進路指導室より
ラクな種まきで苦労の花が咲く
11月13日(水)
文明の利器としてのスマホやタブレットは、今や私たちの生活に欠かせない道具となりました。それらはとても便利で快適、わずかな労力だけでいろいろなことを知ることができるし、世界中の人々とつながることができます。とにかく「ラク」です。しかし、何事にも二面性があります。
スマホやタブレットに「子守り」を任せるようなことも最近は当たり前ですが、様々な研究によってそれらの機器が発育に大きな影響を与えることも分かってきているようで、日本医師会も乳幼児期の使用について警鐘を鳴らしています(H31.3 日医ニュース)。いつも使わせていると、取り上げようとすれば泣いて暴れるようになり、すでに「依存」状態に入っているのだそうです。
人は誰しもラク(負荷の低いこと、楽しいこと、気持ちの良いこと、癒されること等々)を求めるように脳がプログラミングされています。大人ですらそうなのですから、未熟な子どもたちであればなおさらです。しかし、今のラクな種まきは将来苦労の花を咲かせ、結果責任として自分に返ってきます。一度「依存」状態に陥ってしまうと、どんなことでもそこから抜け出すことは簡単ではありません。
とはいえ、いつも苦しいことばかりでは心も体も健康を保てません。ストレス耐性を少しずつ高めつつ、ラクに「流される」のではなく、ラクを主体的によりよい形で求める方法を、まずは大人が考えていかなければならないと思っています。
障害基礎年金について その4
新規開所情報
10月8日(火)
10月1日、真岡市に新しいA型事業所が開所しましたのでお知らせいたします。
事業所名:株式会社スイッチ真岡
所在地:真岡市田町1651-4
また、株式会社スイッチ下館につきまして、移転しましたので併せてお知らせいたします。
移転先:茨城県筑西市茂田1773-1
第2学期産業現場等における実習が始まりました
9月24日(火)
高等部2、3年生が「産業現場等における実習」に取り組んでいます。2年生にとっては初めての実習です。事前学習では緊張している様子がうかがえましたが、自分なりに頑張ってほしいと思います。
3年生はいよいよ自分の進路先を決めるための実習になります。これまでの学習の成果を発揮してほしいと思います。
《今回実習の御協力をいただいた事業所》
「アットホームいちかい」「マルシンフーズ」「関研磨工業所」「IJTT」
「県東ライフサポートセンター・真岡」「わらくや」「ハート二宮」「SBワークス真岡」
「美里学園レスパ」「ワークショップ菜の花」「多機能型事業所そらまめ」「あさひ」
「友愛作業所」「デイセンターすぎの芽」「プレリュード真岡」「ふらっと宇都宮ゆう」
「スイッチ」「ユーファーム真岡」「たすかる市貝」「セルプ・みらい」「さくら作業所」
「チャレンジドファーム真岡」「益子マインド」「おらが市貝食堂」「そうそう長沼」
「Ichikai BASE」「手仕事工房そら」「とちぎライトセンター」「多機能型支援事業所むすび」
(順不同 敬称略)
障害基礎年金について その3
9月3日(火)
「障害基礎年金について その3」をUPしました。御覧ください。
初めにお伝えしたように、この「障害基礎年金シリーズ」は2年前に「進路だより号外」として配付したものです。「ずっと保管して役立てた」という嬉しいお便りがあったことを御紹介しましたが、先日また別の方から次のような御意見もいただきました。
「手続きをしている中で、過去にもらった『進路だより』を参考にしている。しかし、紙で読むのと実際の手続きは違うことも多く、なかなか苦労している。」
「進路だより」は、進路担当が各所から情報を集め、つなぎ合わせて作成したものです。大きく間違った情報をお伝えしていることはないと思いますが、あくまでも参考資料をまとめ直したものですので、正確な情報は年金の公的窓口に御確認ください。大まかな流れを知るためのものとして活用いただければ幸いです。
最低賃金について
8月6日(火)
本日の朝刊にて、栃木県の最低賃金が10月から「1,004円」に引き上げられることが決定された、と報じられました。前回の改定から一気に50円の上昇となります。長引く物価高騰対策として大幅な引き上げは予測されていましたが、栃木県も目安とされていた「50円」の上昇で決着したようです。
本校においても、企業就労に進む生徒や、最低賃金を基準に報酬を利用者に支払う「A型事業所」に進む生徒にとっては、とても良い話題であると思います。ただ、事業所にしてみれば、社会保険制度の改定や原材料費、燃料費等のコスト上昇と併せて、ますます大きな負担を強いられることとなりますので、採用に関してはシビアに見てくることも予想されます。特に「A型事業所」の場合、より一層その傾向が強まるかもしれません。あるいは、存続自体が難しくなる「A型事業所」が増えてくるかもしれません。今後、動向をよく見ていく必要がありそうです。
福祉施設説明会を実施しました
8月5日(月)
去る8月2日、芳賀地区及び近隣地区の福祉施設をお招きし、「福祉施設説明会」を行いました。今回は午前の部、午後の部合わせて21事業所に来ていただき、保護者及び教員に対して施設の説明をしていただきました。
昼休みには即売会を実施し、多くの人で賑わいました。
お忙しい中御参加いただきました福祉施設の皆様、誠にありがとうございました。
障害基礎年金について その2
障害基礎年金について
7月10日(水)
数年前、「障害基礎年金」について紹介する「進路だより号外」を5回に渡って配付したことがありました。そのことで先日、卒業生の保護者の方から以下のようなお便りをいただきました。
おかげさまで、この度障害基礎年金2級を受給できることになりました。受給のための準備は、1年前からで「進路だより、号外~障害基礎年金について~」これを年金受給のためのバイブルとしてずっと活用していました。
これがなかったら、難しかったと思います。診断書を書いてもらう医師探しから、申立書の作成等、本当にエネルギーを使いました。私は、出生から受診歴、病歴、発達検査結果、成長の記録などを全てメモしていました。それでも、本当に大変でしたから。
軽度の障害の場合、既成事実や数字の記録は重要かもしれません。思いや漠然とした記憶では、説得力がない内容になってしまうからです。
「進路だより号外」
これは、これからもぜひ、迷える保護者の方たちに配布してください。どうぞよろしくお願いします。』(原文まま)
今回せっかくこのようなありがたいお声をいただいたので、当時の「進路だより号外」をホームページにも掲載します。よろしければ参考になさってください。なお、令和6年度用に数字等若干の修正を加えています。
clich here→障害基礎年金HP1.pdf
意思決定支援について
6月27日(木)
福祉関係機関の方とお話させていただく中で、表題の「意思決定支援」が話題に挙がることがあります。これは厚労省のHPにもあるように「成年後見制度」の枠組みの中で触れられることが多いようです。
「意思決定支援」とは、「意思決定に困難を抱える人が、日常生活や社会生活等に関して自分自身がしたい(と思う)意思が反映された生活を送ることが可能となるように、その人を支援することやその仕組み」(第二東京弁護士会HP)のことです。こうしてみると、進路指導はまさに「意思決定支援」を行いながら進めていくものであると言えます。
さて、先日保護者の方と懇談した際に、「うまく自分の考えを表出できない我が子に代わって、自分が進路先を決めてしまって良いのか」というお話がありました。なるほど、と思いながら「意思決定支援」が頭の中に浮かびました。
「意思決定支援」を行う際に留意することとして、厚労省HPには以下のようにあります。
❶(本人が)黙っているのは分からないから?考えることができないから?
❷それは(本人の)本当の思い?伝えたいことが他にあるのでは?
❸(本人に真実を)すべて伝える?それをあなた一人が決めてしまってよい?
❹本人に代わって決めてよい?できることはもうない?
自分の気持ちを言葉で表現することが難しい場合でも、実習中の態度や表情、自宅での過ごし方等、いろいろなところに非言語の意思表示が出ていることはあります。上記4項目を参考に、学校と御家庭で本人のちょっとしたサインを見逃さないよう、協力しながら進路指導を行っていきたいと考えています。
ただ、選択における「ベスト」は、その時点では誰にも分からないものだということも事実です。私自身にも言い聞かせていますが、「後悔するのも人生」というくらいの、おおらかな心持ちでいられたらよいですね。