日誌

2014年4月の記事一覧

ナガサキアゲハよ、飛んで来い!

 栃木県内でナガサキアゲハが初めて確認され、撮影に成功したのは平成19年5月12日のことです。撮影された場所は、本校裏山のあしかがの森 足利病院「ほたる沢公園」です。撮影者は、本校元校長田村澄子先生のご主人、画家の田村直樹さんです。
 これに先駆けて、本校の校庭には、平成11年に実施された県立学校個性化アクションプランによって、「ちょうの里」として、シロダモ、ダイダイ、夏みかんなど、蝶が好む柑橘系を中心とした10数種類の木々が植えられました。
 当時のこと、田村先生の御指導によって、アオスジアゲハの越冬サナギ、通称オキクムシを採種したり、食草であるウマノスズクサを「ちょうの里」に植えたりしました。
 ナガサキアゲハはクロアゲハに似ていることから、なにげなく校庭を飛来しているのかも知れませんね。今度、よく観察してみましょうね。
 

延べ720羽の小鳥たちが巣立つ!

 本校裏山に巣箱が本格的に架設されるようになったのは、平成4年度からです。その契機となったのは、その前年の冬のこと、しんしんと降る雪の中、朽ちかけた古い巣箱をアオゲラが出たり入ったりしていました。また、中学部の生徒が「クラスで小鳥を飼いたい」という希望をもっていました。しかし、当時は喘息で入院している生徒も多かったことから、裏山に巣箱を架けて観察することになったのです。
 あれから20年の年月が過ぎましたが、裏山から巣立つ小鳥たちは延べ720羽を超えています。これは、生徒たちの観察記録から、1シーズンで概ね6箇所以上で繁殖が観察されていること、1つの巣に卵が平均6個あることから、20年間で少なくとも720羽の小鳥たちが巣立ったことが推測されるのです。
 今年は、何羽の小鳥たちが巣立つのでしょうか。静かに見守っていきましょう。
 

ブルーベリーの花はかわいいよ!

 校庭の南側にある「野鳥の庭」にあるブルーベリーの花が咲きました。このブルーベリーは、平成23年12月に、「大塚実みどりの基金」による「ふるさと"とちぎ”みどりづくり事業によって16本植樹されました。これとともに、プールの東側に花壇が整備され、その西側にみかんの木が7本新たに植樹されました。(社団法人 とちぎ環境・みどり推進機構の支援による)
 このブルーベリーは、ツツジ科スノキ属の低木で、ツツジと似た性質をもち、酸性土壌を好む果樹です。よく「花が咲かない」という話を聞きますが、多くの場合、植えられた環境(土壌)がアルカリ性のためと考えられます。根本に市販されているピートモス(カナダの水苔を腐熟させた園芸資材)などをすき込んでやると、やがて花をつけるようになるようです。
 今年も、おいしい実がつきますように・・・・。小鳥たちと楽しみに見守っていきましょう。
 
  

ホーホケキョ のお話 ♪

  学校の裏山では、いよいよ児童生徒による自然観察が始まりました。
「先生、ウグイスも巣箱に入るの?」という素朴な疑問をなげかける生徒たち。ウグイスのさえずりがたくさん聞こえます。
「巣箱を利用する鳥は、カラ類(シジュウカラ、ヤマガラなど)、ゲラ類(アオゲラ、アカゲラなどのキツツキ)、フクロウなど・・・・数種類の鳥たちにしか利用されません」
メジロなどはお椀型の巣を作ります。巣箱のように屋根があるとだめなんですね。
「ウグイスは、一年中ホーホケキョって鳴いてるんですか」
冬は、笹鳴きとかといって「ジェッ、ジェッ、ジェッ・・・」と鳴きます。なんだか「アマちゃん」みたいですね。そして、春になって日が長くなると、ホーホケキョと鳴けるようになるんです。鳴き始めは、ホーホケキョときれいに鳴けません。よく聞いてみてください。個体によって同じ鳥でも鳴き方に個性があるんですよ。
  

たまごをあたため始めた親鳥

 月22日(火) 学校裏山に架設した巣箱で、待望の抱卵が始まりました。写真の鳥は、シジュウカラです。この角度からでは、雄か雌かはわかりませんが、首元に黒いネクタイをしており、太くてはっきりしている方が雄です。
  観察の際に、巣の近くでガラガラガラ・・と鳴いている時は、外敵に対する威嚇なので注意が必要です。また、抱卵中の親鳥は、めったなことでは卵やヒナから離れません。しかし、興奮させてしまうと、尾羽を思い切り開いて、シュッ、シュッという音を出して威嚇します。観察には細心の配慮が必要です。
 こうした本校における観察や活動をとおして、児童生徒のみなさんに自然の美しさや大切さを身近に感じてもらい、生命を尊重する心を育てることをねらいとしています。