校長室便り

2021年1月の記事一覧

令和2年度教育研究発表大会での発表

1月30日(土)、栃木県総合教育研修センターで開催された「令和2年度教育研究発表大会」で、本校の大嶋浩行先生が、「総合的な探究の時間」部門で実践発表を行いました。今年度は新型コロナ感染症対策で、Zoomでの発表となりました。


発表のテーマは、本校の「グローバル教育を軸とした探究活動」についてでした。



以下は、プログラムでの紹介文です。
「本校では、高校1年生で地域に関する課題研究を行い、2年生ではグローバルな視点での研究に発展させた探究活動を行っている。そして、3年生では自分の進路と結び付けてまとめを行う点が本校の「総合的な探究の時間」の特徴である。今年度は、コロナ禍の中で研究や発表の仕方を工夫している。その取組について報告する。」

*本校の探究活動の全体像を、生徒の具体的な活動の様子を紹介しながら、とてもわかりやすく伝えてくれました。県内のみならず、他県の高校関係者や教育委員会関係者など、多くの参加者がありました。


*実践発表後には、桐蔭横浜大学の森朋子先生による指導助言及び講話があり、本校の取組を高く評価していただきました。


*今年度の本校の「SGH成果発表会」は、3月3日(水)にオンラインで開催する予定です。

身近な風景 ~トウキョウサンショウウオの卵嚢

1月27日(水)、トウキョウサンショウウオの最初の産卵がありました。
今シーズンは雨が降りませんでしたが、23・24日の雨で、一気に産卵モードに突入しました。この場所で、30年以上、毎年観察していますが、1月中の産卵は早い方です。

これは、一匹のメスが産卵した卵嚢です。卵巣が1対あるので、このように2個セットで産卵します。(一腹分ともいいます)この卵嚢は、産卵後1日が経過した状態です。これでも、水を吸って膨らんでいます。

1月29日(金)19時、さらに一日経過しました。少し膨らんできたのが分かりますか。


1月30日(土)20時、かなり膨らんできました。


1月31日(日)16時、ぱんぱんに膨れています。水から出して撮影しています。

【中1】藍染めプロジェクト(最終回)

中1の Precious WeeK の第3弾、「藍染めプロジェクト」全4回の最終回として、風間先生のご指導の下、生徒たちが、6月から「藍」を育て、「すくも」を作り、そこから作った「染め液」を使って、一人一人が ハンカチ、クラスで一つ Tシャツを染める体験を行いました。

ご覧の通り、Tシャツは見事に染まりました。

「藍染めプロジェクト」は、足利市にある天然藍染「藍絽座」の風間幸造先生を講師として、藍の苗の植え付け・栽培(6月~)、葉の収穫(7,8月)、すくも作り(11月)、藍建て(1月)という一連の作業を1年生全員または有志(藍染めんじゃー)で取り組んできました。

1月23日(土)から27(水)にかけては、「藍染めんじゃー」(12名)によって、「染め液」を作る「藍建て」の作業を行いました。


「藍建て」は、水に溶解しない藍玉(あいだま)をアルカリ溶液で還元させ、水に溶ける白藍(しろあい)にし、染色できる状態にすることです。
この過程は、微生物の発酵によって起こるので、微生物のエサとなる「ふすま」(麦のぬか)を入れ、PHを調整しながら5日間連続して発酵させ、「染め液」を作ります。「藍染め」で最もデリケートな作業です。ここがうまくいくかで、青く染まるかどうかが決まります。

青い盛り上がるような泡が出てくれば成功です。


生徒が作った「染め液」に紙を浸し、水洗いすると、鮮やかな青い色が出てきました。成功です。生徒たちから拍手と歓声が起こりました。

今日は、生徒たちが作った「染め液」を使って、全員で「Tシャツ」を染めました。また、「染め液」の量が十分ではなかったので、風間先生が持ってきてくれた「染め液」で生徒一人一人が「ハンカチ」を染めました。












*「藍染めプロジェクト」は大成功のうちに終わりました。「藍染め」という伝統文化について学び、体験することを通して、SDGsという視点から、持続可能な藍の活用について考えるスタートラインに立つことが出来ました。
*風間先生、本当にありがとうございました。

【高1】栃木県読書コンシェルジュ

本校でただ一人、「R2年度 栃木県読書コンシェルジュ」がいます。
高校1年生の山口幸彩(やまぐち さあや)さんです。

その活動の一つとして、本校の先生方や教育実習生のおすすめの本を紹介する
読書のすゝめ ver 佐高」を作ってくれました。

ところで、山口さんは「校長室便り」2回目の登場です。1回目は11月2日、「第66回栃木県青少年読書感想文コンクール」入賞の時です。
http://153.127.209.180/ooruri/sano/nc2/index.php?key=johbsg41z-1552_1552

山口さんは、筋金入りの本好きで、毎日3時間は読書をしています。3時間の内訳は、朝、電車の中と学校に来てから授業が始まるまでの1時間、そして、夜、勉強が終わった後、寝るまでの2時間。本が手元にないと不安になるくらい「本が好き」だそうです。

ところで、「読書コンシェルジュ」って何なのでしょうか?

県のホームページで調べてみると「読書コンシェルジュ」は、読書の楽しみなどを同世代に伝えるため、毎年、県内の高校生を対象とし、研修を修了した方を任命しているそうです。 読みたい本が見つからない…、そんな時、「読書コンシェルジュ」があなたに「おすすめの本」を教えてくれます。

まさに、山口さんにぴったりですね。
山口さんが作ってくれた「読書のすゝめ ver 佐高」は、みなさん一人一人に配られますので、気になる本があったら、ぜひ手に取ってみてください。図書館に行けば、見つかるはずです。


最後に、山口さんが最近読んだ「おすすめの1冊」を教えてもらいました。

夏川草介著「新章 神様のカルテ」(2020年12月発行、ベストセラーシリーズ最新刊)

【高1】家庭基礎 ~ガトーショコラ

1月27日(水)6・7限目、1年2組の「家庭基礎」の調理実習(小倉先生)の授業で、「ガトーショコラ」を作っていました。校長室前の廊下にも、チョコレートの甘い香りが漂ってきました。


新型コロナ感染症対策として、一つの班(4人)を二つに分け、調理室と被服室を使って、同時に4人全員が作業しないように、工夫しながら実習を進めているそうです。

レシピも本格的です。
①チョコレートを細かく刻み、バターと一緒に湯煎で溶かす。
②卵を卵白と卵黄に分ける。
③卵黄を泡立て、グラニュー糖を加え、①のチョコレートとバターを加えて混ぜる。


④卵白を泡立てて、メレンゲを作る。


⑥③と④を軽く混ぜる。


⑦小麦粉とココアをふるいながら入れてざっくり混ぜる。


⑧型に流し込み、オーブンに入れて焼く(160℃、30分)


⑨粉砂糖をかける。


⑩切り分ける。


*おいしそうに出来ました。しかし、冷えてからの方がおいしいそうです。

【中1】中條先生の進路講話

中1は、今週は「Precious Week」(プレシャス ウィーク:大切な1週間)として、さまざまな取り組みを行っています。昨日の「SDGs研究発表会」に続いて、今日の6,7限目に、Zoomを使って、本校の主幹教諭である中條先生による進路講話がありました。

タイトルは「あなたはSDGsに向かっていますか
~青年海外協力隊活動をとおして~


中條先生は、今から約20年前、平成12年7月~平成14年7月までの2年間、青年海外協力隊(JICA)として、「パナマ共和国」で数学教諭として活動していました。

  国の大きさ:北海道くらい、当時の人口:約300万人、気候:熱帯モンスーン




パナマでの活動や、パナマの学校・生徒たち、パナマの生活、食事などについて、とても興味深いお話をお聞きしました。




同期の青年海外協力隊(JICA)には、さまざまな職業の隊員が参加していました。


講話を通して、「これからどのような力が必要になるのか」や、「SDGsに貢献するためにはどうしたらよいのか」などについて、語ってくださいました。



「海外に行って働くことや、国際協力NGOだけがSDGsに関わることではない。
たとえば、どのような職業であっても、環境に配慮をすれば、SDGsに関わっていることになります。何が問題かを、見つけることができそれに対して何ができるかが大切です。」


最後に、中條先生が、日頃から思って行動していることについて、話してくださいました。


*6,7限目の2時間連続の講話でしたが、生徒たちは、一言も聞き漏らすまいと、必死にメモを取ったりして聞いていました。とてもためになる講話でした。
生徒たちが、どんなことを感じていたのか、レポートを見せてもらうのが楽しみです。

【中1】オンライン授業参観

今日の5限目から7限目にかけて、中1の「SDGs研究発表会」(オンライン授業参観)を開催しました。

ユーチューブの「ライブ配信」機能を使って、3クラスからそれぞれ、研究発表を同時配信しました。

中1は、総合的な学習の時間を使って、6月からSDGs研究がスタートし、旭城祭では、SDGsについて調べたことを発表しました。

2学期からは、地域研究として、生徒が住んでいる地域の課題や問題点を調査し、SDGsの視点からどのようにしていくことで持続可能な社会になるかを考えてきました。

今日は、今年度の活動のまとめとして、研究班ごとに発表を行いました。

【1年1組】
<主な研究テーマ>
・佐野市の観光客を増やそう。
・足利市を誰にでも優しい街に
・小山市の発展と国際交流について 等



【1年2組】
<主な研究テーマ>
・足利をPRして経済再生をねらおう。
・豊かな自然を守り続ける
・地域の伝統をこれからも受け継いでいくためには
・守ろう 佐野市の憩いの場 等




【1年3組】
<主な研究テーマ>
・佐野市の祭りを盛り上げよう
・足利市の観光名所とその課題
・小山市の公園について  等




*3クラスとも、とても素晴らしい発表でした。旭城祭での発表と比べると、全ての面で成長の跡がはっきりと分かりました。生徒一人一人が、自信を持って堂々と発表している姿が印象的でした。よく頑張りました。

*3クラスとも、ユーチューブの総再生回数は190から240程度でした。
5~7限目にかけての2時間半でしたので、途中から再生したり、休み時間に一旦退出し、授業が再開する頃また再生したりと、お一人で複数回再生されたので、このような数字になったのではないかと思います。多くの方々にご参加いただき、感謝しています。ありがとうございました。


*最後は、それぞれのクラスで、画面を見ていただいている保護者に向かって、感謝の気持ちを伝えて、終了しました。

【中学】第16回佐野市理科研究展覧会

1月22日(金)、「第16回佐野市理科研究展覧会」の審査が行われました。
附属中からは、各学年から3点ずつ出品し、中1は、松葉紳一郎君の研究が最優秀賞(県出品)、中2は、栢島蒼史君の研究が最優秀賞、中3は、佐藤遙都君及び木村香乃音さんの研究がそれぞれ最優秀賞を受賞しました。また、出品した9名全員がそれぞれ賞をいただきました。おめでとうございます!


*以下に、作品の紹介と研究に対する私からの簡単なコメントを載せました。

中1の研究

松葉紳一郎君「微生物の観察~第3巻~」最優秀賞(県出品)
→松葉君の研究については以前、紹介しましたが、中1という枠を超えた立派な研究です。本校では、唯一の県出品ですが、県であっても全国であっても、評価される研究内容です。
http://153.127.209.180/ooruri/sano/nc2/index.php?key=jo7tj447j-1552#_1552


池田愛華さん「手を触れずに風船を割ってみる」優良賞
→風船に柑橘類などを押し当てると風船が割れるということに気づき、それをテーマにした池田さんの着眼点が素晴らしいと思いました。


三田遙花さん「Xジャイロの秘密を探ろう」優良賞
→Xジャイロに興味を持ち、実際にいくつかのモデルを作って飛び方を比較している点は、まさに理科研究の王道といえるもので、三田さんはそれに挑戦してくれました。

【中2の研究】

栢島蒼史君「地域の石しらべ~歴史を語る石達~」最優秀賞
→石に興味を持ち、地域の特徴的な石を丹念に収集しています。それだけでも素晴らしいですが、栢島君はそこから、その土地でどんなことが起こっていたか、歴史を探ろうとした点が最優秀賞に評価されたと思います。緻密さと大胆さが垣間見れる研究です。


谷津聖子さん「コーラに骨を漬けてみたら」優秀賞
→コーラなどの炭酸飲料を飲みすぎると骨が溶けるという話は確かに聞いたことがありましたが、それを実験で証明しようとしたところが凄い発想です。しかも、溶けるかどうかを重さの変化で表したアイディアが秀逸です。谷津さん、センスいいです。


菅原和かさん「アントシアニンの力~紫外線の防止~」優良賞
→菅原さんは、ムラサキキャベツから抽出したアントシアニンが、紫外線の防止にも効果があることを実験で証明しようとしてくれました。身近な材料が紫外線の防止に関係があることに着目した点がまず素晴らしと思いました。とても発展性のあるテーマです。

【中3の研究】

佐藤遙都君「いわしの最適な除肉方法」最優秀賞
→排水口・排水管クリーナーである「パイプフィニッシュ」を使って、イワシの骨格標本を作れないか、という研究の動機とアイディアがとても興味深かったです。より効率的な方法を探るため、パイプフィニッシュの濃度を変えたり、ブラシで使ったり、いろいろなバリエーションが派生していく様子には、研究に対する佐藤君の情熱を感じました。面白い研究です。


田中美怜さん「手荒れ改善大作戦!!~手作り化粧水~」優秀賞
→コロナ禍での手指の消毒による手荒れは深刻な問題です。そうした身近な体験からテーマを設定し、実際に手にやさしい化粧水を作ってしまうバイタリティが素晴らしいと思います。この研究によって、そもそも化粧水って何?という素朴な疑問に対してもちゃんと答えてくれている点は特筆すべきです。田中さんが楽しんで研究していることが伝わってきました。


木村香乃音さん「野菜石鹸~ごみ問題解決にもつながる希望の石鹸~」最優秀賞
→木村さんは、実際にテレビなどで見た野菜石鹸に着目し、自分で作ってみようと考えテーマを設定しています。さらに、自分で作った野菜石鹸の洗浄力を独自の基準で評価している点もオリジナリティがあって素晴らしいです。また、野菜だけでなく、果物の果汁を使った果物石鹸のアイディアに至っては、研究を超えて、商品開発に近いレベルに達しています。これは、理科研究から、社会課題の研究へと発展できるテーマではないでしょうか。写真もきれいで見ていて楽しくなる研究でした。木村さんが楽しんで取り組めるテーマを見つけたことが勝因でしょう。

身近な風景 ~トウキョウサンショウウオ

1月23日・24日の雨を待ちかねていたことでしょう。
トウキョウサンショウウオが、やっと姿を現しました。
ちなみに、「トウキョウサンショウウオ」は、魚ではなく両生類です。「ウオ」とありますが、昔の人は、畑ドジョウとも呼んでいたらしく、水の中で泳いでいるものは、魚のようなものと考えていたのではないかと思います。

例年だと、12月中には、まずオスが産卵場に降りてくるのですが、晩秋から冬にかけて、全くと言っていいほど、雨が降りませんでした。そのため、定点観測地点の産卵場には水がほとんどない状態でした。
↓こんな感じでした。(1月23日の午前中に撮影)


ところが、今回の雨で24日の夕方までにここまで溜まりました。降った雨が、岩盤の地面を伝って、ぽたぽたと流れ込んで溜まっていきます。

これを待ってましたとばかりに、オスのトウキョウサンショウウオが、周囲の山などから、産卵場目指して集まってきました。その数、約15個体。これからも、さらに集まってくるでしょう。おそらく、30~40個体くらいは集まってくるはずです。

今回は、夜中(1月24日の21時頃)の産卵場の様子を動画で公開します。

R3.1.24トウキョウサンショウウオ① https://youtu.be/N7Ejcc-Qz7o

R3.1.24トウキョウサンショウウオ② https://youtu.be/o6kjJNVP68o

以下は、水中撮影です。(水が濁っています。水中撮影ができるデジカメを購入しましたので、また、うまくとれるようになったら紹介します。)

R3.1.24トウキョウサンショオウオ③ https://youtu.be/99HXTxQOquw