調査研究通信
令和7年度 小・中学校における教員の資質・能力の向上に関する調査研究(小・中)学習会・第1回調査研究委員会
今年度は、県内の小・中学校より4名の先生方に研究協力委員となっていただき、昨年度の調査研究で明らかになった「校内研修が充実する5つのポイント」等を参考にしながら、教員の資質・能力の向上に資する校内研修の在り方について、実践研究していきます。
6月9日(月)に当センターにおいて、玉川大学大学院教育学研究科教授の久保田善彦先生をお招きし、「教員の資質・能力の向上に向けた授業研究の在り方」をテーマに学習会を実施しました。参加者は、研究協力委員の先生方と当センター職員の他、市町教育委員会及び県教育委員会事務局から参加を希望した指導主事でした。
前半は、「よい授業になる5つの要素」、「自己調整としての授業のリフレクション(振り返り)の必要性」等について詳しくお話を伺いました。後半は、「効果的・現代的な授業研究会の在り方」と題して、実際に端末を使いながら、生成AIの利用方法等、効果的なICT活用について知見を広めることができました。特に、「子どもの学びと教師の思いのズレに授業改善のヒントが隠されている」、「研究授業や校内研修の内容を、自身の授業改善にどのように生かすかを考え、行動に移すことが重要である」等の内容は今後の実践研究を進める上でのヒントとなりました。
午後は、研究協力委員の先生方とセンターの指導主事とで、和やかな雰囲気のもと、本研究の目的や進め方等に関する説明や打ち合わせをしたり、各校の取組や様子などを共有したりしました。活発な議論の様子から、今後の実践研究の充実に期待が持てました。
今年度も、調査研究委員会や学校訪問の様子など、本調査研究の途中経過をこの調査研究通信に随時掲載していく予定です。
〈全体会の様子〉
令和7(2025)年度 教育の情報化に対応した学校の在り方に関する調査研究 第1回調査研究委員会および学習会
今年度、研究調査部情報教育支援チームが取り組んでいる調査研究のテーマは、昨年度からの継続で「プログラミング教育の充実を目指して」です。小・中・高を通して児童生徒が習得すべき資質・能力およびカリキュラムの在り方等について調査研究を行い、本県のプログラミング教育の充実を図ることを目的としています。今年度は小学校、中学校の先生方に調査研究協力委員をお願いして授業実践やカリキュラムの検討を行います。
5月27日(月)、当センターにおいて、国立教育政策研究所教育課程調査官の渡邊茂一氏をお招きし、第1回調査研究委員会および学習会を行いました。講話の中では、中央教育審議会の資料をもとに、情報技術と情報教育を取り巻く現代社会の状況、情報活用能力を育成する取組の現状と課題などを伺い、プログラミング教育の大切さについて考えることができました。また、子どもたちが熱心に取り組み、楽しんでプログラミングを行っているたくさんの事例や、高等学校まで系統立てられたプログラミング教育のイメージなど、今後の調査研究を進める上でのヒントを得るとともに、渡邊調査官のプログラミング教育に対する熱い思いを拝聴しました。
学習会には研究協力委員や所内の指導主事のみならず、市町教育委員会、教育事務所、義務教育課、高校教育課、特別支援教育課の指導主事にも御参加いただきました。調査研究を進めるにあたり、関係各所とも連携・協力しながら進めていきたいと思います。
学習会後は、研究協力委員の先生方に、本調査研究の進め方等に関する詳しい説明を行いました。その後、授業実践を行う実施クラスの検討や次回の委員会に向けての打合せ等を行いました。
今年度も、調査研究委員会や情報教育支援チームでの打合せの様子など、本調査研究の途中経過等を随時掲載していく予定です。お楽しみに。
情報教育支援チームでは「とちぎ教育ICTポータルサイト」を運営しております。そちらでも調査研究の進捗を随時お知らせします。ぜひ御覧ください。
令和7(2025)年度 教科指導充実に関する調査研究 第1回調査研究委員会・学習会
今年度の高等学校における教科指導充実に関する調査研究のテーマは、「深い学びを促す単元(題材)を見通した授業デザインの工夫~自ら学ぶ生徒の育成を目指して~」です。今後2年間に渡り、各教科で「深い学び」に焦点をあてた授業の在り方を研究していきます。令和7年度は地歴公民科、理科(物理、化学)、保健体育科、農業科、工業科、商業科の授業実践を行います。
5月16日(金)、当センターにおいて、第1回調査研究委員会・学習会を行いました。京都大学大学院教育学研究科の石井英真准教授より、事前収録によるご講話をいただきました。講話を通して、深い学びを促すための問いの在り方や評価方法など、具体的な授業作りのヒントを得ることができました。
今後は、研究協力委員の先生方とセンターの指導主事とで議論を深め、具体的な指導計画を立てていく予定です。変化の激しいこの時代に求められる資質・能力を生徒たちに育成し生涯に渡って主体的に学び続けられるよう、深い学びを促す単元を見通した授業デザインについて研究していきます。
この調査研究通信では、経過を随時掲載していく予定です。
令和6年度調査研究(小・中)「私の学びを支える校内研修 ~教師として成長するために~」Web掲載について
令和6(2024)年度 小・中学校における教員の資質・能力の向上に関する調査研究(小・中)の成果物となる資料「私の学びを支える校内研修 ~教師として成長するために~」を、当センターWebサイトに掲載しました。
資料には、取材に協力いただいた学校の校内研修の様子や先生方の声、取材から見えてきたことなどを基にまとめた「校内研修が充実する5つのポイント」等を掲載しています。教員が資質・能力を向上させるためには、どのような学びが必要なのかを考える契機としていただきたいと思います。校内研修の企画・運営者だけでなく参加者も含めて、先生方一人一人が校内研修に前向きに取り組むための参考資料として、ぜひ御活用ください。
この調査研究は令和7(2025)年度も継続して行います。今後の調査研究通信でも、取組の様子を随時報告していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
令和6(2024)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 『理論編Ⅱ』『実践編』の公開について
今年度の調査研究の成果物となる資料、『教科における探究的な学習の充実~新しい時代に求められる資質・能力の育成を目指して~』の理論編Ⅱと実践編を、当センターWebサイトに公開しました。
「理論編Ⅱ」では、生徒の探究的な学習を充実させるツールとして「探究ルーブリック」に着目し、作成する際の考え方や活用方法、FAQなどを紹介しています。実践編では、「探究ルーブリック」を活用した7教科7科目(国語科、数学科、理科(生物)、芸術科(音楽)、外国語科(英語)、家庭科、情報科)の授業実践について、単元の指導計画や具体的な授業の展開、指導のポイントなどを掲載しています。
さらに、授業実践で活用した「ガイダンスプリント」、「探究ルーブリック」、「ワークシート」などの資料も掲載しています。新学期から始まる授業づくりのヒントや、授業改善の視点を与えてくれる資料がそろっていますので、ぜひご活用ください。