進路指導室より

進路指導室より

産業現場等における実習において

9月30日(火)

 

 現在、高等部2、3年生が「産業現場等における実習」を行っています。地域の皆様にはいつも御協力いただき、誠にありがとうございます。

 さて、実習において事業所の御担当者様から、「気持ちをこめて」という表現でアドバイスをいただくことがあります。それを生徒に伝えようとするとき、大人の我々にとっても仕事に「気持ち」や「心」をこめることは、実はそう簡単なことではないことに気づかされます。というのも、生徒にわかりやすい適当な言い換えの言葉、伝わりやすい表現がなかなか見つからないのです。

 AIに尋ねると、「心をこめる」とは、『言葉や行動に相手への深い愛情、感謝、願い、祈りといった気持ちを込めて行うことです。単に作業をするだけでなく、相手を思いやり、真心や丹精を込めることで、物事の質を高め、相手にもその気持ちが伝わるようにするという意味合いがあります』と返ってきました。

 「単に作業をするだけでなく」…ここがポイントでかつ生徒たちにはとても難しいことだと思います。私は「自分がよくできた、きれいになった、と思える仕上げをしよう」と伝えましたが、自分が良いと思っていても周囲はそう思わないことも多々あります。さて、皆さんだったらどう伝えますか?

 

        

朝刊1面「障害者解雇最多262人」という見出しから

9月22日(月)

 

 9月21日の下野新聞朝刊1面に、標題の見出しが大きく掲載されました。内訳として9割近くが「就労継続支援A型事業所」からの解雇だったとのことです。

 近年爆発的な勢いで上昇する最低賃金や障害福祉サービス報酬改定等によって、運営が厳しくなったA型事業所が閉鎖やサービス形態変更の道を選んでいることは御存知のとおりですが、その結果が明確な数字として出てきたというところです。本校卒業生の皆さんについても、一般就労への移行、他のA型との新規契約等、進路変更を余儀なくされた方が多くいました。ここに加え、社会保険の加入要件緩和が決定しており、事業所にとってはさらに厳しい状況となることが予想されます。(資料参照)

 働きたいという意欲をもちつつも、様々な理由で一般企業への就労に結びつかなかった障害者にとって、雇用契約を結びしっかり働ける貴重な場がA型事業所です。もちろん労働者にとって多くの選択肢が用意されていることが望ましいのは言うまでもありませんが、社会状況の変化によってどうなっていくのか…今後の動向に注目しています。

 

(資料)社会保険加入要件の変化.pdf 

高等部3年生が資格を取りました

9月3日(水)

 

 このたび、高等部3年の生徒が「介護職員初任者研修」の資格を取得しました。おめでとうございます。この資格は民間資格ではなく、厚生労働省の基準に基づく資格です。取得すると、身体介助を単独で行うことができるようになり、雇用する側にとっても大きな戦力となります。

 夏休み期間中、土日とお盆休みを除く1か月間、宇都宮市の「宇都宮青葉高等学園」に遠路益子から通いました。研修の感想を本人にインタビューしましたので、ぜひ御覧ください。

 

 Q. 1日の研修時間はどのぐらいですか?

 A.9時から16時20分までです。

 Q.研修で大変だったことは何ですか?

 A.初めて会う人と自分からコミュニケーションを取るのが難しかったです。また、寝ている人の体位変換や着替えが

  大変でした。

 Q.受講生は全部で何名でしたか?

 A.11名です。私の他には宇都宮青葉高等学園と南那須特別支援学校の生徒がいました。

 Q.後輩にアドバイスはありますか?

 A.普段からコミュニケーションを積極的にとることが大切だと思います。また、仕事をするには体力や筋力も必要だ

  と感じました。

 Q.これからの目標は何ですか?

 A.産業現場等における実習でお世話になっている事業所に就職し、資格を生かして働くことです。

 

         

 

福祉施設説明会を実施しました

8月6日(水)

 

 今年度も多くの福祉施設の皆様に御協力いただき、7月30日に本校を会場として福祉施設説明会を開催しました。

 今年度は午前の部、午後の部で延べ130名を超える保護者の方々が参加しました。進路に関する意識の高まりを感じることができました。

 御説明いただいた施設の皆様、お忙しい中ありがとうございました。

 

  

福祉事業所向け学校公開を行いました

 7月11日(金)

  本校児童生徒が普段からお世話になっている、芳賀地区福祉事業所の職員をお招きし、学校公開を行いました。

 お忙しい中御参加いただき、ありがとうございました。

 

    

スマホ依存について

6月27日(金)

 

 今朝のニュースで、乳幼児に週5日以上スマホを利用させる親は、

・1~6歳児で17%強

・7~9歳児で31%強

という結果が出た、との報道がありました。おそらく実際はこれよりも多いのではないでしょうか。

 インタビューに答えていた母親からは「子どもには自制心はないので、親が管理しないといけない」との発言がありました。

 本校の児童生徒についても、多くの場合自己規制することは難しく、周りの大人が事の重要性を認識し、管理することが必要だと思われます。

 前々から保護者の皆様には学部懇談等の機会でお伝えしてきたように、卒業生の生活に「スマホ依存」が大きく影を落とす事例が見られるようになっています。ゲームや課金はもとより、副業詐欺やロマンス詐欺等の各種勧誘に巻き込まれる事例も出ているようです。

 「依存症」に達してしまった場合、治療には数か月から数年かかることもあると言われています。そして何より本人が「依存症から脱したい」という強い意志をもつことが、脱却の絶対条件だと言います。果たして子どもたちがその意志をもつことはできるのでしょうか。

 ”使わせる側”は表向き聞こえの良い文句を並べつつ当然自分たちの営利のことしか考えていませんし、その思惑はほぼ世界中の人々に見事に浸透したと思います。あとはその状況を受け入れつつ、自分の身をいかに守るかを考えるしかないのだと思います。

産業現場等における実習での1こま

6月6日(金)

 

 産業現場等における実習の巡回指導に行くと、卒業生に会うことが多くあります。学生時代よりたくましくなって、元気に仕事に取り組んでいる姿を見ると、懐かしさとともにうれしさもこみ上げてきます。

 先日訪問した事業所では、2名の卒業生からいろいろと教えてもらいながら、実習に取り組む3年生の様子が見られました。

 先輩方、これからも後輩のこと、よろしくお願いします!

 

          

1学期産業現場等における実習が始まりました

 

 6月2日(月)~13日(金)の期間、高等部3年生が産業現場等における実習に出かけています。また、2年1組の生徒は、真岡市立図書館で校外流通・サービスに取り組んでいます。

 地域の事業所の皆様には、いつも御協力いただき誠にありがとうございます。生徒たちへの御指導、よろしくお願いいたします。

 《実習先》

株式会社オガワ「アットホームたたら」

WinGraffit株式会社「わらくや」 

社会福祉法人飛山の里福祉会「ハート二宮」

株式会社スイッチ真岡

社会福祉法人こぶしの会「県東ライフサポートセンター真岡」

株式会社サプライズ「チャレンジドファーム真岡」

社会福祉法人益子のぞみの里福祉会「美里学園レスパ」

特定非営利活動法人ま・わ・た「多機能型事業所そらまめ」

益子まちづくり株式会社「友愛作業所」

合同会社Ichikai BASE

社会福祉法人恵友会「あさひ」

茂木町社会福祉協議会「ともだち作業所」

株式会社たすかる市貝

社会福祉法人こぶしの会「セルプみらい」

社会福祉法人幸知会「トータスアカデミー下栗」 

株式会社サシノベルテ「SBワークス真岡」

社会福祉法人晃丘会「ひばり」

特定非営利活動法人ふらっと宇都宮ゆう

株式会社ベストスマイル「ありがとうの花」

マインド株式会社「益子マインド」

(順不同)  

障害者雇用納付金制度に変化が

5月21日(水)

 

 先日の下野新聞に、厚生労働省が障害者雇用納付金制度の見直しを検討しているという記事が掲載されました。

 納付金制度とは、簡単に言えば「法定雇用率を満たしていない、従業員数100人以上の企業から納付金を集め、達成企業に報奨金として配分するとともに、各種助成金として活用する」というものです。納付金額は一般的に不足1名につき月額50,000円です。

 記事によれば、厚労省は「従業員100人以下の企業も対象に含めたい意向」で、年内に議論をまとめ、2027年の関連法改正を目指すとのことです。

 現在の法定雇用率は2.5%(従業員40人につき1人の障害者雇用義務)ですが、従業員が40~99人の企業には、雇用義務があるものの納付金の徴収は行われていません。この改正案は納付金の対象企業を拡大し、より一層障害者雇用を推進することを目的としていると思われます。今後の動向を見守りたいと思います。