栃高博物館

歴史ある栃木高校に眠るお宝の標本たちを紹介します

栃高博物館 86 ブンブクチャガマ

            栃高博物館 86 ブンブクチャガマ

         分類 棘皮動物 ウニ綱 ブンブク目 
         学名 Spatangoia
         英名 Elongated Heart Urchin
         大きさ 標本は5cm
         分布 砂地の海底
 
     棘を取って球状のものはウニとかガゼと呼ばれ、丸くつぶれた形はカシパン、タコノマクラ
    と呼ばれています。そして、いびつなハート型はブンブクチャガマ(ブンブク)と名付けられま
    したが、ブンブクチャガマの名前の由来は調べてもわかりませんでした。あの分福茶釜と
    関係があると思うんですが‥。体は平べったく、カシパンと同じように海底の砂地に潜って
    有機物を食べています。深海底にもいます。標本に見える左右対称の孔の列は、棘皮
    動物に特徴的な管足の出る孔です。
          

栃高博物館 85 ユムシ 

         栃高博物館 85 ユムシ

       分類 ユムシ動物門 ユムシ目 ユムシ科
       学名 Urechisu unicinctus
       英名 Spoon worm
       大きさ 数cmから数10cm(標本は5cm) 
       分布 砂地の海底 
     
   干潟などの浅い砂地に住み、アジアでは食用にしているところもあり、釣りの餌
 にしているところもあります。標本瓶の中には4個体入っています。細長い円筒形で
 前端に吻がありますが、星口動物のように吻を体に引き込むことはしません。ユムシ
 は、これに似た動物がいないので門に分類されています。星口動物と同じ扱いですね。  
   

栃高博物館 84 ホシムシ

                                  栃高博物館 84 ホシムシ

                   分類 星口動物門 
                   学名 Sipuncula
                   英名 peanut worm
                  大きさ 3~10cm
                   分布 海産の底生生物
     
    ラベルには「39.4 房州館山」と書いてあります。環形動物のゴカイに似ていますが、別の
門です。陥入吻があり、長い吻の先端に口があります。口の周りには放射状の触手が生え、
これが漫画で表現するような星に見えるため、星口動物と呼ばれます。吻を引き込み、体をふく
らませると、ピーナッツに似ているので、英名はそこからきています。化石は古く、有名なカナダの
バージェス頁岩にも似た仲間の化石が見つかっています。約5億年前のカンブリア紀まで、遡る
ことができます。 
    

栃高博物館 83 キンコ

           栃高博物館 83 キンコ
    
     分類 棘皮動物門 ナマコ綱
     学名 Cucumaria frondosa japonica
     英名 sea cucumber,sea slug
     大きさ この標本は10cm

   82に続いてラベルに注目です。「きんこ 38.4 陸前金華山沖 購入」
  東北地方以北の浅海に分布する海鼠(なまこ)の一種をキンコといいます。このキンコを
 煮て干し、乾燥させた加工食品も光参(きんこ)といいます。キンコの分布する南限に当たる
 金華山付近では、金華山でかつて砂金がとれました。キンコの生殖巣が黄色いので、これは
 砂金の精がこの海鼠になったと信じられ、「金」の精である「こ=海鼠」の意でこの名前が付
 いたそうです。干し海鼠は中華料理の高級食材です。
   

栃高博物館 82 アカタカウニ

                   栃高博物館 82 アカタカウニ(コシダカウニ)
  
    分類 棘皮動物門 ウニ綱 ホンウニ目 サンショウウニ科
    学名 Mespilia globulus 
    英名 sea urchin
    大きさ 5cm(標本は2.5cm)
    分布 相模湾以南の磯
   
   ラベルに注目です。「あかたかうに 大正5.8. 三崎」 三崎は三浦半島南端の町です。
  「あかたかうに」というウニはいません。形からすると球形に近いので「コシダカウニ」だと思わ
  れます。栃高100年史によると大正5年には創立20周年記念式が挙行され、花火を掲げた
  そうです。それから、大正12年は関東大震災の年です。