校長室便り

2022年6月の記事一覧

【中3】「数理探究(理科分野)」の授業見学(中村先生)

6月23日(木)6・7限目、中学3年2組の「数理探究(理科分野)」の授業(中村先生)を見学しました。今日のテーマは「自分で豆腐をつくってみよう」です。通常、理科の授業でつくったものを食べることはしませんが、今回、実習教諭の田所先生のご尽力で、調理器具をすべて調理室から調達し、衛生管理を徹底することで、調理実習と同じように、(希望者は)自分で作った豆腐を味見できるようにしました(画期的!)。生徒の期待は始まる前から高まっています。

 今日の授業は、始まる前から異様な熱気に包まれています。


しかし、まずは頭をクールダウンするため、配付されたプリントをもとに、豆腐がどうやってできるのかを考えます。


生徒からは、今日の授業の重要なキーワードがポンポンとでてきました。


まずは、豆腐は何からできるか?


豆乳は市販されてもいますね。主成分は、たんぱく質です。


豆乳の中で、たんぱく質が水の中でどのようなに存在しているのかを学びます。ここでは、コロイド溶液という言葉を習いました。(実際には、高校で学びます。)



豆腐が固まる仕組みは、

豆乳(たんぱく質のコロイド溶液)に、にがり(塩化マグネシウム:電解質)を加えると、「塩析」という現象が起きて固まります。これが、豆腐が固まるメカニズムです。今回の数理探究のプログラムは、高校の化学担当のの茂木先生が開発してくれました。

そして、いよいよ「豆腐」作りが始まります。理科室の後ろの机には、すでに必要な調理器具が班ごとに並んでいます。


大豆は、水に浸けてあり、柔らかくなっています。


にがり(塩化マグネシウム溶液)も食品用の容器にパッケージされています。


大豆を浸していた水は捨てます。


大豆をミキサーに入れ、新たに水を200ml入れ、粉砕します。


ミキサーのスイッチを入れると、一瞬で、どろどろになります。


そこに、約50度のお湯を150ml入れ、さらに攪拌します。


できたものを食品用のガーゼで越します。

 

ガーゼの上に残ったものが「おから」で、なべに溜まったものが「豆乳」です。


豆乳はバーナーで90度に熱し、約3分間静置します。


そこに、「にがり」を投入します。


すると、みるみるうちに豆乳が固まってきました。



固まってきたものをガーゼで越します。



見るからに「豆腐」っぽくなってきました。あとは、自分の重さで固まっていきます。


他の班も、うまくいっています。

 

さあ、仕上げの段階です。固まった豆腐をガーゼから、水を張った鍋に移します。



見事な豆腐の出来上がりです。



生徒たちは、どんな味がするか、もう我慢ができません。理科準備室から醤油を借りてきて、豆腐に直接かけています。


見るからにおいしそうです。大成功ですね。


あまりのおいしさに、ほっぺたが落ちそうです。


他の班でも、自分たちで作った豆腐のおいしさにびっくりでした。



*豆腐作りから、化学(コロイド溶液、電解質、塩析)について学びました。豆腐の味とともに、忘れられない記憶となることを期待しています。

これでまた一つ、理科が好きになってくれたようです。