

栃高博物館 64 三葉虫

                     栃高博物館 64 三葉虫

            分類 節足動物門 三葉虫綱
     学名 Trilobita
     英名 Trilobite
    
   古生代の示準化石です。古生代の初期(カンブリア紀)に現れ、大繁栄し古生代の終期(ペルム紀)
  に絶滅しました。5億年から2.5億年前まで、2億5000万年の長きにわたり生存した生物です。これ
  は恐竜よりも長いのです。ヒトは猿人まで遡ってもたかだか400万年です。 
   美しい棘のある化石は美術品のように高価なものもあります。この標本は、奥が8cmで手前が4.5
  cmです。特に手前の標本は「三葉」、「Tri-(3という意味)」がよくわかります。大きなものでは40cm
  以上もあるそうです。       
   

栃高博物館 63 モモイロサンゴ・アカサンゴ

           栃高博物館 63 モモイロサンゴ・アカサンゴ

    分類 刺胞動物門 花虫綱 
    学名 Corallium elatius(モモイロサンゴの学名、ラベルにも書いてある)
    英名 Coral

  上がモモイロサンゴで(土佐産)の文字が見えます。下はアカサンゴで箱の名札は消えていました。
 しかしこんな文字が読み取れました。「動物標本社製造」 東京市神田區五軒町一番地。東京市は
 1889年(明治22年)から1943年(昭和18年)までの間に存在していました。その後はもちろん
 東京都です。
   この2つのサンゴは、宝石サンゴと呼ばれています。高知沖の深海で採取されるものは、特に
 美しく、世界的に有名で、高値で取引されています。赤(紅)サンゴは「血赤」と呼ばれ、品質がよく
 海外へ大量に輸出されました。この標本も、もしかすると本物のお宝かもしれません。
   
   
    

栃高博物館 62 ホウズキガイ

                  栃高博物館 62 ホウズキガイ(チョウチンガイ)

    分類 腕足動物門 
    学名 Brachiopoda
    英名 lamp shell
    大きさ 標本の殻の横径は約2cm
    
   右の写真を見ると二枚貝のように見えますが、左の写真は殻を外して中が見えるようになって
 います。触手の一部が残っていて、二枚貝にある軟体部はありません。貝柱もありません。実は
 この生き物、古生代の示準化石になっていて、名前をスピリファーといいます。軟体動物ではなく
 腕足動物という全く違うグループに属します。九州の有明海には同じ仲間のシャミセンガイが豊富
 にいて食用になっています。ただし貝の中身は硬くて食べられず、この標本では脱落してありませ
 んが、殻から出ている筋肉質の肉茎を食べます。
  ラベルには「ホウヅキガイ」そして「栃」が消えた「木中學校」が確認できます。