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校長室便り
校長室便り
将棋大会県予選優勝!
9月13日(日)、宇都宮市にある栃木教育会館で行われた「第31回関東地区高文連将棋大会県予選」で、高校1年4組の竹熊くんが、見事優勝を果たしました。
竹熊くんは、中1から県大会で優勝を続けています。昨年度は全国でベスト8に入った強者なのです。県内では、もはや敵なしといったところでしょうか。
*今回の大会の感想は?
「6か月ぶりの試合だったので、慣れるまで苦戦しました。優勝するまで7回の試合を勝ちあがりました。最初から優勝を狙っていましたが、久しぶりだったので不安もありました。」
*12月に行われる関東大会の目標は?
「今から、こつこつ練習し、優勝するのが目標です。また、栃木県から出場する4人(他に、宇高、足高、文星)の総合成績で県ごとの順位がでるので、今年は栃木県のランキングを上げ、強いことを示したいです。」
*1年生にして、すでに栃木県を引っ張るリーダーとしての自信と風格が漂っていました。さすがですね。
高校生ディベート・オンライン練習会
今日は、高校生は、「準備型ディベートの合同練習会」がオンラインで開催されました。
参加した学校は、本校の他、宇都宮高、宇都宮女子高、宇都宮東高、栃木高、栃木女子高、作新学院高、足利高、足利女子高、大田原高、大田原女子高、矢板東高といった数多くの高校が参加しています。
参加した学校は、本校の他、宇都宮高、宇都宮女子高、宇都宮東高、栃木高、栃木女子高、作新学院高、足利高、足利女子高、大田原高、大田原女子高、矢板東高といった数多くの高校が参加しています。
今回の論題は、「The Japanese government should ban production and sales of fossil-fueled cars, including hybrid cars, by 2035」(日本政府はハイブリッドカーを含む化石燃料車の製造と販売を2035年までに禁止すべきである。)でした。
この論題について、生徒は事前に調べ、準備した上で試合を行います(=準備型)。
本校からは、2年生2チーム、1年生4チーム、計6チームが参加しました。
1年生(戸田さん)の感想:「今回は準備型だったので、昨夜は準備のため、あまり眠れませんでした。しかし、基本を確認できたので、頭がすっきりしました。準備をやっておいて良かったです。」
2年生(江部くん)の感想:「個人的には、もうちょっと準備をしておけば良かったなと思いました。新しいスタイル(準備型)だったので、参加してよかったです。チームとしては、頑張りました。」
*月に1回くらい、このような練習会を行い、12月に本番が行われるそうです。
栃木県は全国でもレベルが高いですので、力を付けて挑戦してください!
中学生ディベート・オンライン練習会
今日は、「第7回佐野市中学生親善ディベート大会オンライン」の講習会及び練習試合がZoom配信で行われました。附属中からは、最多の4チーム(2,3年生)がエントリーしています。
講習会(10:00~12:00)及び練習試合(13:00~17:00)は、中学1年生の3教室と選択教室の4会場に分かれて実施しました。今年は附属中からの参加者が多く、練習に熱が入っていました。かなり盛り上がっています。
今年度の論題は「日本は救急車を有料化するべきである。是か非か」です。
今日の練習に参加した生徒の感想です。
3年3組 大川隼くん
「今回が初めてのディベート大会だったので、とても緊張しました。ディベートが上手な人たちが集まったので、とても内容が濃いものになりました。今日の練習試合を踏まえ、本番ではより丁寧に対戦していきたいと思いました。
3年3組 黒川紗良さん
「初のリモートで不安はありましたが、チームメイトといつも通りのディベートが出来たと思います。去年も参加して、惜しくも準優勝だったので、今年こそはと意気込んでいました。リモートならではの立論の読み方や分かりやすさをしっかり確認できて良かったです。」
2年2組 小林美葵さん
「初めての本格的な練習試合だったので、少し緊張しました。立論では落ち着いて対応でき、質疑でも正確に質問できました。また、反駁の仕方など、難しいものも分かりやすく説明してくれたので、勉強になりました。本番に向けて頑張りたいです。」
*大会の本番は、10月4日(日)です。4チームとも、頑張ってください!
高2理系「英語表現Ⅱ」の授業見学
本日1限目、高校2年理系の「英語表現Ⅱ」(木村先生)の授業見学を行いました。
本時は「SGDsに関するプレゼンテーションを行う」というもので、先週から、順番に生徒全員が発表しています。
本時は「SGDsに関するプレゼンテーションを行う」というもので、先週から、順番に生徒全員が発表しています。
発表は、SDGsに関して自分でテーマを設定し、資料を探し、表やグラフを使って説明し、自分たちにできることを提言する、という内容です。
中島蒼(なかじま あおい)さんは、「Forests and global warming」(森林と地球温暖化)について発表していました。英語の原稿はすべて暗記しており、実に堂々と、わかりやすく説明していました。
発表後は、英語での質疑応答がありました。鋭い質問でしたが、うまく答えていました。
素晴らしい発表だったので、昼休みに話を聞かせてもらうことにしました。
*なぜ、このテーマにしたのかですか?
「去年の8月に宇都宮でSDGsに関するセミナーが開催されたので、それに参加しました。県内から高校生が20人くらい集まり、SDGsやプレゼンの仕方などについて、2日間学びました。その時、講師の先生がパームオイルについて話してくれました。パームオイルは日常の様々な製品に使われており、それを作るために多くの森林を伐採し、プランテーション(大規模な農園)を行っていることに衝撃を受けました。このことを多くの人に知ってもらいたいとずっと思っていたので、やっとその日が来た、という気持ちで、テーマに選びました。」
*本当に素晴らしいです。何か伝えたいものがあるとき、プレゼンは血の通った力のあるものになるんだなと感じました。
*来週も続きのプレゼンがあるそうなので、楽しみにしています。
学習指導員のMr Kushal の紹介
今年度、コロナ対策により、新たに国が配置する「学習指導員」として、Mr Kushal(クシャール)が着任しましたので、紹介します。

クシャール先生は、インド ムンバイ出身で、35歳です。
クシャール先生は、インド ムンバイ出身で、35歳です。
クシャール先生のお母さんが日本の大学を卒業しており、インドに帰国してから30年間日本語を教えていましたので、クシャールさんも、小さいころから自然と日本や日本人、そして日本文化に興味を持っていました。
クシャール先生は、2008年に立命館大学アジア太平洋大学を卒業し、三井物産で8年間仕事をしていました。2019年に、日本クリケット協会から、日本と佐野にクリケットを広める仕事を依頼され、佐野市で仕事をしていました。
クシャール先生は、月から金まで毎日、中学校全学年の英語の授業を担当します。
9月8日(火)3限目の「中学2年1組の英語」の授業(栗原先生)を見学しました。クシャール先生の2度目の授業ということで、授業の中での立ち位置が明確になっている感じがしました。
この時間のGoalは「自分の気持ちや様子を英語で言えるようになろう」です。
五感を表す動詞を使って英文を作り会話をします。
クシャール先生は、栗原先生とペアになり、実際にどんな会話になるのかお手本を示します。
また、生徒同士がペアトークをする際に、アドバイスをしたり、生徒とペアを組んで会話をしたりします。生徒は、クシャール先生と英語で会話することで、伝わっているんだなあと実感することができます。
授業終了後、生徒にクシャール先生の印象を聞いてみると、異口同音に「ユーモアがあり、面白い先生。明るくて話しやすいです。」という答えが嬉しそうに返ってきました。
逆に、クシャール先生に生徒の印象を聞いてみると、「すごくいい子たち。最初は緊張していましたが、今では、先生先生と話しかけてくれるようになりました。でも、あえて日本語ではなく、英語で返すようにしています。」
クシャール先生は、すでに、頼りになる人気者になっているようです。
ALTのMr Darienの紹介
今年度のALTとして、9月から Mr Darian(デリアン)が着任しましたので紹介します。

デリアン先生は、アメリカ、テネシー州出身の26歳です。日本には4年間住んでおり、3年前から、足利高校のALTとして、勤務しています。
デリアン先生は、アメリカ、テネシー州出身の26歳です。日本には4年間住んでおり、3年前から、足利高校のALTとして、勤務しています。
アメリカの大学で、プログラミングを学び、その後、中央大学に1年間留学しました。
日本に来たのは、温泉や侍、おいしいご飯のような日本文化が好きだからだそうです。
デリアン先生は、月と火の2日間来校し、中学3年生と高校1年生の授業を担当します。
そこで、9月8日(火)2時間目の「中学3年1組の英語」の授業(川俣先生)を見学しました。デリアン先生の3年1組の最初の授業です。
この時間は、デリアン先生を紹介するとともに、楽しく英語を学べる素敵なプログラムを川俣先生が用意してくれていました。
名付けて、「アタック25」でデリアン先生にアタック!(すいません。勝手に名付けました)
ゲームのルールは、生徒は4人1組のグループとなり、順番に、白板に書かれた25の番号を1つずつ選んでいきます。例えば、15番を選ぶと、川俣先生が独自に作成したデリアン先生への15番のクエスチョンを読み上げます。「Where are you from?」生徒は答えを予想して手を上げて英語で答えます。デリアン先生が正解か不正解か答えます。正解すると、そのグループは15番のマスを獲得します。これを順番に繰り返し、縦・横・斜めのビンゴを目指します。
ちなみに、川俣先生が用意していた質問には、このようなものがありました。
「Which do you like better short hair or long hair ?」
「Who is your favorite singer ? 」
「When you are JH student, which club did you belong to ? 」
また、質問がブランクの番号もいくつかあり、その場合は生徒が質問を考えて、直接デリアン先生に質問します。例えば、生徒はこんな質問をしました。
「Do you have a girl friend ?」
こうして、楽しい時間はあっという間に過ぎ、デリアン先生と生徒との距離も縮まりました。生徒たちから「デリアン先生は明るくて親しみやすい。これから楽しくなりそう。もっと来て欲しい。もっと会いたい!」といった声が聞かれました。
また、授業終了後、生徒たちに、今日の質問の中で一番興味を持ったものは何?と聞いたところ、女子生徒は全員「Girl friend!」 と答えていました。
一方、デリアン先生に生徒の印象を聞いてみると、「すごくいい子たち。答えがわからなくても何度でもトライしてくる。授業に興味を持ち、楽しんでいるのが印象的。」と答えてくれました。
高3「フードデザイン」の授業見学
火曜の3,4限目は、恒例の高3「フードデザイン」(森戸先生)の授業があります。
今日は、「コロッケとコンソメスープ」です。
今日は、「コロッケとコンソメスープ」です。
今回はコロッケなので、衣を付けたり、油で揚げたり、一気に難易度が上がったような気がします。
まずは、コロッケの材料であるジャガイモ(皮をむいて茹でる)とタマネギ(みじん切り)、コンソメスープの材料のにんじん・タマネギ・セロリ・インゲン(1cm角切り)を準備します。
次に、コロッケの材料のタマネギとひき肉を炒めます。炒める手つきもだんだん堂に入ってきました。
茹でたジャガイモを炒めたタマネギ・ひき肉とよく混ぜ、形を整えたものに衣をつけていきます。この時、衣をつける順番が今回のポイントの一つだそうです。
油の温度は180℃、温度計を使って計測します。コロッケを油に入れる時、油がはねないようにするのも、今回のポイントです。
並行して、コンソメスープもつくっています。コロッケも完成です。使い終わった油は、「固めるテンプル」の粉末を入れて固めます。固めると生ごみとして捨てることが出来ます。
さて、いよいよ試食です。この瞬間のために、生徒たちは頑張ってきました!
皆、出来栄えには自信がありそうです。
最後に今回の感想を聞いてみました。
「油で揚げるのは初めてでしたが、やってみるとそれほど難しくはありませんでした。」「難易度は、3段階の2くらいです。」「コロッケがこんなに簡単にできるとは思いませんでした。」「おいしくできました!」
どの生徒からも満足そうな答えが返ってきました。毎週、火曜日の4時間目の調理室には、幸せな雰囲気が溢れています。
旭城祭~野球部招待試合
本日、旭城祭の企画の最後を飾る「野球部の招待試合」が本校の野球場で行われました。
3年生が引退した本校の野球部は、1,2年生で7名となりましたので、足利清風高校との合同チームを組むことになりました。本日は、宇都宮東高校(壬生高校との合同チーム)と矢板東高校を招待し、県立中高一貫教育校3校での練習試合を行いました。

試合は、9時少し前から、「佐野高・足利清風高合同チーム」対「宇都宮東高・壬生高合同チーム」の対戦から開始しました。空には秋を思わせる雲が見られましたが、前線に向かって流れ込む暖かく湿った空気や気圧の谷の影響で、すぐに厚い雲が垂れ込めてきました。
3試合目の「佐野高・足利清風高合同チーム」対「矢板東高チーム」の対戦は、3時過ぎに雷雨のため8回で終了しました。来週末から、新人大会が始まりますので、各チームとも真剣に取り組んでいました。
なお、新人大会では、本校(足利清風高との合同チーム)は、9月12日(土)に足利工業高と対戦します。
3年生が引退した本校の野球部は、1,2年生で7名となりましたので、足利清風高校との合同チームを組むことになりました。本日は、宇都宮東高校(壬生高校との合同チーム)と矢板東高校を招待し、県立中高一貫教育校3校での練習試合を行いました。
試合は、9時少し前から、「佐野高・足利清風高合同チーム」対「宇都宮東高・壬生高合同チーム」の対戦から開始しました。空には秋を思わせる雲が見られましたが、前線に向かって流れ込む暖かく湿った空気や気圧の谷の影響で、すぐに厚い雲が垂れ込めてきました。
3試合目の「佐野高・足利清風高合同チーム」対「矢板東高チーム」の対戦は、3時過ぎに雷雨のため8回で終了しました。来週末から、新人大会が始まりますので、各チームとも真剣に取り組んでいました。
なお、新人大会では、本校(足利清風高との合同チーム)は、9月12日(土)に足利工業高と対戦します。
身近な風景 ~セミの抜け殻調査③
セミの抜け殻調査の続報です。テーマは「ミンミンゼミの謎」でしたね。
(これまでの復習)
本校の前庭ではセミの鳴き声がうるさいほど聞こえます。特に、ミンミンゼミです。
そこで、前庭でセミの抜け殻調査を行ったところ、意外にも、ミンミンゼミの幼虫の抜け殻は少ないことが判明しました。9月1日までの抜け殻の写真を見れば、一目瞭然ですね。なぜ、たくさん鳴いている(=成虫は一定数存在する)のに、幼虫の抜け殻が少ないのか、これが「ミンミンゼミの謎」です。
<アブラゼミ> メス112、オス107、計219

<ミンミンゼミ> メス6、オス6、計12

アブラゼミとミンミンゼミの中で、ミンミンゼミの占める割合(ミンミン率)は、約5.2%でした。さすがに、少ないですね。
今回、その謎を解く鍵を発見しました! 以下に紹介します。
(これまでの復習)
本校の前庭ではセミの鳴き声がうるさいほど聞こえます。特に、ミンミンゼミです。
そこで、前庭でセミの抜け殻調査を行ったところ、意外にも、ミンミンゼミの幼虫の抜け殻は少ないことが判明しました。9月1日までの抜け殻の写真を見れば、一目瞭然ですね。なぜ、たくさん鳴いている(=成虫は一定数存在する)のに、幼虫の抜け殻が少ないのか、これが「ミンミンゼミの謎」です。
<アブラゼミ> メス112、オス107、計219
<ミンミンゼミ> メス6、オス6、計12
アブラゼミとミンミンゼミの中で、ミンミンゼミの占める割合(ミンミン率)は、約5.2%でした。さすがに、少ないですね。
今回、その謎を解く鍵を発見しました! 以下に紹介します。
私は、「セミの成虫は、羽化した場所だけで生活するのではなく、ある程度の範囲(生活圏)で生活している」という仮説を立てました。
つまり、成虫は空を飛べるので、他から佐高の前庭まで飛んできて、そこで鳴いているのではないか、ということです。
さて、佐高の周囲の状況を見てみましょう。西隣には、朝日森天満宮の周囲の森(鎮守の森)が広がっています。そこからも、ミンミンゼミの鳴き声が盛大に聞こえてきます。
(yahoo 地図を使って加工しました)
距離にして50~100m程ですので、セミが飛んでくることも可能なのではないかと推測しました。そこで、朝日森天満宮の境内で、セミの脱け殻調査(9月1日の夕方)を行いました。
探してみると、ここでも抜け殻は見つかりました。
時間にして10分程度の調査でしたが、妙なことに気づきました。
「ミンミンが多い!」
アブラゼミとミンミンゼミの幼虫の区別は、触覚の太さなどで見分けることができます。最初は実体顕微鏡を使っていましたが、最近は、肉眼でパッと見て大体わかるようになってきました。しかし、持ち帰って実体顕微鏡で確認しました。結果は以下の通りです。
アブラゼミ23、ミンミンゼミ13。 ミンミン率は36%
わずか10分程度の簡易的な調査でしたが、佐高の前庭のミンミン率5%に比べると、朝日森天満宮のミンミン率は圧倒的に高いです。しかも、両種のメスの数は同数でしたので、ミンミンゼミのオスの数は実際はもっと多い可能性もあります。
これらのことから、朝日森天満宮で羽化したミンミンゼミが、佐高にも飛んできて鳴いている、という仮説に対する、一つのエビデンス(証拠)を得ることができました。しかし、実際のところは、これで証明できたわけではなく、せいぜい仮説が否定されなかったというレベルですので、さらなる調査が必要となるでしょう。次回の報告ができるよう、次の一手を考えてみます。
本校では、全員がテーマを決めて課題研究を行っていますので、私もやってみました。セミの抜け殻をきっかけに、いろいろなことがわかってきましたが、正解は一つとは限りません。失敗もあります。
でもそれが研究の面白さであることは言うまでもありません。
皆さんも楽しんで課題研究をやりましょう!
こうした体験は、社会に出ても必ず役に立ちます。
中2理科(実験・観察レポート)
今回は、中学2年1組の理科の授業見学(中村先生)と実験・観察レポートについて紹介します。
見学した授業は、8月24日(月)の3,4限目が連続で行われました。本校では、理科は各学年とも2時間連続の授業があり、じっくりと実験・観察、レポート作成等に取り組むことができます。また、本校には、一人一台、新しい顕微鏡が用意されているのも魅力です。
この日の実験・観察は、「植物と動物の細胞のつくり」で、植物と動物の細胞のつくりを顕微鏡で観察して、共通点や相違点を見つけることがねらいです。


さて、附属中生は、どんな風に実験・観察に取り組み、「実験・観察レポート」を仕上げるのでしょうか? 今回は、「実験・観察レポート」の内容にも注目してみたいと思います。
見学した授業は、8月24日(月)の3,4限目が連続で行われました。本校では、理科は各学年とも2時間連続の授業があり、じっくりと実験・観察、レポート作成等に取り組むことができます。また、本校には、一人一台、新しい顕微鏡が用意されているのも魅力です。
この日の実験・観察は、「植物と動物の細胞のつくり」で、植物と動物の細胞のつくりを顕微鏡で観察して、共通点や相違点を見つけることがねらいです。
さて、附属中生は、どんな風に実験・観察に取り組み、「実験・観察レポート」を仕上げるのでしょうか? 今回は、「実験・観察レポート」の内容にも注目してみたいと思います。
実験観察の材料(対象)は、タマネギ、オオカナダモ、ヒトのほおの内側の粘膜です。
タマネギとオオカナダモは、まず、水で封じたプレパラートで観察しました。
下の写真は、生徒が観察している顕微鏡の接眼レンズに、デジカメを押し当てて撮影しました。
水で封じたタマネギの細胞とオオカナダモの細胞
次に、酢酸オルセインを1滴たらし、5分間染色したものです。
タマネギは、核が赤く染まっていますが、オオカナダモの方は、葉緑体が多いため、はっきりと核を見つけることが難しかったようです。生徒たちは、これが核ではないか、というものを見つけた人の顕微鏡を見せてもらっていました。ところで皆さん、どれが核かわかりますか?
こちらは、ヒトのほおの内側の粘膜の細胞です。一つの細胞に一つの核が、しっかりと赤く染まっています。細胞壁はなく、細胞同士が細胞膜を境に隣接しています。一つの細胞にたくさんの核があるわけではありません。
こうした実験・観察から、生徒はレポートを作成して提出します。
こんな感じです。
生徒は、実験・観察の結果や考察について、とても丁寧に書いています。
今回は、2年1組全員分のレポートをお借りし、じっくり読ませてもらいました。
あまりに素晴らしかったので、一人一人にコメントを付け、返してもらいました。
以下に、2年1組の約3分の1の生徒のレポートを紹介します。(本人たちには了解済みです)なお、たまたま、1組の授業を見学しましたが、他のクラスも同様です。
実験観察レポート(2年1組).pdf
(追記)
多くのレポートでは、オオカナダモの細胞は、酢酸オルセインで染色しても、核が見つからなかった、ということが書かれていました。
そこで、どうすれば、オオカナダモの核を染色することができるかを、リサーチクエスチョンとして、放課後、ミニ探究学習を行いました。
通常は、オオカナダモの葉に、酢酸オルセイン溶液を1滴たらし、5分間ほど、静置します。しかし、これだけだと、こんな見え方でした。
赤丸の中に見えるのが、核ではないかと思いますが、これを見つけるのは確かに難しいですね。そのとき、実習助手の田所さんが、湯煎すればどうでしょうか?という提案をしてくれました。湯煎とは、酢酸オルセイン溶液と、オオカナダモの葉を入れた小さなビーカーをお湯を入れた大きめのビーカーに入れて、暖めることです。染色は化学反応ですから、暖めると染まりやすくなります。早速やってみました。
これで、5分間湯煎します。
さて、こんどはどうでしょうか?
これなら、核を見つけられますね。明らかに染まり方が違います!
*実験・観察というのは、例えば、「こうすれば核が染まる」と教科書に書いてあったとしても、その通りになるとは限りません。むしろ、うまくいかないことの方が普通です。授業では、うまく見ることができなくても、条件や方法を変えれば、うまくいく、ということがよくあります。実は、それが科学の面白さでもあります。
つまり、うまくいかなかった、うまく見えなかった、ということを経験することの方が、科学は発展するのです。授業中の実験や観察でも、うまくいかなかったことを正確に記録し、その理由を考えてみることの方が、はるかに重要であると思います。
皆さんの「実験・観察レポート」には、そういうことがきちんと書かれていることが、素晴らしいなと思いました。
緊急情報
特にありません。
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