生物生産科より

生物生産科より

果樹便り(3年課題研究)

1学期期末試験も終わり、今週から通常授業が再開しています。

生物生産科3年生の[課題研究]という授業ではそれぞれ専攻に分かれ、自分たちで課題を見つけ、解決できるよう実験や実習に取り組んでいます。
果樹専攻生(6名)は今年度、次のような取り組みをしています。

ナシに関すること
 ①植物ホルモン(ジベレリン)の活用改善に関わる研究
  →生産性の向上
 ②見て楽しい果実の形を変える研究
  →付加価値
 ③GLOBAL G.A.P.認証に向けた継続研究
  →安心・安全な農産物

ブドウに関すること
 ①種子の有無による違いと種子有りブドウの付加価値に関わる研究
  →生産性の向上・付加価値

                  [ブドウを調査している様子]

普段の栽培管理を行いながら、以上のような研究を進めています。
3月~5月の休校期間があったため、思うようにできないこともありますが、3年間学んだ知識や技術を生かし、自分たちができる研究に励んでいます。また、研究自体は1人~2人でテーマを決めていますが、調査や実験は全員で取り組み、協調性も身についています。
結果がどう転ぶかわかりませんが、失敗を恐れず、さまざまなことにチャレンジさせていきます。

果樹便り(ブドウの袋掛け)

【ブドウのようす】
 ブドウの摘粒も順調に進み、1粒1粒の大きさも大きくなり、房としてよい形に成長しています。梅雨になり、天気が不安定な中でしたが、袋掛け前に薬剤を散布し、6月22日(月)の実習から[ブドウの袋掛け]を行っています。

[ブドウの袋掛け]とは…
 雨滴伝染性の果実病害を軽減させたり、農薬散布による果実汚染の回避、害虫を物理的に防除、裂果防止、鳥害防止、日焼け防止、外観品質の向上等を目的に実施します。できるだけ早く実施した方が病気のリスクは防げますが、袋掛け直後に日中30℃以上の高温が続いてしまうと日焼けが多発する原因となりうるため、実施時期をよく見極める必要があります。

本校では来週の6月30日(火)から第1学期期末試験となり、実習が1週間できないため、テスト前に袋掛けを実施しています。


        [袋掛けをしているようす   生物生産科果樹専攻生(3年)]


       [袋掛けする前]                 [袋掛け後]

果樹便り(ブドウの摘粒)

ブドウのジベレリン処理も終わり、現在は[ブドウの摘粒]を実習で行っています。
[摘粒]とは…
 1房あたりの粒数を制限することで、果粒の大きさを揃え、商品価値を高めるために行う作業のこと。小果粒・不整果粒や果房の内側にある果粒を取り除く作業。

1房1房を丁寧に行っています。本校のピオーネは1房25粒を目安に調整しています。秋に黒々と大きなブドウになるよう、生徒達と共に管理作業に励んでいます。


  [摘粒しているようす]         [摘粒前]           [摘粒後]

vegetable times(トマト)

トマト収穫が6月に入ってから最盛期を迎えてきました。 
       
収穫したトマトを、調整し、袋詰めしていきます。                                                                                                 
         
袋詰めが終わったら、バックシーラーという道具を使って、袋の口を閉じていきます。                                                                                                                                                                                 
  
左の写真は、バックシーラーを使って口を閉じているところです。
右の写真は、完成品です。
その後、出荷するために箱詰めを行います。

1箱に10袋づつ詰めていき出荷します。

生徒が実習の中で収穫から調整を、愛情を込めて行っています。

果樹便り(ブドウのジベレリン処理)


6月1日(月)に3年生の課題研究で果樹専攻生が、2年生は総合実習で2班の8名が【ブドウのジベレリン処理】を行いました。

[ジベレリン処理]とは
…植物ホルモンの一つであるジベレリンをブドウの開花後、浸漬させることで【無核化(種なし)】【肥大化】にすることができる。本校では2回処理を実施している。

専用のカップを使い、果房一つ一つを丁寧に浸漬することができました。
通常授業が再開され、例年とは違う雰囲気での実習となりましたが、生徒達が愛情込めて作業をしてくれたことがとても嬉しく感じました。

秋に立派なブドウの房となることを願っています。


          [ジベレリン処理をしているようす]


 [ジベレリンを浸漬しているようす]        [浸漬後のようす]

分散登校1年(生物生産科)


5月29日(金)は1学年の登校日です。
3年生・2年生と同様、少しずつですが、授業が再開されています。生物生産科では高校に入学して初めての専門的な授業である[草花][作物]を行いました。

[草花]
 草花の導入として春の花壇苗を中心に学習しました。マリーゴールドやベゴニア等の色や形、香り等をレポートにまとめました。

                 [花壇苗の観察とほ場見学]

[作物]
 コメやトウモロコシの水田・畑を見学し、実際にコメの苗の観察とスケッチを行いました。

           [田んぼの見学とイネ苗のスケッチをしているようす]


専門的な授業が始まり、生徒たちも笑顔で取り組んでくれました。
6月1日から本格的に授業が開始します。
[草花]や[作物]以外にも[農業と環境]や[農業情報処理]等の専門科目が始まりますので、ぜひ頑張ってもらいたいと思います。

分散登校2年(生物生産科)

5月28日(木)2年生の分散登校があり、3年生と同様、少しずつ授業が始まりました。

本日の2年生の授業は[総合実習]です。
総合実習とは、生物生産科で学ぶ基本となる5分野(作物・草花・野菜・畜産・果樹)に関する実習を少人数(8人)で行う授業のことです。
1年生時には農業の授業はクラス単位で実施していましたが、より専門的に学べるよう総合実習は少人数で実施しています。

オリエンテーションとしてすべての部門を周り、実習をする上で大切なことをレクチャーしました。2年生は農業学習の難易度が少しずつ上がり、実習の内容も難しい・大変な作業も増えます。いち早く3年生に追いつけるよう、日々の学習を頑張ってもらいたいと思っています。


  [野菜:イチゴ温室 草花:マリーゴールド・シクラメン等温室を説明しているようす]

花ごよみ

 今日はベゴニアの花を紹介します。
 ベゴニアはシュウカイドウ科の植物で、たくさんの種類がありますが、
 学校で栽培しているのは、ベゴニア・センパフローレンスという種類です。
 花色は赤・白・ピンクの3色です。
 
 草花の種は非常に小さいものが多く、指でつまんでまくのは困難です。
 ベゴニアも同様で、学校では、播種機を使ってセルトレイに播種しています。
 
     セルトレイ                播種機

  セルトレイで育苗後は、3号ポットに鉢上げをします。
  鉢上げして、根が落ち着いた頃に追肥や薬散などをして、開花まで管理します。
 今年も、キレイに咲きました。
 
   鉢上げ途中のセルトレイ       鉢上げ後2週間          現在の様子

果樹便り(生徒たちのようす)

5月27日(水)は3学年の分散登校でした。
授業も少しずつ始まり、生物生産科では[課題研究]という授業を行いました。
課題研究とは自分でテーマを決め、実験や実習を行い、研究結果をまとめて発表をする授業です。果樹ではナシやブドウについて研究します。休校期間が長かったため、具体的なテーマはまだ決まっていません。そのため、今日の課題研究は[ブドウの整房]を行いました。

久しぶりに生徒たちが実習服に着替え、果樹園へ来ることができました。
これまでやるはずだったのに、できなかった作業や学習。ソーシャルディスタンスや道具の消毒等を行い、少しずつですが、挽回できるようこれからも指導していきます。


      [ブドウの整房をしているようす]

マスクを着用し、1m以上離れて作業をする等、制限はあるものの生徒たちは久しぶりの実習を笑顔で取り組んでくれました。
新型コロナウイルスや熱中症に負けず、6月からの本格的な授業にも頑張ってもらいたいと思います。

果樹便り(ナシのようす)

5月もまもなく終わります。現在のナシのようすを紹介します。

予備摘果が終わったナシはぐんぐん成長しています。
現在では直径4~5cm程度まで大きくなりました。

                   [ナシ園を見上げたようす]

このあと本摘果を行うことで、より一層成長していきます。

8月中下旬には幸水、9月には豊水、10月以降もさまざまなナシが収穫を迎えられるよう、休校明けも生徒達と管理作業に励んでいきたいと思います。

vegetable times (イチゴ)

本日は、本校で栽培しているイチゴについて紹介したいと思います。
本校では、親株から子株を増やし、定植に向けて準備しています。
  
上記の写真はプランターに植えた親株からランナー(ひものような茎)を伸ばして、子株苗を増やしている写真です。

  
イチゴの花の写真です。
現段階では、親株から咲いたイチゴの花は取り除いてしまいます。
理由は、花に栄養が行ってしまうと子株苗に行く栄養が取られてしまうからです。

この後も、定植までには「畑準備」「ランナー切り離し」「子株苗の育苗」などの様々な作業が入ってきます。

今後の様子も「vegetable times」にて発信していきます。

果樹便り(ブドウの整房)


ブドウの第2果穂摘みも終わり、現在は[房づくり]の一つである【整房】という作業を行っています。

【整房】とは?
 生理障害である「花振るい」の防止や花(果)穂の形を整えるために行う作業で、花穂を小さくする(花らいを少なくする)作業のこと。


    [整房前]               [整房後]

この作業により、おおまかな房の形が決まった上で、ブドウの花を咲かせ、結実していきます。
果粒1粒1粒が大きく成長するためにも大切な作業になります。また、花が咲く前にやらなくてはならない、時間との勝負の作業でもあります。

このあとブドウは[ホルモン処理]や[摘粒]、[袋掛け]等の作業をしていきます。ナシは[本摘果]等の作業があります。また、ナシやブドウの大きさもどんどん変化していきます。その様子も今後お知らせしていきますので、ぜひご覧ください。

バック・トゥー・ザ・畜産


本校畜産部門には乳牛(ホルスタイン種)、肉牛(黒毛和種)、豚(ハイブリッド)がおり、毎日の飼育管理をはじめ、牛乳や牛肉、豚肉の生産をしています。

今週は牛たちが食べる牧草の収穫作業をしました。
牧草にもさまざまな種類があり、本校では「イタリアンライグラス」というイネ科の牧草をメインに栽培しています。
刈り取りから収穫までにはさまざまな工程があり、使う機械も多種多様です。

これが出来上がりの様子です。↓



近所で見かけることがある白いマシュマロのようなもの。あれは牛たちのエサなのです。
サイレージといって、牧草を乳酸発酵させたもので、年間を通して食べるエサです。


~作り方~
①モアを使って牧草を刈り取る。
②テッタで刈り取った牧草を散らして適度に乾燥させる。
③レーキで散らした牧草を筋状にまとめる。
④ロールベーラで牧草を収穫し、円筒状に巻く。
⑤ラッピングマシンでラッピングをして出来上がり♪

これでおいしいおいしいエサができるんですね!
牛たちはホントにおいしそうに食べてくれるので、食べてみたことがあるのですが、乳酸発酵しているので、若干酸味があります。
人間が食べるとおいしいと感じるものではなかったです・・・。

今後もお楽しみに!

vegetable times(トマト管理・ネギ定植)

今回のトマト管理は、葉かきについて説明します。
葉かきとは、病気対策のために、余分な葉っぱを取り除き通気性をよくするために行
う作業です。
                                
         
      before                     after

今日は、ネギの定植を行いました。
まずは、ネギの定植を行うまでの工程を説明します。
     
  
まず、溝堀機(溝を掘る機械)を用いて、20㎝〜30㎝程の溝を掘ります。
     
次に機械を使って定植を行っていきます。苗を植える溝を掘り覆土までできます。        
  
機械を使って20列定植を行いました。

これからも引き続き「vegetable times」にてお伝えしていきます。

さくもつのしらせ(田植え)

5月13日(水)から水田の田植えが始まりました。
水田は全部で208aあります。
 ※1aは 100 m²のことです。
田植えの様子
   
 

田植え後除草剤を散布します。
 

秋の収穫が楽しみです。
本校水田はGLOBALG.A.P.を取得しています。
G.A.P.(ギャップ) とは、GOOD(適正な)、AGRICULTURAL(農業の)、PRACTICES(実践)のことです。
日本語では適正農業規範とも呼ばれ生産者みずから農作業の計画を立て作業内容を点検し、記録を残してそれをもとに作業改善などを行う農業生産工程管理のことです。GLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)認証とは、それを証明する国際基準の仕組みを言います。

これからの作物のようすは「さくもつのしらせ」でお知らせしていきます。

果樹便り(ブドウのようす・第2果穂摘み)



ブドウのようす

本校果樹園にはナシ園のとなりにブドウ園が隣接しています。
ブドウの栽培品種は「藤稔(ふじみのり)」と「ピオーネ」です。

【4月から5月中旬までのようす】を紹介します。

4月に芽から新梢が発生しました   ぐんぐんと成長していきます   今ではブドウの房となる蕾がいっぱいです。

ブドウは4月になり、芽から新梢が発生します。新しい枝から花穂が発生し、花が咲くことで受粉し、房となります。
品質を良くするためにはブドウもナシと同じようにすべての花(果)穂を残すわけにはいきません。
そこで現在は第2果穂を摘み、良質なブドウ生産を目指しています。


【第2果穂摘み(摘穂)】
○摘穂とは?
 摘穂は果穂を根元から切り落とすことをいいます。開花前に行う作業であり、はやい時期に行うことで養分消費を抑えることができ、品質が向上する。本校は新梢1枝に対して第1果穂のみを残して栽培しています。



残された第1果穂はこのあと、「整房」・「ホルモン処理」・「摘粒」を行うことで皆さんがイメージするブドウの房の形になっていきます。

季節や時期に合わせて管理作業をしなければ良いものは生産できません。休校が明けて授業ができるようになったときに、より良い形で実習ができるよう先生方で毎日管理作業に励んでいます。
休校が明け、授業が再開したときにここまでの様子は授業をしていきます。ぜひ楽しみにしていてください。

今後も果樹園の様子を[果樹便り]をとおしてお伝えしていきます。
ぜひお楽しみください。

花ごよみ

 
 北陵高校草花温室で栽培している草花をご紹介します。

 現在、最盛期を迎えているのは春~秋にかけての花壇苗です。
 まずは、今年度より新規で作付けしたペチュニアを紹介します。
 ペチュニアはナス科の植物で、小輪~大輪系、八重咲きなどの咲き方や
 花色が豊富なため、とても人気のある草花です。
 2号温室には、ペチュニアの甘い香りが漂っています。
     

 ペチュニアの楽しみ方の定番は寄せ植えです。
 長く楽しむためには、花柄摘みをすると良いです。
 咲き終わった花を摘むだけでも、より美しく見え、病気を防ぐこともできます。
 少しベタベタしますが、手入れをして長く楽しみたいものです。

 

vegetable times(トマト管理)


昨年度の2月に定植を行った中玉トマト(フルティカ)の収穫が始まりました。
 
まだまだ最盛期とまではいきませんが徐々に増えてきました。
簡単ではございますがトマト管理について紹介いたします。


週2回程度芽かきと誘引(ゆういん)を行います。

赤い丸が脇芽(わきめ)です。
脇芽を取り除かないと実に栄養が十分に行き渡らないことや、混み合ってしまい病気や害虫の発生の原因にもつながってきます。
誘引は、管理しやすくするために主枝を上から吊した紐に専用の留め具で整枝していく作業です。

続いて受粉について説明します。
本校ではトマトを受粉させるために、蜂を導入しています。
その蜂の名前はクロマルハナバチです

写真はクロマルハナバチが花粉を集めているところです。
性格は温厚で、毎日お仕事頑張ってくれています。

以上が主なトマト管理になります。
本校の野菜部門では、様々な種類の野菜を栽培しています。その様子を「vegetable times」でお伝えしていきたいと思います。

作物部便り(田植えの準備)


今年度のコメ栽培が始まりました。
コメ栽培はまず、下の機械で種子消毒と①浸種・②催芽を行います。
方法は消毒のすんだ種もみを発芽のそろいをよくするために水温10℃程度で7日程度水につけ吸水(浸種)させます。
十分に水分を含んだ種もみを32℃の水温に24時間つけいっせいに発芽させる(催芽)。芽が1mm以下の状態(はと胸状態のもみ)になると播種に適した種もみもみになります
      
          <浸種・催芽機>             <催芽後芽が1mm以下の状態(はと胸状態のもみ)>
浸種・催芽後、4/21に播種行いました。
  
        <播種機>
~育苗期間中~
 育苗期間中は苗の調子を見ながらかん水などの作業を行います。
   
   

育苗期間中に水田の準備を行います。
まず、生育に必要な肥料を下の写真を機械(ブロードキャスタ)で散布します
          
        <ブロードキャスタ>肥料入れ            <ブロードキャスタ>肥料散布
散布後はロータリで水田を耕し、水田に水を入れます。
水田に水がたまったら「しろかき」という作業になります。
  
     <しろかき作業>
しろかきとは水田の砕土と共に土壌を均平にし、田植えの作業を容易にする。また水田の漏水(水持ち)をよくする効果がある。

これで田植えの準備は完了です。真岡北陵高校の田植えは5/13から始まります。

果樹便り(ナシの予備摘果)


本校のナシ園には「幸水」「豊水」「あきづき」「新高」「にっこり」等の品種が栽培されています。
4月に花が咲き、ミツバチが受粉することで結実(実がなる)します。
4月も終わりを迎え、現在は[摘果]という作業をしています。
今日は本校での予備摘果を紹介します。

○摘果とは?
 結実後に果数を少なくすること。樹の大きさや樹勢に応じた結実をさせることで安定した生産と果実の発育や品質を向上させるために行う。

○摘果の種類
 摘果にも時期ややり方により、大きく3つに分けられます。
 ①予備摘果
   花芽1つに6~9個の花が咲きます。(「花そう」という)
   花そう毎に数を少なくすることを予備摘果といいます。
   本校では花そう毎に1果を残します。


 ②本摘果
  1枝に対して葉数や枝の大きさにより個数を決め、果実を残します。

 ③補正摘果
  成長の様子で果実数を調整します。

残す果実のポイント
 ①大きくて形が整っていること。
 ②病害虫や傷がないこと。
 ③着果位置・着果場所がよいこと。等

 ※アンダーラインがポイントです。
  生物生産科の2年生は休校中の課題や再開後の授業にも関係しますので、よく覚えていてください。


 現在もナシは太陽の光をいっぱい浴びて順調に育っています。予備摘果が終わり、本摘果も終われば、果実はグングンと大きくなります。これからも果樹便りをとおして果樹園の様子をお伝えしていきます。