校長室から

校長室から

サッカー部(フットサル) 全国大会出場決定!!

      サッカー部(フットサル) 全国大会出場決定!!

   日本ライオンズ様に感謝です!!

 

 8月30日(水)に「第2回全国特別支援学校フットサル大会 関東予選」が東京都板橋区で行われ、本校サッカー部は見事3戦全勝で11月に福岡県で行われる全国大会に出場することが決まりました。

 この大会は「一般財団法人日本ライオンズ」様が主催で昨年度から行われているもので、特別支援学校の生徒がフッ トサルを通して、日々の鍛錬の成果を踏まえ、自校生徒間のチームワークを深めるとともに、他校生徒に敬意をもって接し、広く社会性を養い、就労への意欲を高めて、インクルーシブ社会の実現に向けた当事者としての成長をめざすことを目的に設置されたようです。

 日本ライオンズ様からは大会出場にあたり、各校から会場までの交通費を助成していただいており、東京での大会でしたが各家庭に出費していただくことなく、参加することができました。各家庭の出費が多いこの時期に無料で大会に参加でき、なおかつ日頃は関わることがない他県の生徒と真剣勝負ができたことは、生徒たちにとって何よりの学びとなり、人間的にも一回り成長できたように感じています。

 今回は本校が優勝させていただきましたが、東関東地区の対戦した各学校の生徒さん達はどのチームも礼儀正しく、応援の姿も立派で、私たち職員にとっても学ぶことの多い有意義な大会でした。

 11月の福岡で行われる全国大会では、日本ライオンズ様に再度交通費と宿泊費を助成していただきます。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。この大会を準備していただき、参加させていただいたことを通して、フットサル以外の社会性や人間性を育むための様々な経験を重ねることができました。福岡大会は東関東地区の各校の想いを背負い、また日本ライオンズ様への感謝の思いを胸に頑張れるよう、準備を進めて参ります。

 つくづく、地域や社会に支えられて学校は成り立っていると感じられる大会でした。

   本当にありがとうございました。

    

1学期を終えて

 4月からアッという間に時は過ぎ、7月20日(木)は1学期の終業式でした。

暑さを考慮し校内放送での終業式となりましたが、各教室では私の話をきっかけに、夏休みの過ごし方について考えてくれたようです。

 終業式の講話の中では、「振り返りをしっかりとやり、どうすればうまくできたかをじっくりと考えてほしい」と伝えました。

 学校ですから学期中にはいろいろな予想外の出来事が起きました。でもその都度、先生方には「今後どう対応、準備  をすれば、未然防止やダメージを最小限に抑えることができるのか生徒とともにしっかりと考えてほしい」と伝えてき ました。どんな小さなヒヤリハット事例をも全職員で共有してきたのもそのためです。

 夏休みは少々暑いですが、考えるための時間はたっぷりとあります。

生徒も教員もしっかりと前を見据えて、失敗を恐れることなく、ピンチをチャンスに変えられるよう、課題を真に理解し、改善策の準備をしてほしいと思います。

 そのためにはまずはリフレッシュ!!

旬のおいしいものを食べ、美しい景色を見て、体と心の休養をしっかりと取って、次に向かうエネルギーをチャージしてほしいと思います。

 みなさん、有意義な夏休みをお過ごしください。                                                                                                                                     

                                 

 

「令和5年度が始まりました!!」

 

 本年度着任いたしました校長の鈴木輝美です。若葉のようなみずみずしい感性を持った生徒たち、そしてすばらしい専門性を兼ね備えた教職員ともども、1年間よろしくお願いいたします。

 さて、今年は1年生80名、2年生76名、3年生66名の全222名でスタートします。

 本年度は新型コロナウイルスも一段落し、校外での教育活動が活発にできそうで、今からワクワクしています。

 コミュニティショップ「きょうの森」(カフェ)でのパンの販売や接客サービスは引き続き行っていきます。また福祉分野の学びの一環である生活ホーム棟1階を開放した地域の皆様との活動も、随時再開していく予定です。就労体験学習や産業現場等における実習も通常の時間や期間、できるようになっていくと思います。

 生徒たちは地域の皆様や企業様等のお力をお借りして、実経験を通して知識や技能を身に付けていきます。そしてそれらの活動を通して人間的にも大きくなって社会に羽ばたいていく予定です。

 栃木県唯一の高等特別支援学校として職業的な自立を目指した教育を実践し、社会に貢献できる人材の育成を目指して日々の指導を行っております。皆様に「青葉があって良かった」と思ってもらえるような学校づくりを進めてまいります。どうか本校生への温かい励ましをよろしくお願いいたします。

                                                   ~きょうの森キャラクター『あんパン君』です。よろしくおねがいします。~ 

 

令和4年度 卒業式

 穏やかな日差しに春の訪れが感じられる本日、令和4年度・・・本校第5期生の卒業式を挙行しました。校舎や式場となる体育館は本校の生徒たちが心を込めて育てた花々に飾られ、また、生徒・職員全員に配られた祝菓や卒業生ひとりひとりの胸に飾られたコサージュも生徒たち自身の手によるものです。本校の特色とも言える気持ちのこめられた手づくりの卒業式です。新型コロナ感染予防対策で参加人数は制限しましたが、式場内では115名の保護者・家族の皆さんが参加してくださり、1・2年生が各教室でリモート配信で式場の映像を見守る中、本校第5期生74名が立派に卒業証書を受け取り、この宇都宮青葉高等学園を巣立っていきました。
 第5期生が入学した3年前の4月は一斉休校の時で、入学式以降も学校に登校できないという、新入生にとっては不安この上ないといった状況でした。登校開始後も様々な制限を余儀なくされ、さらにそれが2年次、3年次と続いた3年間でした。しかしそうした中でも、生徒の皆さんは授業や行事に精一杯前向きに取り組み、大きく成長した姿を見せてくれました。卒業証書を手渡すときのひとりひとりの眼差しから、喜び、満足感、安堵感、そして何よりもこの宇都宮青葉高等学園での3年間をしっかりとやり遂げたという自信が感じられました。後輩である1・2年生に対して「目標となる先輩の姿」を学校生活の様々な場面でしっかりと示してもくれました。4月からの新3年生、新2年生に令和5年度入学生80名が加わって、そうした先輩たちの後に続いて行ってくれると確信しています。、
 卒業生の皆さんの4月からの新たな職業生活、社会生活、家庭生活が、明るく笑顔の多いものになることを心から祈っています。

新年を迎えて

 昨年10月半ばから増加している県内のコロナ新規感染者数は、新年になっても1000人台から3000人台の間で推移して、減少傾向・・・とは言い難い状況が続いています。「10月半ばから」というと、学校では2学期の後半、いくつもの大きな行事・イベントが計画されていて、その実施の可否の判断には非常に神経を使いました。結果として、「コロナ対策の徹底」を大前提とし、行事によっては内容の変更・縮小といった対応をしながらも、ほぼ予定通りの活動を実施することができました。

 10月末には、本県あげてのイベントである全国障害者スポーツ大会栃木大会が開催され、開会式前日には秋篠宮様ご夫妻の本校へのお成りがありました。大会への出場選手は数日前から厳密なコロナ対策の中で試合参加への準備を進め、参加選手全員が元気にその持てる力を発揮してきました。開会式当日は、選手以外の全生徒で午前中の開会式に参加し、午後は各種目別に分かれて観戦・応援として各会場を盛り上げました。

 11月には、アビリンピック全国大会への出場、青葉祭の開催と、生徒それぞれが日頃の取組の成果を大いに発揮することができました。

 12月には、2年生の修学旅行を実施。当初の予定を変更・縮小して1泊2日の仙台方面という内容でしたが、生徒たちにとって思い出に残る2日間を過ごすことができたようです。また、ハートピックのフットサル大会が3年ぶりに開催され、本校の選手たちは見事なプレーを見せてくれました。

 また、今年の冬休みは、久しぶりに行動制限のない年末年始となり、昨年まではできなかった外出等もできたのではないかと思います。コロナ禍の状況が続く中でも、「ウィズ コロナ」での日々の生活を送れることができるようになってきているのではないかと思います。

 今年の元旦も素晴らしい快晴で、きれいな初日の出を見ることができ、清々しい新年のスタートとなりました。そして今日、令和4年度第3学期の始業式を迎えることができました。「ウィズ コロナ」の学校生活はまだ継続しなければなりませんが、今年度のまとめとなる3学期・・・特に3年生にとっては、学校生活・学生生活のまとめとなる約2か月・・・を、共に過ごす仲間と共に、充実した時間にしてほしいと思います。 

 そのためにも、私たち教職員も一丸となって、限られた状況があってもその中で最大限の効果を目指して、引き続き学校生活の充実に取り組んでいきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。                       校長  粂川剛士

秋篠宮皇嗣殿下・同妃殿下が本校を御視察されました

 秋篠宮皇嗣殿下・同妃殿下が御臨席、御覧になられる全国障害者スポーツ大会とちぎ大会開会式の前日となる10月28日(金)に、両殿下が本校を御視察されました。
 始めに食品実習室前で、パンや焼き菓子づくりの様子をご覧いただきました。作業中の生徒・職員は共に、実習室内から両殿下に一礼し、いつも以上に笑顔で張り切って作業に取り組んでいる姿が見られました。食品実習室の実習の様子は、ガラス越しにご覧いただきましたが、パンや焼き菓子を手作りする生徒の様子や焼き上がったパンをご覧いただき、とても興味を持たれた御様子でした。
 福祉実習では、身体の障害のある方が車いすからベッドに移乗するという想定で、その際の介助方法の実習をご覧いただきました。多くの報道関係者にも囲まれていたこともあり、生徒達は緊張した面持ちではありましたが、生徒2名でペアを組み、「介助する側」と「介助を受ける側」それぞれの立場で、よりよい介助の在り方について意見や感想を出し合いながら実習を進めていました。両殿下からの御質問に、緊張の様子は見られながらも、しっかりとお答えしている生徒達の姿には感心しました。
 清掃実習では、ポリッシャーを使った床クリーニング作業の実習をご覧いただきました。ポリッシャーの作業担当者と共に、ポリッシャーが届かない細かな部分を手作業で磨く担当、ポリッシャーから出た洗剤(水分)を数か所に集める担当、ウェット・バキュームで水分を吸い取る担当、と役割分担し、互いに声を掛け合って進捗状況を確認しながらタイミング良く自分の担当作業を進め、時には他の担当のサポートをしながら、チームとして床クリーニング作業の完了を目指す動き方の実習にしっかりと取り組めていました。
 両殿下は、こうした生徒達の取組や指導に当たる教員の様子を熱心に御覧になられ、生徒達に直接御質問され、また、励ましのお言葉をかけてくださいました。生徒達にとっても心に残る貴重な経験になったことと思います。

                                            

令和4年度 2学期のスタートにあたって

夏休みが終わり、2学期が始まりました。始業式では、以下の内容を生徒の皆さんにお話ししました。生徒の皆さん一人一人が、それぞれの形で取り組み、持てる力を発揮=「自分を表現」できることを期待したいと思います。保護者・ご家族の皆様を始め、生徒達に関わる多くに皆様にも、ご理解とご支援をお願いいたします。

 

『夏休みが終わりましたが、まずは、その間、皆さんが大きな事故なく過ごせたということ・・・それは、皆さん一人一人がしっかりと自分の行動や生活をコントロールできて夏休みを過ごせた結果の現れだと思います。地味なことかも知れませんが、毎日の生活を、地道にしっかりと繰り返し積み上げていけるということは、本当に素晴らしいことだと思います。

今年の夏は、新型コロナによる行動制限のない夏休みでした。コロナ禍以前と同様とまではいきませんが、対策をとりながらであっても、夏休みを楽しめた皆さんも多かったのではないかと思います。そうは言っても、全国や栃木県内の新規感染者数はなかなか減らず、いわゆる「高止まり」という状況です。それを受けて栃木県では、8月31日までの予定だった「とちぎBA.5対策強化宣言」の期限を9月30日まで延長することになりました。感染予防対策を確実に実践し、「自分自身を守ることは、自分の周りの大切な人たちも守ることになる」ということを、改めてしっかり意識して、2学期の学校生活を送ってほしいと思います。

1年生は、1学期に引き続き流通・環境・食品・福祉の各分野の授業をしっかり学びながら、自分が得意なこと、苦手なこと、自分がこれからもっとやってみたいことなどをつかんでいってほしいと思います。それが、自分を知るということになりますし、来年度の職業コースの選択のためにとても重要になってきます。

2年生は、初めての現場実習があります。事前学習と共に、気持ち・・・やる気ですね。それと体・・・自身の健康管理について、しっかり準備をしてください。不安や緊張の中にいる人もいると思いますが、実習を通して、働くことのやりがいや充実感、そして厳しさや今後もっと成長していかなければならない点などをしっかりと感じてきてほしいと思います。修学旅行もありますね。楽しみですね。

3年生の現場実習は、卒業の進路選択に直接結びつくものになってきます。1学期の課題を克服し、卒業後の進路の実現のために、普段の学習の中で目的意識を明確に持って取り組んでください。そしてもう一つしっかり考えてほしいことがあります。それは、今、皆さんが卒業後の進路先の候補と考えている企業や事業所が、その業種の仕事を通して、世の中の人たち、地域のためにどのように貢献しているのか・・・実習先の「自慢できるところ」・・・をよく知り、理解するということです。できれば実習報告会などでも後輩たちに「自慢」できると良いと思います。それは、皆さんがその企業や事業所で働くときの「やりがい」につながるものです。そして、それが、就職した後、長く働き続けられる気持ちの土台にもなります。日一日と近づいてくる卒業のその先の自分自身の日々を「やりがい」「生きがい」をもって生活していけるように、しっかりと考え、見つけ出してほしいと思います。

 最後に、栃木県としては、いよいよ「いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会」(栃木国体・第77回国民体育大会)と皆さんの中からも出場する「第22回全国障害者スポーツ大会」が開催されます。加えて、全国アビリンピック大会などもあります。そうした大会などのイベントや学校生活の様々な場面で、皆さんそれぞれの持てる力を発揮できる機会があります。「学ぶこと(将来の「働くこと」)と「楽しむこと」をしっかりと両立させて、全員が充実した2学期を送れるように頑張りましょう。』

宇都宮青葉高等学園の受検を検討されている皆さんへ

 中学3年生の皆さん、義務教育最後の年になり、中学校卒業後の進路を決める年になりました。

中学校卒業後の自分の進路は、自分で決めなければなりません。それは、皆さんの人生の中で初めてのことになると思います。もちろん自分で考えるために、家族や学校の先生と相談しながら、決めることになると思いますが、最終的には「自分で決めた」と自信をもって思えるようにしてほしいと思います。

 その進路の候補の一つが本校、宇都宮青葉高等学園です。

本校は、軽度の知的障害のある生徒の皆さんの職業的な自立を目指した教育を実践する特別支援学校です。今年で開校7年目を迎え、これまでに4回の卒業生を送り出してきました。卒業生全員の就職を目指して取り組んでいます。各年度とも90%以上の生徒が企業・事業所に就職し、ほとんどの生徒が、現在もそれぞれの職場で頑張っています。

 

「職業的自立」とは・・・本校卒業後、「働くこと」を軸・基盤にした生活を送れるようになること・・・です。本校は、知的障害のある生徒の皆さんのための特別支援学校ですから、企業・事業所の「障害者雇用枠」で就職できることを目指します。そして、その就職をゴールとするのではなく、その職場でその後も長く働き続けるために必要な力を育てる教育に力を入れています。

そのために、本校は「職業科」の学校で、「流通」「環境」「食品」「福祉」の専門的な内容を学ぶことができます。また、その学び方の一つとして、就業体験という実際の事業所や店舗、工場などで体験的に学び経験を積む学習を繰り返し行うなど、実際の働く場で生かせる力を身に付けられるような、そして社会人として責任を持って働くことができるようになるための学習を用意しています。生徒の皆さんが、意欲を持って本校の学習に一生懸命に取り組むことによって、就職という学校卒業後の次のステップに進める可能性が高まっていきます。

 

私は、この「意欲」をもてるということが、生きていく上で最も大切なことだと考え、本校の指導方針の中で、最も重要な目標の一つと考えています。

ですから、本校への入学を希望する皆さんは、何よりもまず、学校を卒業したら就職したいという夢・・・というよりももっと現実的な「目標」を持ち、そのために「宇都宮青葉高等学園に入学して、3年間頑張る。」と強い気持ちを持っている人であってほしいと思います。

 

 「自分は本当に青葉がいいのかな?」という不安や心配は皆さんあると思いますので、家族の皆さんや中学校の先生方とじっくり話し合って考えましょう。その上で・・・繰り返しになりますが、最終的には「自分自身が納得して決めて」ください。「誰々に言われたから決めた・・・」という思いがどこかにあると、これからの人生で、困難に突き当たったときに「逃げ」の気持ちにつながってしまいがちです。「自分で決めた」「就職という目標を実現したい」という思いが、困難をも乗り越える原動力になります。

 

 本校は、「青葉に入学して頑張りたい」という気持ち・決意を持てた人には、本当に楽しく、学びがいのある学校だと思います。どうか保護者、ご家族と生徒さん本人が「同じ方向を向いて」本校への入学を希望していただけることを期待しています。

【令和4年度 学校経営計画②】「教育目標」・「校訓」について

令和4年度の学校経営計画に掲げている本校の「教育目標・校訓」について、お話ししたいと思います。

本校の教育目標を以下のように読み解くと、その主旨がわかりやすくなると思います。

 

 「職業的な自立を目指した教育により」

職業科の専門的な「知識」「技能」及び「態度」に関する学習(指導)を通して。

 「働き続けるために必要な力を培うとともに」

「就職」+「定着(離職せず継続)・成長」できる力(知識・技能を、自ら学び続けられる・人から教えてもらえる態度)を身に付けられるようにする。

 「豊かな人間性を育み」

「人」として望ましいものの見方・考え方・行動の仕方=「人柄・人間性」を育てる。

 「社会に貢献できる人材を育成する」

「働くことの意義」を「社会への貢献」と意識・実感できるようにすること。

 

 「働ける力」とは、「(仕事に必要な・専門的な)知識・技能(技術)」と「(仕事に向き合う)態度」と一般的に表現されますが、「(知識・技能により)仕事ができること」と「仕事に真面目に取り組める…などの望ましい態度」をバランス良く兼ね備えることが大切です。

「知識・技能(技術)」を身に付ける…自ら学んだり、人から教えてもらったりする…ための原動力は「意欲」です。そこには「自分はまだまだ学ばなくては…」といった現状に甘んじない姿勢や、周囲の人々からの教えや指摘を素直に受け止められる「謙虚」さが不可欠です。また、周りの人々に「教えてあげよう」と思ってもらえるような「協調的・共感的な人柄」も大切です。さらに、「働ける力」には、今できること・身に付けていることを発揮できるだけでなく、職場環境に適応し、その力を成長させながら継続的に発揮できる、すなわち「働き続けられる」という視点が重要であると考えます。

こう考えてみると「職業生活」という全体的な視野で見た場合、「働き続けられる人」になるためには、「仕事ができる(できることを増やす)こと」と、それを支える土台として、仕事に向かう「意欲的な態度」や関係する人々との「よりよい人間関係づくり(謙虚さや協調性)」と、それらの積み重ねによって得られる「信頼感・信頼関係」など、「人」としての「共感的な人柄・豊かな人間性」がより大きく影響してくると考えることができます。

また、企業や事業所、団体等には「存在目的・意義」があり、それを果たすことで社会に貢献しています。働く人々は、自分が担当する目の前の業務を確実に遂行することで、その企業等の「存在目的・意義を果たす」ことに関わり、貢献しています。職場における自らの役割と責任を果たすことを通して「自分も社会に貢献している」という自覚と自負をもてるようなることは、「職業的自立」にはとても重要な意識であり、同時に、「自己有用感」や「働き続けるための意欲」を高めることにもつながっていきます。

生徒の職業的自立を目指す本校では、こうした考え方を踏まえて、「教育目標」において「働き続けるために必要な力」と表現し、併せて「豊かな人間性の育成」を掲げています。

 そして、生徒達が、自らの成長のための指針として意識できるように、校訓として「礼節 誠実 協力」を掲げています。それぞれの言葉の内容についての考え方は以下のとおりです。

 
礼節」「節度ある礼儀」として、形だけの礼儀や挨拶ではなく、相手を敬い、「思いやりの心」を伴った礼儀であること。
「誠実」…常に自分を見つめ直し、人の話を聞ける「謙虚さ」をもち、真面目に粘り強く取り組む心をもてること。
「協力」…相手と自分というお互いを「認め合い」、力を合わせる心(共感・協調)をもてること。

 本校では、「働き続けられる『人』」を育てること…を大切にしていきたいと考えています。