校長室便り

2020年10月の記事一覧

速報! 国際理解弁論大会 優秀賞受賞

本日、第57回国際理解弁論大会が栃木翔南高校で開催され、高校1年3組の秋野仁美さんが、優秀賞「栃木県国際交流協会理事長賞」(3位)を受賞しました。おめでとうございます。

発表は、本校で撮影したDVDで行われました。
タイトルは「外国人との信頼関係を築くためには」でした。

身近な風景 ~十三夜

今夜は十三夜です。空にはかなり雲がかかっていますが、時折、雲の切れ目から月が顔を出していました。

十五夜は新月から数えて15日目なのでほぼ満月。十三夜は新月から数えて13日目なので、満月には少し欠ける月です。十三夜は、十五夜の次に美しいとされています。

高3・フードデザインの授業見学「涼拌三絲」

フードデザインの紹介は見ていて癒やされる、というご感想を多くの方からいただきました。ありがとうございます。一番癒されているのは自分かもしれません。
今日のフードデザインのメニューは「涼拌三絲(リャン・パン・サン・スー)」です。

日本語に訳すと、「三種の具(きゅうり・ハム・錦糸卵)を糸のように細く切った冷たいあえもの」という感じです。

今回のメニューは、2学期の実技テストの対象となります。今日から1か月後くらいに、一人一人が作ったものを評価基準に従って、評価します。

評価基準は、以下の5点です。
①時 間   制限時間内(20分)にできたか(後片付けも含む)
②切り方   せん切りが細かいか
③ゆで方   春雨のゆで方が適当か
④調味料   味がよいか
⑤盛り付け  見た目が美しいか

今日は、まず一回作ってみて、約一月後に「実技テスト」本番になります。

糸のように細く切るのは、かなり難しそうです。


春雨のゆで時間は4分です。茹ったら、ザルにあけて水を切ります。


盛り付けが、一番難しそうでした。


細く切った具を皿に盛り付け、調整した調味料をかけます。おいしそうですね。
ちなみに、春雨の代わりに麺を使うと「冷やし中華」になります。


最後は味です。味が良いかも重要な評価基準の一つです。


今回のメニューは、実技テストの対象ですが、生徒たちはどこが難しいと感じているのでしょうか。
→「やはり、盛り付けが一番難しかったです。見た目においしそうにするには、乗せる具の量とかバランスが重要だと思いました。」
「キュウリと錦糸玉子を細かく切るのが難しかったです。どれだけ細く切れるかで食感も変わってくるのかなと思いました」

なるほど、皆さん、よく考えてますね。
「家で練習してきます」と何人もが答えてくれていたので、実技テスト当日、どれだけ上達しているのか、楽しみですね。

中2数理探究「科学とは何だろう」

本日は、「科学とは何だろう」と題して、宇都宮大学教育学部教授の人見久城(ひとみ ひさき)先生による、中2の「数理探究」講義(2時間連続)が、2年生の3クラスで行われました。

人見先生による「科学とはなんだろう」は、佐附中が開校した翌年の平成21年度から毎年続いている「定番の名物授業」と言ってもいいでしょう。毎回、生徒達から絶大な人気を集めています。
まずは、科学の楽しさで、生徒の心を鷲づかみにします。


メチレンブルーの水溶液にドライアイスを入れると、白い煙のようなものが湧き出てきました。

Q さて、この白い煙の正体は何?
→二酸化炭素? そうくると思いました。白い煙は二酸化炭素ではなく、冷たい二酸化炭素によって冷やされた空気が水滴となったものです。雲と同じです。

Q 瞬間的に色が変わりました! どうしてかな?
(こんな風に講義は進んでいきます)


中国製の鍋を使った音(振動)の実験です。


こちらも音の実験です。いろいろな金属製の道具に何やら紐が付いています。この紐を指に巻き付け、耳に指を差し込んで道具を机にぶつけてみて、その音を聞いてみます。どんな音がするでしょうか?


私たちは、普段は空気を伝わってくる音を聞いていますが、紐を通して指で聞くと、振動の伝わる速さはゆっくりになり、とても低い音に聞こえます。骨伝導ともいわれています。
道具を机の角にぶつけてみると、お寺の鐘の音のような「ゴーン」という音を楽しむことが出来ます。自宅でもできますので、やってみると楽しいかもしれないです。


見かけは同じでも、弾むスーパーボールと全く弾まないスーパーボールの実験です。


次は、四角い箱を取り出しました。箱の真ん中には黒い壁が見えますね。
箱の中に、テニスボールを入れてみると、あら不思議。テニスボールは壁にぶつからずに反対側に転がっていきました。
種明かしによると、これは偏光板を使った簡単な手品みたいなもので、生徒たちは、この箱のミニチュアを工作で作りました。今日のお土産です。
(1時間目はここまでです。)


2時間目は、楽しいだけでなく、頭を使って謎を解明します。
AからFの6つの穴があいたカードがあります。このカードの下には、アルミ箔が貼られていますが、どの穴とどの穴がアルミ箔でつながっているかは、わかりません。しかし、アルミ箔は電気を通しますので、テスターを使って、2つの穴の間で電気が流れる、すべての組み合わせを確かめ、カードの下のアルミ箔がどのように貼られているかを解明します。さあ、実験です。


その結果をもとに、アルミ箔の配線図を考察します。


各班の配線図が出そろいました。それでは、カードを開いて確かめてみましょう。


皆さん、正解でした。しかし、同じ結果となるアルミ箔の貼り方は一つとは限らなかったのです。各班の出した結論は、いわば研究の論文に例えることができますが、自然現象の一つの解釈(とらえ方)にすぎません。ここに科学の面白さがあります。
ここから、「科学とは何だろう」という今日のテーマについて、みんなで考えました。


最後に、この授業を通して、科学というものに対する見方(イメージ)がどのように変わったかを一人一人が振り返りをしました。


「科学は楽しい」と感じる体験を経て、「科学とは何だろう」と考える授業でした。
中学2年生の時、こんな授業があったな、と記憶に残って欲しいと思いました。

人見先生、ありがとうございました。

ラグビー県大会~1回戦勝利!

本日、10時から、県総合運動公園ラグビー場で、ラグビー県大会の1回戦が行われました。
宇都宮高校との対戦は、82対0で快勝しました。おめでとうございます!

今大会には、助っ人7名(3年5名、2年1名、1年1名)が加わり、16名が出場しました。試合前の練習から気合が入っていました。


10時ちょうどに試合が始まりました。


試合は、開始1分でトライが決まりました。
10:01 トライ 小倉君
10:09 トライ  ?
10:14 トライ 岩上君
10:15 キック 小倉君
10:26 トライ 小倉君
10:29 トライ 春山君
10:30 トライ 岩上君
(↑不明なところ?を教えてください)


ハーフタイムです。


後半も怒涛の攻撃でした。
10:39 トライ 小倉君
10:41 トライ 岩田君
10:42 キック 岩上君
10:48 トライ 岩上君
10:53 トライ 藤沼君
10:58 トライ 小倉君
10:59 キック 岩上君
11:03 トライ 本村君
10:06 トライ 小倉君
10:08 キック 岩上君
10:11 トライ 岩上君
10:12 キック 岩上君
(↑間違いがあったら、教えてください)


チームが一丸となって戦ったナイスゲームでした。助っ人は7名いましたが、誰が助っ人か全くわからないくらい、まとまったチームプレーができていました。終わってみると、82対0の大差がついていました。


最後に、キャプテンの藤沼君に今日の試合の感想を聞きました。
「勝てるかどうか心配でしたが、助っ人が頑張ってくれたおかげで、チームとして勝つことができて、嬉しいです。来週の国学院栃木との対戦では、悔いのない試合ができるよう努力します。」

次の試合は、準決勝で国学院栃木と対戦します。
1週間後の10月31日(土)、場所は今回と同じです。頑張ってください。応援してます!

生徒による中学校訪問 in あそ野学園義務教育学校

本日放課後、SGHクラブの生徒5名が、あそ野学園義務教育学校を訪問し、9年生(中3に相当)8名に、本校のSGH活動等の紹介を行いました。

例年、夏休み中に行われていた「一日体験学習」が、今年度は、新型コロナの影響で中止になってしまいました。

「一日体験学習」では、吹奏楽の演奏を聴いたり、生徒から本校での様々な活動の様子を聞いたり、高入生(高校から入学した生徒)と対談する機会があったりします。そこで、本校の魅力を感じてくれた生徒が、本校を選んでくれていたのですが、今年度は、そういった機会が全くありません。

そこで、少しでも本校の魅力を中学生に知ってもらうために、中学校から希望があれば、中学校にお伺いし、本校生による説明会を実施することにしました。



今日が、その最初の訪問でした。
SGHクラブから、2年生の猪瀬遥大君、相田紘夏さん、内田小温さん、出井公人君、原悠馬君の5名のチームが、参加してくれました。5人が協力して、部活動や生徒会活動、そしてSGHクラブの国内班、海外班、ディベート班、フランス語班の活動を紹介しました。

そして、最後に、高入生代表として、生徒会長の猪瀬君(北中出身)から、「最初は不安もあったけれど、実際に入ってみると、むしろ、中入生とすごく仲良くなれました。また、生徒会会長には中入生がなるのかなと思っていましたが、自分が生徒会長になれたんですから、全然心配はいらないです。」と話してくれました。

中学生たちは、熱心に話を聞いてくれました。一番、身を乗り出して聞いてくれていたのは、高入生の猪瀬君の話だったかもしれません。今後も、こうした説明会を行う予定です。


PS:今年は学習塾にも営業(塾生用の「学校案内リーフレット」の配布)に行ってます。佐野市内、足利市内、栃木市内と、もう30校くらいはアポなしで訪問しています。塾の関係者の皆さんが、ありがたがってくれるのが嬉しいです。

中1講話「郷土の偉人 田中正造について」

本日6,7限目、旭城ホールで、中1のグローバル探究プログラムの一環として
田中正造~人と行動から考えるリーダー像~と題して、佐野市郷土博物館長の茂木克美先生の講話がありました。

2時間連続の講話で、前半は田中正造の生い立ち後半は足尾鉱毒事件などについて、お話してくださいました。

田中正造は、江戸時代の天保12年(1841年)11月3日に生まれ(奇しくも明治天皇と同じ誕生日でした。)、大正2年(1913年)9月4日に亡くなりました。

田中正造の晩年は、今大人気の「鬼滅の刃」の時代と重なるそうです。田中正造は、若い頃は刀剣が大好きで、常に身につけていたため、不法所持で警察に逮捕されたこともあるそうです。(「鬼滅の刃」の主人公たちは、銃刀法違反であるというお話に、生徒たちは身を乗り出して聞いていました。)


後半は、いよいよ足尾鉱毒事件がらみのお話です。明治天皇への直訴事件については、新聞社等のマスコミをうまく活用し、鉱毒の被害が世間に注目されるよう、考えをめぐらしていたことなど、現在のSNSによる広報戦略に先駆けていた面も紹介してくださいました。田中正造をロールモデル(お手本)として、本校生が身につける力の一つである「情報を発信する力」も群を抜いていたことがわかりました。


ところが、晩年になると、それまでのある意味バランスのとれた考えや行動から、鉱毒の被害を受けている農民などのことだけを考え、頑固に行動するようになり、支持者が離れていったそうです。しかし、田中正造が亡くなった後、その業績を後生に伝えてくれたのは、一時は田中正造から離れていった人達でした。
おそらく、田中正造の支持者が離れていった晩年の生き様がなかったら、ここまで、田中正造が、郷土の偉人として語り継がれることはなかったかもしれないですね、と茂木館長は帰りがけに校長室で話してくださいました。そこまで、私利私欲がない生き方だったのです。


最後に、附属中生のために、「田中正造から学ぶリーダー像」について茂木館長の考えを話してくださいました。


2時間にわたる講話でしたが、生徒は皆、茂木館長のお話をメモにとり、紙が足りない人は、持っていた別の紙にびっしりと書き込んでいました。講話の後、質疑応答の時間がありましたが、生徒からはひっきりなしに手が上がっていました。そして、最後に、生徒代表として松葉君からお礼の言葉がありました。それぞれの質問やお礼の言葉に、茂木館長は大変嬉しかった、さすがは附中生ですねと感心していました。

茂木館長、本当にありがとうございました。生徒の心に灯をともすようなお話でした。また、11月に行われる足尾での植樹体験に参加する意味や、自分がこれからどう生きていくか、などを考えるよい機会にもなりました。
現在、佐野市郷土博物館では、「田中正造が愛したもの」という企画展が11月29日まで開催されているそうです。今日の講話で田中正造に興味を持った人は、ぜひ見に行きましょう。

<講話メモ(3名分)>こんな感じです。


<主な感想>
・この講話を聞く前は「知っていることばかりだろう」と思っていたが、知らなかったことがたくさんあり、とても勉強になりました。
・田中正造さんの何歳になっても学び続ける心や、どんなに無視されても人々を救おうと努力する姿に感動しました。尊敬します。
・田中正造さんは、世の中が大きく変わっていった激動の時代に生きていて、それでもやはり、大切にしていたことは「人権尊重」「実行力」「学び続ける心」で変わらなかったことは凄いなと思いました。
・自分のためではなく、人のために政治家になり、正しいと思ったことを行動する姿はかっこいいなと思いました。

高1「体育」ダンスの授業見学

本日、4限目(1年3,4組)と6限目(1年1,2組)の体育の授業で、ダンス発表会がありました。

体育のダンスは必修ですが、本校では人数の関係で、まず女子が行い、次いで男子が行います。
今日は、9月15日以降、約1か月かけて練習した女子のダンスパフォーマンスの発表を行いました。

生徒たちは、班ごとに選曲し、ダンスパフォーマンスのユーチューブ動画などを参考に、振り付け等を練習してきました。曲にあった衣装を用意した班もあり、皆さん、かなり気合が入っていました。全部の班は紹介できませんが、自分が授業見学した部分については、その様子を写真で紹介します。

1年3,4組の発表


1年1,2組の発表




発表が終わった後に、生徒に感想を聞いてみると、とても楽しかった。他の班はものすごくかっこよかったです。家でも一人で練習しました。ストレス発散できました。等、皆さん、すっきりした表情で答えてくれました。

宇都宮大学講座に本校生3名が参加しました

本日、宇都宮大学講座「里山のサスティナビリティ(持続可能性)を考える」(松村啓子教授)が、葛生にある「モリ田守センター」で開催され、本校から3名が参加しました。私も午後から参加しました。

左から、2年生:藤沼広丞君、1年生:白井美咲さん、寺内瀬菜さん

この講座は、宇都宮大学の基盤教育として開講されており、農学部や教育学部などの学生が参加していますが、本校の3名は、それぞれの課題研究のテーマが、この講座の内容と関連があるということで参加しました。

「モリ田守センター」は本校の講師である赤堀先生が運営している里山です。
この日は、一日中雨でしたが、里山の散策、杉の皮むき体験などを行いました。


2年生の藤沼君は「木造建築の良さを広めること」について研究しており、木造建築には欠かせない「皮むき」に一番熱心に取り組んでいました。この日は、日本を代表する建築家(杉本洋文先生)も参加されており、「災害の仮設住宅をプレハブではなく、簡単に建てられる木造建築とすることを広めている」というお話をお聞きしました。藤沼君の「木造建築の良さを広める」という研究テーマにも関連がありそうですね。

1年生の寺内さんは「シカの食害対策」について興味を持っているそうですが、シカのワナを見せてもらったり、皮むき体験で、シカが樹木の皮をはいでしまう理由を教えてもらったりしていました。

白井さんは「オスのニワトリの利用法」に興味をもっており、お昼に振舞われた熊の肉や鶏肉の料理にヒントを得たのかもしれません。

今日は、あいにくのお天気でしたが、高校生も大学生もそれぞれに得るものがあったようで、皆さん満足して帰っていきました。

参加した宇都宮大学生6名と佐高生3名、赤堀先生、松村先生

中3「平和学習~被爆体験伝承講話」を実施しました

10月13日(火)6,7限目に、中3の平和学習として、広島から「被爆体験伝承者」である河内悦枝(コウチ ヨシエ)様を講師としてお招きし、御講話をいただきました。

河内悦枝さまは、被爆2世で戦後生まれの72歳です。現在、公益財団法人「広島平和文化センター」から「被爆体験伝承者」として委嘱されています。
河内さまのお母さまが20歳の時、広島の爆心地から30キロほど離れた場所で被爆され、23歳の時に、悦枝さまがお生まれになったそうです。

今、河内さまのお母さまは94歳です。悲惨な当時のことを話してくれたお母さまの姿を見て、戦争の悲惨さと命の大切さを伝えたいと思い立ち、70歳になられてから、伝承者になろうと考えられたそうです。

伝承者になるためには、河内さまが伝承したいとお考えになった被爆証言者「鳥越不二夫」様に付いて、3年間の研修を受けなければなりません。しかし、鳥越様は研修途中でお亡くなりになられました。ご高齢の鳥越さまが一生懸命語られる姿に、被爆者の思いを伝えていかなければならないと強く思い、河内さまは研修を続けてこられました。

河内さまは、今年度から「被爆体験伝承者」として活動をされていますが、県外に出張して、大勢の生徒を前にお話をされるのは初めてだったそうです。実は、河内さまの息子さんが、栃木県の高校の先生をされており、そうしたご縁もあって、今回の講演会が実現したそうです。席の後ろで、立ってビデオ撮影をされていた方が、息子さんです。(↑上の写真にも写っています。)

講演では、宇都宮空襲のお話もしてくださいました。河内さまは、「これからの世代に、核兵器のない世界、命の尊さ、また今の平和を伝えていきたい」と考えておられます。

講演終了後、生徒代表お礼の言葉が「若林仁瑛くん」からありました。心のこもった若林君の言葉に、河内さまは大変感動されていました。

なお、本日の平和講和は、司会を「中山津椰美さん」、開会の言葉を「青柳妃砂さん」、閉会の言葉を「渋江小春さん」が担当してくれました。ご苦労様でした。