校長室便り

2022年2月の記事一覧

【中2】「クエストカップ2022全国大会」1st STAGE

2月19日(土)「クエストカップ2022全国大会」1 st STAGE が、Zoomでのオンラインで開催されました。本校チームは、「テレビ東京」で出場した12チーム中、9番目に発表しました。

約7分間の発表の後、「テレビ東京」の狩野恵里(かのう えり)アナウンサーから、たくさんの質問とエールをいただきました。


9時40分から、総合開会式が始まりました。




審査委員長の米倉誠一郎先生からの挨拶がありました。
「今や世界中の人間がスマホの中にナレッジ(知識)を持っている。ナレッジをどう使うかが大事だ。そして、それを発表する最高の舞台が、このクエストカップだ。」


ここから先は、企業ごとに発表が行われ、各企業の審査員により企業賞、準企業賞が決まります。「テレビ東京」のミッションは以下のとおりです。


12チームの発表順です。各チーム約7分間の発表の後、審査員から約5分間の質疑応答があります。佐附中チームは、9番目(12:09~12:22)でした。




いよいよ各チームの発表が始まります。


ようやく、順番が回ってきました。


発表する4名は、土橋君、堀田君、金谷君、前泊君の4名です。粂谷先生のスマホで撮影しています。

オンラインの画面ではこんなふうに写っています。


トップバッターは、土橋君です。何度も練習した甲斐があり、あまり緊張せずに堂々と話し始めました。



次は、2番目の堀田君にバトンタッチです。落ち着いて話しています。


ピースではありません。「2番目」を表しています。

そして、3番目の金谷君です。画面を指し示しながらプレゼンしています。



最後は、前泊君です。堂々たる発表です。



発表が終わりました。6分58秒で、ぴったり予定通りです。7分±30秒であれば、2点が加算されます。



そして、質疑応答の時間がやってきました。テレビ東京の「狩野アナウンサー」が質問をしてくれました。狩野アナウンサーは、本校生の発表が、「元受刑者」が社会復帰できるような番組を提案したことに非常に興味を持たれたようで、「今まで誰も考えたことがないアイディアに感動した。しかも、中学2年生が考えたことにびっくりした。」とお褒めの言葉をいただいた後、「なぜ、元受刑者を思いついたのか」「テレビに出たいために犯罪を犯す人が出てこないか」「センスのあるなしは、どういうことなのか」「どんなところに苦労したか」など、本気度マックスの質問を次々とぶつけてきましたが、4人のチームワークで、すべての質問に、あーなるほど、と納得できる答えをしていたことが、本当に素晴らしかったです。




狩野アナウンサーもこの質疑応答にはとても満足されていました。


質疑応答の時間も終わり、やり切った感、充実感、満載で、本校生のプレゼンは終了しました。最後は、手を振る余裕も見せてくれました。本校生の発表、そして質疑応答から、これはもしかしたら、いけるんじゃないか、という手ごたえを誰もが感じました。


さて、すべてのチームの発表が終わり、昼食休憩の後、14:18から表彰式と閉会式が始まりました。各チームの音声チェックをしています。


いよいよ結果発表です。企業賞、準企業賞に選ばれると、来週行われる「2nd STAGE」 に進むことが出来ます。




まずは、準企業賞です。


準企業賞は、「渋谷教育学園渋谷中学校」でした。

この時点で、「俺たち、もしかしたら、企業賞じゃねえ」という期待が最高潮に高まりました。(かくいう私も、そんな期待を抱いていました。)

そして、企業賞の発表です。


企業賞は、大阪の「金襴千里中学校 ナナーナ チーム」が受賞しました。

ななーなんと、世の中、そう甘くはありませんでした。受賞理由を聞くと、なるほどと、即、納得しました。「もう一人の自分との出会い」というテーマに真正面からぶつかっていたことに、改めて敬意を抱きました。

その後、狩野アナウンサーから、講評がありました。「今回、企業賞、準企業賞を選ぶということで、順位をつけなければならなかったが、どれも素晴らしく、審査員もどれを選ぶかで試されていることを感じた。改めて、順位が問題ではなく、皆の頑張りを称えたい。」という話があり、印象的なプレゼンとして、本校生の「元受刑者」が社会復帰できることを目指した企画にとても心惹かれたことを語ってくださいました。「たとえ罪を犯した人でも、服役した後、社会復帰できる社会をつくることを中学生が本気で考えてくれた優しさに心打たれた」と話してくださいました。このお話を聞き、2nd STAGE には行けませんでしたが、それ以上に大きなものをいただいた気がしました。改めて、本当に素晴らしいプレゼンだったと思います。

佐付中のチームの4名(土橋君、堀田君、金谷君、前泊君)お疲れさまでした。




閉会式後、生徒たちだけのリフレクション(振り返り)が行われました。テレビ東京のスタッフから「私は推薦したんだけど」と言った裏話も聞くことが出来たそうです。

最後に、4人それぞれの今日の感想を紹介します。

土橋虎太朗君
「結果発表はドキドキで楽しかったです。また、リフレクションでは、普段話す機会のないテレビ東京の狩野アナや齋藤さんと話すことが出来て、とても楽しく刺激的でした。また、質問への回答がとても参考になりました。頑張った甲斐があったなあと思いました。」

金谷祐希君
「楽しかったです。前例がないまま、全国大会に出場できたことが Progressive だったのかなと思っています。狩野さんと斎藤さんに良い評価をもらったので、あと少しで2nd STAGE に行けたのではと思いました。 My team is  Progressive ! 」

堀田大貴君
「実際にテレビ東京で働いている方から、人生やプレゼンなどの大切なことについてお聞きすることができました。今後、これらのことを生かして、上手なプレゼンができるようになりたいです。」

前泊慶也君
「プレゼン後の質疑応答で、実際にアナウンサーをされている狩野アナに話すことができたことが、とても刺激的でした。また、プレゼンでは、直前まで練習を続け、目標時間の7分に極限まで近づけることが出来ました(6分58秒)。結果発表後のリフレクションでは企業賞をとったチームと語り合うことが出来ました。We are progressive !!」

身近な風景 ~春の雪

2月18日(金)朝起きると、予想してなかった降雪がありました。本校付近では8時過ぎには、ほぼ止んでいましたが、校庭にはうっすらと雪が積もっていました。



雪の感触を楽しんでいる生徒もいました。






生徒が作った雪玉も10時過ぎには、溶けてなくなっていました。

【中2】「クエストカップ2022全国大会」パンフレット

2月19日(土)に開催される「クエストカップ2022」全国大会のパンフレットが届きました。また、ツイッターも公開されています。

堀田太貴君、金谷祐希君、前泊慶也君、土橋虎太朗君の4人グループ(チーム名:team  progressive )
手に持っているのは、今大会のテーマである「あふるる、ゼロ」です。

パンフレットの表紙で、4人の写真が使われています。







めちゃくちゃカッコいい写真ですね。撮影者は宍戸先生です。
ツイッターでも、彼らの作品について紹介されています。


出場チームからのメッセージ



栃木県立佐野高等学校附属中学校
 「team progressive」


メンバー
(敬称略)
堀田 大貴、前泊 慶也、土橋 虎太朗、金谷 祐希

作品の概要
刑期が間近に迫っていて更生する可能性が高そうな受刑者に密着取材して、様々な職業体験をしてもらい、やりたいことや得意なことを見つけることで更生していく様子を放送する企画です。そして、その更生していく中で、受刑者ひとりひとりがセンスを見つけそのセンスを社会で生かすことで出所後に今まで以上の生活が送れるようにサポートするという企画です。

最も苦労したこと
短くズバッと相手を引き込ませるフレーズを考えることが難しかったです。

最もテンションの上がったこと
それまで、なかなかまとまらなかった案がひとつにまとまったときがテンションがとても上がりました。また、教育と探求社様の社長の宮地様の講話にてQUEST CUPの映像を見せていただき「全国大会に絶対行くんだ!」という感情が沸き起こりました。

発見、成長、やりがい
作品作りを通して先進国の日本の中でも、十分な生活ができていない人々がまだいるということを発見できました。

メッセージ
私たちは、このコーポレートアクセスを通して0から1を生み出すことの難しさを知ることができました。もし、私たちのメッセージ読んで、これからコーポレートアクセスに限らず、何かを創造することに挑戦する人は、より高度で、より面白く、より独創的なアイディアを求めて頑張ってほしいです。


*19日(土)の全国大会を楽しみにしています。

【中2】足利市立美術館「アート探検隊」

2月16日(水)昼休み、中学2年3組中島優太君が「足利市立美術館」主催の「アート探検隊」に参加したことについて、話を聞かせてくれました。

足利市立美術は、現在、足利市制100周年記念特別展戦国武将 足利長尾の武と美―その命脈は永遠に―」が開催中で、大人気の美術館です。刀剣が多数展示されており、予約しても抽選に当たらないと入館できません。

この足利市立美術館では、中学生以下の足利市民を対象に毎年「アート探検隊」を募集しています。美術館は2か月に1回程度、企画展などで、展示物を入れ替えますが、「アート探検隊」は、新しい企画展などを自由に見学し、感想やコメントを書いて提出することになっています。

中島君は、美術などに興味・関心を持つ御家族とともに、小学校6年生から中2までの3年連続で、「アート探検隊」活動をしてきました。今年度は、その修了証が学校に送られてきました。本校生で参加した生徒は、中島君だけでした。

どの企画展でも、印象に残る作品があるそうですが、特に、世界の絵本を集めた企画展が、良かったそうです。地元の美術館に貢献するとともに、中島君自身が素晴らしい体験ができたことと思います。来年もぜひ「アート探検隊」を続けたいと話してくれました。

【中3】「美術」の授業見学(梅澤先生)

2月16日(水)3限目、中学3年3組の「美術」の授業(梅澤先生)を見学しました。先週の同じ時間に授業見学した「篆刻(てんこく)」の続きです。今日も、校長室の頭上の美術室から響く「金づち」の音に誘われました。

前回、紹介した「ウサギ」と「ニンジン」の印章は、紙やすりを使った「表面の仕上げ」の段階に入っていました。

他にも、力作がたくさんありました。





こちらも、表面がつるつるに磨かれていました。
何となく、イースター島のモアイ像を連想しました。

こちらは、金づちの力強い音が特徴的です。


表面をギザギザに削り取っています。

おそらく、この「金づち」の音で、1階の校長室から呼び寄せられたことを確信しました。

予測不能のギザギザ感が、この作品の持ち味だと思います。荒削りではありますが、地中から噴出するマグマのような力強さを感じました。






前回の授業で、最も気になっていたオブジェが、その全貌を見せてくれました。中央の部分が見事に切り離され、自由に動くようになっていました。さらに、磨きをかけて球状に仕上げていくそうです。
動画→ 篆刻(動くオブジェ)

他にも、独創的な作品に挑戦しています。パソコンの画面に写っているのは、空中に飛び跳ねているイルカです。イルカがボールにタッチしている瞬間を造形しようとしています。なかなかのチャレンジャーです。


こちらは、前回紹介した「四分音符」です。かなり苦戦しながら頑張っています。


「ニワトリ」を削り出そうとしています。それぞれに独自の世界が広がっています。


こちらは、「毛むくじゃらな何か」だそうです。


何を作ろうかと考えながら削り出しています。




家で進めてくる生徒もいるので、進捗状況には差がありますが、共通するのは、なんだか楽しそうにやっていることでした。中3生は、卒業までにあまり授業時間は残されていませんが、中学生最後の作品です。この後の展開も楽しみにしています。

【中2】「クエストカップ2022全国大会」出場

2月19日(土)、実在の企業を題材に、答えのない課題に取り組む「クエストカップ2022全国大会」がオンラインで開催されます。全国31都道府県の154校、4098チームから、企業探究部門「コーポレートアクセス」の優秀賞144チームの一つに、附属中の1チームが選ばれました。初めての参加で全国大会出場は、快挙といってもいいでしょう。よく頑張りました。

選ばれたのは、中学2年生の堀田太貴君(2-1)、金谷祐希君(2-2)、前泊慶也君(2-1)、土橋虎太朗君(2-1)の4人グループ(チーム名:team  progressive )です。

彼らは「テレビ東京」にインターンし、ミッションに取り組みました。「テレビ東京」のミッションとは、「もう一人の自分」との出会いから世界が始まるテレビ東京のプロジェクトを提案せよ! というものでした。

このミッションに対して、彼らは「センスが世界のヒーローに」というタイトルの作品に仕上げ、7分間のプレゼンをオンラインで行いました。なお、「コーポレートアクセス」は、本校の中学2年生が「総合的な学習の時間」を活用して、全員が取り組んでおり、12月22日に実施した成果発表会の様子は、オンラインで保護者にも配信しました

インターン先の企業は、全部で以下の12社です。
Adecco Group、カルビー、大正製薬、大和ハウス工業、テレビ東京、博報堂、パナソニック、フォレストアドベンチャー、富士通、三菱地所、メニコン、吉野家ホールディングス、といった日本を代表する大企業ばかりです。

「クエストカップ2022全国大会」に出場できるグループは、成果発表の際の資料(パワーポイントと台本)を元に審査されました。

その結果、「テレビ東京」にインターンした堀田君たちの班が、同じく「テレビ東京」にインターンした全国の数多くのチーム(中高)の中から、全国大会に出場できる「優秀賞」12チームの一つに選ばれました。受賞の知らせを先生から聞いたときは、嬉しいと同時に、驚いたそうです。

クエストカップ2022.pdf

「クエストカップ2022全国大会」出場校一覧

2月19日(土)は、1st STAGE として、オンラインで、「テレビ東京」の優秀賞12チームのプレゼンが行われ、企業賞、準企業賞が各1チーム選ばれます。
さらに、後日、2nd  STAGE が開催され、12の企業ごとの、企業賞、準企業賞、合わせて、24チームで、決勝大会が開催され、グランプリ、準グランプリ等が決定します。

なお、審査基準は、以下の5項目です。
調査力(調査すべき項目について、きちんと調べているか。)
独創性(チームの主張に独自の見方・考え方はあるか。)
論理性(発表の内容は筋が通っているか。納得がいくか。)
探究力(自らの力で答えを求め、より深く追究しているか。
表現力(表現はわかりやすいか。発表資料に工夫はあるか。) 

2月19日(土)の全国大会では、学校からオンラインで参加します。
チームリーダーの堀田君は、このチームの持ち味であるチームワークで頑張りたいと話してくれました。応援しています。

【高2】「世界史」の授業見学(岩田先生)

2月10日(木)3限目、高校2年2組の「世界史」の授業(岩田先生)を見学しました。授業は、イギリスとフランスの「百年戦争」についてでした。後半には、ジャンヌダルクも登場し盛り上がっていました。

岩田先生の授業は、教科書やプリントをベースに資料集を駆使して、考えさせながら進んでいます。生徒たちは、そのような進め方にはまっていて、プリントや資料集を自分が使いやすいようにカスタマイズしています。





後から見た時に、わかりやすいように工夫しています。





授業では、資料集を使って、考えさせる問いかけをしていきます。

例えば、イギリスとフランスの武器の違いによる戦い方の違い。


例えば、家系図から読み取れること。また、地図から考えることも重要です。
当時の地理的な情報や家系図から、百年戦争の背景が見えてきたりします。こうした資料からの読み取りは、これから求められる資質・能力でもあり、「共通テスト」でも重視されています。


そして、百年戦争の末期、フランスの敗色が濃くなってきた時に「ジャンヌダルク」が突如あらわれました。

ジャンヌダルクは、16歳の時にシャルル7世と謁見し、17歳でオルレアンを奪還、フランスの勝利へと導き、19歳でイギリスで火刑に処されました。このわずか数年間の出来事から、百年戦争を俯瞰したり、世界史を動かした生身の人間を感じたりしていました。
世界史の授業では、重要な語句や年号を覚えるのも大切ですが、過去の歴史を学ぶことは、人間という生き物がしてきたことを知り、これからの社会を考える上でも役に立つことを、授業を見学して改めて思いました。

【中1】「国語」の授業見学(北堀先生)

2月10日(木)2限目、中学1年1組の「国語」の授業(北堀先生)を見学しました。単元は、自分を見つめる/随筆二編、「」と「えんぽう」の2つの随筆を読み味わいます。

ハンカチを「ひらひら」と落としてみました。

この単元は「事物や情感を表す語句や表現に着目して読み、語感を磨く」こと、「場面の展開や描写を基に、筆者の考えや思いを捉える」ことが目標とされています。

授業では、「空」という随筆に出てくる「ひらひら・ひらひらと」が、「ひらひらと」と1回だけ言う場合とどう変わってくるのか、そして、随筆「えんぽう」では、「えんぽう」「エンポー」と書き方が変わると、どのように感じ方が変わってくるのか、について考えました。

生徒たちは、まず、それぞれの考えをプリントに書いていきます。

近くの人の意見も聞いてみた後、指名された何人かの生徒が、自分の考えを黒板に書いて発表しました。


「ひらひら」がどんな場面で使われるか、みんなで考えています。
北堀先生のハンカチだったら、どんな落ち方をするでしょうか。

外は、雪が降っていましたが、この降り方だったら、どんな表現がふさわしいのかも考えています。


そこで、改めて、「ひらひら・ひらひらと」と2回繰り返されると、どんな感じになるかを考えました。


また、「えんぽう」と「エンポー」では、それぞれの語感を伝えるためには、どんな発音をすればよいか、実際に声を出して、確かめ合いました。

こうした語句や表現の工夫について理解を深め、次は、いよいよ、筆者の考えや思いについて、話し合います。

随筆「空」では、文中で出てくる「風花」ではなく、「空」という題名を付けたのはなぜかをそれぞれが考え、近くの人と話し合いました。

そばで聞いていると、「風花は、空を見上げるきっかけにすぎず、伝えたかったのは、見上げた先にあった空だったから」といった説明をしていました。なるほど、と思いました。

こういう活動は、みな大好きなようです。

北堀先生の授業では、読み深める活動が、個人→近くの人→クラス全体、という風に、共感の輪が広がっていきます。背伸びをせず、自分たちが確かに感じられる感覚を大事に拾い上げていくことで、自分自身に置き換えながら、理解が深まってきているように感じました。

【高1】「現代文」の授業見学(松浦先生)

2月10日(木)1限目、高校1年1組の「現代文」の授業(松浦先生)を見学しました。岩井克人「経済の論理/環境の倫理」という評論の授業で、1月31日(月)に見学した授業の続編です。

廊下を通ると、大勢の生徒が黒板で何かをカリカリ書いているような音がしていたので、興味を持ちました。

この評論文の読解も進んできており、この時間は主に読み取ったことをどのように表現するか(アウトプット)に重点が置かれていました。授業は、毎回配られる「読解プリント」により進められています。

授業プリントでは、「倫理」を否定することから出発した経済学が、環境問題に関しては「再び呼び戻す」ことになったのはなぜか。文中の言葉を用いてわかりやすく説明せよ。という問いに対して、生徒はそれぞれ自分の考えを書き込んでいきます。


次に、近くの生徒同士で、自分はこんなふうに書いた、ということを説明し合います。


その後、指名された生徒は自分の答えを黒板に書いていきます。


松浦先生は、ここで説明する際に必要となるキーワード的なものを一つ一つ確認していきます。5人の生徒が書いた文章の中から、該当する部分にアンダーラインを入れていきます。生徒は、5人の指名された生徒が、どのように表現しているかを比較することができ、同じことでもこういう表現の仕方がある、ということを瞬間的に理解することが出来ます。


同様に、いくつかのキーワードが、文章のどこに、どのように書かれているかを内容ごとに番号を付けて示していきます。これらを見ると、自分の文章では、どこが不足していて、どのように書くとわかりやすいかを実感することが出来ます。

このような授業の進め方は、オンラインでも可能なのかもしれませんが、リアルタイムで対面で進めることで、より効果を発揮できるものではないかと思いました。


ここでは、「黒板に書いてくれた大門君の書いた文章は超絶素晴らしい。自分でもこんな風には書けない。」と松浦先生から大絶賛されていました。




さらに授業は、プリントに示された2つ目の問いへの考察へと移っていきました。

その間、生徒が書いたものを机間巡視しながら、アドバイスしたり、良く書けているものを紹介したりしていました。


このように、「評論文の読解」という内面的な作業を、「ともに学ぶ集団」の中でしか得られない付加価値を感じられる授業にしているところが、超絶素晴らしいと思いました。

【中3】「国語」の授業見学(石塚先生)

2月9日(水)3限目、中学3年2組の「国語」の授業(石塚先生)の後半を見学しました。「君は『最後の晩餐』を知っているか」と「『最後の晩餐』の新しさ」という2つの文章を比べて読む、という授業でした。




「最後の晩餐」という壁画は、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品です。

この作品を巡って、藤原えりみ(美術ジャーナリスト)が「『最後の晩餐』の新しさ」、布施英利(美術評論家)が「君は『最後の晩餐』を知っているか」という評論を書いています。二人は、同じ作品を対象に、それぞれ別の視点から、その魅力を解き明かしています。

授業では、2つの文章を読み比べ、それぞれのテーマや着眼点、表現の特徴、共通点などの観点ごとに比較しています。

まずは、班ごとに読み比べを行い、チームスを使って、表にまとめます。


次に、自分たちの班以外で、どんな考えが出ているのかを知るため、「ワールドカフェ方式」を行いました。

ワールドカフェ方式は、班員1名を残して、他の班を訪問し、他の班がまとめた成果を学んできます。残った1名は、他の班からの訪問者を受け入れ、自分たちの成果を説明します。これをすべての班が同時に実行し、最後にもとの班に戻ってきて、いろいろな班の成果を共有します。これにより、一度に多くの班の成果を知ることが出来ます。

他の班から学んできたことのメモです。




これらを班員全体で共有し、気づかなかった視点などを取り入れていきます。




このように、他の班から学ぶことで、比較することの楽しさを味わうとともに、他の班のアイディアを取り入れることで、自分たちの比較内容の完成度を高めることができます。まさに「主体的対話的で深い学び」でもあります。




他の人のいろんな考えを知ることで、多様性を実感しています。


また、比較することで、文章を読み解く力が付いてくることを生徒自身も感じています。全員が集中して取り組んでおり、その中に楽しさを感じていることも伝わってきました。

もちろん、一人1台パソコンを最大限に有効活用していることも、授業の成功の要因です。こういう授業を受けてみたい人は、たくさんいると思います。